ケンブリッジ英検に挑戦 - 口答試験が終わった
26 May, 2002
終わったものの、後味が...
うーん。なんだかなあ。手応えも何もあったもんではない。何しろ、初めて受けたもんだから「ああ、こんな風にやるんだ。」と思うことに終始した試験だった。同時に、先生(この試験のために1年間の準備コースを受講している)がもっと詳しく試験の進め方や傾向を教えていてくれたらなあと思うことしきり。
試験は実力を試すものではあるけれども、出題形式というものがある限り、その傾向や、出題者の意図というものが存在する。それらを踏まえた対策をすれば、より高得点が取れるのだ。いわゆる「傾向と対策」である。偉そうに理論を述べているだけのように聞こえるかも知れないが、これは私自身経験したことである。
日本で英会話スクールの教師をしていたとき、600点以上が対象の TOEIC のクラスを教えていた。いろんな教材がある中で、私は自分のクラスではもっぱら模擬試験を教材として使用した。理由は簡単である。それが実際に受ける試験と同じ形式だからである。問題で問われている内容は、文法だったり語彙だったり読解力だったり発音だったりするが、それはその都度わたしが生徒に解説すればいいことだし、彼らが自分で勉強できることでもある。まあ、600点以上を目指すのであればそもそもある程度の力はあるはずだから、出題者の意図とトリック、期待される解答とその理由を明確に説明し、生徒が問題形式に慣れる方が明らかに得点の伸びにつながるのだ。
クラスの準備のために私自身が問題を解く。生徒への解説のために、ポイントを拾い出す。クラスで説明する。1つの問題に3回目を通すことになる。これを毎週やると、いやでも出題の意図が透けて見えてくるし、パターンごとに分類までできるようになるのである。年に2、3回は自分でも受験していたが、集中すればリスニングは満点がとれたし、リーディングも高得点が取れた。要するに「慣れ」の問題だ。だから、もし今 TOEIC を受けるとすると、悲惨な結果になることは間違いない。
このことを考えると、今回初めて受けたケンブリッジ英検で高得点で合格することは絶対にないとさえ思えてきた。結果を知る前に、もう、言い訳か?しかし、考えてみると、今回受ける(口答試験は終わったが、3週間後に筆記がある。) CPE は英検で言う1級だ。これより上のレベルはない。そんな試験に傾向と対策もせずに「A」なんかで受かってしまったら、権威あるケンブリッジ英検の権威がどこかに行ってしまうのではないか。そもそも、世の中そんなに甘くない。一度はたたかれたほうがいいのだ。ああ、また12月に受けることになるんだなぁ。8月にロンドンに行くから、そのときにテキストを山のように買ってこよう。どうせドイツの冬は暗くて寒いから閉じこもって勉強するにはもってこいだ。Humph!
口答試験傾向と対策
これから受ける人のために、私自身の次回受験の対策のために、ケンブリッジ英検 CPE の口答試験の形式を記録しておく。
2人、または場合によっては3人が同時に受験する。
部屋に案内されると、コートや荷物をその辺に置くように言われる。不要なものは一切身近に置かないようにということなのかという印象を受けた。中央に小さなテーブルがあり、周りに椅子が3つ置いてある。2つは受験者がちょっと向かい合った感じの隣り合わせに座る。テーブルを挟んで向こう側には試験官が座る。試験官は、質問を各受験者にふりながら、進行をコントロールするだけで、採点は部屋の隅に座った別の人がやる。(私たちの場合は、真後ろにいた。そのほうが視界に入らなくて実際よい。)
試験官はさすが、穏やかな印象の、緊張感をやわらげてくれるようなひとであった。一方、採点者はこちらがにこやかに挨拶してもあくまでポーカーフェイス。(性格かもしれないが。)
まず、写真と5行程度のパラグラフの載った紙を渡された。ははあ、これが例の何が出てくるか分からない「写真の内容について述べよ」問題だな。しかし、いきなり写真について話をしろというわけではなくて、受験者同士の簡単な自己紹介のような small talk で始まる。さすが small talk の国だ。A cup of tea があれば完璧じゃないか。5分くらいそんな話をして、試験官は「じゃあ、アイリスは1番の写真を見て、ヒサコは3番の写真を見て。」と試験を進める。別々の写真でも、共通のテーマがあり(例えば真実だとか、フィクションだとか)、それに沿って試験官は「この写真の中でどういうところに○○○(テーマ)が見られると思いますか?」と質問をする。なんだ、いきなり「さあ、述べよ。」といわれると思って警戒していた私は、ちょっと拍子抜けした。アイリスが話しているとき、私は話をきちんと聞くべきかそれとも私の写真を見て何を話すか準備しておいてもいいのかと考えた。結局、ちらちら自分の写真を見ながらアイリスの話も上の空にならない程度に聞いておいた。「じゃあ、ヒサコは3番の写真の中で...」と同じような質問をされたので適当にしゃべりはじめた。試験官は私がしゃべっている内容についてわりと突っ込んで質問をしてきた。「あなたもそうしますか?」とか、「日本でもそうですか?」とか。ははあ、一人でベラベラしゃべるわけじゃないんだな。なんだ。
クラスの先生は、こういうことをちゃんと教えてくれなかった。「この写真を見て。どう思いますか、ヒサコ。」といきなり訳の分からん写真を与えて、さあ、話すのはあなたよ、と言わんばかりにおしゃべりの彼女が口をつぐんだ。もちろん、私は言葉がでてこない。眼鏡をかけた男性が写っている。思い浮かぶことは、これは私のタイプではないなとか、イギリス人ってハゲが多いなとか...そんなのばかりである。先生は「Don't
keep quiet. You've got to talk.」そう言われても...。「But
you can't talk rubbish, can you?」 私は言った。
彼女曰く、話す内容については正しい意見だろうと間違った意見だろうと、または極右的意見だろうと、流暢に文法上正しく話しさえすればよいということである。しかし、アホだと思われるようなことは社会人としていくらなんでも言えないでしょう?
さて、試験は写真からパラグラフへと移る。今度は、テーマも別々のパラグラフを各自与えられた。これは、うまくやらないといけない。20秒程度の時間で読んで理解し、内容に関連したボキャブラリーを記憶の隅から引っ張り出してこなければならない。一方で、もう一人の受験者が話しているのをちゃんと聞いておかなければ、質問を振られたときに「聞いてませんでした」ではしょうがない。そうして、適当に両受験者に喋らせて時間が来たら「はい、終わり。」
20分程度の試験時間の流れとしてはこんな感じだ。試験官は限られた時間内に、チェックするための課題を全て含まなくてはならないので完全に流れをコントロールする。こちらが話し始めて調子が出てきたところに、いきなり切って次に進んだり、終わらせたりなど、容赦なくやってくれるので、口を開いたらボキャブラリーを巧みに操ってどんどん喋りだすのがいい。(と、今になって分かってもなぁ。)
何が採点の対象になるのか。うーん。それが一番知りたい。分かっているのは、流暢さ、正確さ、表現のレベル(ちょっとは難しい表現も使いこなせなくてはいけない)。アクセントは?フォーマルな表現のほうが口語表現より好まれるのか?それとも適当に組み合わせたほうがいいのか?わからん。実際、この試験は暗中模索であった。でも、次回はもっとうまくやれるに違いない。
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