■幽香1

「えいっ♪」
 目の前で笑顔一杯に笑っている幽香。
 は、○○の隣に居た人間を浚い、殺して崖から投げ捨てた。

 彼女は全く気にした様子も無く、
 透化した状態に戻ると、鼻歌を混じえながら彼の元へと戻ってゆく。

「当然の事が判らない愚か者ばかりね。
 近付く害虫は瞬殺されるだけだって、何で分からないのかしら♪

 大量虐殺も出来て、いい暇潰しにはなるけどね」
 そう言いながら彼の腕を取り、組もうとして、やめた。
(流石にばれるか)

 ちゅっ

 と、頬にくちづけるだけに留めておく。

 ――足元に小鳥の姿。
 自分達を意味も無く見上げていたが、足元から蔓の様なものが延びると、
 それに絡め取られ、力尽きる。
「……覗くなんて無粋じゃない。小鳥さん」
 そうしてまた、距離を取って尾け始めた。


 彼、○○の周りには……もう、誰も居なかった。
 家族、友人、知人、顔見知り。そして、他人であれ、何であれ。
 その殆どが、ある日を境にしてから。
 忽然と消えるように、居なくなっていたから。
 
 けれど、彼は悔やまなかった。
 寂しさを紛らわす為に育てていた、植物達だけは変わらずに。
 ……ずっと傍にいてくれたから。

 それが原因とも、知らずに。


「最初はあの、すきま妖怪の気紛れだったのよ?
 家族が神隠しに遭ってから、あれが植物を愛でる姿に、ね……
 こ、心奪われたって言うか。惹かれたと言うべきか……」
「はぁ」
 ジト目でエリーが話半分に聞いている。
 この話を聞くのも今回で百度目位だろうかと、視線を逸らしながら。

「で、エリー」
「はい?」
 いつもと違う所で話を振られる。
「人間の寿命が短いっていうのは分かるけど、
 流石に尾けるだけってのも飽きてきたのよ」


「確か、これだったわね」
 人差し指を立てると、幽香は花々の中から一本を選び出し、丁寧に植え替える。
 植木鉢へと、移し変えられたそれは、まだ咲いてもいない真っ白な蕾だった。


 ――数日後。
 道端で突っ伏して倒れている○○の傍に、幽香が居た。
「この花の香りを吸ったら、丸一日は起きられないわよね。
 さぁて今まで我慢した分、何をしてもいいわよね?」
 誰に聞いているのか、一人でそう呟く。
 そして○○を抱き抱え、家へと運んでいった。


 ……朦朧とした意識の中、○○は覚醒する。
 目が覚めた○○の目の前には、見知らぬ女性の姿があった。
「ん……くぅ……」
 自分のベッドに頭を乗せて、疲れ切ったように眠る女性。
 久方ぶりにまともに見た、その女性の姿は……何よりも綺麗なものに思えた。


 ……○○の想像通り、彼女は行き倒れになっていた自分を助けてくれたと言う。
 悪い事が無いように、自分をずっと見守ってくれていた、らしい。
 優しい人だと、彼は思った。

 そして彼が口に出さずとも、彼女は此処に居る事を望み、そう告げる。
「ずっと一人だなんて、つまらないでしょう?
 ……貴方さえ良ければ、”ずっと此処に居て上げる”わ」

 ○○は、疑う事も無く了承する。
 寂しさからか、孤独から逃れる為なのか。

 それともただの一目惚れか。


 そうして二人で過ごす内、幽香に○○は溺れてゆく。
「気持ちいいかしら……?○○」
 日課だった植物の世話も忘れ、彼女を求め、ただただ生きている。
 膝に頭を乗せていた○○はキスをせがむ様にして、幽香に顔を近づけた。
「ふふ……私も、丁度したかった所なの」
 なのに、植物は前よりも健やかに、育っている。

 不気味なまでに。


 次第にまるで、中毒するかの様に、彼女と距離を取る度に彼は激痛に襲われた。
 といっても、家にいる間は別で、外にいるだけの間の話である。

 彼は幽香の事を愛していたので、既にそれは苦ではなくなっていたが。


 そう、これよ。
 ……これが見たかったの。

 孤独を味わった貴方が、貪る様に愛を求め、私に縋り付く姿を。

 本当は、貴方が寿命を終えた後……
 この蕾に魂を宿し、妖怪にしてからって……思ってたんだけど。
 どうせ結果が同じなら、早い方が良いわよね?


