英語がうまいと見せかけるポイントは発音であった(母音編)


 

「きみ、英語がうまいね」と周りに言わしめるトリックは、発音です。ちょっとした発音のポイントを押さえるだけで、ネイティブスピーカーですら、いとも簡単にあなたに「うまいね」と言ってくれます。これは、まんざらお世辞でもないようです。彼ら、ネイティブスピーカーはそもそも純粋な日本人がそんなにうまい英語を喋るとは期待していないのも理由の一つですが。

「そんな簡単に英語がうまくなるはずがないんだから、またまた、そんなどっかの英語教材の広告のようなことを言って...。」とおっしゃる方、そのとおりです。これは、うまいと見せかける方法です。しかし、効き目は抜群です。なぜなら、英語に限らず、私が今苦労しているドイツ語にもあてはまることだからです。私のドイツ語なんて冗談みたいなもんですが、例えば知っている簡単な表現を素晴らしい発音で言ったとします。そうするとドイツ人はころっとだまされて「あなた、ドイツ語がお上手ですね。」なんて誉めてくれるのです。しかし、3分以上話をすると、見せかけていたことがばれますから、「やっぱりちゃんと勉強しなければ。」と必要性に迫られます。

英語を何年もやっているのに、今一つ上達しない気がする方は、ぜひ、これを読んでうまいと見せかけてみてください。ネイティブに「うまい」なんていわれると、その気になって、またまた頑張ることが出来ますから。

 


日本語の母音(ア、イ、ウ、エ、オ)にはない中間音

1.[ I ] イ と エ の中間音

標準的な辞書には必ず発音記号が記してあると思いますが、この大文字の I を小さめに書いたような発音記号がこの音です。この音を正しく発するには、まず「イ」という音を完全に頭の中から消してください。なぜなら、この音は私達日本人の耳にはどちらかというと「エ」の音に近く聞こえるからです。そして口の形は「エ」です。「イーッ」のように横に開くのではなく、「エーッ」と驚いて(たてに開いて)「イッ」と短く言ってみてください。その音です。イでもエでもない中間の音が出るはずです。

it や is そして England などは、「イット」や「イズ」、「イングランド」というよりは、「エット」、「エズ」、「エングランド」というくらいの気持ちで発音すればよいでしょう。(決して「エ」と言ってはいけません。)

少し練習してみましょう。

Bill and Hilary Clinton : ル ゥン ラリー クントゥン
Linda lives in Italy. : ンダ ヴズィン タリー
I promise. : アイ プロ
It's big. : ッツ ーッグ

注: keep や read などの伸ばす音は、はっきり「イーッ」と口を横に開いて言って構いません。よって、

Keep it.(とっときな。)は、「キーペッ(ト)」
Read it.(読みなよ。)は、「リーデッ(ト)」

のように発音します。

2.[ æ ] ア と エ の中間音

これを正しく発音するには、「エ」の口で「ア」と言います。もう少し詳しく言いますと、「アー」と言いつづけながらだんだん口を横に開いていき(この時、あごを上下に閉じすぎてはいけません。口の中の空間を十分に保ったままで。)、開いたところで口の形はそのまま、息を吸ってもう一度「ア」と言いなおしましょう。すると美しいクイーンズイングリッシュの æ の音が出ます。(米語の æ はここでは触れません。)

では練習です。下線部分がこの音です。

Harry Potter did magic. (注: did は前述の [ I ] です。)
I'm going b
ack to Japan in January.

3.[ ∂] あいまい音(発音記号は、本当は e のさかさま記号です。)

テストでよくアクセントがどこにあるかなどという問題が出されますが、そこでは残念ながら、というか、当然ながらどにアクセントがないかということは問われません。しかし、ここではこれが問題なのです。なぜなら、それこそ英語を英語らしく発音するための重要なポイントだからです。

例えば、about という単語は、a-bout のように第2音節の ou にアクセントがあります。では、アクセントのない第1音節の a はどのように発音されるのでしょうか。これはもはやカタカナでは書き表せません。「ア」でもなく、「ウ」でもなく、「オ」でもない、なんともあいまいな音です。

この音を発するには、まず、口を閉じて「ンー」と、口を閉じ、鼻から息を抜いて音を発してみてください。次に、舌の位置やのどの形はそのままで口を少し開きます。少しだけというのは、口の周りの筋肉をまったく緊張させずに、ポカンと開ければちょうど良いくらいです。そうして、また、さっきの「ンー」を口から(鼻からではなく)発します。その音は「ンー」ではなくなり、文字では表せないあいまいな音になるはずです。それを短く発した音が a-bout の a の音です。発音記号は e のさかさまで、schwa(シュワ)という名前がついています。

about の a はシュワの音。
another の a もシュワの音。
apartment の最初の a と、ment の e もシュワ。(アクセントは part の a の部分。)
before の最初の e もシュワ。よって、感覚的には「ブフォー」という発音になる。)
circus の u もシュワ。

こうして見てみると、つづりとは関係無しにシュワが現れるようです。


以上の3つの母音を出来るだけ正しく発音することにより、かなり英語らしく聞こえるようになるでしょう。機会があればネイティブスピーカーの発音をチェックしたり、カセットを聴くときもこの3つの発音に注目して聴いてみたり、また、真似して言ってみたりしてください。

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