■魔理沙1

「・・・」
「・・・はっ」
「夢、か?」
「そりゃそうだよな、○○と私が・・・なんて・・・」
「・・・」
「悪い夢、だぜ。」

「むー」
「○○が空から降ってきてから、何回夢に出てきたことか」
「そのせいで寝つきが悪いぜ。」
「・・・まだこんな時間か」
「これは二度寝しても大丈夫そうだな」
「・・・」
「あれもこれも紫の気まぐれのせいだ」
「迷惑な紫だぜ。」
「・・・」
(○○が頭の中にチラついて・・・)
(眠れない・・・)

○○が紫に「神隠し」されて幻想郷に来てから、もう一週間くらいか?
魔法も撃てないし空も飛べない本当にただの人間の男だぜ。
でも・・・○○ってのは厄介な存在だ。初めて見たときから、その
香霖とは違う何かがだな、私の心の中に・・・
・・・言ってて恥ずかしいぜ。

「・・・」
「・・・眠れない・・・」
「○○が来てから眠れない夜が続くぜ」
「・・・」
「独り言も増えたぜ」

・・・ぐぅ

「・・・」
「ん」
「また夢か・・・」
「・・・夢の中では、○○は私に優しいんだな」
「夢の外じゃ目も見て話せないのに・・・」
「んー」
「寒いな。」
「冬は寒いぜ。」
「隣に○○が居てくれたら、ちょっとは寒くないのかな」
「・・・」
「起きるか」

○○は今、霊夢の神社に仮住まいしている。
神隠しして勝手に冬眠しやがった紫が起きるのを待つ間、だそうだ。
そのせいで霊夢の所に前よりもっと顔を出しに行きたくなるし、
また一方で顔を出しづらくも感じてるんだ。
迷惑な相手だぜ。
だけど、○○は、紫が起きたら・・・春が来たら、元の世界に帰ってしまうんだろうか?
幻想郷に残ってくれたりとか、しないのかな。
・・・んー。

「やっぱり朝は味噌汁だぜ。」
「ふー。」
「これでも私は料理には結構自信があるんだ」
「○○の嫁になったらいくらでも作ってあげられるんだけどな」
「・・・」
「○○の・・・お嫁さん・・・」

「・・・○○は寝ぼすけだ。そうだ。そうに決まってる。」
「私が朝ごはんを作ってからゆすって起こしてやるんだ」
「毎朝、変わらない笑顔で私の料理をおいしいって言って食べてくれる」
「皿は二人で洗うんだ。肩を並べてな。」
「外の世界の男は、スーツっていうのを着て仕事に出て行くんだろ?」
「それでネクタイってのが曲がっているのを奥さんが直してあげるんだろ?」
「それくらい知ってるぜ」
「そして・・・出かける際には・・・」
「いってらっしゃいの・・・キス・・・」
「私がちょっと背伸びすれば・・・○○に届く・・・」
「・・・」
「わー!わー!わー!」
「なんだこれ超恥ずかしいぜ!」
「誰かに見られたらショック死する!」
「・・・」
「冬なのに熱いぜ・・・」

「・・・」
「天気も普通だし、普通にキノコでも採りに行くか」
「私は普通だからな。」

「・・・」
「これは魔法薬の実験に使えそうだな・・・」
「こっちのは食用か」
「・・・」
「・・・○○はキノコ料理、好きかな・・・?」
「・・・」
『ごめんな魔理沙、俺キノコってあんまり得意じゃないんだ』
『えっ?』
『でも、魔理沙が作ってくれるんならキノコも好きになっちゃいそうだよ』
『嬉しい・・・』
「なんて・・・なんてな・・・」
「へへへ・・・」
「・・・」
「○○の・・・キノコ・・・」
「・・・」
「!!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp;」

「おっと」
「気づいたらもうキノコが山盛りだぜ」
「・・・」
「○○のせいで効率がいいぜ。」

・・・今頃、○○は神社で霊夢に掃除でもさせられてるんだろうか。
霊夢は人使いが荒いからな。
それを聞いちゃう○○も人がいいというか、なんというか・・・
優しい、んだな。
普通の魔女は優しい色男には弱いモンなんだぜ。
○○は、気づいてるのかな・・・
・・・合いに行きたいな。

「・・・行くか。」

「よー霊夢ー茶だけ飲みに来たぜー」
「ってなんでアリスが居るんだ」
「お前はこんなトコロに居るキャラじゃないぜ。都会でも魔界でもどっかに行っちまいな。」
「あーあー悪かったぜー」
「霊夢はどうした?」
「里か・・・暇じゃない霊夢なんて霊夢らしくないな。」
「・・・○○は?」
「え?後ろ?・・・!」
「あ!あの・・・○○、おはよう・・・じゃなくて今の時間はこんにちわ?」
「じゃなくてじゃなくて」
「ええっと・・・」
「ああ、いい天気というか、普通の天気というか・・・」
「ええっと!・・・その・・・」
「え・・・私の顔に何かついてる?・・・」
「!!!」
「ばっ・・・!お前何言って・・・!」
「ああごめんごめん怒ったわけじゃなくてね・・・その・・・」
「・・・」
「・・・実は用事があってだな、ちょっと顔を出すだけのつもりだったんだ!」
「ご、ごめんな!今度ゆっくり酒でも飲もうじゃないか!」
「ごめん、私行くから・・・」
「ま、またね?」
「・・・」

「・・・はあ」
「何をやってるんだ私は。」
「馬鹿馬鹿しいぜ。」
「・・・」
「くそっ・・・」

○○の前じゃ、素直になれない。
言葉遣いもどうすればいいのかわからない。
○○の目も見て話せない。
・・・目を見ると、くらくらっときちゃうんだぜ。
破壊力高すぎるぜ。

「・・・」
「んっ・・・」
「○○・・・」
「・・・んぅっ・・・あ」
「あ・・・○○・・・」
「・・・んぁっ・・・ああ・・・っ・・・」
「○○・・・」
「・・・・んんんんっ!!」
「・・・」

「ん・・・」
「・・・満たされないぜ。」
「○○が・・・」
「○○が欲しい・・・」
「今まで欲しいものは何でも借りてきた・・・」
「本だってマジックアイテムだってなんでもそうだぜ」
「だけど○○だけは・・・」
「・・・ああもう」
「○○だけは・・・貸し出し禁止だぜ・・・」
「○○・・・」

