■霊夢1
唐突だが俺こと○○は博麗神社の一室で監禁を受けている。
体に大小結構な数の傷こそあるが、一応五体満足だし縛られているわけでもなければ鉄格子の中と言うわけではない、
それに何より、俺をここに閉じ込めた張本人である博麗霊夢は、同じ部屋の布団で今も眠りこけている。
では何故逃げ出さないかって?逃げられるものならとうに逃げ出してる。襖一枚向こうで妖怪共がうろうろしてなければな
それに何より俺が帰りたいのは外の世界だ
人間で送り返す力があるのは霊夢、こいつしかいない
妖怪でも同じ事が出来る奴がいるらしいが、連絡を取るのはもう絶望的だろう
「お兄さん良い奴みたいだから、私が紫に頼んで帰してあげるよ」
そういって俺に微笑んでくれたあの娘は無事だろうか?
いや、恐らく助からないだろう、鬼とはいえ最後の瞬間あれはどうみても致命傷だった
霊夢が刺した針が、確かにあの娘の頭に深く突き刺さっていた。
俺を庇おうとしたばかりに、ちくしょう
元々俺はこの幻想郷の住人ではなく、外の世界の住人である。
此処に迷い込んだ時が丁度真夜中で、獣か化け物かわからない奴にいきなり襲われた。
肩を危うく食いちぎられそうになったが、運よく袖とちょっぴりの肉だけで済んだのは奇跡だっただろう
命からがら逃げ出して、闇雲に走って出た先がこの博麗神社だった。
荒い息を吐きながら戸口を必死で叩く俺に、浴びせられた第一声は
「最近の夜這いは騒がしいわね」だった
パニックを起こしていた俺は、応対に出た霊夢にとにかく助けてくれと連呼し、
思い起こせばかなり恥ずかしく情けない状態だっただろう。
そんな男のどこに惚れたのかわからないが、今の状況を考えれば
あの時食われていたほうがましだったのかもしれない、と物騒な事を考えてしまう
治療を受けながら幻想郷について説明を受けた俺は、まだ半信半疑だったものの
実際に自分が襲われた状況と夜が明けた後の外の世界ではありえない景色で、自分が居た世界とは違うことを確信した。
なんとか元の世界に戻れないかと聞いた俺は、丁度ここが外の世界に送り返すことが出来る場所だと聞いて歓喜した。
しかし、霊夢の話によると今まで怪我人を送り返した事は一度も無く、こちらで受けた傷があちらの世界でどういう
影響を受けるかわからないので、こちらとしても送り返した先で死なれると気分が悪いから傷が治ってから
送り返すと言うことで良いか?という質問に俺はOKしてしまった。
神社にたどり着いた直後は興奮していて気づかなかったが、骨折こそ無いものの肩の傷以外にも何箇所も
裂傷や打撲を負っていて、実は殆ど動ける状態では無かった。
その後暫く博麗神社で世話になることになったのだが、この神社全くと言っていいほど人が来ない、
霊夢曰く、人以外のものなら呼ばなくてもしょっちゅう来る上に、そういう連中が度々神社で宴会を開くらしいが、
この前珍しく人間の魔法使いと遠くの竹林に住む姫君が、些細な口論から喧嘩に発展してしまい、
魔法使いは足に怪我を負い、姫君も酒の席ではしたない真似をしてしまった事で恥ずかしさから
引きこもってしまい、暫く出てきそうにないとの事。
宴会の盛り上げ役がこれそうに無い上に、竹林の主を差し置いて従者だけが宴会に出るわけにもいかず、
参加人数不足では興が乗らぬと他のメンツも暫く様子見を決め込んでいるとのこと。
竹林の姫君の従者に、人間の怪我程度ならたちまち治せる薬を作れる者がいるらしいが、
上記の理由で暫く来そうに無い上に、普段殆ど怪我をしない自分は従者の薬を買い置きしてないので
諦めろと言われた時は、この巫女はなんて人を持ち上げて落とすのが好きな奴なのだと思ったものである。
神社には結界を張っているので、敷地内であれば自由に動いても大丈夫と言われた俺はリハビリに専念する事にしたのだが、
幸い肩以外深いと言える傷はなく、若い事もあり傷は順調に回復していった。
一週間も過ぎた頃には肩の傷以外はほぼ癒え、何時までも散歩と食事だけの生活では申し訳ないので
家事の手伝いを申し出ることにした。
これには歓迎され、掃除やら雑用を手伝う事になり、良いリハビリになった。
何日も一緒に暮らしていると、お互い警戒心は薄れ慣れは出てくるもので、一緒に食事をしている最中に箸を落としてしまい、
同時にそれを拾おうと手を伸ばした時に抱き合うような形になり、
密着している事に気がつきお互い慌てて飛びのいてしまった事があった。
外の世界で若い女性と触れ合う事など殆ど無かった為、俺もかなり驚いたが、
霊夢はもっと経験がなかったのか俺の倍も飛びのいて、暫く顔を真っ赤にしていた。
そんなのんびりとした生活が暫く続き、生活にも心にもに余裕が出てくると、同時に慢心も出てくるもので
ある日偶には格好良い所を魅せようと、肩の傷が治りきってないのに霊夢の前で重い物を持とうとしてバランスを崩し、
よろけた所で足元が濡れていたのも災いして派手に転倒してしまった事があった。
不幸中の幸いで傷口は開かなかったのだが、酷く足を捻ってしまい帰る予定が延期になった上に
怪我した場所が足なので、家事が殆ど手伝えなくなってしまった。
手間を増やしてすまないと謝る俺に、霊夢は良い事でもあったのか不思議なほど上機嫌な声で
「気にしないでいいのよ○○は、此処でゆっくりしていけば良いのよ」と
助けを求めた時の最初の態度は何処へやら、手伝いが減って手間が増えたと言うのに
謝ったこちらが呆気に取られるほど上機嫌だった。
足を怪我してから動けない○○に対し、霊夢は長年仲睦まじく連れ添った夫婦以上に献身的であった。
朝夕の包帯は必ず洗ったものと取り替えるし、風呂や着替えは必ず手伝い、食事も決して豪華ではないが、
神社の経済状況を考えると不相応なほど手の込んだものが振舞われた。
合間に家事や境内の掃除をしていることも考えれば、休む時間も殆ど無いはずであったが、
恐縮する○○に対し霊夢は
「私が好きでやってるのだから気にしないで」と目を輝かせて答えるのだった。
ある日の事、大分調子が良くなっていた○○は霊夢の介助を断り自作の杖で石段を上っていた。
最近のお気に入りは、散歩の最後に神社の石段に腰掛け、麓の村を見下ろす事だった。
どんな人が住んでいるのだろうと気になった○○は前に包帯を取り替えている最中の霊夢に、
どんな人たちが住んでいるのか?もし時間があれば行ってみることは可能かと聞いてみたのだが、
「やめときなさいよ○○、神社に来ないような不信神者ばかりだし道中危ないわ」
と些か不機嫌そうな声で返答が帰ってきた。
道中危ないから村人が来ないのではないのか?、と言いかけた○○であったが、
「ここでゆっくりしていけばいいじゃない、何か不満でもあるの?」と不安そうに聞いてくる霊夢に対し
「い、いや、そんなことはないよ」と言うのが精一杯だった。
これ以上迷惑をかけるのは申し訳ないと本気で思う○○に対し霊夢は
「私に出来ることがあったら言ってね、なんでもするから…なんでもね」と
頬を染めて言う霊夢に、若い異性だと言う事を改めて意識してしまい、ドキリとさせられる○○であった。
そんなこんなで後少しで石段を登り終わると言う所で事件は起こった。
メキッ ドサッ
「ぐあっ」
○○の持っていた杖が体重をかけた瞬間根元から折れ、つんのめった○○は石段に肘から突っ込んでしまい
もろに石段に右腕をぶつけてしまった。
「○○!?」