 何時もの様に幽香の姿を見つけると、○○は話し掛けようとする。
 が、足を一歩踏み出した瞬間、自分の足元は葉っぱの様なものに掬われて、
 上からも々、葉っぱの様な天井があった。

「おはよう♪ あ な た」
 幽香は何時もと変わらない。
 が、何かがまるで違う。
 雰囲気、威圧感、そして、視線。
 自分を見る瞳の色も、どこか赤みを帯びて感じられた。

「ねぇ○○、私を出会ってから、どれだけ経ったか憶えてる?」
 妙な事を聞く、と思い、遠目に見えたカレンダーを見て答えようと――した。


 思考が固まる。

 そんなこと、ある訳が無い。

「正解よ。あれから110年と少しって、所かしら」
 自分の手を見るが、目に見えた姿はあの時から変わっていない。
 いや、あれからどう過ごしていたのかさえ、はっきりとは憶えていなかった。

 気が付くと、幽香はお腹を摩っている。
「うふふ。どうしたの?」
 まさか……

「さ。立派な妖怪のお父さんになってね、○○?
 この日の為に、ずっと見守って居てあげたんだから♪」

 愕然とした精神状態のまま、彼女は続けた。

「それじゃあいらなくなった、その鉢を処分しないと。
 ……といっても、寿命を迎えたその体を、処分する為だけどね。

 ああ、ソレを失う痛みに関しても、抜かりないわよ?

 だってその子、貴方が大切に育てた」

 ハエトリソウ――

「だから、きっと気持ちよく溶かしてくれるから、安心して頂戴ね」
 幽香がそう言うと、視界は閉ざされて、葉の棘が自分を拘束する。

 意識は突き破られ、溶けていった。


 ……幽香に抱かれているような感覚。
 視界はないのに、何故か○○はそう感じた。

 彼女はゆっくりと、白い花を抱き抱えながら歩いている。
「そうそう、もう少ししたら、あの花の季節が来るのよ。
 今度、二人っきりで見に行きましょう?

 ……きっと、その頃には。

 もっと色々な事が出来ると思うから♪」
 片手で押す乳母車には、彼女の面影ある赤子の顔が見えていた。

>>おやつ氏




「こうすればもう私しか見られないわね」

何で。

「だってあなたが悪いのよ?」

どうして。

「勿忘草に薔薇、どんな花を送ってもあなたは気付かなかったんだから」

…もう…止め、て…。

「もう大丈夫ね。これであなたを狙う悪い虫もよってこないでしょう」

そんな…。

「時間はたっぷりあるわ。焦らずゆっくりといきましょうか」

…ぅ…。

「でも、眠りにつくにはまだ早いわよ?」

…幽、…香…。

「ふふ、とっても可愛いわよ○○。だからね、あなたは私のこと以外考えなくていいわ」


幽香が可愛い。
幽香が恋しい。
幽香が愛しい。
幽香が、欲しい。
幽香が、■い――――。



幽香のアプローチを無視し続けてたら、植物人間にされて幽香のことしか考えられなくなりました。

1スレ目 >>9




○○、どうしたの?
誰もあなたのことを覚えて無い?みんな忘れてる?
大丈夫よ、私はちゃんと覚えてるから。
私がずっと一緒にいてあげる。ギュッ
(もうあなたを覚えている人妖はいない。みんなこの花の花粉を吸ったもの、
これからは、二人で一緒に、暮らしましょうね)

何故か幽香のヤンデレでこれが思いついた

1スレ目 >>173




いくら草花を繁らせ、
その心を聞く事が出来ても、
誰かの心を開く事は出来なくて。
どれだけ力を誇って、
人々に畏怖されたとしても、
過去の自分と決別する事が出来なかった。

人間が怖い。
腹の底で何を考えてるか分からない。
あの巫女や魔法使いの様に私を殺しに来るかもしれない。

だから、強くあろうとした。
妖精や人間から怖れられ、それでいて一切強者弱者を見分けない様は、
鬼や天狗から見ればさながら子犬の様に見えたかもしれない。
しかし退く事も出来なかった。


何も知らない外界人が、
私の向日葵畑に落ちて来たのは何の因果か。
彼にとって、私は、
「人間に優しい不思議な妖怪」で、
ここは「妖精が存在する不思議な世界」だった。