こんなことばっかりして、最近の私の一日は過ぎる。
○○さえ居なければ・・・もっと時間が増えるはずなんだ。
最近は時間が経つのが早すぎるぜ。
○○は時間泥棒に違いないぜ。
泥棒なんて悪い奴だ。
・・・気を抜くと、頭の中に○○が浮かんでくる。
はらってもはらっても○○が浮かんでくる。
私の頭も胸も、○○でいっぱいなんだ。
私は・・・○○が好き。
自分の気持ちに嘘を付くつもりは無いが、こういう機会が無かっただけ。
今までに・・・
恋なんて・・・こんな気持ちになったの、初めて。
・・・おかしいよね、私恋の魔法使いなのに。
恋って、こんな気持ちなんだ。なんだか暖かくて。ふわふわしてて。
そして○○が欲しくて、しょうがない。
ああ、○○。
こんなこと考えてる間、今○○が後ろから私の肩をぽんと叩いて、「何してんだ?」って話しかけてきてくれないだろうか。
今の私は、それだけで爆発しちゃいそう。
弾幕も、恋も、パワー。
・・・そんな事考えてたら、もうこんな時間。
本でも、読もうか。

○○は、本当に時間泥棒だったみたいで、
あっという間に冬が過ぎてしまった。
年始でも、博麗神社にはあまり人が来ないのはいつもどおりだったし、
年末だからって理由をつけて宴会するのもいつもどおりだった。
それでも私の心だけは、どこか遠くに置いてかれたみたいで。
そんな中に紫がのうのうと冬眠から目覚めて、○○を元の世界に返す準備を始めやがったんだ。
○○も申し訳なさそうにしながらも帰る意思を固めたみたい。
それもなんと三日後に、だ。
気が早すぎるぜ。○○は永遠亭や白玉楼には別れの挨拶を済ませたらしい。
私は、私の恋心は、置いてかれてしまうのだろうか。
なんというか・・・
・・・
紫・・・空気読めよ・・・


ヒ゜ンホ゜ーン
「・・・誰だぜ」
「私は連日寝付けなくて困ってるっていうのに」
「香霖だったら新しい魔法の実験台にしてやるぜ。」
「開いてるぜー」
「・・・!」
「ま、○○・・・」
「えっとえっと!ごめんちょっと待って!私の部屋散らかってて」
「いつも散らかってるんだけどそうじゃなくて、あの、あの」
「そう私の髪も服も散らかってて!そう!だから!」
「ちょっと待ってて!」

「・・・ごめん、待たせたな。」
(○○が私に・・・合いに来てくれた・・・?)
「どうしたんだ、お前・・・き、君が来るなんて珍しいというか・・・」
(ああどうしようなんて言ったらいいんだろう)
「なんか用事でも、あるのか?わ、わ、私は都合よく暇、だぜ・・・」
(どうしよう、なんか嬉しい・・・!)
「え・・・?頼み・・・?」

「え・・・アリスの家・・・?」
(アリス・・・)
(え・・・何で・・・?)
「え・・・ああそれならけっこう近い、ぜ・・・?」
(なんでここでアリスが出てくるんだ・・・?)
「なんなら、その、送って行ってやろうか・・・?」
「なんだ、いいのか・・・」
(ねえちょっと待って。その・・・包み・・・)
(ちっちゃいけれど綺麗に放送されてて、それ・・・まるで・・・)
「ここを真っ直ぐ行って、広いところに出たら左で・・・」
「・・・伝わった?伝わったなら、よかった・・・ぜ。」
(アリスの家を探して・・・まさか)
「・・・ね、ねえ、その包み、綺麗だけど、それ・・・」
(やめろ、やめてくれ。違う)
「あ・・・」
「そう・・・なんだ・・・」
(嫌!嫌だ!聞きたくない!アリスに!アリスに○○がプレゼントなんて!)
(なんで!どうしてアリスに!○○!)
「・・・ご、めん、私今忙しくて・・・」
「えっと、」
「ま、またな!」
ハ゛タン

私の中で何かが沸騰したような気持ちだった。
なんで、アリスが、○○が、
違う、嫌、どうして
アリス・・・
家具も実験器具もマジックアイテムも何もかも力任せに撒き散らして私は平静を保とうとする
だけどそれは逆効果で、落ちて壊れたマジックアイテムや家具が私の心を刺すみたいで。
それでも頭の中には、いつもみたいに○○がいて。
頭の中の○○はいつもみたいに笑ってくれていて。
でもその笑顔が
私じゃなくてアリスに向けられているものなのかと思うと、
急に頭の中の○○が崩れ落ちてしまって。
私は色々と悔しくて。
久しぶりに、目から何かが出てきて・・・。

・・・少しだけ冷静を取り戻した私は、アリスの家へ向かうことにした。

「・・・」
「・・・はあ・・・はあ・・・」
「アリスが・・・悪いんだ・・・」
「アリスが・・・」
「・・・」
「この指輪は・・・」
「この指輪はアリスのじゃない」
「この指輪は・・・」
「私の・・・」
「私と○○の・・・」
「私と、○○を・・・繋ぐ指輪なの・・・」
「アリスには・・・似合わないぜ・・・」
「・・・」
「私は悪く・・・ない・・・」
「○○の話をしたからって・・・」
「まんざらでも無さそうに笑いやがって・・・」
「・・・だいだい!」
「○○がお前なんかを好きになるなんて何かの間違いだ!」
「お前なんて人間ですらないじゃないか!」
「人には冷たくてノリが悪くていつも本気は出さない!」
「それなのに!」
「○○の前ではかわいこぶりやがって!」
「思えば私は!そんなお前が嫌いだった!」
「○○の前でいい人を演出するだけ演出しやがって!」
「それでも!」
「○○と・・・」
「○○と仲良さそうに話しやがって!」
「ずるい!」
「アリスはずるい!」
「だからお前は悪いんだ!」
「全部全部お前が悪いんだからな!」
「○○を取っていこうとした罰だ!」
「天罰だと思え!」

・・・アリスは答えなかった。動かなかった。

「・・・くそっ」
「私は・・・悪くない・・・」
「これは、私の指輪なんだ・・・」
「お前のじゃないぜ」
「私は恋の魔法使い・・・」
「私と・・・愛する○○の・・・」
「指輪・・・」

「・・・」
「心なしか、我が家が遠かったぜ・・・」
「・・・」
「血、って、」
「時間が経つと黒く、なるんだな」
「・・・」
「私は白黒の魔法使いだぜ」
「これじゃあ真っ黒だぜ・・・」
「はは・・・」
「・・・笑えないぜ。」
「邪魔者は片付けたけど、愛する○○は紫の手で明日にも外の世界に帰ってしまう」
「・・・○○は私といるべきなんだ!それが幸せなんだ!」
「私は○○を誰より愛してる!○○を幸せにしてやれるんだ!」
「○○は私の○○だ!誰の物でもない!私の○○だ!」
「・・・」
「どうすればいいんだよぉ・・・○○・・・」
「・・・」
「・・・待て」
「パチュリーから借りてきたこの本」
「・・・それと」
「この・・・キノコ・・・」

