■こいし1

お姉ちゃんのせいで○○が私の物にならない。
別にお姉ちゃんが○○の事を取ろうとしたりとか、
そういう訳じゃない。
単に、私が無意識の○○をどうこうしようってのが阻まれるのだ。

お姉ちゃんは私の○○への気持ちを応援してくれてるけど、
心を読む能力がある以上○○はそれを「警戒」する。
そこでどうしても、私が無意識を突いてあれこれしようとしても成功率が下がる。
というかアプローチが一度も成功してない、
ほぼニートの私としては一服盛る為の睡眠薬代だって馬鹿にならない訳ですよ、ええ。

いっそ第三の眼を開いて能力を元に戻そうか?
でも中途半端にブランクが開いた分お姉ちゃんの下位互換になりそうだしなあ、ぐぬぬ。

あ、でも確実に無意識になる時はあるんだよね、
寝てる時。
……唐突過ぎてあんまりやりたくなかったけどこの際仕方ないか。


いやだって今400字にも満ちて無いんだもの、
ここから怒涛の展開を見せても内容が薄くなって作者がひぃひぃ言って最終的に無かった事にされうるよ?
という訳で、
「お小遣下さいお姉様」
土下座した。
「……流石に犯罪を助長したら映姫ちゃんに怒られそうね」
そんなため息つかないで。
「大体あれだけ永遠亭から薬を仕入れるの止めなさいって言ったじゃない。
 大分ボるわよあそこ」
「えー、他に宛てが無いし……」
「紅魔館の魔女が調合薬売ってるわよ。
 あそこと関係良いんだし負けてくれると思うんだけど」
「あー、フランちゃんとこか。
 ……じゃ、試してみようかな」


わかったー、つくってー、もらったー。
「あのねフランちゃん、お話の結論が見えてる以上、
 なんとか話を引き延ばしてくれないと私すっごく困るんだ?」
「えー……、でもパチェ作る以前になんか持ってたし……」
「ま、用途が用途だからね、常備薬よ。
 ついでの効果として『毒と知っても飲みたくなる』わよ」
うわあ便利。
そういう好都合マジやめて。
「あぁ、やっぱり薬を警戒されるの?」
「違うわよ。
 毒と知ってる相手に飲ませるのが楽しいんじゃない」
その発想は無かった。
いや考えたくない。


うん、ちょうどよく中身も消化した事だし一服盛りに行こうか。
さてとりあえず意識の中から抜けてと……
○○の意識の外から……忍び寄る必要なんて無かったな。
「○○、暑くない?ジュースあるけど」
「ん、ああ、じゃあ折角だし貰おうか」
おお、普通に飲んだ。
「うん……?うまいな?
 まだある?」
「お、おぉー……」
「おぉーって何、が……あれ……」
あ、倒れた。
凄い効くなあ……
……寝顔可愛いなあ。

「……あらこいし、首尾よくいったよう」「しっ」
お姉ちゃんは呆れた様な顔をして去っていった。
呆れられたって良いさ、○○の寝顔が可愛いからいけないんだよ、うん。
……ちょっと位なら腕枕してもらっても良いよね?

よいしょ……
温かい……
うん、しあわせー。

じゃあそろそろ起きて、
○○をベッドに運んで、
手足縛って、
もうトロっトロになった○○の上に跨がって
「どうして欲しいのかな?」
って笑顔で……
○○は恥ずかしそうに……
……ぐぅ











目が覚めたら、
ベッドに運ばれてて、
逃げられない様に拘束されて、
寝起きでふわふわの頭なのに、
○○が「どうしてやろうか」って目が笑って無いまま言って来たから、
「もっとー(ねむたい)」って言ったら、
何そのオレンジジュースすっごい美味しそう。
「欲しい?」
とっても。
口移しで飲ませて貰ってとっても幸せ。
○○の味ー……
あえ、眠い……?







「やっぱりあの時、はっきり突っ込んだ方が良かったのかしら……」







でも○○におしおきされてちょっとしあわせ。


>>ジョバンニ氏




一日の仕事が終わり里の外れにある自宅に向かう。
一人暮らしなので誰も待っていないし、当然明かりも点いていない。
戸を開けて中に入り明かりをつけると土間に食事の準備がされていた。まだできたてなのか湯気が立つ夕食二人分。
茶碗の下に手紙がある。

−今日もお疲れさま、夕食を作っておいたのでしっかり食べてね―

食事を問答無用に残飯入れに突っ込み、食器類は水に浸け新しい食器を出し夕食を作る。

夕食ができたので食べる。
食べ終わり一服しさて片付けるかと食器を運べば既に洗われて棚にしまわれているし、寝る前に厠に立てば既に敷かれていた。なぜか枕が二つ。
枕を一つぶん投げ布団に入る。人肌に温かかった。

ここのところずっとこの調子だった。
最初の頃はなんとなく受け入れてしまっていたが、冷静に考えると怖くなり色々な人に相談してみたが。
私のとこにも来て欲しいぜだの食事の支度をしなくていいなんて便利じゃないだのでまともに取り合ってくれなかった。
幻想郷の住人は怖くないのだろうか?


朝になり朝食の臭いで起きる。
和食と洋食の二種類、例によって手紙が添えられている。

−昨日は御免なさい。まだあなたが何を食べたいのかよく分からなかったの、なので今朝は二種類用意しておいたから食べてみてね−

無視して仕事に出た。


家に帰ればまたもや昨日と同じだった。手紙をむしりとり読んでみる。

−今日もお疲れさま、今度は絶対に口に合うと思うので食べて…

途中まで読んで手紙を破り捨てる、いい加減我慢の限界だった。

「誰だ!いい加減出て来い!」

誰もいないはずの家に怒鳴る、その途端直ぐ隣でカタッと何かが落ちる音。
反射で手を振る、バシンと人を叩いたような音が響く。もちろん自分を叩いたわけではない。
手探りで周囲を探ってみるが今度は何もなかった。

なんだか分からないがどうやら一つ進展があったようだ。
もしかしたらこれでこの不気味な日常から抜け出せるかも知れない、楽観的かも知れないがそう思った。


朝、今度は朝食もなかった。
思わずガッツポーズを取る、元の日常が返ってきた。そう思いながら雨戸を開けようとするが…開かない、戸も同様に開かなかった。
薄暗いなか蝋燭を点けてみると枕元に手紙があった。冷や汗が出る。

−おはよう、ずっと一緒だよ−

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