強くなりたい、なんて思ったのは始めてだった。
この世界を幻想郷から隔離したい。
ずっと○○と一緒に暮らしたいと思った。

「ここに人間は貴方しかいないわ。
 妖怪ならいくつかいるけど」
嘘をついた。
失いたくなかったから。
一つ一つ、彼の逃げ道を潰すように。
「幽香は、寂しくなかったの?」
「貴方が来てから、ね」
これだけ、嘘か真かわからなかった。
自分の口から出た言葉なのに、
もはや私の日常は彼に依存しきっていて、
失うのが余計に怖くなるだけだった。

噂を妖精から聞き付けたか、
向日葵がブン屋を見つけた。
危険じゃない事はわかってるし、
好戦的とはいえあの天狗がわざわざ挑発をしてくるとは思わなかったが。

○○に逢わせたくなかった。

植物、私が造った物だから何という訳では無いが、
蔦を伸ばし片足を引き地面に引き落とす。
落下の衝撃で顔面を打ち俯せになったところでさらに蔦を伸ばし、全身を地面に貼り付ける。
命乞いや言い訳をする暇など無い、
そのまま羽根を蔦で締め上げ、
骨を破壊した。
激痛とショックで泣き声すら上がらない天狗を蔦で引きずり、畑のへりに投げ捨てた。
何、家から一番近い畑の端でも1キロはあるのだ、
○○の目には入るまい。
「今日は日差しが強いし、家で過ごしましょう」
○○は何も考える事なくそれを受けた。
ふと、
「あれ?あそこ、妖精が何か集まってるけど……」
「……カラスでも落ちてたんじゃない?」
しまった、窓から見えない位置に捨てるべきだった。
○○がそのまま興味を失ってくれたから良かったが。


天狗への処遇は良い威嚇になったらしく、
次の日から新聞は届かなくなり、
畑に強い自我を持った妖精を見かける事も無くなった。
それで良いのだ、
○○がいれば、
○○さえいてくれば私は孤独じゃないんだから。


人間に手をかけた訳じゃないのと、
○○が私から離れたいと思わない事からか霊夢が襲来する事は無かった。

一度里の近くですれ違ったが、
興味なさ気に「面倒事が減って楽になったわ」と笑っていた。
ある意味では彼女なりの祝福なのだろう。

しかし、
魔理沙が畑を訪れた。
○○に隠し通せる状況じゃなかったので、
彼には睡眠毒を用いて眠って貰ったが。
魔理沙は魔理沙で面倒臭そうに、
「好きな奴でも出来たのか」と笑っていた。
「そういう事よ」
「病んでるなあ、おまえ」
「他の女を見せたくないんだろ?」
内心を見抜かれて、
自分が不機嫌になるのがわかった。
「いや、私は他人の恋愛は応援したいし、
 霊夢だっておまえが弱小妖怪といざこざを起こさないからって喜んでる。
 いいか、幽香、おまえの敵なんていないんだ」
「で、何が言いたいのかしら?」
傘を向けると流石に魔理沙も構えた。
「だからそうカッカするなって。
 幸せにしてやれ、いや、幸せになれよ。
 私だけじゃない、皆がそう思ってるんだ」
それだけ言うと魔理沙は飛び去って行った。

わかったような口を聞いて、
要は私を除け者にする口実が出来て嬉しいんだろう。
その口実を大事にしろだなんてよくまあ本人に言えたものだ。
失うものか、絶対に。


○○が日を追うにつれ病んでいくのが分かった。
食事が合わなかったのだろうか、
私に何か悪い所があったのだろうか。
○○は顔を青くしながらも「大丈夫だから、少し一人にして?」と優しく言った。
心配だが、本人の望み通りに一人にする事にした。
「気を遣いたくなるもの。
 心苦しいけど、出ていくわね」
○○は笑顔で「ありがとう」と言った。