私は、雷に打たれたようだった。
気づいてしまった。
○○を、手に入れる。
欲しいものは何でも借りていってやるぜ。
たとえ、それが
無期限だったとしても・・・

「・・・おい!○○!起きろ!」
「へへ・・・○○、起きろって」
「そんなにかわいい顔して寝てると悪い魔女に食べられちゃうぜ?」
「へへへ・・・」
「何処、って」
「ここは私の家だ」
「もっと性格に言うと霧雨家の奥の、奥の部屋だ」
「・・・動けないだろ?」
「首から下は全く動けないだろ?」
「・・・そんなに怖い顔しないでくれよ、私は○○を愛してるんだ。」
「・・・」
「寝てる間に何したか、知りたいよな?」
「私、頑張って薬を作ったんだ。」
「魔法の森の、瘴気の中で育ったキノコと」
「人間の身体を、融合させる薬。」
「・・・あんまり驚いてないな、もっと詳しく教えてやるぜ」
「つまり、○○、お前は今キノコなんだ。わかるか?」
「養分だの、水分だの、そういったものが無いと生きていけなくて」
「自分で動くことなんてまず無理だぜ。」
「・・・ね?わかった?」
「○○は自分じゃ生きていけないんだぜ」
「私が・・・お前の世話を何から何までやってやるぜ」
「な・・・安心したろ?」
「愛するこの私、霧雨魔理沙が・・・」
「お前のためになんでも・・・やってあげるって」
「ね?嬉しいか?嬉しいよな?」
「私は・・・すごく嬉しいよ、○○。」
「へへ、今度からは『あなた』って呼んじゃおうかな」
「恥ずかしいかな・・・」
「でも大丈夫だぜ、私、結界も勉強したんだ、本で。」
「八卦炉と箒とその他もろもろは使ってしまったけど、私の家に結界を張ることができたんだ」
「強い、強い奴だぜ?」
「寝てばっかりいる妖怪や巫女じゃ破ることすら、見つけることすらできない」
「二人っきりだぜ?舞い上がっちゃうよな?」
「・・・」
「・・・ねえ、まずは、キス・・・していい?」
「私の初めては、お前のものだぜ。」
「うふふ」
「目・・・閉じて?」
「な、なあ、どうしてそんな顔するんだ・・・」
「・・・本当は嬉しいんだろ?な?」
「私、○○が望むなら、本当になんでもやってやるからな」
「その・・・恥ずかしい事でも、なんでも・・・」
「えへへ。」
「ね・・・○○・・・嬉しいよね・・・」
「私のここ、すごくドキドキしてるよ」
「これから、ずっと一緒だからね・・・」

うふ。
うふふ。
うふふふふふふふふふふふふふ

私は、恋の魔法使い。
欲しい物はなんでも手に入れる。
たとえば、そう・・・
恋心、とか。










魔理沙に狂おしいほど愛されたい 終

>>up0234




「痛…イタイイタイもう少し優しくやってくれよ○○」

「やっとこの前の肩の傷が塞がりかけたと思ったら、治りきる前に飛び出して傷を増やして帰ってくるような
馬鹿娘にはこれ位がいい薬だ。弾幕ごっこもいいが怪我した状態で無茶ばっかりしてるとその内足腰立たなくなる様な怪我するぞ?」

「その時は○○に一生面倒見てもらうぜ」

「アホぬかせ、ほら、終わったぞ」
包帯を巻き終わり、余った部分を鋏で切り落とす。プロとは比べるべくも無いが最近は治療も大分さまになってきている。

「いつもすまないな、この埋め合わせは怪我が治ったらするぜ」

「はいはい、期待せずに待っておくよ。と、流石に徹夜明けで疲れたし少し寝るわ、起きたら家事はやっておくから最低三日は安静にするんだぞ」
そういって○○はソファーの置いてある隣の部屋に出て行った。


一人になった部屋で誰に言うともなしに魔理沙は呟いた
「……この程度の怪我じゃ三日しか稼げないか」


○○と魔理沙は恋人同士でも、ましてや同棲している訳でもない、足に大怪我を負って○○の家の前に倒れていたところを○○が見つけて
介抱したのが出会いの切っ掛けである。
命に別状は無いとは言え、一人で歩けないような怪我では支障が出るだろうと竹林に住むと言う噂の薬師の所に入院を提案した所、
この少女はついさっきその薬師の主と喧嘩をして弾幕ごっこを展開した結果がご覧の有様だ。とのたもうた。
薬師の身内と喧嘩をした怪我で薬師の世話になるのはプライドが許さない、と散々駄々をこねた挙句家まで送ってくれと頼まれ
やむを得ず魔理沙を背負い霧雨亭についたところで一人で森に暮らしていると知った。オマケにこの辺りの森は物騒であり、
普通の人間では森を抜ける前に低級な妖怪や獣に食われてしまう可能性が高いと知った時は、間抜けな顔で硬直してしまい暫くそのままであった。

1年ほど前に外界から迷い込んだ○○は、村の顔役の配慮で村外れの小屋を貸してもらい、偶の村人の差し入れと日雇いの仕事で
生計を立てていた。外の世界でも割りと似たような生活をしていたのですぐ適応し、半年も経ったころにはすっかり1人前の
幻想郷の住民になったつもりでいた。

しかし…てっきり家族か誰かと住んでいて、とにかく家にさえ送れば後はどうにかなると思っていた○○は
こんな年端もいかないような少女が一人で森に暮らしてるとは露ほども思っておらず、まだまだ外の世界の常識に囚われていることを
思い知らされた。

まさか足が不自由な状態の少女を一人放置する訳にも行かない上に、単独で森を抜けるのがかなり難しいと知った○○は、
では此処に来る時はなぜ襲われなかったかと問うた所、ずっと○○の背中で八卦炉を魔理沙が構えたままだったと説明を受けた。

「獣に食われる筈のところを助けたんだし、怪我の分の礼はするから私の怪我が治るまで面倒見てくれよ」
謝礼にはさほど興味はない上に、元々この森に入った原因は魔理沙にあるので釈然としない○○だったが、
怪我が治れば森の外まで送り届けると言う約束で魔理沙の世話をするようになった。

最初こそこんな森に一人で住んでいるなんてよほどの事情かそれとも性格に問題があるのかと訝しんだ○○であったが、
明るく社交的な魔理沙に、次第に恋心とはいかなくても好感を抱くようになっていた。