何時の間に来たのか、○○のすぐ後ろの石段にきていた霊夢が箒を放り出し○○を助け起こす、
小柄な少女の何処にそんな力があったのか、○○を半ば抱きかかえるようにして神社の縁側まで連れて行って寝かせると
文字通り飛んで薬箱を取りに行った。
「折れてはいないみたいだけど、ひび位は入っているかもしれないから、痛みが引くまで動かさないようにね」
思ったより軽症だったことに溜め息を吐いた霊夢は、こけた時に○○の髪についた埃を払う
「すまん…霊夢、また迷惑かけてしまった」
「杖が壊れたんだもの、気にしないで、それに言ったでしょう。好きだからやってるって」
「本当にありがとう、霊夢、これだけ優しくされると外の世界に帰った時が大変だな」
軽い冗談の積もりで○○が言うと、霊夢の動きが止まった。
「帰る?帰るって今言ったの?○○、どうして?何か不満があるの?私何か○○の気に触ること言った?」
「お、おい、どうした霊夢…」
「今までだって○○の世話で嫌だと思ったことなんか無いわ…寧ろ嬉しくて堪らないくらい」
「れ…霊夢…」
「それに○○は帰れないわよね、帰れるわけが無いわよね、だって怪我が治ってないんだから!」
そう言って顔をあげた霊夢は、確かに笑っていた。
その日の晩、台所でゴソゴソ音がするので片手片足のまま這っていってみると、
月明かりの下台所をピョコピョコと2本の棒の様な物が動くのが見えた。
「おい…誰かいるのか?霊夢じゃないよな?」
「うひゃっ!?…その声は霊夢じゃないね、あんた誰?」
「それはこっちのセリフだ、お前…いや、君は誰だ?」
「あたし?あたし萃香、鬼の伊吹萃香っていうんだ」
「鬼…ああ、霊夢が言っていた人じゃない者達ってのは君の事か、おっと、紹介が遅れた。俺は○○って言うんだ」
「うんうん、人間にしてはまだちゃんと礼儀がなってるねえ、宴会に来るあの人間の魔法使いにも礼儀を見習わせたいよ」
「霊夢からも少しは話を聞いてるが、それには色んな奴が来るってのは本当か?」
「普段の宴会の事?確かに色んな奴が顔を出すしあたしも結構顔を出すけど、特に紫なんかはほぼ毎回きてるねえ」
「紫ってのは知らないが、君以外にも色んな妖怪が来るのか?」
「うん、さっき言った紫ってのは色んな所に出入りできるから、よく外の世界のツマミや酒を持って宴会に来るんだ」
「外の世界だって!?そいつ外の世界に出入りできるのか?」
「うん、隙間ってのをあけてちょくちょく外にも出入りしてるみたい」
「そうか…」(もしかしたら、チャンス…か?)
「外の世界に興味があるってことはお兄さんもしかして外の住人かい?」
「ああ…何日か前、下手したら一月か二月前にこっちに来たんだが、最近神社に篭りっきりで日にちの間隔があやふやだけどな」
「ふーん…わざわざ外の世界からこっちにきて神社に引き篭もりなんてお兄さん変わってるね」
「その事なんだけど、萃香、その紫って人に外の世界に連れて行ってもらえるよう頼む事できないかな?」
「え?でもそれなら博麗神社でそういう事はやってるんだし、霊夢に頼めば良いんじゃ?」
「詳しいことは言えないっていうか俺もわからないんだが、それはちょっと難しいみたいなんだ。頼む萃香」
そう言って顔の前で両手を合わせる○○
「うーん……よし、わかった。お兄さん良い奴みたいだから、私が紫に頼んで帰してあげるよ」
ニッと笑顔を見せて答える萃香
「本当か!ありがとう、萃香」
「良いって良いって、鬼は一度約束したことは絶対守るのさ」
「そ、そうか、あ…悪いんだが、霊夢に内緒でこっそりってのはお願いできるか?」
「変な事を言うお兄さんだねえ、どうせ秘蔵のお酒でも飲んで気まずいんでしょ。うんうん」
「あ…ああ、まあな」(ここで霊夢の異常を打ち明けても意味無いよな…?)
「じゃあ、あたしがこうやって食料を食べちゃった時は、二ー三日以内に町に買い物に霊夢はよく行くからその時だね」
「わかった」
「私の分身を入り口で見晴らせておくから、霊夢が出かけたら迎えに行くよ」
「ああ、ありがとう。萃香」
じゃ、今日の所は帰るよ。と言って台所からツマミになりそうな物を持ち出した萃香は、霧になって帰っていった。
萃香の予想通り二日後、朝から霊夢は出かけていった。
流石に何も無しに黙って消えるのは不義理すぎるので、書置きだけは残しておいた。
あれだけ尽くしてくれた霊夢を一人置いていくのは胸が痛むが、何日か前の霊夢の様子も気になる。
「いっそ紫って人に霊夢の事を相談してみようかな…?」
一人呟いていると、甕の影から小さな萃香が顔を出した。
「やあ、○○、霊夢も出て行ったみたいだしこっちは準備できたよ」
「ああ、わかった。萃香」
「霊夢が出かける前に探知用結界だけ広げてて、神社までは行けないんだ。だから神社の近くの沢までこれるかな?」
「わかった。ちときついが出来るだけ急いでいく」
片手片足が満足に動かない状態では正直きついものがあったが、幸い燃料にするために霊夢が拾ってきたのか
折れたはずの杖が竈の近くに転がっていたので、応急処置をすれば使えそうなので持って行くことにした。
「沢までくらいの距離なら紐で縛って応急でなんとかいけるよな、って…なんだこれ」
石段を登っている最中に折れたと思った杖は綺麗な切断面を晒していた。
「なんだよこれ…なんでこんな事になっているんだ」
考えたくない、考えたくないがこれが出来た奴は一人しか居ない
嫌な予感がした○○はもう形振り構っていられないとばかりに杖を放り出し、
四つんばいのような形で沢まで這い始めた。
綺麗に霊夢が普段から掃除しているとは言え、細かい砂や小石が這う度に肌に食い込む、だがこの際気にしていられない
はやく、早く、速く、急がないと、悪い予感がどんどん膨れ上がってくる。
何とか沢にたどり着くと、萃香が手持ち無沙汰に岩に腰掛け、足をぶらぶらさせていた。
「お兄さんおそーい…って、ずいぶん大きな芋虫だね」
此処にくるまでの僅かな距離で、○○はずいぶんと泥だらけになっていた。
「まあいいや、ここからマヨイガまでは結構な距離があるし、飛んでる間に夜になるだろうから今から行けば丁度だと思う」
よっと萃香は岩から飛び降りると四つんばいの○○に手を差し伸べてきた。
「じゃ、私に掴まって、こう見えても力は人間と比べ物にならないから、抱いて飛んでいくからね」
その発言に小さな女の子に抱きついて浮かんでる自分を想像して、一瞬恥ずかしくなった○○だが、この際贅沢は言ってられない
「ああ、わかった。じゃあ萃香、頼む」
「あいよ」
そういって○○も手を伸ばし、お互いの手が触れ合った瞬間
「何やってんの?あんた達」
「!?」
「!?」
そこには居ないはずの人物、霊夢が立っていた。
「あ…あ……ああ」
「霊夢、どうしてここに?」
声にならない声を漏らす○○の代わりに、萃香が○○のしたかったはずの質問を霊夢に向ける。
「あんたが度々忍び込んで酒のツマミに食料をちょろまかしていくのは知ってるけど、今日は玄関出るときに視線を感じた」
そう言いながら霊夢はフラフラとこちらに近づいてくる。
「普段なら昼間の私の行動なんか気にしないあんたが、監視を置いてるなんておかしいと思って網をはってみたら、案の定よ」
そういって霊夢はキッとこちらを睨む
「萃香ーーーーーーーーーーー!アンタ○○をさらって何処へ連れて行く気」
普段の霊夢からは想像つかない、異様なまでの「執着」を見せる霊夢に対し、流石に萃香は霊夢の様子が尋常ではないと気づく