>>ジョバンニ氏




ギリ・・ギリ・・・ッ

『ぐっ・・・がぁ゛』

ベッドの○○に馬乗りになっている。
私を拒んでいた腕も今はベッドに投げ出され震えているだけだ。
視線は私を見ようとしているが焦点が合わない。

「頃合いね・・・」

そう言って、○○の首から手を離した。

『うぅ、げほっ!げほぉ!』

咳き込む○○を蔦で両手足ベッドに縛る。

ベッドに横たわり、何時ものように
「愛してるわ、○○」と耳元で囁くと

○○も何時ものように疑問に満ちた顔になる。

しばらく、そうしていると
また何か考えているような表情になった。

ここから逃げる考えか、
私をどうやって説得するか、
それとも他の女か、、、気が付くと○○の腕を締め付けていた。

『ン゛グゥ・・・』
○○は苦悶を浮かべながら私を見てくる。
同時に何故? といった顔になる。

そんなの簡単なことだ。
私が○○を痛めつけているのは





どうしてだろう・・・。

初めのうちは他の女から引き離し、
この畑に閉じ込めるだけで満足だった筈だ。
一緒に花に水をあげたり、散歩したり、楽しかった。
○○は考え事をしているようだった 

ヤメテ

しばらくして私は○○を家からの外出を禁止した。
一緒に食事を作ったり、背中を流し合ったり、楽しかった。
○○は何か思案しているようだった。

ヤメテ

私は○○を蔦でベッドに縛り上げた。
○○は抵抗しなかった。
一緒に本を読んだり、添い寝したり、楽しかった。
○○は何か考え込んでいるようだった。

ヤメテ

わたしは気付くと○○の首を・・・





○○は苦悶を浮かべながら私を見てくる。
同時に何故? といった顔になる。

 そうだ。○○は、苦しんでいる時だけは、私のことだけを見てくれているから。
「だって、○○は、痛みを与えている時は、私のことだけを考えているでしょう?」

そうして○○の手を自分の薬指に握らせて、引きちぎった。
驚き動揺する○○を余所に、
今度は○○の中指を引きちぎった。

叫び声をあげる○○の耳元で囁いた。

「ねぇ○○、結婚指輪って鎖の意味もあってね」
「つながって離れないことの象徴らしいわよ」
そう言って幽香は微笑んだ。



>>up0659



やっとここまで逃げてこられた。   ようやく見つけた。
幽香さんが人間を惨殺する。     最近私の顔を見てソワソワしてたけど。  
あの本によればそうらしい。     私に秘密で新居を作ってくれるなんて。
自分をどうするつもりだったのか。  表札に名前も書かないほどの徹底振り。
考えただけでも恐ろしいぐらいだ。  褒めてあげないと。
勘付かれない様に準備もした。    サプライズにここまでしてくれたんだから。
夜逃げ屋以外ここは知らない筈だ。  引越し業者は確かにここと言っていた。     
新しい生活はここから始まる。    ○○との新しい生活はここから始まり。
…夜逃げ屋が来たみたいだ。     戸を叩いて○○を呼ぶ。
大方、報酬を貰いに来たんだろう。  ○○はびっくりするかしら。
報酬を持って玄関の戸を開けた。   少し経って自分の前の戸が開いた。


4スレ目>>4





人間が向日葵畑に倒れていた。
どうせ冬で少々暇だったのだ。
少しからかってみることにした。

目覚めた男の目は朦朧としていた。
いや、濁っていたと言ったほうが正しいか。

男は幻想郷の説明を受けても驚かなかった。
人里にいれば安全なこと、
博霊の巫女に頼めば帰れること、
何を聞いても興味が無いようだった。

男はどうやら外来人らしい。
何故ここに来たか訊くと。
切り貼りのような言葉だったが。
崖から飛び降りて目覚めたらここだと言う。

……………………。

大方スキマが私にあてたものだろう。
他を壊されるぐらいならば、といったところか。
生憎、すでに壊れているものを壊す趣味は無い。
それにスキマの思い通りになるのも癪だ。

