■藍1
藍「今帰ったぞー。」
○○「お帰りー、藍。」
八雲家…俺はそこに居候してる、外来人である。
そして…力足らずながら、藍の恋人である。
○○「藍…何だ、その、血…」
そんな俺は、久しぶりに目を丸くした。というより見開いた。
玄関まで出迎えに行ったら、藍が血まみれなんだ…
藍「なにって…帰り血に決まっているだろう?」
いつも通りの笑顔で…真っ赤に染まった藍を、俺はただ見ていた。
ぼうぜんとしていた。よくわからない。
藍が、帰り血って言った。つまり、何かを殺したってことだ…
はやまるな、これは野生妖怪の血に決まってる。
優しい藍のことだ、襲われてる人を助けたに違いない。
藍「まったく、人間のくせに、しぶとかった・・・」
今、人間って言った…そ、そうだ、きっととんでもない極悪人に違いない.
今日藍は人里に買い物に行った。
そこで見かけた殺人犯かなんかを仕留めたんだ。
それで慧音さんあたりに引きとめられて、こんな遅くになったんだ。
そうだ、そうにきまってる。
藍「ほんと、私の○○に近づこうとするなんて、薄汚い奴らめ。」
忌々しそうな顔で吐き捨てる藍。
・・・耳がいかれたか、藍がこんなこと言うはずがない。
きっとおれの耳が悪いんだ、だからいけないんだ。
○○「な、なぁ、藍…一ついいか・・・?」
藍「ん、なんだ○○?」
先ほどとは打って変わっての、いつもの優しい笑顔で藍は俺に問う。
○○「その…血は…何の血だ…?」
藍「あ、ああ。これは、私の恋人のお前に近づこうとした薄汚い豚どもの血だ。正確に言うなら…」
そうして藍は、一人一人、名前を読み上げ始めた。
…その名前は、全部知っている奴らだ…
名前が一つ上がるたび、絶望感に襲われる。
視界が、ぐらつく…
藍「・・・これくらいだったか?
まったく、お前の人望が厚いことはうれしいが、周りが害虫ばかりだと、
駆除する側も疲れるんだぞ?
・・・・どうした?○○、おい!○○!!」
藍もの 続き - 麺類
2009/11/03 (Tue) 12:13:00
○○「う…ここは?」
起きたら、いつも俺が寝る布団に入っていた。
…夢…だったのか…?いや、そんなわけがない、あんなに鮮明に覚えてる記憶が、夢なはずない。
起き上がって、身支度を整えて、障子をあけて、居間に行こうとした、でも、その足は止まった。
そとの、縁側につるされているものを見て、俺は・・・猛烈な吐き気に襲われる…
○○「あ・・・ああぁぁぁぁ・・・!!う!!・・・ゲェ・・・」
それは全部知ってる奴だった。
友達だった…女ばかりがつるされてる。
藍「ああ、おはよう、○○。」
声がする方を向くと、藍がまた新しい死体を釣る下げてる…
○○「ら…藍・・・お前…!!何やってんだよ!!」
藍「なにって・・・益虫まで殺してしまってはまずいだろう?殺した害虫は害虫でちゃんとわかるように、ここにつるしておくんだ。」
橙「藍さま〜、○○〜…どうしたの・・・ヒィ!!」
橙が、廊下の曲がり角からこちらに来て、つるされたそれを見て悲鳴を上げる。
藍「おや、橙、おはよう。どうしたんだ?おびえて…」
橙「…イヤァァァーーーーーーーー!!」
そのままおびえて逃げていく橙。
○○「な・・・なんでこんなことをぉ!!」
藍「なんでって、言ってるだろう?害虫退治だって…」
さも当然そうな顔で藍が言う。
○○「お前!!…人を殺したんだぞ!?」
藍「そんな奴ら人じゃない!!」
いきなり藍が大声を上げる。
藍「全部!全部虫だ!紫さまと橙と私と、なによりお前以外!全部虫けらだ!
勝手に許可もなく私の○○を取ろうとする虫なんて、つぶされて当然だ!!」
○○「!!・・・・・・」
その剣幕に、つい押し黙ってしまう。
藍「なんでこんな虫どもの心配なんて…そうか、わかったぞ!!」
いきなり明るい表情になる藍。
藍「この害虫の毒にやられたんだ!だからこの虫どもを心配するようなことを言うんだ!・・・なら、私が消毒しなくちゃなぁ…」
ゆっくりと、こちらに歩いてくる藍…逃げなきゃ…でも、足が動かない…九本のしっぽを揺らしながら歩いてくるその気迫に、俺はもう動けない。キツネににらまれたネズミ…
藍「もう、毒されないように、してあげるからな…」
俺はしっぽに包まれて、気を失う直前に感じたのは、大好きな藍の香だった。
紫「藍、うまくいったかしら?」
藍「ええ、紫さま、ご協力誠にありがとうございました。」
紫「何言ってるのよ藍。
わたしはあなたが幸せになるためなら、何の犠牲も惜しまないわ。」
藍「紫さま…」
紫「橙や目迎者の記憶は全部消しといたわ。安心しなさい?」
○○「藍さま、ご夕飯の用意できましたよ?」
橙「藍さまー、紫さまー、早く食べよー?」
紫「ええ、わかったわ、ほら藍、二人の作ってくれた料理、味わいましょ?」
藍「ええ・・・ありがとうな橙、○○。でも、評価は厳しいからな!」
○○「少しは甘く評価してくださいね…?」
藍「料理に甘さは必要ない!」
紫「あら藍、厳しいわね―・・・」
式神を扱う式神の能力を応用してこんなんにしてみた。
反省はした、後悔もした。
藍が好きだったからさー・・・
後のナズーリンである。ということは全然ないぜ!
