| 信じる
ジョウイから、ハイランド王国から、講和の申し出があった。
喜びの声も警戒の声も上がった。
「僕は、行きます」
そう言った時、みんなは一気にざわついた。
「確かに罠の可能性もあると思います。それでも僕は、ジョウイを信じたい」
「わかりました。その代わり、腕に覚えのある者を数名必ず連れて行ってください」
苦いものでも食べたような顔で、シュウさんはそう言った。
腕に覚えがある人、マクドールさんをトランまで呼びに行った帰り道。
事情を簡単に説明して、それからしばしの沈黙。
静かに、ただ地面を踏む音と呼吸の音だけが聞こえる。
「言っちゃ悪いけど、8割方罠だと思うよ?」
ゆっくりとマクドールさんが口を開いた。
「マクドールさん、そんなにあっさり言わないでくださいよ」
「ユノスが信じたいのもわかるけど・・・」
「はっきり言うと、僕は信じてるんじゃないんですよ」
そう言うと、マクドールさんは驚いていた。
「ただ、ジョウイを信じてると信じてるんです」
「それは、信じたいと思ってる、ということで良いのかな?」
「ちょっと違うんですけど、そんな感じです。マクドールさんは、ルックのことを信じてますか?」
「・・・ユノスの言った答えと同じだよ」
「そういう事です」
「そんな風に言われると、もう何も言えなくなるじゃないか」
僕らはちょっと笑って、それからまた沈黙のまま道を歩いた。
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