――しかし

魔理沙の傷も大分癒え、後数日もすれば日常生活も問題なく送れる様になると思っていた矢先に事件は起こった。

ある日食器を洗っていた○○は大きな物音がしたので何事かと駆けつけてみると、魔理沙が倒れていた。
慌てて抱き起こし、事情を聞いたところ、リハビリも兼ねて踏み台を使って棚の上の物を取ろうとした所、
バランスを崩して落ちてしまったと魔理沙は説明した。
幸い大事にはならなかったものの、落下した時に受身を取ろうとして失敗したのか手首を捻挫してしまっていた。

リハビリもいいが、怪我が治るのが延びたらどうするのだと軽く叱った後家事に戻った○○であったが、
その時点で気づくべきだった。魔理沙の瞳に微かに発見と喜びの光があった事を


それからである。魔理沙の怪我が増えるようになったのは、最初は手首の捻挫のリハビリに芋の皮を剥いていた時に
うっかり指を切ってしまった事だ。その時は軽く血止めをして済んだのだが、その二日後には鍋をひっくり返してしまい、
最初に怪我した足と反対側の足首を火傷してしまった。
そしてその傷が治るか治らないかと言う位になった時に、今度は風呂場でこけて膝を擦り剥き、膝の傷もそろそろ塞がるかと
いったところで今度は氷精と弾幕ごっこを展開して肩に深い傷を負ってしまった。
庭を散歩していた筈の魔理沙の悲鳴が聞こえて慌てて飛び出した○○は、左肩を血に染めて蹲っている魔理沙と、
顔を真っ青にした氷精を発見した。
咄嗟に襲われたと判断した○○は魔理沙を庇う様に立ち、怪我人になんてことをするのだ。食って掛かったが
氷精は、「私じゃない、魔理沙のほうから先に手を出してきたんだ。それに今だって軽く撃ち返しただけなのに」と後半は消え入りそうな声で反論した、
しかし魔理沙の怪我による出血で興奮した○○は ふざけるな と一方的に恫喝してしまった。
もし、この時妖精としては破格の力を持つ氷精が暴れだしていたら、怪我をして動けない魔法使いと一般人では
どうしようもなかったのだが、結局は
「フ、フン!ずっと宴会にもこないから みまいって奴をしてやろうと思ったのに、もう知らない!」
そう言って何処かに飛び去ってしまった。
氷精が飛び去ってから無謀なことをしたと気づいた○○であったが、とにかく魔理沙の治療をしなければと家に運び込んだ。
今回も幸いと言うか、左の肩口で出血こそ多かったが、傷自体は深くなく、大事には至らなかった。
それどころか、傷口からみた素人判断ではあるが、○○の目には氷精の撃った弾は確かに本気ではなく、
正面に立っていればそのまま外れそうな角度で撃った様に思えた。

流石にここにきて○○も魔理沙の怪我が多いことに疑問を抱くようになってきた。氷精の言葉も気にかかる
とは言え出血と痛みのせいで青い顔で眠っている魔理沙を起こして確かめるわけにいかず、
結局その日の真偽は有耶無耶になってしまった。

その日を境に魔理沙の怪我は更に増えていった。
1日に1回はどこかしら怪我をするし、日にちが経てば怪我は癒えていくものの
治りきる前に必ず大きな怪我をして戻ってくる。
家の中の家事は全部やって家から出さないようにすればいいが、
「家の周りの結界は定期的に見ないといけないし力が強い奴は力ずくで追っ払わないとだめなんだぜ」
と言われると外から来た○○は反論することが出来なくなってしまう。

――しかし、流石にもう限界だった。
家事や魔理沙との会話が苦痛だったわけではない、○○の家である村外れの小屋にも盗まれて困るような物は無い
だが、もう1ヶ月以上帰ってないし、すぐ帰れるだろうと判断して此処に来る時に誰にも何も言わずに来てしまっていた。
いくらよそ者とは言え責任感の強そうな顔役の女性の事だ、一ヶ月も姿を見せなければ多少は心配するだろうし
魔理沙の事は嫌いではないが他の人との会話にも飢えていたのは事実だ。

一日だけだ。
魔理沙には悪いが村に一旦戻ることを決心した。
顔役の女性に今までの事情の説明と、村人との少しの会話、これだけでいい
魔理沙が結界の見回りに昼間出かけていた間に準備をした。
後は昼間のうちに眠って夜に魔理沙が寝た後起きだして、夜に森を出歩くのは無謀かもしれないが何とかして森を抜ける、
夜明けから早朝には村につけるだろうから、顔役に事情を話して野暮用をすませたら、急いで戻れば昼過ぎには戻れるだろう。

夕方目を覚ました○○は、魔理沙との夕食をとった後、何食わぬ顔で二度寝を決め込んだフリをした。
そして夜中、足音を立てないようにそっと裏口のほうに回った。消灯前にこっそり鍵を外しておいたから
後は押すだけでドアがあく、家から少し離れた所で魔理沙の家から拝借したランタンに火をつけて、
後は一路村に向かうだけだ…なのに…おかしい、ドアが開かない 鍵は間違いなく外しておいたから
暗闇でも間違うはずが無い、押すだけでドアが開くはずだ…なのに…


――どこに行くんだ○○

はっと振り向くとすぐ背後に火のついたランタンを持った魔理沙が立っていた。しかもそのランタンは…
事情を説明しなければと頭では冷静に考える・・考えている積もりだったが旨く言葉が出てこない。
体はもっと正直に今のパニックを表していた、片手でドアを押しながら反対の手で腰を掻く様な動作で背中の袋に入っているべきものを探す。
――無い…絶対に忘れるわけに行かないから間違いなくいれたはずの、ランタンがない。という事はやはり魔理沙が持っているランタンは…
「もう一度聞くぜ、こんな夜中にどこ行くんだ○○?出かけるのか?怪我人の私をおいて」
「ま…魔理沙の怪我はもう大分治ってるじゃないか」
苦し紛れに○○がそう言うと、魔理沙は持っていたランタンを石の床に叩き付けた。
ランタンの火は消えなかったが当たり一面に散らばるガラス、その中でも一番大きなガラスの塊を魔理沙は手に取ると

――サクッ

何のためらいもなく自分の腕に突き刺した。
「ほら、○○、怪我しちゃったぜ、いつもみたいに手当てしてくれよ。」
満面の笑顔で魔理沙が近づいてくる。天使といっていいほどの笑顔だ。首から下が血まみれでなければ
血に塗れた魔理沙の腕が恋人に対する抱擁のように○○を包み込む。
そのまま軽く背伸びをするようにして○○の耳元で囁いた


――約束したろ?怪 我 が 治 る ま で 面 倒 見 て く れ るって

>>up0388




ん? 霊夢か?どうしたんだ? ○○の見舞いに来た… へぇ…

ウソをツクなよ、お前もコイツと同じなんだろ?(ボロボロになったアリスを霊夢の目の前に放り投げる)

○○は私のモノだーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

お前もアリスと同じで私から○○を奪いにきたんだろ? 違うか!?