「霊夢…それに○○、あんた達の様子から大体の想像はついてるけど念のために聞くよ」
そう言って萃香は○○と霊夢の間に立つ
「霊夢、あんた好意を寄せるのはいいけど○○の意思は確認したのかい?」
「した!したに決まってるじゃない!!……ねぇ、○○、貴方最初に約束したよね?怪我が治るまでうちに居るって」
萃香と○○とで、応対する時の表情が面を付け替えるようにコロコロ変える霊夢の様子に怯える○○は
その質問に答えない、いや、答えられない。
○○の態度を霊夢はどうとったのか分からないが顔を萃香のほうに向ける
「やっとわかったわ、萃香」
「何がさ?霊夢」
「アンタが! ○○を! 騙して!誑かして!此処に連れてきたってことがね」
「何言ってるのさあんた、○○はここに自分の意思で来たんだよ」
萃香の言葉に嘘は無かった、しかし、霊夢の心にそれは届かない
「嘘だ!!そんなはずない、○○が私を置いてどこかに行くはずない、だってそうでしょ?私今までだって尽くしてきたじゃない?」
霊夢は慈母の様な笑みを○○に向ける
「○○、あなた萃香に騙されて此処に来たのよね?そうよね?うんと言ってよ、○○」
此処にきて、ようやく○○は自分の意思を見せる
「いいや、俺はここに自分の意思で来たんだ。霊夢には本当に優しくしてもらって感謝している。けどな」
そういって片手と片足を器用に使い、霊夢の方向に体を正す
「けどな、けど、今後どうするにせよ一度帰りたいんだ!帰りたいんだよ」
「その後でなら…」と後の声は殆ど聞こえなかった。なぜなら
ジャリ…ジャリジャリ……ジャリジャリジャリジャリ
小柄な霊夢の何処にしまってあったのかと思いたくなるほど大量の針が霊夢の服の袖から顔を覗かせる
「可愛そうな○○、こんな子鬼に騙されるなんて…」
霊夢の体がゆっくりと上昇していく、それと共に袖から覗いてた針が霊夢の周りに浮かび始める
「いいわ、言葉で○○を助けることが出来ないなら、まずは私がその原因をぶち壊す!」
その言葉と共に萃香に向けて撃ち出される大量の赤い針
「○○、私が絶対外に連れて行ってあげるから、鬼は絶対約束を守るんだよ。そして霊夢…このわからずや!」
針を空中に飛んで避けた萃香が真上に手を伸ばすと、辺りの小石や砂が集まり巨岩となる
「はああああああっ」
気合の声と共に霊夢に向けて放たれる大岩、しかし霊夢はそれを空を飛んで巧みに回避する
と、そこに飛んできた岩の影から飛び出す萃香。
最初に投げた岩はフェイント、霊夢と萃香だと遠距離戦では萃香の分が悪いため、この方法しかなかった。
「もらった!」
萃香が大きく振りかぶる、此処からいかに体を捻ろうとタイミング的に普通なら霊夢に避ける術はない、しかし
霊夢は何を思ったか数本の針を撃ち出した。なんと○○に向けて
「なっ」
萃香の顔が驚愕に歪む。まさか好意を向けているはずの○○に危害を加えるわけはないと思った萃香は完全に虚を突かれた
「○○!」
霊夢を殴り飛ばすはずだった腕で、火球を作り出し飛んでいく針と○○のコースに割り込ませる。
ジュッと音を立てて針は溶け落ちる。一瞬ほっとした顔の萃香だったが
サクッ
ビクンと萃香の体が震える。
「馬鹿ね、萃香、私が○○を殺すわけないじゃない」
○○を助ける為に一瞬霊夢に背中を向ける形になった萃香に、霊夢はあろうことか
持っていた針を直接萃香の頭に突き刺したのだ。
「……れ…れい…む…」
「まだ喋れたの?呆れた生命力ね。安心してよ萃香」
笑いながら霊夢は続ける
「もし仮に針が当たって半身不随になったとしても、私が一生○○の面倒を見るし」
刺した針を更に手首の力で捻る
「もし万が一死んでしまっても、冥界に取り返しにいくわ、だから」
萃香の体から力が抜け、下の川に落下する
「だから安心して死んでね。萃香」
ドボン
上流のせいか、川幅は狭いが流れは速い、あっという間に萃香の体は流されていった。
「さて…と、邪魔者は消えたし、帰りましょうか。○○、私たちの家へ」
そういって河原にへたり込んだ○○を包み込むように霊夢は○○を抱きしめた
そして今に至る。
萃香の死体を確認しに下流に行った霊夢は、その後何も言わずに帰ってきた。今もたまに外出しては暫くして戻ってくる
「…香が生きて…面倒…、記憶飛んで…、後は…紫もついでに…おびき寄せ…処分すれば完璧ね」
神社に帰る度なにやら時々呟いてるがもうどうでもいい
「怪我が治っても鬼の洗脳が溶けるまで帰れないわね、治るまで一緒の部屋で過ごしましょ」と一方的に決められ
「○○が勝手にどこかにうろうろしたりしない様に神社の結界を解くわね」と
家具や米びつ、日用品に最低限の結界だけ残して全ての結界を解除された博麗神社は、
元から人里から離れた所にある為か、それとも元が神聖だった場所の反動か、
今や昼間から下級妖怪が闊歩し、一部屋だけ残された部屋以外どこも危険すぎる場所になってしまった。
俺は霊夢がついてこなければトイレすら満足に行けない状態で、こうして部屋の一室に閉じ込められてるってわけだ
あれから萃香という最後の希望を絶たれた俺は、意識が放心状態から戻ると霊夢にありったけの罵詈雑言を吐いた。
そして体が治ると肉体的にも精神的にも霊夢を徹底的に責めた。しかし、全ては逆効果だった。
霊夢は笑顔と共にそれを全て受け入れたのだった。
○○の心の中を私が独占している。この事実が霊夢の中では最上の喜びだった。
そうして回想しているうちに、霊夢が目を覚ました。
目を擦りながら意識を覚醒させると、○○のほうを向いて微笑んだ。
「おはよう、○○」
いい加減疲れていた○○は、駄目元で霊夢に語りかけた
「霊夢、前に出来ることならなんでもするっていったよな?なら殆ど怪我も治ったし洗脳も溶けた、だから帰してくれ」
そういうと霊夢はこう答えた
「あら、それはもう出来ないわ、○○、私に不可能な事だからその願いは却下」
「…なんでだよ?」
「だって、もう○○が居ない世界なんて私が耐えられないもの」
「…そうか、もう好きにしろ」
「うん!」
そういって霊夢は幸せそうに○○に抱きついた。
>>up0522
私には大切な人が居る。
外の世界からやってきた、ちょっと変わった男の人。
底抜けに明るくて、飛び抜けて馬鹿な青年。
ほぼ毎日神社にやってきては、なにかしら騒ぎを起こすトラブルメーカー。
荒唐無稽という言葉がとてもよく当て嵌る一般人。
だけど、実はとても優しくて……
凄く、温かな人。
最初は鬱陶しかったけど。
何故か無性に気になって、気になって。
気が付けば恋に落ちていて。
そして気付くと同時に、彼と私は恋人同士になっていた。
いつも周りに笑顔を振りまいている人。
いつも私に笑顔をくれる人。
裏表の無い笑顔。
……でも。
私はそんな彼のことを。
本当は、何も知らないのかもしれない。
夜の帳が降り始めた境内。
私は縁側に腰掛けていた。
右手にはお酒がたっぷりと入った杯。
今夜の神社はとても騒がしかった。
朝方に神社を訪れた魔理沙の発案により、急遽決まった宴会のためだ。
まあ、宴会は別に嫌いじゃないから構わない。
お酒を呑むことは好きだし、騒ぐのも嫌いじゃない。
なにより、アイツに会える。
私の大切なアイツに。
ならば断る理由なんてありはしない。
まあ、いつも神社に来るので別に寂しいとかそんな訳では無いのだが。
偶には違った雰囲気というのも味わいたいというのが乙女心というモノでしょう……多分、きっと。
なによ、悪い?