私は男を飼うことにした。





「…幽香さん。」
「…お茶が入りました。」

『そう。』
『ありがと。』
『じゃあ先にあの子達に水をあげてきて。』
『私は飲み終わってから行くわ。』

「…はい。」

相変わらず男は心の全てを開こうとしない。
まぁ最初の頃よりは随分よくなったほうか…。

飼い始めた時は動こうとせず、
死ぬ気のものを脅すわけにもいかず。
どうしたものかと悩んだ。

いい考えは浮かばなかった。
とりあえず死なないように水と餌を与えた。
食べようともしないので無理やり口に入れていた。

数日ほど同じような生活が続くと男は動き出した。
何をするかと思いきや掃除をし始めた。
と言っても男の寝ていたソファーだけだが。

水と餌も自分から食べるようになった。
動くことも多くなっていき。
掃除する範囲も増えていった。

今では男に家事全般を任せている。
さすがにあの子達の水遣りは殆ど私だけど。
男に手伝ってもらうこともある。

自分は有意義なひろいものをしたのだろう。





「…幽香さん。」
「…お風呂が沸きましたよ。」

『そう。』
『ありがと。』
『じゃあ入ってる間に出掛けの準備をして頂戴。』

「宴会ですか?」

『えぇ。』

「…そうですか。」
「では良き時間を。」

……………………。

男も随分、表情が柔らかくなった。
流石に人里の男や道具屋の主人には及ばないが。
スキマに見せ付けるには十分だろう。

『ねぇ、あなた。』

「…はい…?」

『一緒に宴会に来てみない?』

「…いいんですか?」

『駄目ならまた今度でいいわ。』
『強制はしない。』

「…はい。」
「…じゃあすぐにでも。」

『待ちなさい。』
『せめて着替えたらどう?』
『確かクローゼットにタキシードがあった筈よ。』
『それを着なさい。』

「…でも待たせてしまいますよ?」

『私に恥をかける気?』

「…!」
「…すみません。」
「…急いで着替えます。」

スキマはどんな顔をするだろうか。
驚くだろうかそれとも笑うだろうか。
どちらにしろ一泡吹かせることに違いは無い。

……………………。

そういえば自分が男を飼っているのはそのためだ。
スキマに一泡吹かせた後、男をどうしようか。
…まぁそれは後で考えよう。

「…幽香さん。」
「…着替え終わりました。」

『あら結構、似合うじゃない。』
『馬子にも衣装ってやつかしら。』

「…ありがとうございます。」

『じゃあ行くわよ。』
『しっかり私に掴まってなさい。』

「…はい。」



男の周りには人が絶えなかった。
主である私が近づけない程。
私が人を飼ってというギャップなのか。
それとも単なる物珍しさか。
今はあのブン屋が熱心に話を訊いている。
時折、男はこちらをもどかしそうに見てくる。

…これはこれでおもしろいけど。
正直いうと期待はずれ。
この宴会の主催者のはずのスキマが居ない。
今頃、冬眠でもしているのかしら…。

ただ男にとっては幸運だったのかもしれない。
殺すであろう人間をこの私が飼っている。
しかも壊れていたものが直りかけている。
さぞ面白い顔が見れると思っていた。
その後、男をどうするかは気分しだいだったのだから。

………………?
どうやら男とブン屋が困っているようだ。
何を話しているのやら…。
少し聞き耳を立てるとしよう。

「ふむふむ…。」
「はい、ありがとうございます。」

「…いえいえ。」

「やっぱり名前は教えてくれませんか?」
「新聞に謎の人物Aって書くのも変ですし…。」

「…それは……。」

なるほど…。
そういえば男を名前で呼んだことはない。
というより聞いた覚えもない。
問い詰められても言わないということは。
男は自分の名前がわからないのかしら。
それなら…。

『ブン屋。』

「はい…?」

飼い犬には名前を付けないとね。
『こいつの名前は……○○よ。』

「…えっ…。」

「はいはいっ。」
「○○っ…と。」
「ご協力感謝します。」
「次号の文々。新聞は無料でお送りしますので。」
「ではっ!」

そうして天狗は私と私に疑問の目を向ける○○を残して。
別のグループに移っていった。

「…あの…幽香さん?」

『何。』

「…その…。」
「○○って一体…。」

『あなたの名前は○○よ。』

「…はい……。」



あれ宴会以来○○にも変化があった。
いつもあのタキシードを着るようになったり。
命令せずとも私のしたいことを先読みして。
お茶を頼もうとしたら、もう淹れてあったりだ。