ただの見舞い? 私の勘違い? こいつ(アリス)もそう言って○○を奪おうとしたんだ!!

私から○○を引き剥がそうなんてことは絶対に許さないぜ!!

霊夢、最後に一言だけ言っておくぜ… ○○を奪おうとする奴は誰だろうとこの私がブチコロス-ーーーーーーーーーーーーー!!!!


>>42をみてちょっとビビっときた某死亡雷神店長風の魔理沙、相手は主人公と言う事で霊夢でした。
○○は魔理沙の家で監禁されているという感じで。

1スレ目>>50




「○○は私について来てくれないのか?」

涙を浮かべながら、上目使いでお嬢様―――かつて俺を拾ってくださった旦那さまの娘である魔理沙が問いかけてくる。

昨日の晩旦那さまは大口論の末、お嬢様に家から出ていく事を命じた。

口論の原因を直接は聞いていないが、おそらくは魔法使いになるという事に反対しての事だろう。

いつだったかお嬢様に勉強を教えている時に、魔法使いに関する事を聞かれた気がする。

俺は魔法に関する知識がなかった為に答えられなかったが、それから魔法に関する本などを何冊も読んでいたし。

「お前は私の世話係なんだろう? だったら………」

確かに俺はお前の世話係だ。

接してきた時間は旦那さまや奥様よりも長いだろう。

それでも、

「俺は旦那さまに拾ってもらった恩を返さないといけないからな」

お前には悪いがな。

行き場のなかった俺を助けてくださった旦那さまへは、絶対に恩返しをしたいんだ。

「………そう、か」

魔理沙は俯いてしまい顔が見えないが、おそらくは泣いているのだろう。

これでも結構なつかれていたつもりだ。

旦那さまの事さえなければついていってやりたいんだがな。

「それにお前がこの家を出て行っても、俺はいつまでもお前の世話役だよ」

お前みたいなのは放っておけないし、なにより。

「この家の外で会う事はいくらでもできるだろう?」

「あっ」

その事に気づいていなかったのか、魔理沙が声をもらす。

やっぱり何所か抜けてるな。

「でも、私は会わない」

ん?

