天体観測

 

今日は流星群の日です!と、張り切ったユノスが城中に触れ回っている。
・・・この石版の前を通るのはもう三週目ぐらいだろう。うるさい。
「流星群、一緒に見に行こうよ、ルック」
目の前の英雄がこの台詞を言うのも三度目。こっちもうるさい。
無視を決め込むが、しばらくすると双方四度目の声が聞こえてくる。
「うるさい、もうわかったっ!」
その一言に、ユノスはしょんぼりとし、シキは目を輝かせた。

「これだけあればさ、ひとつぐらい願いを叶えてくれる星がありそうじゃない?」
星空を背に大きく手を広げて微笑むシキに、ロマンチストと言葉を投げかける。
「ロマンチストで結構」
ごろりとシキは敷物の上に寝転がる。
敷物や羽織るものをきっちり持ってきている辺り、そつがないというか。
横に腰掛ると、シキも上体を起こした。目が合うと、シキはにっこり笑う。
何だかこんな雰囲気は、いたたまれない。
「あんたは、何を願うの?」
「ルックとまた一緒に星が見れますように」
「何で僕となんだよ。もっと一緒に楽しめる人と見ればいいのに」
「ルックと一緒に見ることに意味があるんだよ」
シキは再び寝転がって、呟いた。

「僕は、理由は何だっていいんだ。でもルックは一緒に居るのに理由が居るだろう?」
寝転んで星を見つめるシキの瞳は見えない。
「だから何か理由が欲しいなら、星がきれいだからってことにしておいてよ」
やっぱりロマンチストなんじゃないかと、返して。
きらきらと輝いている空の星を見上げた。