良いじゃない、別に。
会いたいってのは本当なのだから。
こんな私だって、恋する乙女らしいことをしてみたい時もあるのよ。
とまあ、そんな淡い想いを朝の私は抱いていたんだけれど……
「だぁ〜〜〜っはっはっは〜〜〜〜っ!!」
「いいぞ〜○○〜! もっとやれ〜っ!!」
「きゃーっ!! ○○素敵ーーーーっ!!」
今の私は、そんな浅はかな考えを抱いていた過去の自分を全力で殴りたい気分だった。
境内のド真ん中から聞こえる騒がしい声。
嫌が応にも聞き慣れた複数の少女の声と、それに混じって聞こえるこれまた聞き慣れた馬鹿の声。
……少し、頭痛がした。
痛みに眉を顰めながら騒ぎの中心に目線を向けると、其処には上半身裸で踊っている青年の姿。
顔を真っ赤にしながら踊るその様は、蛸と呼ばれる海の生き物を連想させる。
くねくねと奇妙な動きで踊る蛸を見ながら、思った。
あの馬鹿、結構呑んでるわね。
全く、呑み過ぎるなっていつも言ってるのに、ちっとも聞きやしないんだから。
「おっしゃあっ! 行っくぜーーーーーーーっ!!」
こちらの心配を知らない蛸は、更にテンションを上げて腰を振る速度を上げる。
加速した腰の動きは、今や残像すら見えそうだった。
「出たーーーっ!! ○○の高速腰振りーーーーーっ!!」
酒を呑んで普段の倍近いテンションとなった魔理沙が叫ぶ。
それに伴って、周りの歓声は更に大きくなった。
真っ赤な顔の上半身裸男の腰振りを囲む、酔っ払い軍団。
目の前で繰り広げられる異様な光景に、頭痛が酷くなりそうだ。
脳内に襲い来る痛みを、眉間に指を当てて緩和させながら私は反省する。
分かってた。
ええ、分かってましたとも。
アイツはあーゆうヤツだから。
こうなることは分かってたわ。
ちょっとでも期待した私が馬鹿でした。
そうだ。
彼はこんなヤツなのだ。
生粋のお祭り男。
トラブル・ハプニング・イベント大好きのお騒がせ者。
人妖関係無しに差別無く接して、手当たり次第に巻き込む台風男。
何かにつけて馬鹿騒ぎをする、出鱈目だらけの一般人。
だから。
だからこうなるのは目に見えていた筈だった。
実際、過去の宴会もこんな感じだったのだから。
暴走するだけ暴走して、最後にはリバース。
片道切符の暴走特急。
もはや定例と化しているパターンであった。
まあ、そんな底抜けに直球な彼だからこそ、私は好きになったのかもしれないのだけども……
だからこそ、此処で何かを言うつもりはない……でも。
でも、少しくらい期待しても良いじゃない?
今回こそは、いつもとは違った、所謂恋人同士の甘い宴会を楽しみたいと。
そう思うのは自身の我侭なのか?
いいや、そんな筈は無い。
誰だってコレくらい思う筈だ。
夜空に浮かぶ月だって、毎日形を変えているのだ。
それはきっといつも満月じゃ飽きるから。
ほら、ちっともおかしくない。
何もおかしなことは無い筈だ。
そうだそうだ。
おかしいことなんて何も無い。
と、そんなワケのわからないことを考えている間も頭痛は収まることを知らず、頭の中をガンガンと叩いてくる。
脳天を叩く鐘の音は、目下警鐘を鳴らしまくっていた。
ああもう、なんか考え過ぎてイライラしてきたわ……
その時、境内の中心から一際高い歓声が上がった。
五月蝿いわね、もう。
うおーだの、きゃーだの、少しは静かにしなさいっつーの。
不機嫌さを惜しみも無く出しながら、アイツを中心にして騒いでいる連中を睨みつける。
連中は相も変わらず、やれ踊れや騒げや呑めや唄えやと喚いていた。
その馬鹿騒ぎする様子を見て、更にイライラが募る。
……大体、アンタ達もそうよ。
私とアイツの関係知ってるでしょう?
ならちょっと。
ちょっとくらいは……
その時、魔理沙が叫んだ。
「○○ーっ!! 今度は私と踊ろうぜーーっ!!」
楽しそうに叫びながら、魔理沙は遠慮無しにアイツの腕を掴んだ。
腕に腕を絡める、所謂恋人同士がする腕組みを見た瞬間。
ぷちんと。
私の中で何かが切れた。
沸騰した頭に浮かぶ文字は四文字。
我慢と、限界。
導火線に火を点ける様に、手に持った杯を口に運ぶ。
口内に注ぎ込まれる辛口のソレは、私の喉を焼きながら胃の中へと流れ込んでゆく。
そして杯の中を呑み干した後、私は息を大きく吸い込み叫んだ。
「アンタ等ちょっとくらい気を遣えーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「○○が倒れたーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
爆発する様に弾けた私の叫び声に重なる様に、魔理沙の叫び声が上がった。
宴も終わり、夜も更けてきた神社の境内。
酒も肴も切れたことで、宴会に来ていた面々は散り散りに帰宅していった。
今私の目の前にあるのは、散らかりきった宴会の残骸。
どうでもよくないけど、アンタ等たまには片付けて行きなさいよ。
まあ言っても聞きゃしないのは分かってるんだけどね。
溜息混じりに境内から居間へと視線を移す。
現在、神社に残ったのは、酒瓶等の残骸と……それともう一つ。
月明かりに照らされた居間から、浅い寝息が聴こえて来る。
もう一つ残ったのは。
座布団を枕代わりに、彼には似合つかわしくない、規則正しい呼吸を彼は繰り返す。
寝てる時は静かなのね……
鼾とかするイメージだったのだけれど、どうやら違ったらしい。
そういえば。
付き合い始めてから幾分か経つけど、コイツの寝顔って見たことが無かったわね。
ふっと、好奇心が胸を掠めた。
折角だし……見ておこうかしら。
起こさない様に彼に近付き、寝顔を覗き見る。
瞬間。
ひやりと、背中が震えた気がした。
仄かな明かりに照らされた寝顔は、とても安らかで。
まるで死んでいるかの様。
いつもは健康的な肌は、月明かりの所為か、雪の様に白い。
生気というモノが感じられない、真白。
生命という名の温かさを、一切拒否したかの様な、凍りつきそうな程の、冷白。
まるで死を望んでいるかのようだと。
何故かこの時、私はそう思ってしまった。
傍らに座り、そっと彼の頬を撫でる。
死人のようなひんやりとした体温は、まるで私の考えを肯定している様だった。
そう、まるで……
まるで本当に……
「死んでいるみたいね」
「生きてるって」
何の気無しに呟いた言葉に、彼は閉じていた瞼を開いて答えた。
月明かりに照らされた彼の瞳は湖の底の様に。
何処までも昏く、そして何処までも透き通っていた。
「起こしちゃったみたいね」
「いんや、実は少し前から起きてたんだ……けど」
霊夢が何かしたそうだったから、黙って横になってた。
そう彼は後に続けて、私を見つめた。
ずっと見つめていると、吸い込まれそうな程に深く昏い、眼。
ふっと、部屋の中を薄い影が差した。
月が雲に隠されたのか。
淡い光が微かに弱くなった。
「死んでて欲しかった?」
薄闇の中、甘く囁く様に彼は問い掛ける。
「私が死ねって言ったら、アンタは死ぬのかしら?」
「ああ、お前を殺してからな」
私の問いに彼は薄く笑いながら。
冗談を言うかの様に答えた。
良く見慣れた笑顔の筈なのに。