○○というあの場で適当に付けた名前も。
最初こそ戸惑ったように見えていたけど。
今では私が『○○』と呼ぶと口元が少し緩んでいる。

私は○○に何か特別なことをしただろうか。
いや、そんな覚えは無い。
ただ私は男に名前を付けただけ。
ただそれだけなんだけど…。

「あの…幽香さん。」

『ん?』
『どうかしたの、○○。』

「食材が少なくなってきたんですけど…。」
「どうすればいいんですか?」

『あー…。』
『じゃあ、人里まで行こうかしら。』
『春に向けて色々と用意しなきゃいけないしね。』

「…………。」
「…あの。」

『来ちゃ駄目。』
『あなたは留守番をしてなさい。』
『他の用事もあるし少し長くなるわ。』
『分かってると思うけど、あの子達をよろしくね。』

「…はい。」



一人分増えたからか少し買い込んでしまった。
運ぶのに手間取ったがまぁいいだろう。
いつもの食事や家事の代わりと考えれば安いもの。

地面に降り立ち、家に向かう。
今でこそ何も咲いていないが春になれば一面に咲くだろう。
それまではあの子達の世話をしよう。

○○はちゃんとあの子達に水をあげただろうか。
流石にあげ忘れるというのは無いだろうけど。
しかしあれだけ大人数なんだし。
あまり水を得られなかった子もいるだろう。
それをネタに○○を脅かすのも面白そうね。

そう考えると段々と足並みも速くなっていった。



結果だけ言うと。
○○は一人一人、丁寧に世話をしたようだ。
そのところは褒めるべきかしら。
楽しみにしていたから少しがっかりしたけど…。
ただ当の○○は頬が少しこけている。
あの子達に懸かりきりで何も食べていないらしい。

命令に忠実なのはいいのだけど…。
まだ私以外のものを自分で考えてすることはできないらしい。
立ち直ったように見えたけど。
もしかしたら私に寄りかかって、やっと立ててるのかしら…。
もしそうなら確かめる必要がある。

『…ねぇ、○○。』

「はい、何ですか?」

『また今度、宴会があるんだけど。』
『その時、人里に行ってもいいわよ。』

「え…。」

『今回のも行きたそうにしてたし。』
『私は博霊神社に居るから。』
『宴会が終わるまで人里を回ってもいいわよ。』

「…………。」

『どうしたのよ。』

「…あの…。」
「…前みたいに一緒に宴会に行くのは。」
「…駄目ですか…?」

『本当にそれでいいの?』
『行くのを断った時、あんなに残念そうな顔してたじゃない。』

「それは…。」
「…………。」

『…いいわ。』
『次の宴会もエスコートしてもらうわ。』
『それでいいのね?』

「…はいっ!」

…やはりだ。
まだ○○は立ち直っていない。
それどころか私に居場所を求めている…。
馬鹿馬鹿しい。
…………。
でも、こういうのもおもしろいかもしれない。
長い間、何も言わずに一人にさせたらどうなるか。
今度やってみようかしら。

「あの…幽香さん?」

『…ぁ、あぁ。』
『もう寝てもいいわよ。』

「…………。」

『今度は何?』

「…その……。」
「幽香さんより先に床に就くのは…。」

『…嫁入りしたわけじゃないんだし…。』
『…というか、あなた今までそうしてたの?』

「…はい。」

『別に私より後に寝ても、私より遅く起きてもいいわよ。』
『○○の好きなようにしなさい。』
『…私は寝るわ。』


>>up0881・up0916




実験してみた

弄られるパターン(相手がS)

幽香「…ねぇ、○○。」
○○「グハ…!!」
男の体を殴り飛ばす幽香。鈍い音が向日葵畑に響く。手を縛られた男は、なすすべもなく地面に倒れこむ
幽香「人里に行ってきたのかしら。いけない子ね。」
○○「だって…もう二カ月も里に下りてない、俺だって他の人と会いたい!!」
口から血を流しながら上体を起こし、必死で訴える○○。
幽香「あら、私はあなたを心配してるのよ?だって、ここなら私を恐れて誰も近づかない、誰も近づかないなら、○○は誰にも気を移さないし、誰にも傷つけられない。」
○○「だからって…!!監禁紛いの事までして、俺を部屋に閉じ込めて!俺だって生きてる!俺は自由が欲しい!」
幽香「そう…だったら自由を上げるわ。」
そういうと、その手の縄を日傘で切り裂く幽香。
○○「ゆ、幽香、わかってくれた…!?」
その瞬間、意識がもうろうとして、○○は倒れ込んだ。
幽香「…」
幽香の手には、一輪の花が握られていた。
強い幻毒作用を持っていた