それはいったい………

「私はこの家をでて立派な魔法使いになるんだ、だから」

魔理沙が顔を上げる。

涙目ながらも奇麗な笑みを浮かべ、少し上を向いて俺と視線を合わせる。

「いつか立派な魔法使いになれたら、お前に会いに、いや攫いに来てやる」

別れの場だからって無理して笑いやがって。

いつの間にこんなに大人になったんだか。

だったら俺も答えてやらないとな

「あぁ、楽しみにしてるよ」

お前が俺を攫いにくる日をな。

そう言うと魔理沙をうれしそうに笑みを浮かべ。

「じゃあこれは予約だぜ」

そういうと魔理沙は顔を近づけてきて………

唇に何かが触れた感触がした。

驚きのあまり固まっていると、顔を真っ赤に染めた魔理沙は荷物を持ち扉の前に立った。

「じゃあ行ってくる」

「かしこまりました。行ってらっしゃいませ、魔理沙お嬢様」

思考こそ固まっているものの、どうにか普段の態度をとる。

すると扉の開く音と閉じる音が聞こえ、魔理沙は出て行った。

「まったくあいつは」

頭をかきながら笑みを浮かべる。

そういう俺も、それから数十分は顔から熱が離れなかった。




「んっ」

遠くから鳥の鳴き声が聞こえてくる。

意識が少し浮上した所に金属を何かで叩いたような音が重なって聞こえてくる。

音の発生源へ手を伸ばし、ボタンを押して音を止める。

「霖之助から貰ったこの時計、朝起きるのには良いがどうも風情がないな」

目覚まし時計とやらに文句をいいながら、半身を起こして窓を開ける。

吹き込んでくる冷たい空気が寝起きの身体を心地よく冷ます。

風を浴びながら少しの間涼んでいると、ふと先ほど見ていた夢の事を思い出した。

「もう十年ぐらいは前の事、か」

久しぶりにあの時の事を夢に見た。

結局あれから1度も魔理沙にはあってないな。

里とかでは会いそうなものだが、まあ元気でいる事はいろいろと聞こえてくる噂でわかるし。

しかし旦那さまがあれから元気がなくなったのは意外だったな。

なんだかんだ言いながら、やっぱり娘の事は愛していたのか。

もとからあまり人当たりは良くなかったけど、それにくわえて全体的に機嫌も悪くなったし。

魔理沙の事を少しでも話題に出したら苛立ち始めるんだから。

ここ数年でやっと落ち着いてきたけど。

「さてっと。そろそろ朝食の準備でも始めるかな」

日も頭を出してきたし、そろそろ始めないと間に合わなくだろう。

そうして服を着替え、俺は朝食の準備に向かった。




「○○、ちょっといいかしら」

昼食の後片付けも終わった頃。

旦那さまが応接室で行商人と商品の取引をしているので、屋敷の掃除をしていると奥様が話しかけてきた。

「なんでしょうか、奥様」

こう言っては失礼だが旦那さまと違って人当たりが良く、常に笑顔を浮かべている奥様が、普段よりも強い笑みを浮かべている。

何か良い事でもあっただろうかと思案するが、特になにも思い当たらない

さて何事かと奥様の話に集中する。

「朝食の時からあの人の機嫌が良かったのはわかったかしら?」

「えぇ。久々に食事をほめてくださりましたし」

そう。

今日の朝食の時、旦那さまが食事をほめてくださった。

それ自体は過去に無い事ではないのだが、魔理沙が出て行ってからは極端に少なくなった。

機嫌が悪い時は何も言わずに食べるのが普通で、機嫌が良い時は感想を口にするのだ。

「その理由なんだけれどね」

くすくすと笑っている。

全く理由に予想ができないのだが。

「昨日の晩に、あの人はある手紙を読んだの」

「手紙ですか?」

「そう、手紙。それが魔理沙からの手紙でね」

「お嬢様からですか」

それは驚きだ。

今まで1回も連絡をとってきた事のなかった魔理沙が手紙を出してたなんて。

「それに何か書かれていたので?」

「明日の晩、つまり今日の夜ね、この家に来るんですって」

「本当ですか」

「えぇ、それで機嫌がよかったのよ。それを本人の前で見せればいいのに」

言葉に苦笑する。

旦那さまが娘の事に素直でないのは今に始まった事ではないし。

「それで、なんだけど」

「なんでしょうか」

「せっかく帰ってくるのだから、好きな物を食べさせてあげたいでしょう」

そこまで言われてようやくこの話の主題がわかった。

要するに。

「お嬢様の好物を買ってくればよろしいのですね?」

「そういう事よ」

奥様が笑みを深くする。

「久し振りに私も手をふるってみようかしら」

「それはお嬢様もお喜びになられるのでは」

「そうよね」

微笑しながら、穏やかな雰囲気が流れる。

こんな風に旦那さまと魔理沙も和解してくれると良いんだが。

「では、買い物に行ってまいります」

「気をつけてね。まだ日が出てるから大丈夫だとはおもうけど」

「はい、分かりました」

一礼して部屋に向かう。

さて魔理沙の好物はなんだっただろうか。

どうせなら旦那様も好きな物を買うべきだな。

そんな事を考えながら。




そんな心地よい雰囲気だったはずなのに。

久し振りに旦那さまと魔理沙が会うはずだったのに。

「なんだこれは!!」

里で買ってきた大量の食材を途中で落とした事さえ気にせず、屋敷の方へと走る。

遠目からみた時、屋敷は赤く染まっていた。

炎が天にも届く程高くあがり、火の粉は遠く離れた俺のところにまで飛んできていた。

幾分か走りようやく屋敷の前についた時、すでに屋敷のほとんどに炎が上がっている状態だった。

これでは中にいる旦那さまと奥さまは…………。

思わず出てきたいやな想像を振り払い、水を浴びてから屋敷の中にはいる。

「旦那さま!! 奥様!! どこですか!!」

叫びながら屋敷の中を走り回る。

火の粉を吸って喉が痛いが、そんな事今はどうでもよい。

はやく二人を見つけなければ。

もし買い物にでた前の状態のままならば、二人は応接室と台所にいるのではないか。

台所は屋敷から少し離れた所にあるから、先に行くのは旦那さまの所だ。

そう思いに応接室に繋がる廊下を走り抜けて、応接室にたどりつく。

扉を開け、中に入ると。

血だらけで倒れる奥様と、何かを腹部に刺されて壁に縫い付けられている旦那さまとそして、

「魔理沙、なの、か?」

血にまみれて嗤っている魔理沙がいた。

「○○か、久しぶりだな」

「あ、あぁ」

かつてと変わらない笑みに、なぜか寒気がする。

しかし今はそんな事よりも。

「早く二人をつれてここから逃げないと屋敷が――――」

「こいつらならとっくに死んでるぜ」

「何を」

言っているんだ。

「こいつらが悪いんだぜ。○○を迎えに来ただけだっていうのに、色々とめんどくさい事いいやがって」

倒れている二人に憎悪のこもった視線を向けながら魔理沙がしゃべる。

「何がこの家に帰ってこいだ。私は自由に生きたいのに」

下を向いたまま独白が続く。

どういう事だ。

これではまるで魔理沙が二人を。

「そうだ、言い忘れてたぜ」

顔を俯かせてゆっくりとこちらに歩いてくる。

思わず後ろに下がるが何かにつまずき倒れる。

そんな俺の目の前まで来た魔理沙は顔を上げ、とても歪な笑みを浮かべて、

「約束通り、○○を攫いにきた。お前の全てを貰っていくぜ」

1スレ目>>212-213 >>218-220




おす、魔理沙。
んだよ、頭撫でるくらいいいじゃねーか。
チルノや大ちゃんは嫌がらなかったってのに、つれないやつだな。
ん?なら仕方ないから撫でさせてやるぜ?
や、いいよ、いいって。無理強いするのも悪いしさ。
また今度、魔理沙がその気になった時にな。

さーて、晩飯何にしようかな……っと。
お、作ってくれんの?らっきー。
魔理沙の飯は見てくれはアレだけど美味いからな。
おう、腕によりをかけてくれ。
楽しみにしてるから。

4スレ目>>238




※このSSには一部グロ、暴力表現があります。耐性の無い方は回覧をお控えください。
※このSSは、タクシードライバーという洋画を地味にモデルにしています。はっきり言ってほとんどネタで作りました。
※キャラ設定、映画設定、世界観の設定がいい感じに崩壊してる部分が度々あります。
※作者は文才無し、初心者の大馬鹿野朗なので、訳の分からん表現などがたくさんあったりします。
※某福本作品並に三点リーダが使われています、これは文才がの無い当SS作者の表現方法の一つなので見逃してください。
※これは自己満足の為に書いたSSであり、第三者に迷惑や問題があった場合は、他所で公開や削除などの処置をとります。
※ごめんさい、そしてありがとう、4スレ目>>450さん、>>448さん

上記の注意が気に食わない方、了承出来ない方は回覧はお控えください。







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「…んっ…もう昼か……」
「なんだかな…最近寝つきが悪いぜ……」
「ハァ…」


魔理沙はいつもの様に、不自由無く生活している。だが、近頃彼女は一つ大きな悩みを抱えていた。

そう、この何気ない毎日に退屈していたのだ。

様々な異変や困難にも立ち向かい、幾度も勝利し、幻想郷で上位に匹敵する力や才能を持つ彼女でも、
これまで以上にない退屈を感じ、不眠症に苦しんでいた。


「はぁ…今日は特にやることも無いしな…散歩ついでに霊夢のとこにでも顔出すか……」


〜少女散歩中&移動中〜


「よいしょっと、おーい霊夢ー」
「あら、魔理沙」
「よう、せっかくだから来てやったぜ、なんか食わせ…って見ない顔がいるな」
「ああ、この人は○○、外界の住人らしいわ。また結界がイかれたのかしら」
「へぇ…」


―――
○月□日

今日、外界から○○って男が来た
○○は香霖と同じような風格で、馬鹿みたいに無口だ
多分、私と初めて会った時も20文字以上は喋ってないだろう
ここに居る間は、人里の空き家で生活するらしい

それと、最近退屈過ぎたせいか、なんだか○○の事が異常なほどに気になり始めた。
どうかしてるな私……

―――


・・・・・
・・・・
・・・
・・



「んっ…朝か…ってもう午後じゃんか……」
「今日は…散歩だけでいいか…」

〜少女散歩中〜

「ふぅ…結構遠出しちまった」
「ん?なんか落ちてるな」


―――

○月△日

今日は特に何も無かった
そういや、散歩中に天狗の新聞を拾った
小さくだったが○○についての記事も書かれていた
そして、一面記事には、最近急増してきた盗賊について書かれていた、
昨日も人里が襲われかけたらしい
○○は大丈夫だろうか