どうしてか、私は別人の様に思ってしまった。
太陽とは真逆の、今宵の月の様な……昏い光。
温もりの感じられない、命。
ああ……
もしかして、私は。
「こうゆう時って、普通なら『一緒に生きていたい』って言わない?」
問い掛けに、彼は微笑むだけで何も答えない。
けれど、その微笑みと昏い双眸が、全てを語っていた。
全てを守り抜く理想。
全てを捨てても構わない現実。
好奇心と無関心。
高揚する激情と冷徹な狂気。
太陽と月の二面性。
喜びと空虚さを隠した入れ子人形。
鋼の仮面と鉄の素顔。
もしかして私は。
雲間から再び覗いた月が、彼と私を照らす。
私はこの人のことを。
本当は、何一つ知らないのかもしれない。
「○○」
引き金はその言葉。
彼は無言のままゆっくりと起き上がって、私の服に手を掛けた。
布が擦れる音が耳に届く。
私は彼にされるがまま、けれど視線は彼から外さない。
昏い、夜の闇よりも尚昏いその眼から。
瞬く間に私の服を脱がした彼は、今度は自分の服を脱ぎ始める。
強引に脱いだ衣服を横に置くと、彼は自分の胸に爪を突き立てた。
「何を」
止める声も聞かず、彼は掻き毟る様に自身の皮膚を縦に引き裂いた。
裂かれた傷から、一瞬の内に紅い液体が溢れ出る。
彼は苦痛の表情さえ浮かべずに、私の手を血溜まりに触らせた。
突然の彼の奇行とも呼べる行動を、私は嫌悪も無く受け入れる。
温かな生命の雫と、生を伝える確かな脈動が掌から伝わってくる。
「あ〜あ、ちゃんと生きてるんだけどなぁ……」
哀しさと空しさの入り混じった様な彼の声を聞きながら。
私の頬に、一筋の滴が流れた。
私には大切な人が居る。
外の世界からやってきた、ちょっと変わった男の人。
底抜けに明るくて、飛び抜けて馬鹿な青年。
ほぼ毎日神社にやってきては、なにかしら騒ぎを起こすトラブルメーカー。
荒唐無稽という言葉がとてもよく当て嵌る一般人。
だけど、実はとても優しくて……
凄く、温かな人。
最初は鬱陶しかったけど。
何故か無性に気になって、気になって。
気が付けば恋に落ちていて。
そして気付くと同時に、彼と私は恋人同士になっていた。
いつも周りに笑顔を振りまいている人。
いつも私に笑顔をくれる人。
裏表の無い笑顔。
……でも。
私はそんな彼のことを。
本当は、何も知らないのかもしれない。
けど、それでも。
例え今までの彼が嘘だったとしても。
全てが幻だったとしても。
彼の中に私は居なくても。
何もかもが壊れて無くなってしまっても。
それでも。
それでも、私は彼のことを離したりはしないだろう。
何故なら。
何故なら私は、彼のことを狂おしい程に。
そう、本当に狂おしい程に。
彼のことを、愛してしまっているのだから。
>>up0564
ちょっと、なにバタバタしてるのよ○○。あ、外に出たいの?
へー、ゴロゴロする天才の貴方でも自分から外の空気吸いたいときもあるんだ。
いいわ、私もちょっと散歩したいと思ってたところだし、一緒に行きましょ。
……何? 一人で行きたい? 貴方ね、それちょっとひどいんじゃない。
夫婦がいつも一緒にいるのは当たり前のことでしょ。
……待ちなさい、貴方なんて言ったの今。結婚した覚えは無い、ですって。
あまり冗談も度がすぎると、刺すわよ? その口、縫ってあげましょうか?
……ふふふ、冗談よ冗談。そんな怖がらなくてもいいじゃない。
過ぎた冗談? やぁねえ、こんなの冗談の内にも入らないでしょ?
じゃ、そろそろ行きましょうか。
シ゛ャラ……シ゛ャラ……
あーもう、ただの散歩だったのになんで弾幕ごっこしなくちゃいけないのよ。
魔理沙も紫も「○○を離せ」だなんて言って来るし、へんなのでも食べておかしくなっちゃったのかしら。
私は誰も縛るつもりもないし、縛られるつもりも無いのに。
まあもう言ってくることも無いでしょう。貴方もちゃんと分かるわよね? 二人がもうそんなこと言ってこないっていうのは。
それにしても本当に皆おかしいわ。異変の前兆かもしれないわね。
まあ何か起こってからでも間に合うでしょ。それまでお茶でも飲みながらゆっくりしましょうか。
ねえ○○?
やんでれいむ。
……正直スマンカッタ。
1スレ目 >>77
>> 304
やんでれいむは作りやすそう。
「○○…本当に帰っちゃうの・・?」
「ここにいて…○○になら何されたっていい…体も心も…全部好きにしていいから…」
「なんで…?なんでよ…!なんでそんな事いうのよ!!」
「分かったわ…誰かに脅されたんでしょ?…誰?」
「紫?それとも魔理沙?大丈夫よ、私あなたのためなら…なんでもできるもの…」
「絶対に……殺してあげるね」
ヤン成分薄いがこんな感じで。
霊夢は惚れるとそいつを束縛してされて、な感じがする。
1スレ目 >>304
ちょっとヤンデ霊夢を作ってみようとおもた
駄作スマン
>>314と似てるかも・・・
霊夢「○○、帰っちゃうの?」
「あぁ、俺も学校に言ってるし、彼女も多分まっているからね」
霊夢「彼女なんていたの?」
「あぁ、いたよ。と、言うことだからさっさと返してくれ」
霊夢「いやよ、絶対に返さない。・・・・・・・・・・と、言いたいけど彼女が待っているならしかたないわ」
「ありがとう霊夢。それにしても魔理沙や紫は?さよならの挨拶がしたいから
、霊夢に呼んでおいてってたのんだよね」
霊夢「勝手に帰れだって、何でわざわざ行く必要があるのって?いってたわよ」
(ばーか、誰が帰る日など教えるもんですか。○○は私のものなのに)
霊夢「後、誰も来ないのは結界をはったからよ。私と○○だけにしないと二人の世界を作れないでしょ」
「なるほど、二人の世界ってどういう意味?」
霊夢「それは、こういうことよっ!」
BGM 悲しみの向こうへ by school dayz
その瞬間、霊夢はこちらに振り向いて僕の体に包丁を刺した。そう何度も最後に見た霊夢の目は歪んでいた・・・・
霊夢「私が死ぬまで○○は私の体の中で一緒に暮らすんだね」
えんど
レス汚しすまん 初めてなもんだから 暖かく見てください 展開はやいな
1スレ目 >>315
なぁ、幻想郷に来て三ヶ月ぐらいになるんだが、今 博霊神社に滞在している
一ヶ月ほど前までは神社から出れたんだが、このごろは鳥居をくぐっても同じところに帰ってくるんだ
霊夢に聞くと、何もないわよっていうけど目に光がないんだ。前までは、
咲夜さん、メイリン、かぐや、うどんげ、てぬ、もこー、けーね、ゆかりん、アリス、マリサ、そしてらんしゃま
など、たくさん会いに着てくれたのに・・・霊夢に聞いたらみんな
「 あなたのことは嫌いになった 」って言ってたらしい
でも、霊夢は「私は裏切らない」って言ってくれた。
っ今日、僕は見てしまった、アリスの人形の上海が僕のとこに来た
相当、ぼろぼろだ。何かあったのか?と聞くと「ルネッサーンス、といって」動かなくなってしまった
しかし、僕は知ってしまった。
どうやら、僕は閉じ込められているらしい。霊夢の結界によって
上海は、マリサやヨウム、ユユ様 その他幻想郷みんなの思いを乗せて、僕のところにやってきてくれたのだ。
僕は、アリスに上海を渡すためにもここを出るっ!