麺類氏
ちぇーんー。
どこいったー?
ほれ、かつぶしやるから……あ、藍様。
あはは、ただのかくれんぼですよ。
あいつ、小さいせいか見つけづらくて……
まったく、何処に隠れてるんだか。
この前なんて方々探した果てにようやく見つけた時は
押し入れの中にしまった俺の布団の中でしたし。
ああ、ひょっとしたらまたあそこにいるのかも。
俺、探してきますね。
……藍様も行かれるんですか?
へ?あ、嫌とかそんなんじゃなくて、
俺の部屋、散らかってるから……その。
いや、いつかは掃除するつもりですよ?
――手伝ってくれる?
マジですか、ありがとうございます!
藍様が手伝ってくれるなら百人力ですよ。
さ、いきましょういきましょう。
4スレ目>>302
突然であるが、俺には前世の記憶というものがある。
こんな事を現代日本で言うと、頭のおかしい奴か新興宗教似非霊媒師扱いだろう。
しかし、繰り返し言うが俺は前世の記憶というものがある。これは事実だ。
俺の前世は平安時代の陰陽師だった。と言っても安倍晴明などと言った一流どころとは比べものにならない。
並の並程度の技量だった。本人もそれがコンプレックスだったらしく、無茶な研鑽とか良くしていた。
そんな彼が背伸びをしたいが為にやってしまった人生最大の過ち。
それは、当時帝を誑かそうとし、安倍泰成によって正体を看破された大妖怪。
唐と天竺で悪名を馳せたソレを退治すれば、一躍立身出世も夢ではない。
那須の地へと逃げ延びた大妖を、安倍泰成の攻撃で弱った今なら自分だって討てるかもしれない。
そんな甘い考えは、那須の地へ辿り着き、かの大妖が潜む荒寺に攻め込んだ後で砕け散った。
あらゆる式や術はたやすく破られ、前世の彼は大妖に囚われる。
殺される事を覚悟した彼であるが、大妖の反応は違った。彼女は、彼を殺さなかった。
寺に監禁し、嬲り続けたのだ。宮中で帝はおろか大貴族達を軒並み骨抜きにした美貌と身体を持って。
自分の上で気持ち良さそうに腰を使う大妖の姿は今でも鮮明に恐怖と背徳の感情と共に思い出せる。
何より、「お前が気に入った。こうなればお前を我が内に取り込み永遠に私のものとしよう」と言った言葉と共に。
結果、それから暫くしてやって来た討伐隊によって大妖は討たれ殺生岩へと封印された。
彼は助け出されたものの、大妖の妖気に当てられたのか急逝してしまった。
それが、彼の持つ前世の記憶の全て。
しかし、前世の記憶を持つからと言って何だというのだ。若干の霊感は残れども式は放てず術も編めない。
何より、科学万能の現代日本、もはやこの手の術は忘れ去られるのみ。
何も意味を持たず、この記憶は薄れていくだろう。
……そう思っていた時期が、俺にもあった。
気が付くと、俺は森の中に居た。
確か、ネットでやっていた心霊スポットを見に行った帰りの筈なのに。
巫女が大昔に神隠しに遭った田舎の神社である。そう言った場所を自前の霊感で真贋見極めるのが俺の趣味だった。
確かに胡散臭い雰囲気はあったがそれだけだった。そんな事を途中で出会った女子大生の2人組も言っていた。
しかし、俺はここに居る。ここは霊気と妖気に満ち溢れた場だ。現代の日本では有り得ない場所だ。
かつて神秘が残っていた平安の世よりも、この地は喪われたもので溢れている。
「そう、ここは喪われた存在が集う場所、その残滓を抱える貴方がやって来れたのも道理ではないかしら?」
気が付くと、目の前に胡散臭い雰囲気を放つ女が居た。女子大生の片割れによく似た容姿の。
しかも、この女は自分の抱える能力を知っている!? 全身から放たれる桁違いの妖力に、戦慄が走った。
「それに、私が貴方を此処に招いたのは藍の望みでもある。うふふ、意外に純情なのねぇ。藍ったら貴方が転生して来るのをずっと待ってたのよ?」
藍? 誰だそれは?
そんな言葉を吐こうとした俺の後ろから、白い両手がゆっくりと伸ばされ抱き締められた。
「待っていたぞ、○○。いつぞやの荒寺以来だなぁ」
「ま、まさか」
耳元で囁かれた甘い声、数え切れない程俺の身体を撫でた細い指、熱い息吹。
そうだ。記憶の、前世の記憶で、絶対に忘れない程深く刻まれた存在だ。
強制的に振り向かされ、俺の叫びは放たれる前に柔らかい唇によって塞がれた。
絶世の美貌と容姿、何時も俺を包み込んでいた九本の金糸で作られた様な長い尾。
あの荒寺で俺の恐怖を、俺の魂を掴んで話さなかったそれは。
「もう一度言おう。私はお前が気に入ったのだ。今度こそお前を永遠に私のものとしよう。もはや、邪魔は入らない……」
「藍、○○、末永く、永遠にお幸せにね……」
4スレ目>>671