―――


・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・



「んっ…うあっ…」
「…」
「…!バッ」
「もう夕方じゃないか…」
「…」
「宴会…行くかな…」
「……」
「せっかくだし○○も呼びに行こう」
「そして、宴会の途中に私の気持ちを伝えよう…!」
「そうしなきゃ私が不眠症でおかしくなりそうだし……」
「よしっ!そうと決まれば急がんと!」
そう言って魔理沙は箒に飛び乗り、○○の家へと急いだ


〜少女移動中〜



「ふぅ…よし、着いた」
「さて、お〜い○…ん…?」
「家に○○は居るみたいだが…他にも誰か居るのか…?」
「…」

「あまりこんな事はしたくないが…」
「気になって仕方ないしな」
「えーと、ここが窓か」
「!?」

家の中を見ると幻想郷の管理人、八雲紫が○○の首に手を回し、抱きついた状態で○○の唇を奪い、
唇を奪われた○○は一体何が起こったのか分からない様な顔のままでいた

「なっ…なっ…な、な、な、何が……あいつら何して……」

魔理沙の気が動転している内に、紫は○○を床へと押し倒し、
紫は顔を真っ赤に染め上げ、一体何をしようとしてるのかは察する事の出来る状況だった

「おい、やめろ、○○にそれ以上触るんじゃない、やめろやめろやめろやめろやめろぉ!」

魔理沙は玄関の方へと直行し、思いっきりドアを叩き大声を上げた

「すぅ…うおおい!○○っ!宴会!行こう!ぜ!!!」
「ト゛ン!ト゛ン!ト゛ン!」

魔理沙がドアを叩くと、家の中が一瞬騒がしくなった
そして、慌てて○○がドアから出てきた


「ハハッ!○○!宴会行こうぜ!」
「魔、魔理沙?一体どうし…」
「いいから!いいから行くぞっ!!」

魔理沙は物凄い形相で○○の手を引き、箒に乗せ、宴会場へ直行した


………
………
………


「はあ…なんで私はあんなことをしてしまったのだろうか……」
「どんどんおかしくなってるな私……」
「ハァ………」

魔理沙は宴会場にて一人で嘆いていた

「けど紫と○○は一体…」
考えれば考えるほど、紫への嫉妬心などしか湧き出なかった

「もう考えるのも疲れた…」
「はぁ…そろそろ帰るとするか……」


〜少女帰宅中〜


「…ふざけるな紫紫紫ぃいいいいい!」
「うがああああああ!」
「ガシャン、カ゛チャンカ゛チャ!」
「うっ…ぐすっ…うあぁ…」

帰宅して数時間後、○○の事ばかり考えてる間に悪い考えしか浮かばず、どんどん魔理沙の考えは悪化していった

「紫と○○が結ばれたら…もう私の事なんか見てくれない…」
「いや…まだ振り向いてすらいなんだ…」
「一体…一体…どうすれば…」

その時、魔理沙は最悪の解決策を思いつく

「そうだよ…




       紫 を 殺 せ ば い い ん だ
                            」
「そうだ…殺せばいい…バレても紫さえ殺せれば…」
(幻想郷の管理人、最強の大妖怪、八雲紫を殺せばどんな事があろうと絶対に振り向くはず!)
「そして○○私のものにする…!

      こ れ は 絶 対 だ ! !
                      」


―――

×月●日

最近寝てばっかりの鈍った体を鍛え直す為の訓練を開始した
毎朝、魔法の訓練、逃走の為の持久力も高めた
どんなに眠れなかろうと夜はしっかり身体を休め、
マジックアイテムや魔術を使い、全身の魔力を強化した

香霖に魔力を最大まで下げ、妖怪でも一突きで殺せるような特注品の小刀も作ってもらった
もう準備は整った、あとはチャンスを待つだけ


―――



「ふう」
「明日、また宴会が開かれる」
「この時が狙い目なんだ…」
「数週間待った甲斐があったぜ」
「覚悟しろよ…糞ババア……」

・・・・・・

「…」
「私に用か?」
「どうなんだ?」
「私に用か?」
「誰に言ってるんだ?私か?」
「私しかおらん」
「一体誰と話してるんだ?」
「ふーん…カチャッ」
「…」


・・・・
・・・
・・



「おーい霊夢ー」
「あら、魔理沙」
「宴会の準備はどうだ?」
「ええ、順調よ?」
「そうか…紫とかも今日は来るんだよな?」
「らしいわね、今日はいつも以上に規模が大きいわ」


「うらああああああ!」
「ヒャッハー!」

その時、神社中に大勢の人の叫び声が響いた

「あらら、まだ宴会は始まらないわよ?」
「霊夢、こいつらは?」
「最近ここら辺で急増してる盗賊らしいわ、まさかこんな所にも来るなんて」
「…」
「ちょっと手伝って…って魔理沙どこ行ったのかしら……」

「ったく、仕方無いわね…夢想封印!」

60人くらい居た筈の盗賊達は一瞬にして三割近くが塵となった

「ふぅ…これでもまだまだ居るのね……」
「ん?」
すると、天から眩い一筋の光が降ってきた


「ドラゴオオオオオオオオンメテオオオオオオオオウ!!!!」


「えっ、ちょ、魔理沙危なっ!」

(ト゛ッシャーーーーン!!ヒ゜チュウウウウアアアアン!!)

そして、神社一帯は光で包まれ、大勢居た盗賊達は塵さえも残らず消え去った


「まったく…危ないじゃない」
「ああ…悪い、つい……」
「それにしても派手にやったわね…」
「それにしてもアイツらはなんなんだぜ?」
「最近勢力を強めてきてるらしい盗賊よ、襲われたのはこれで5回目……」
「…」

・・・数時間後・・・

「(遂に宴会が始まった…)」
「(紫は宴会場の奥にいる…)」
「(今は周りに式が居るが、いずれチャンスが来る…)」
「…」

・・・・数分後・・・・

「(やっと式は離れたみたいだな…)
「(うまく後ろに回らないとな…)」
「(にしても…さっきから○○の姿が見えないな……)」

……………
…………
………
……


「もうじき結界も直る頃ね……」
「○○も帰る気だし…寂しくなるわね…」
「はぁ…○○ったら、私の告白も思いも完全拒否…最高の朴念仁ね……」




ドスッ!