決意したが、霊夢が鳥居の前にいる・・・・目がヤンデいる。もしかして霊夢ってヤンデレ?
僕は、今になって気づいた。だが、もう遅い。僕は、逃げられないかも知れない。
最後に、紙飛行機を作って霊夢にばれないように飛ばした。
誰か、紙飛行機を見たやつは俺をすくいだしてくれないか?
紙にはこう書いている。
”俺は、博霊神社に閉じ込められている。用心すべし 9月30日”
1スレ目 >>492
「嬉しいっ・・!」
飛び込むようにてゐが抱きつくと
○○は優しく受け止め抱き締めた。
「私の能力目当てだったとしても…貴方に愛されるなら、私っ・・」
○○はそれに応えるかのように、てゐの頭を優しく撫でてやると
手を繋いで微笑んだ。
「えへへ…」
少し離れた物陰。
其処に、音も無く、気配も無く。
霊夢がそれを覗いていた。
霊夢は○○に以前から想いを寄せていたが
彼とお喋りする訳でもなければ、知り合いですらなかった。
ただ、○○は毎日の様に神社に来ると、ごく僅かではあるものの
賽銭を入れに来ていたので、数少ない参拝客の彼を知っているのは当然…
の、はずだったのだろうが。
賽銭を入れに来る○○を知った時、霊夢は神社に居なかった。
加えて言うと、私が居なかったから参拝に来た、と思い込んだ。
霊夢が居る際はどこぞの悪魔だのスキマだの…
そういった客が転がり込んでいる事は珍しくなかったからである。
そして、○○の参拝する時間は決まって朝早く、日が昇る少し前と
どこかの鬼と鉢合わせる事もなかった。
霊夢は元々、金に執着心があった訳ではないので
始めは○○に対する興味のようなものしか持ってはいなかった。
だが、○○がいつものように参拝に来たある日、ふと口にした言葉―
―こんな所に住んでみたいものだ―、と。
…。
普段来ない参拝客のせいもあってか。
それとも女性とばかり付き合っていた反動か。
霊夢の想いは一気に膨れ上がり―
そして、次第に彼への興味はいつしか「それ以上の何か」へと変化していた。
「○○…ぁ、彼の手があの兎の手に…」
そう、あれからずっと彼を見ていた。
暇さえあればずっと彼の傍に居た。
家も知ってる。仕事も知ってる。
趣味は、何か。何が得意か。
好きな食べ物も。嫌いな物も、苦手な物も。
どういう時、どんな仕草をするかだって把握してる。
ねえ、だから○○。いつでもうちに来て・・いいんだよ?
だから、ねぇ。そんな兎に優しくしないでよ。触らないでよ。
ずるいよ。私だって○○の匂いを感じたいのに。
貴方がそう言ってくれるまで我慢してるのに。
ねえ…
ずるいよずるいよずるいよずるいよ
ずるいよねぇねぇねぇズルイズルイズルイズルイ
なんなのよ あの兎は
―ねばいいのに
ああ、そっか
いつもみたいに、すれば
だから そう これはそういうことね
イヘンガオキタンダ
迷いの竹林の途中。てゐがスキップしながら帰路についていた。
「〜♪・・○○」
そっと手を胸に当てて○○の名前を呟き考える。
人を騙すのが好きだった私がこんな風になるなんて…
○○と幻想郷で出会えて本当に・・幸せ。
だから…あの人には絶対に幸せになって欲しい。
「な〜んて素直に言えたら・・あははっ」
ドガッ!
「ぎゃあ!!」
突然、後頭部に激痛が走る。
間髪を居れず腕を掴まれ、捻られた。
(何っ・・!?どこの馬鹿妖怪よ、私を狙うなんて!!)
慌てずてゐは思考を回転させたが、その正体も目的も…
想像からは全く外れていた。
「えっ」
「素敵…これが○○の匂いなんだ」
「み、巫女なの!?あんた何やって・・いぐあぁぁ!!」
グシャッ。
鈍い音。
腕が折れてはいけない方向に、曲がる。
「う・・ぁ・・あぁ・・」
「はぁ・・もうダメ、我慢出来ないッ…!」
ペロッ。ベロベロベロッ。
「ひ・・ひぃゃぁぁぁあああ!!」
舐められた!?何、何なの?
こわい、こわい。助けて、助けて皆、たすけて、○○―!
「たすけがぁぅっ!い゛ゃぁぁああ!!」
「うるっさいわねぇ。
私は異変を解決しに来ただけなのに。
まぁ・・いっか。こいつが黒幕なんだしね。
○○があんたとくっつくなんてありえないもの。
そう、これは異変なのよ」
「み、巫女ぉ・・あん・・たま゛さかぁっ!!」
「さて、と―
貴方の手足でも持って帰ろうかしら?
幸運のお守りとして。
異変が解決した事を証明しなくっちゃね・・ね?○○・・。
○○の為だったらなんだって出来るンだからァッ!!」
―った笑顔で、そう言うと。
霊夢は針を―
(・・○○っ…!ごめん。ごめん、ね―。)
鋭い痛みが手足に走り。
てゐの意識は徐々に、闇へと飲まれていく。
(私…あなたと幸せに・・幸せに・・してあげられそうにない・・ゃ・・)
それでも。
「おね・・が・・○○に、は・・ひど・・しな・・で。」
全ての力を振り絞り。光は消えた。
「今日は○○の匂いで眠れるのね・・良い夢が見られそうだわ」
四肢のない無残な死体を足蹴に。
血の滴る手足を頬ずる霊夢には、その声は届かなかった。
数日後、日の出前―。
てゐが死んだ事を知り、○○は今日も一人神社で泣いていた。
それを幸せそうに見ている一人の少女の存在を知らぬまま。
知らぬまま、押し殺すように。こう、呟いた・・
「お前は絶対に幸せになんかなれない―」
何もしてくれなかった、神に向かって言ったのか。
無力な自分への言葉だったのか。
そして○○がどうなるのかさえ―誰にも分からなかった。
誉めて頂いた方、陳謝。
>>528から注文の御代は頂きました、ご馳走様。
さて、おかわりをご所望な方が居たので無理矢理完結させてみた。
おやつなので、味の保障はしませんが、良ければ御賞味あれ。
___
てゐが死んでから、少しの時が流れ。
○○は一人部屋に閉じ篭る時間が多くなり
仕事で出掛ける以外には、全く何も手に付かなくなっていた。
そんな重い空気の立ち込める部屋の扉を叩く音―
「お邪魔するわ」
来訪者は、八意 永琳。
「…酷い有様ね。安易に想像出来たけれど」
○○は聞いているのか、聞いていないのか分からない表情のままだった。
「てゐの死因―というよりは殺され方が分かったわ。
多分、踏みつけらながら手足の骨を折った後
何かで突き刺し、手足の肉を削ぎ落とす。
巧く出来なかった部分もあったみたいで、引き千切った箇所も―」
ガタッ。
「何でてゐがそんな酷い目に合わなければいけないんですか!」
「何で・・何で・・・」
突然声を荒げた○○を気にする様子もなく、永琳は続けた。
「結論だけ言うわ。犯人はまともな奴じゃない。
そして、次に狙われる可能性を考慮すると―
次は、あなたが狙われる可能性が一番高い」
「…。」
「・・どうするの?第一被害者候補」
少し目を細めて言ってやる。
「・・どうでもいい・・死んだらあいつの所に行けるんだ。なら・・」
予想通り、とでも言わんばかりの顔の永琳。
「―そう。がっかりしたわ。私も。そしてきっとあいつもね―」
用は済んだと言わんばかりに外に出ると、静かに扉を閉じられた。
「・・てゐ・・俺は・・・」
誰にも聞こえない程度の掠れた声で、○○はブツブツと唸るだけだった。
「―ねぇ」
「…。」
「なんであんたが○○の家に行くのよ出てくるのよ近付くのよ
卑猥、不潔、汚らわしい鬱陶しいッ!
