指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
(厚生省令第三十七号:平成十一年三月三十一日)
第一章 総則
(趣旨)
第一条 指定居宅サービスの事業に係る介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下 「法」という。)第七十四条第一項の基準及び員数並びに同条第二項の指定居宅サービ スの事業の設備及び運営に関する基準並びにこれらのうち法第四十二条第一項第二号の 基準該当居宅サービスの事業が満たすべきものについては、この省令の定めるところに よる。
(定義)
第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定め るところによる。
一 居宅サービス事業者 法第七条第五項に規定する居宅サービス事業を行う者をい う。
二 指定居宅サービス事業者又は指定居宅サービス それぞれ法第四十一条第一項に 規定する指定居宅サービス事業者又は指定居宅サービスをいう。
三 利用料 法第四十一条第一項に規定する居宅介護サービス費又は法第五十三条第 一項に規定する居宅支援サービス費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。
四 居宅介護サービス費用基準額 法第四十一条第四項第一号又は第二号に規定する 厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに 要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とす る。)をいう。
五 法定代理受領サービス 法第四十一条第六項(法第五十三条第四項において準用 する場合を含む。)の規定により居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費が利用者 に代わり当該指定居宅サービス事業者に支払われる場合の当該居宅介護サービス費又は 居宅支援サービス費に係る指定居宅サービスをいう。
六 基準該当居宅サービス 法第四十二条第一項第二号に規定する基準該当居宅サー ビスをいう。
七 居宅支援サービス費用基準額 法第五十三条第二項第一号又は第二号に規定する 厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該指定居宅サービスに 要した費用の額を超えるときは、当該現に指定居宅サービスに要した費用の額とす る。)をいう。
八 常勤換算方法 当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の 従業者が勤務すべき時間数で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従 業者の員数に換算する方法をいう。
(指定居宅サービスの事業の一般原則)
第三条 指定居宅サービス事業者は、利用者の意思及び人格を尊重して、常に利用者の 立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
2 指定居宅サービス事業者は、指定居宅サービスの事業を運営するに当たっては、地 域との結び付きを重視し、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、他の居宅サービス事 業者その他の保健医療サービス及び福祉サービスを提供する者との連携に努めなければ ならない。
第四章 訪問看護
第一節 基本方針
(基本方針)
第五十九条 指定居宅サービスに該当する訪問看護(以下「指定訪問看護」という。) の事業は、要介護状態等となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅に おいて、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生 活を支援し、心身の機能の維持回復を目指すものでなければならない。
第二節 人員に関する基準
(看護婦等の員数)
第六十条 指定訪問看護の事業を行う者(以下「指定訪問看護事業者」という。)が当 該事業を行う事業所(以下「指定訪問看護事業所」という。)ごとに置くべき看護婦そ の他の指定訪問看護の提供に当たる従業者(以下「看護婦等」という。)の員数は、次 に掲げる指定訪問看護事業所の種類の区分に応じて、次に定めるとおりとする。
一 病院又は診療所以外の指定訪問看護事業所(以下「指定訪問看護ステーション」 という。)
イ 保健婦、保健士、看護婦、看護士、准看護婦又は准看護士(以下この条におい て「看護職員」という。) 常勤換算方法で、二・五以上となる員数
ロ 理学療法士又は作業療法士 指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数
二 病院又は診療所である指定訪問看護事業所(以下「指定訪問看護を担当する医 療機関」という。)指定訪問看護の提供に当たる看護職員を適当数置くべきものと する。
2 前項第一号イの看護職員のうち一名は、常勤でなければならない。
(管理者)
第六十一条 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに専らその職務に 従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定訪問看護ステーションの 管理上支障がない場合は、当該指定訪問看護ステーションの他の職務に従事し、又は同 一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。
2 指定訪問看護ステーションの管理者は、保健婦、保健士、看護婦又は看護士でなけ ればならない。ただし、やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
3 指定訪問看護ステーションの管理者は、適切な指定訪問看護を行うために必要な知 識及び技能を有する者でなければならない。
第三節 設備に関する基準
(設備及び備品等)
第六十二条 指定訪問看護ステーションには、事業の運営を行うために必要な広さを有 する専用の事務室を設けるほか、指定訪問看護の提供に必要な設備及び備品等を備えな ければならない。ただし、当該指定訪問看護ステーションの同一敷地内に他の事業所、 施設等がある場合は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設ける ことで足りるものとする。
2 指定訪問看護を担当する医療機関は、事業の運営を行うために必要な広さを有する 専ら指定訪問看護の事業の用に供する区画を確保するとともに、指定訪問看護の提供に 必要な設備及び備品等を備えなければならない。
第四節 運営に関する基準
(サービス提供困難時の対応)
第六十三条 指定訪問看護事業者は、利用申込者の病状、当該指定訪問看護事業所の通 常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定訪問看護を提供することが困難である と認めた場合は、主治の医師及び居宅介護支援事業者への連絡を行い、適当な他の指定 訪問看護事業者等を紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。
(居宅介護支援事業者等との連携)
第六十四条 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護を提供するに当たっては、居宅介護 支援事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努 めなければならない。
2 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の終了に際しては、利用者又はその家 族に対して適切な指導を行うとともに、主治の医師及び居宅介護支援事業者に対する情 報の提供並びに保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努め なければならない。