鈍い音の後、突然紫の胸部から鋭い刃が生えてきた、いや、貫いたのだ


「ん?えっ?何が…おきた…の……?」
ト゛サッ



倒れる直前に紫が見たものは満面の笑みを浮かべる魔理沙の姿だった




・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・




「アーハッハッ!やったぁ!殺してやったぞ八雲紫ィィィ!!」

魔理沙は紫を刺した後、何処とも分からない森の中の道を気味の悪い笑い声を上げながら歩いていた

「イーヒッヒ…ヒャッハッハアアア!」
「これでぇ!これで○○は私の事を見てくれるぅ!」
「アハッアハハハハハハハ!!!!」



「もう痛いじゃない、魔理沙」




その言葉を聞いた瞬間、魔理沙は背筋が凍るどころか、今にも崩壊しそうな程の恐怖と様々な感情が溢れ出てきた



「うあ…?えっ…?はっ…?」
「全く、大切な人との別れを惜しんでる時に…ひどいじゃない」

後ろを見ると、特注品の小刀が刺さったまま、血だらけで何事もなかった様に立っている紫の姿があった


「えっ…え…え……」
「ええと、この刀はとりあえず返しとくわね。もう大変だったのよ、魔力が完全に無くなる所だったんだから…」



「ねぇ?なんでこんな事したの?ねえ?」


「うっ…えっ…うえええん!」
「まったく、泣き虫な子ね…どんな理由があったかは分からないけど、今回は勘弁してあげるわ」
「けど、またこんな事があったら………

                   次 は 無 い わ よ ?
                                  」










「あはは…グスッ」
「私は本当に馬鹿だな…好きな人も振り向かせられない…
 こんな重要な事もやり遂げられない…
 もう死んだ方がマシだな…
 けど、どうせ死ぬなら、大切な人の為に死にたいなあ…
 ウッ…うっ……ん…?                 」


すると、森の中の騒がしさに気づいた


「な、なんだ…?」



「うらぁ!痛ぇか糞野朗!!(カ゛ツンッ、カ゛ツンッ! ハ゛キィ、ハ゛ニィ!)」
「うっ…ぐあぁ……」

「な、なんてやつらだ…」

そこでは、数人の盗賊がらしき輩が一人の人里の男に暴行を加えていた


「は、早く助けないと…いや、待てよ……」





「おい!こいつを砦まで運んでけ!人質にして里から金目の物を頂くぞ!」





魔理沙はバレないように、慎重に盗賊を追うことにした








〜〜〜〜〜〜〜〜〜







「ようおっさん、ここはあんた等の本拠地かい?」
「なんだ小娘、死にてえか?」
「…その調子じゃここで合ってるらしいな…死にたいのは山々なんだがなあ、


 まずはお前らに死んでもらうぜ
                                     」
「…はあ?」

「恋心"ダブルスパーク"」

この一言を発した後、見張り役の男もろとも砦の扉が吹き飛んだ

「ハァ…ハァ…」
「この糞ガキイイイイイイイ!」

扉を破壊すると、何百人という数の盗賊達が迫ってくる

「ちっ…恋符"マスタースパーク"」

またもや、人ごみの中に眩い光線が浴びせられる

「アガァァッァァ!!「ウアァァッァァ!!!「ウギィイイイイイイ!「アベシィイイイイ!!!「シニタクナーイ!」

大人数の盗賊達が声を上げ、一つのハーモニーとなって奏でられる


「はぁ…はぁ…魔力も減ってきたぜ……」

魔理沙は大量の敵を吹き飛ばしながら砦の奥へと進んでいく





「ふぅ…ハッ…ここが一番奥らしいな……」
「あの男は…居た…!」

「おい、大丈夫か?」
「ん…?女…の子…?
「ふぅ…生きてたか、よし、逃げ…」
「おい!嬢ちゃん右!」
「あ?」

ズシャ!

「うっ!うがぁ!」

隠れていた敵に右腕を切りつけられ、持っていた八卦炉を落としてしまう

「はぁ…このマセガキがああ!」

床に押し倒され何度も殴られてしまう

「うっ!(ホ゛コオ!)うわぁ!(ハ゛ニィ!)ヒィ!(メキッ)」
左腕、胸、顔、腹を何度も殴られ、場所によっては折れてしまった
それでもつかさず、ポケットから小刀を出し、敵の下腹部に刺した

「グァァ!」
「ハッ…ヘッ…」

そして、落とした八卦炉を拾い、敵の米噛みに突きつけた

そして、僅かしかない魔力を使い、




敵の頭を 吹き飛ばした












「うっ…うっ…ああ…」
魔理沙はあまりの痛みに壁へもたれかかった

「おい!嬢ちゃん!しっかりしろ!」
「ハハ…(もう死ぬんだろうな私…だったら、今すぐ死にたいぜ…)」
すると、魔理沙は自分の後頭部に八卦炉を向けた


「じゃあな…○○…」
………
………
………

「…なんだよ…もう魔力は残ってないのかよ……」
「くそぉ…楽に死にたかったんだけどなあ……」















数分後、大きな爆音に気づき、霊夢などその他野次馬がここへとやってきたのだ
霊夢達は騒然とした。砦の前には数々の亡骸、中は血に塗れ、まさに惨状だった

意識を失った魔理沙は急いで永遠亭へと運ばれ、捕まった男も救出された





次の日の朝、鴉天狗の新聞の一面には、「普通の魔法使い、盗賊達と激闘か?」「小さな英雄、人里の男性を救出」などと書かれてという


















数ヵ月後






「はぁ…あの時の私はどうにかしてたなあ…はは、本当に狂ってたぜ」

そう、彼女は生きていた
心や身体にたくさんの傷が残ってしまったものの、命には別状は無かった


「今日も本当に退屈だなあ、今日は何しよう…(ト゛ント゛ン)」
「ん?誰か来たか?へーい、今出るぜ」



こうして、今日も彼女は退屈な日々を暮らしていた
だが、前とは違う、毎日を楽しみながら.....





END

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なあ、魔理沙。
俺達が出会ってもう1年ぐらい経つのかな。
最初にお前と会った時は俺は妖怪にやられて血だらけだったかな?
そんな俺を魔理沙が見つけて介抱してくれたんだよな。
食事も用意してくれたり、俺が出来ないような事も手伝ってくれた。

ある時言ってくれたんだよな、「怪我が治るまでずっと居てやる」ってさ。
俺は本当に嬉しかったし、感謝しきれない程だった。

そして俺の怪我が治ってきて、一度人里に戻ろうと思ったんだ。
俺も悪かったよ、何も言わず夜中に逃げるように勝手に行っちゃって。


でも魔理沙、俺と一緒に居たいからって八卦炉で全身火傷負わせるなんてよ…
命に別状は無かったけど、お陰で腕も足も使えなくなっちまったじゃんか。
え?どんな怪我でも一生看病してくれるって?
嬉しいこと言ってくれるじゃないか。




―――でも魔理沙、こんな事するぐらいなら最初から素直になろうぜ?

4スレ目>>487