あげる
「はい、ルック」
彼はデュナン城に来る度に、何かを持ってくる。
それは一輪の花だったり、きらきら光る石だったり、大したものではないのだけれど。
「あげる。」
そう言って、笑顔とともに、ぽとりと手のひらに落とされていく品々。
「はい、ルック」
今日のおみやげは肉まんです、とシキは笑いながら、湯気の上がる肉まんを僕の手に乗せた。
「・・・あんたの分は?」
「買ったときに食べた。食べてすごくおいしかったから、ルックにもと思ったんだ」
それをあたたかいまま、この城に持ってくるのは、きっと容易じゃない。
ぱかりと、肉まんを二つに分ける。
「半分、あげる。・・・元々あんたにもらったものだけど」
シキは一瞬ぽかんとして、それからひどくうれしそうに手のひらを差し出した。