折角あの兎を始末したってのにさぁぁ」
「やはり、貴方が犯人だったのね…。
凶器は針、使い手なんてこの幻想郷じゃ数え―」
「異変がstage1で済む筈も無いって事かしら
まぁ当然よね当たり前だわ
そう、さっさと倒して○○を助けなきゃ
早く早く早く
はやくはやくはやく」
「・・っ!?人の話を聞きなさ―」
「はやくはやくはやくしないと
ハヤクハヤクシナクチャ
危ないのよ、来てくれないのよ
いつまで経っても○○がぁっ!!」
「師匠、遅いな…」
帰りの遅い永琳を心配し、鈴仙は一応○○の家へと向かっていた。
一応、である。
蓬莱の薬で不死となっている永琳ならば例え何があっても大丈夫だろうし。
―そう、思っていた。
今この瞬間までは。
「…なにあれ」
○○の家より少し離れた裏道に、永琳の顔と片手が生えていた。
いや、飲み込まれている、というべきか。
「し・・師匠っ?!」
「・・良い所に・・。一度しか言わないわ、良く聞きなさい」
「どうしたんですか、これ!?一体何が…」
「貴方とゆっくり話してる余裕はないのよ。
いい?あの巫女・・私達蓬莱人ですら○○を誑かす存在だと思っている。
今の私のこの姿―殺せないなら封印すればいい。そういう考えみたいね。
…多分あの巫女が出会っている妖怪への対策は
完璧と言えるほど用意されているかもしれない。
長い事生きてきたけれど、こんな結界を作り出すなんて…
やっぱり只者じゃなかったってわけか…。
いい?姫様を頼むわね。
波長を操る能力を最大限に活用すること。
逃げる事を第一に考えておきなさい。
余裕があれば、○○を囮にするくらいはしてもいい。
そうすればもっと時間が稼げる筈。
どんな手を使ってでも構わない。
逃げるのよ、絶対に。
これは命令・・いえ、お願い。どっちでもいいわ。
これから飲みこまれる私には、その結果がどうなるか、分からないもの」
「師匠ッ!らしくないですそんなのっ!!
いつもみたいに余裕たっぷりに、何とかしてみせて下さいよぉっ!!」
そして彼女は、少しだけ。ほんの少しだけ、笑い
「ごめんね。『鈴仙』。もう、疲れちゃった。限界なの―」
「―耳障りだと思ったら、まだ居たの」
グシャッ。
彼女の師匠は踏みつけられ、姿を消した。
「し・・しょ・・?」
(ねぇ聞いて○○ 私またあなたを守ったよ
あなたを狙う卑劣な奴は いっぱいいっぱいいるのそれでね
知らないよね ううんでも知らなくてもいいの
あなたが居ればそれでいいの
だから私 あなた 待ってる
待ってるの・・
待ってるから・・・
待ってるから・・ね
・・あれ)
聞こえてしまった。
塞ぎ込んでいた彼は、永琳の『配慮』で漸く重い腰を上げ
てゐの事を思い出しながら、歩いていた。
けれど―
「・・・○○を誑かす存在・・・」
「・・・あの巫女が・・・」
「・・・囮にするくらいの・・・」
耳に入ってきた言葉。
今見ている光景。
そして、月の兎の断末魔―。
こいつが・・こいつだ・・・
「お前・・てゐをおおぉぉぉっ!!!」
鈴仙を始末した感傷に浸るあまり、○○の気配に気付かなかった。
いや、気付いた。彼が後一歩で彼女に触れられる範囲まで近付かれてから。
(○○が近付いてくる
○○が来てくれた
○○が私に会いに来てくれた!)
霊夢はまるで悪夢から覚めたかのような表情で、笑った。
瞬間、霊夢の胸に
―ズブリ
激痛。
(あ・・れ・・?)
痛い。何でこんなに痛いんだろ。
ずっと我慢してたからかな。うん、きっとそうだ。
もっと早く○○に話しかけてみれば良かったんだ。
見ているだけなのが、辛くて、切なくて。
でもね、こんな痛み、気にならない。
○○が私を見てくれた。○○が話をしてくれた。
でも、○○ったら、さっき何て言ったの?
・・ちょっとふらふらするなぁ。
初めまして・・って言わなきゃダメかなぁ・・
あ・・違うかな・・・いつも来てくれてるんだもん。
ありがとう・・か・・な。)
○○の手にはメスが握られており、霊夢の左胸へと貫通した。
永琳の『配慮』で置かれていたそれは。
(生きてる意味を失うのは苦しいわよね。
でも、貴方の積み重ねてきた歴史なんて
須臾に過ぎないって事、覚えておきなさい。
それも分からないガキなら、死になさい―)
そう添えた、文章と共にあったもの。
○○はこいつを突き返してやろうと外に出た。
そして、永琳の『配慮』は生きる意味を与えた。
もっとも、悪い形で。
「うあああぁぁぁぁぁぁあ!あぉぁぁ!」
言葉にならない声を上げながらでメスをかきまわす。
死ね、死ね、死んでしまえ!!
憎しみの全てを込めた○○の目が、霊夢と重なった。
何でこんなに嬉しそうなんだ。
もっと痛がれ、苦しめよ!
「嬉しいっ・・」
瞬間、抱きしめられた。
・・意味が、分からない。
何処かで聞いた言葉。
同じ様な瞳で。同じ様な表情で。
そして同じ髪の色の大好きだった娘が。
「○○・・愛して・・る」
手を繋いできた。くれた。
どうして良いのか・・分からなくなった。
メスを握る力は抜け、霊夢の体重が○○にかかる。
そのまま倒れこむ様に、霊夢は永い眠りについた。
○○は泣いた。泣きながら、その名前も知らない少女を抱き止めた。
ただのどうする事も出来なくなった。
血溜まりはやがて月の様に丸く広がり○○と霊夢を覆い尽くしていた。
やがて○○も倒れた。
立ち上がることも出来なかった。
最後に彼らを見守っていたのは、無関心な神でも。
無力だった、○○でもなく。
空に浮かぶ、まあるいまあるいお月様。
兎 兎 何見て跳ねる
ねえ、兎は だーあれ?