(健康手帳への記載)
第六十五条 指定訪問看護事業者は、提供した指定訪問看護に関し、利用者の健康手帳 (老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第十三条の健康手帳をいう。以下同じ。) の医療の記録に係るページに必要な事項を記載しなければならない。ただし、健康手帳 を有しない者については、この限りでない。
(利用料等の受領)
第六十六条 指定訪問看護事業者は、法定代理受領サービスに該当する指定訪問看護を 提供した際には、その利用者から利用料の一部として、当該指定訪問看護に係る居宅介 護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額から当該指定訪問看護事業者に 支払われる居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の額を控除して得た額の支払を 受けるものとする。
2 指定訪問看護事業者は、法定代理受領サービスに該当しない指定訪問看護を提供し た際にその利用者から支払を受ける利用料の額及び指定訪問看護に係る居宅介護サービ ス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額と、健康保険法(大正十一年法律第七十 号)第四十三条第一項に規定する療養の給付若しくは同法第四十四条ノ四第一項に規定 する指定訪問看護又は老人保健法十七条第一項に規定する医療若しくは同法第四十六条 の五の二第一項に規定する指定老人訪問看護のうち指定訪問看護に相当するものに要す る費用の額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
3 指定訪問看護事業者は、前二項の支払を受ける額のほか、利用者の選定により通常 の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問看護を行う場合は、それに要した 交通費の額の支払を利用者から受けることができる。
4 指定訪問看護事業者は、前項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あら かじめ、利用者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行 い、利用者の同意を得なければならない。
(指定訪問看護の基本取扱方針)
第六十七条 指定訪問看護は、利用者の要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介 護状態となることの予防に資するよう、療養上の目標を設定し、計画的に行われなけれ ばならない。
2 指定訪問看護事業者は、自らその提供する指定訪問看護の質の評価を行い、常にそ の改善を図らなければならない。
(指定訪問看護の具体的取扱方針)
第六十八条 看護婦等の行う指定訪問看護の方針は、次に掲げるところによるものとす る。
一 指定訪問看護の提供に当たっては、主治の医師との密接な連携及び第七十条第一 項に規定する訪問看護計画に基づき、利用者の心身の機能の維持回復を図るよう妥当適 切に行う。
二 指定訪問看護の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はそ の家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行う。
三 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に対応し、適切な看護技術をもっ て、これを行う。
四 指定訪問看護の提供に当たっては、常に利用者の病状、心身の状況及びその置か れている環境の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な指導を行う。
五 特殊な看護等については、これを行ってはならない。
(主治の医師との関係)
第六十九条 指定訪問看護事業所の管理者は、主治の医師の指示に基づき適切な指定訪 問看護が行われるよう必要な管理をしなければならない。
2 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示 を文書で受けなければならない。
3 指定訪問看護事業者は、主治の医師に次条第一項に規定する訪問看護計画書及び訪 問看護報告書を提出し、指定訪問看護の提供に当たって主治の医師との密接な連携を図 らなければならない。
4 当該指定訪問看護事業所が指定訪問看護を担当する医療機関である場合にあって は、前二項の規定にかかわらず、第二項の主治の医師の文書による指示並びに前項の訪 問看護計画書及び訪問看護報告書の提出は、診療録その他の診療に関する記録(以下「 診療記録」という。)への記載をもって代えることができる。
(訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成)
第七十条 看護婦等(准看護婦及び准看護士を除く。以下この条において同じ。)は、 利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目 標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなけ ればならない。
2 看護婦等は、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に 沿って訪問看護計画書を作成しなければならない。
3 看護婦等は、作成した訪問看護計画書の主要な事項について、利用者又はその家族 に説明しなければならない。
4 看護婦等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなけ ればならない。
5 指定訪問看護事業所の管理者は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成に関 し、必要な指導及び管理を行わなければならない。
6 前条第四項の規定は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成について準用す る。
(同居家族に対する訪問看護の禁止)
第七十一条 指定訪問看護事業者は、看護婦等にその同居の家族である利用者に対する 指定訪問看護の提供をさせてはならない。
(緊急時等の対応)
第七十二条 看護婦等は、現に指定訪問看護の提供を行っているときに利用者に病状の 急変等が生じた場合には、必要に応じて臨時応急の手当を行うとともに、速やかに主治 の医師への連絡を行い指示を求める等の必要な措置を講じなければならない。
(運営規程)
第七十三条 指定訪問看護事業者は、指定訪問看護事業所ごとに、次に掲げる事業の運 営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定 めておかなければならない。
一 事業の目的及び運営の方針
二 従業者の職種、員数及び職務の内容
三 営業日及び営業時間
四 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額
五 通常の事業の実施地域
六 緊急時等における対応方法
七 その他運営に関する重要事項
(準用)
第七十四条 第八条、第九条、第十一条から第十三条まで、第十五条から第十九条ま で、第二十一条、第二十六条、第三十条から第三十九条まで及び第五十二条の規定は、 指定訪問看護の事業について準用する。この場合において、これらの規定中「訪問介護 員等」とあるのは「看護婦等」と、第八条中「第二十九条」とあるのは「第七十三条」 と、第十三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴」と読み替えるものとす る。