■メリー1

「私、毎日貴方の夢を見てたの!」

 そんな風に彼女が声を掛けてきたのは、一体何時の事だっただろうか。
 もう……ずっと昔の事の様にも思えた。

 そんな突拍子も無い彼女の顔は、それに拍車をかけるかのように、綺麗だった。
 メリーはいきなり話しかけてくるやいなや、彼女の夢の中で自分を見た事がある。
 そしてよく、旅を一緒にしていたと、熱弁する。

「だからね、本当に居てびっくり。
 ここでも逢えて嬉しかったよ。

 それじゃあね」

 言いたい事だけを言って。

 しかしあっさりと切り上げた彼女に、不思議と嫌悪感は残らなかった。


 郊外で、彼女を見かける。
 黒い帽子を被った栗色の少女と一緒に。

「あら、あなたは」

 こちらが気が付くのと同時に、彼女も気付いたようだ。

「ん?メリーの知り合い?」

「え、えぇ。ちょっとね」

 何気ない会話を交わし、彼女達の活動の話を聞いた。
 あの時と同じ、自分には突拍子も無い部分が多すぎて、理解は出来なかったが。

 でも、浪漫はあるのは良いね、と本心から答える。

「うふふっ。そうでしょ?」

 メリーはにこやかに笑うと、ぽん、と自分の背中を叩いた。

「浪漫で活動が上手く行くなら、苦労はしないと思うけど」

「でも苦労したほうが、記憶には残ると思うけど?」

 蓮子と紹介してくれた彼女は、メリーに少し振り回されている。

「あなたと会ったせいかしら、やけにテンションが高いのよね」

 そう言って溜息をつきながら。

「蓮子ーっ!ほら、はやくいきましょう!」

「自分が引き止めたんでしょ、もうっ!!

 はぁ、違ったわ……最初からみたい」

 自分に軽く挨拶をすると、二人で何処かへと歩いて行った。


 ……それから何度か、そんな事を繰り返して。
 知り合いから友達へとなっていた彼女は、気付くと自分の傍にいた。

「あなたって、いつもこればかり食べてるのね。飽きないの?」

 食堂でも。

「ふふっ。ひとくち、もらえないかしら」


「買物?……へぇ、そうなんだ。よかったら、付いて行ってもいい?」

 街の中でも。

「え?あぁ、あなたが何処に行くのかなって、興味あるだけよ?

 ……だからってわざと、変な所行かないでよ?」


「あら……奇遇ね。こんな所で」

 街の、外でも。

「私は景色を見に来たの。なんとなく、ね。あなたは?」

 気が付くと、彼女は”居る”。


 初めは、偶然ではないと思った。
 だから自分が行こうとも思わない場所に、何度か足を運び、様子を見ようとした事がある。

 案の定、彼女はいない。
 数回、それを繰り返したが、彼女と一度も出逢う事はない。

 けれど、それに安堵し、自然と足を運んだ場所に。

「あら、こんにちは。○○」

 彼女は、居る。


 ……そんな生活の中で、いつしか夢を見るようになっていた。

 五感全てが研ぎ澄まされ。

 はっきりとしていて、生々しい。


「やっとあなたを見つけたわ……○○」

 真っ白な世界。その正面には、一本の線。

 赤紫の様な色をした――

「見つけた 見つけた。

 あなたを見つけた。

 ○○を。○○を。○○を    あなたをっ!!!」

 音も無く、線は広がった。
 そこには一つの目。

 ……覗いている。

 覗いている。自分を。


「○○は私に夢であった事は無いの?」

 微笑みながら彼女は言う。

 いや、と否定の言葉を返すと彼女は残念そうに眼を伏せた。

「……そっか。いや、当然かも」

「最初からずっとこんな感じで、変な子だと思ってるでしょ」

 再度否定の言葉を返す。

 それもどうなのよ、と彼女は笑いながら返していたが、その声は何処か弾んで聴こえた。


「あなたをもっと見てもいい?」

 ……また、あの夢の中。

 線から覗く一つの目は、自分へと問いかけをしてきた。

 ……少し考え、肯定の言葉を返した。

「本当に?……本当にいいの?」

 遠慮する様な感じで、それは言った。

 頷いてみせると、目は少し歪み、ゆっくりと答えた。

「……ありがとう」

 その線を広げ

「とても、嬉しいわ」

 また一つ、”目の上に”目を増やして。

 ……目が細まり、自分を見つめる。
 悪寒が走り、足が少し後ずさる様に動くと

「もし」

 目はまた

「もっと見ても、いいかしら」

 質問を続けた。


 だから直ぐに”否定”の言葉を返した。

「えっ?」


「なんで……」

「見るだけだから」

 否定する。

 ……線は広がり、目が増えた!

「ねぇお願い、見ているだけだから」

 目が増える。更に増える。

「何もしないわ。危ない事なんてないわ」

 否定

 目は増える 増える 増える。

「私はあなたを好きなのよ。見ていられるだけで、傍にいるだけで、幸せなの」

「だからもっと見ても良いでしょう

 もっと近くに行ってもいいでしょう?」

 否定!

