

秋の味覚は第一に「さんま」。ようやく漁獲高が上向いてきたので、これから、安価に出回る筈。
サンマは古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚〉」「サンマ(青串魚)」などと読み書きされており、また、明治の文豪・夏目漱石は、1906年(明治39年)発表の『吾輩は猫である』の中でサンマを「三馬(サンマ)」と記している。「秋刀魚」という漢字表記の登場は、大正時代である。
「秋刀魚」の由来は、秋に旬を迎え、よく獲れることと、細い柳葉形で銀色に輝くその魚体が刀を連想させることにあり、「秋に獲れる刀のような形をした魚」との含意がある。
秋のサンマは脂肪分が多く美味であり、特に塩焼きは日本の「秋の味覚」の代表とも呼ばれる。
日本では、塩焼きにしてカボスや、スダチ、ユズ、レモン、ライムなどの搾り汁やポン酢、醤油などをかけ、大根おろしを添えて食べることが多い。サンマは餌を食べてから排出する時間が30分程度と短いため、内臓にえぐみがなく、塩焼きのはらわたを好んで食べる人も多い。
佐藤春夫の「さんまの歌」 ,が思い出される。
「秋風よ 情(こころ)あらば伝へてよ ――男ありて 今日の夕餉に ひとり さんまを食(くら)ひて 思ひにふける と。」ーーとの書き出しではあるが、この歌の背景には、佐藤春夫と谷崎潤一郎と谷崎婦人、3人の男と女の凄まじい複雑な関係がある。
目黒のさんま祭り
落語に「目黒のさんま」と言う有名な噺がある。「さんま」という下魚(低級な魚)。これを産地から離れた場違いな場で無造作に調理したものが美味く、丁寧に調理したものはかえって不味いという滑稽噺。落語界の中では秋の噺としてよく知られている。成立時期は不明。
この噺にあやかって、「目黒さんま祭り」が開催されている。一つ目は、品川区の目黒駅界隈(今年の祭りは、9月5日に開催。宮古産の炭焼き「さんま」食べ放題もあった。)二つ目は、目黒区田道広場公園で、9月19日に気仙沼産のさんまを提供する予定。恵比寿では「となりのサンマ祭り」が10月3日に開催される。
さんま祭りは北海道の根室、宮城県の気仙沼や女川や名取市・閖上でも行われている。
古今亭志ん生の長男の十代目・金原亭馬生(古今亭志ん朝の兄)(3人とも既に故人)が演じた 「目黒のさんまー前半」と「目黒のさんまー後半」は名演なので、楽しんでみよう。
もうひとつの秋の味覚には「栗」を取り上げたい。
補習講座ーVista版・Ver5のテキスト32ページの「インターネット検索」の練習1に「栗を使ったフランス料理のレシピ」の検索練習が登場する。
日本には栗を使ったお菓子が数多くあるが、独断と偏見により評価して、岐阜県中津川市・「すや」の「栗きんとん」(毎年9月1日発売開始)をトップに据えたい。関東に出荷する場合には、日持ちを考慮して、甘味をやや強くしているので、地元で味わうよりは「やや甘い」が、栗本来の味わいを感じさせる逸品であろう。
横浜駅前の百貨店にも入荷するが、数が少なく、午前遅く入荷し、午後早々に売り切れる。