〜了〜
追記
ヤンデレスレがこいしちゃんで賑わってるし
本スレは神綺様の食べ放題でお腹一杯。
さて、明日は雛か衣玖さんをおやつにするかもしれません。
1スレ目 >>520-521 >>539-541
楽園の素敵な巫女、幻想の管理者たる博麗霊夢は、誰にも囚われず、誰にも靡かず
ただ一人で淡々と、自らの役目をこなしていく、はずだった。
これまでも、そして、これからも。
彼が、外の世界より迷い込むまでは。
幻想郷に迷い込んだ青年は、妖怪退治の帰りがけの霊夢によって保護された。
行くあてもない青年を神社に住まわせるよう決めたのは、彼女の気まぐれだったのだろう。
家事を手伝い、宴会の後片付けを手伝いながら、長い時間を過ごしていくうちに、同居人
以上の感情を抱くのは自然なことだった。霊夢がそんな感情を抱くことは初めての経験であっただろうが。
紆余曲折あり、ついに青年と霊夢は結ばれた。
心も、身も捧げ合い、貪り合った。
神社に帰ると、大切な人が待ってくれていることが、どんなに幸せなことか、初めて霊夢は知った。
しかし、それは突如打ち砕かれた。
里へ買出しに行った青年が、いつまでたっても戻ってこない。
そういいながら取り乱す霊夢が、偶然遊びに来た霧雨魔理沙に縋り付いたのは、季節が一巡りした
夏のある夜だった。
涙さえ見せて、か細く震える霊夢の姿を初めて目の当たりにして、魔理沙自身も穏やかではなかった。
ほどなくして知らせを聞いた私や鬼、紅魔の門番、人形遣いや半獣、炎の蓬莱人など青年と親交のあった
者達が集まり、幻想郷のめぼしい場所を手分けして探し始めた。
そして、それは最悪の結末を迎えた。
見つけたのは魔理沙であった。
森の小道から脇に入ったところで、彼は倒れていた。
体の所々を食い散らかされ、無残な亡骸となって。
音速で竹林の薬師のもとへ運び込むも、それは遅すぎた。
巫女装束が汚れるのも気にせず、寝台に横たわる青年を抱き上げた霊夢の慟哭は、夜が明けるまで続いた。
運悪く妖怪に出会い、襲われたのだろう。
半獣はそう結論付けた。
昼間出歩く妖怪の類は、珍しい部類だが、全くいない訳でもない。近いうちに山狩りをしなければならない、
と呟きかけて、慧音は続きの言葉を飲み込んだ。
霊夢の瞳には、何も映っていなかった。全ての感情が抜け落ちた顔で、ただ座り込む巫女が、余りにも痛ましかった。
葬儀はごく親しい者達だけで、しめやかに営まれた。
私を含めた捜索に加わった者たちや、後で知らせを聞いて駆けつけた者達の前で、荼毘に付される青年を、霊夢は魔理沙と慧音
に支えられながら、ただ見ていた。
夜空へ彼を還す炎が、霊夢の瞳に映って揺れていたのを、覚えている。
その炎が、憎悪の煉火に変わるなど、この時誰が予想し得ただろう。
そして、秋も深まるある夜。霊夢の友人、霧雨魔理沙はこんな会話を交わしたという。
「霊夢……」
「あら、魔理沙じゃない。一足遅かったわよ。退治はもう終わっちゃったもの」
「……お前、また」
「結構汚れちゃったわね。あーあ、洗濯するの面倒なのよね」
「そこに転がってる妖怪の成れの果ては、何か悪さしたのか?」
「知らないわよそんなこと。ただそこにいたから退治しただけよ」
「…まだ小さい子供だっているじゃないか」
「下手に大きくなって力つけたら面倒でしょ?手間にならなくてよかったわ」
「お前……!」
「妖怪なんて退治されるもの。邪魔な羽虫を叩き潰すのと一緒でしょう?」
「それで、あの宵闇の妖怪も……」
「あれだって所詮妖怪でしょ。あの氷精の邪魔が入って塵には出来なかったのよね。今度は二匹纏めて消してやろうかしら。
その方が面倒も無くていいわね」
「……どこへいくんだ」
「まだ私の役目は残ってるから、おかげさまで商売繁盛なの。じゃあね」
──やっぱり、霊夢の話か。
あいつ亡き後、雨の中傘も差さず一晩中墓の前で佇んでたり、二人分の飯を用意したり、一日中縁側で呆けたりしなくなって、
なんとか立ち直ってきたかと思ったんだが──私が甘かった。永遠亭の薬師やスキマの奴が何であんな顔してたのか、やっと分かったぜ。
霊夢の心は、壊れたんだ。
強いあいつでも耐え切れないほどの悲しみ。大事な奴が突然いなくなる寂しさ。それがどれほどのものか分からないが、あの霊夢を壊して、
狂わせるほどのものだったんだ。相当なものだろうな。
後でスキマの奴が言ってたよ。「悲しみと憎しみの境界は、春先の氷より薄い」ってな。ハッキリとした対象がいるなら尚更か。
だから、あいつは妖怪を、退治するんだ。
──それが役目だろう、って?
あいつの視界に入っただけものや、出会い頭の人畜無害な人を襲わないやつや、その子供ごと退治するのが役目なら、私も何も言わないぜ。
しかも最悪な苦痛を与えてから、形も留めないほどに「退治」するんだ。ルーミアは未だに意識が戻らないらしいからな。永遠亭の薬師も、
「もう目を覚ますことはないでしょう」って、ため息ついてたぜ。チルノと仲のいい妖精の二人で、看てるらしい。
──もう、わかっただろ。霊夢の中にあるのは、憎悪だけだ、多分。
あいつを駆り立ててるのは、妖怪への憎しみだよ。本人は役目だからと言い張ってるが、私はそう思えないぜ。思えないんだ。なぜかって?
ルーミアは、殺されたあいつに懐いてたんだよ。あの人は食べたくない人類〜とかいってな。面倒見がいい奴だったから、チルノとか、スキマの
式の式とか、竹林の兎達とか、相当人気だったぜ。そして霊夢も、それを知ってた。ルーミア達は何回も神社に遊びに来てたんだからな。
──ブン屋、お前も気をつけな。
霊夢の憎しみは、妖怪からそのうち、人以外のものへと向くぞ。私の勘、だけどな。よく当たるぜ?
この時の私は、まだ事態の深刻さを理解していなかった。山の上の神や、永遠亭の天才、亡霊の姫君、歴史の半獣や紅魔の主やスキマ妖怪が一同に
会するということの意味も、まったく理解していなかったのだ。
今すべてを理解して、それがすでに遅すぎたことも理解した。
彼女達の説得は失敗し、今行われているのは弾幕ごっこなぞというお遊びではない。
正真正銘の、殺し合いだ。一度、たった一度だけ遠くからそれを覗いたことがあったが、あれはおぞましく、恐ろしいものだった。
遥か昔から生きてきた私が、あれを見たとき初めて足が、いや体が震えたのだ。あんなものが、この幻想郷にあっていいはずはない。
いいはずがないのだ!
しかし、私は絶望的な予感を抱いている。
彼女達では、そして私でさえ、最早憎悪の塊と化した博麗霊夢を止めることなど、出来やしないということを──
〜血塗れで見つかった、ある天狗の手帳より〜
こわれいむ?ぎゃくぎれいむ?これってヤンデレなのか?
とりあえずこんなものが浮かんだよ。
1スレ目>>777-778
あら、〇〇じゃない。こんな時間に初詣?もう、明け方だけど。
私?元旦の巫女は忙しいの。まぁ、そろそろ寝ようかと思ってたけど。あんたも初詣に来るならもっと早く来なさいよね。
……ふーん。先に守矢神社に行ったんだ。それで早苗がなかなか帰してくれなかったって?
ねぇ、〇〇。ここまで来るのに寒かったでしょ。お茶でも飲んで行かない?お賽銭は後でいいから。色々聞きたいこともあるし、そう、色々とね……。
2スレ目 >>109
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