 線は広がり、大きな目 小さな目 目 眼 目 目 め め め。

「恐い事なんてない

 私はあなたが好きだから見たいっていってるの

 ねえお願い、見せて。

 もっと良く

 あなたの顔
 あなたの体
 あなたの××
 あなたの内臓
 あなたの脳

 あなたの心
 あなたの魂

 あなたの夢

 あなたの想いを

 もっともっと 私に 見せて」

 見るな

 見るな。

 み る な !





 ――はっとして、目が覚めた。

 眠っていた自分の上に

 メリーが、乗っかっている。

「夢で逢って以来?ううん、違う」

 彼女の左手には、カプセルが摘まれていた。

「このまま私との現実を続ける?それとも――」

 にたぁ、と口元を歪ませ彼女は笑った。

「……また夢の中で旅をする?」

 その言葉の意味も考えずに、自分はただ、彼女に目を合わせたくなくて。

 全てから、目を、背けた。





 お や す み な さ い。





「あれ……」

 朝、蓮子の目の前で中睦まじく腕を組んで歩くカップルが居た。
 ……目を擦るが、見間違っては居ない。
 メリーと、○○だ。

「おはよう……メリー?」

 疑問符を載せて挨拶をすると、メリーは言葉を返さずに口元を緩めて笑った。

(やっぱりメリー……だよねぇ)

「あのさ。二人って、何時からそんなに仲良くなった訳?」

「とりあえず、おめでとう、とか言えばいいの?」

 少し呆れた感じでつっこむと、メリーはそのままの表情で答えた。

「なぁに言ってるの蓮子ったら……
 朝だからって寝ぼけてちゃ駄目よ。

 ○○と私は、ずぅっと昔から一緒に居て」

「ずっと私が”見守って”大事にしてきたんだから」

「えっ」

「……じゃあね蓮子。また、後で」

 彼女はそう言って前を向くと、腕を組んだまま歩いていった。

 その瞳を――

 うっすらと赤く染めていた事に、誰も気付かぬまま


「今日もあなたの夢を見るわ

 ねぇ あなたを今よりも

 も っ と み て も い い か し ら」

おやつ氏




その報せを聞いたの私は頭が真っ白になった。
私の恋人の家族が惨たらしく殺されその報せをショックで私の恋人”○○”が昏睡したと聞いたからだ
私と○○は結婚を前提に付き合っており家族にも挨拶に行った。
私に家族は居ない、気づいたら施設で育っていた。
その上、私には人とは違う決定的な部分があった
”境界”が見えるのだ私は人と人
物と物、その境い目が見えてしまうのだ
昔は見えるのが当たり前だと思ってた、だから皆にそのことを言った、言ってしまったのだ
そうしたら皆の反応は”キモチワルイ”だった
その施設は高校までは面倒を見てくれた。
もう人と関わり合いたくなかった。
大学に進学し一人暮らしを始めた。
バイトをしながらの一人暮らし
大学に行って勉強してバイトに行っての毎日の繰り返し
私は大学に行っても一人だった、だから寂しかったのだろう
分かっていたはずなのに、私はまた言ってしまったのだ
上辺だけの友達にその境界の事を
もう言わなくても分かるだろう反応は”キモチワルイ”だった
そんなことがあり、誰も近寄って来なくなった
そんな中で○○だけが私に興味を持った。
彼、○○は私にいきなりこう言った。
「境界とやらが見えるのは本当かい?」
どうせまた私を馬鹿にしにきた輩の一人だろう
そう思ったが、やはり久々に人と話したかったのだろうか一言
「そうよ」
と言ったのだ
「そいつはすごいな、今度見せてくれよ」
満面の笑みで言った。
いままでに無い反応、私は同様を隠せずに居た・・・


「今日はどこに行くの?○○」
彼は私を楽しませてくれる、私を否定しない
優しくしてくれるキモチワルイなんて言わない
一緒に居て楽しい、ずっと一緒に居たい
結婚してずっと一緒に暮らしたい。
そう思ってた、幸せは長く続かないものだった
○○の家族が死んだ、何かに齧られたような傷跡だったらしい
空間ごとゴッソリ持って行かれたような、そんな感じらしい
なぜか○○だけ無傷なのかは分からないが生きている、今はそれだけで良かった。
私は病室に入る、○○はベッドの上で横たわっている
傍目に見たら、寝ているように見えるが
私の人とは違う部分、境界が見える、その力のせいで○○が何か良く分からないモノにとらわれているのが分かった。
私は始めての事態に戸惑うしかなかった


???

「ねぇ○○、わたしずっと待っていたのよ?」

「○○、また遊びに行きましょう いまなら何でも出来るは
  あなたが見てみたいって言ってた妖怪だって見れるわ。
   ねぇ○○、行きましょう?」

「私のモノになって?私も、あなたのモノになるから、ね♪」

「話をしましょう?、でないと私、今まで生きて来た意味がなくなってしまうのですから」

「ねぇ?○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、
○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、
○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、
○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、
○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、○○、
ねぇ○○また遊びましょう?ほら、早くねぇ、ねぇ
・・・・・いいわ、そっちがその気なら私にも考えがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私とイッショになりましょう?○○。」

「そうすれば、ずっと一緒にイきられるもの私と同じ”妖怪”に・・・」

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