幽香「ほら、○○、私を向きなさい。」
椅子に座った男の顎に手を添えて、その顔を上げさせる幽香。
がっくりとうなだれた男の顔に生気はない。
そのうつろで焦点のあっていない瞳に、紅色の瞳の視線をまじえる。
幽香「あなたに全てを与えるわ。」
良椅子に座った男の顎から手を離して、肩を掴んで無理やり立ち上がらせる。
幽香「息をする自由、動く自由、喋る自由、食する自由…生きる自由…」
そのままベッドの上に押し倒し、深く口づけをかわす。
幽香「そのうえで…」
男の服のボタンをはずしながら幽香が呟く。
幽香「あなたのすべてを、私が絞り尽くすわ。私は妖怪だもの、人間から、搾取するのよ。」

結果・与えて絞る。(どうしてこうなった)


弄りたい(相手がM)
○○「ゆーうか、ただいま〜。」
幽香「ああ!○○おかえり!心配したわ、もう辺りが暗くなって、妖怪に襲われてないかすごく心配だった!」
家のドアを開けてすぐ幽香が出迎えてくれた。
この心底安心したような顔を見ると、どうも虐めてやりたくなる。今日もやるか…
○○「ああ。じゃあまず飯にするか。」
ただその前に腹ごしらえ…今日はオムライスだ。

○○「今日さ、人里で仕事してるときに咲夜さんがいたね。」
二人で夕食を食ってるときに、ほかの女の話題を出すと、必ず幽香は、
幽香「!!…それで…どうしたの?」
と、体をびく!っとさせて不安そうな目で見てくる。
○○「ああ、食材の買い出しに来たんだって。大変だよね、一人でそういうのやるって、女手一つで。」
幽香「そ、そうね…」
○○「そこらへんはさすが瀟洒で完璧って当たり?後、、やっぱり銀髪ってきれいだよね?俺憧れちゃうよ。」
幽香「そ…そう…」
最後の方は涙声でよく聞こえなかった。
ああもうやっぱり可愛いぜ、後で慰めてやるか…

翌日・・・
咲夜「おはようご22ざいます、お嬢様。」
レミ「おはよう咲夜…あら?イメチェンしたの?」
咲夜「はい?」
レミ「髪の色変えたのね、にあってるわ。」
咲夜「…!?ああ!!黒になってる!?」


>>麺類氏
「・・・・」


今、私の目に前に一人の男が倒れている。
多分、外来人の人間だろう。

体中がボロボロで意識は無く、恐らく瀕死の状態。
放っておくことも出来た、だが、私は真っ先に応急処置をし、男を自分の家のベッドに寝かせ、
人里で彼に合いそうな着物も買ってきていた。



しばらくすると彼が意識を取り戻した。
彼のことについて幾つか質問してみた。
どうやら彼の名は「○○」というらしい。


しかし勢いで彼を助けてしまったが、なんと言おうか、
「心配だから助けてやった」という理由では私らしくもない。

そして、咄嗟に言った言葉がこれだった、


「私が貴方を助けたの、つまり私は貴方の命の恩人よ
 だからその命は私の物、貴方には私の奴隷になって貰うわ」


・・・多分「心配だから助けてやった」という言葉以上に私らしくないであろう言葉だった。
しかし、彼は一瞬複雑な表情をしていたが、すぐに快く了承してくれた。




そして翌朝、外来人…いや、私の奴隷との同居生活が始まった。


最初は簡単な仕事から任せていったが、
彼の仕事振りは予想以上で何時の間にか私自身の身の回りの仕事も任せるようになってきた。
彼は私からの仕事なら、どんな事でも嫌な顔一つせずしっかりと働いてくれた。

「○○、紅茶を淹れなさい」
「○○、日傘を持ってきなさい」
「○○、上着持ってきて」
「○○、早く…」

彼が来てから私の生活は本当に充実していた。
彼が居ないと寂しいと思えるぐらいに。
只単にいつもは自分でやっていることを○○に任せているだけなのに、なぜこんなにも楽しいのだろう。







今日も朝起きれば○○が居てくれる。

「○○、着替え持ってきて」
と言えばすぐに着替えを持ってきてくれる。

「○○、朝食の準備をしなさい」
と言えばすぐに何か料理を作り、持ってきてくれる。

「○○、紅茶を淹れなさい」
と言えばいつもの少し味の薄い紅茶を淹れてくれる。

「○○、花の水やりに行くわよ」
と言えば水の入った如雨露を持って、一緒に花に水をあげてくれる。



こんなやり取りで私の時間はどんどん過ぎていく。
気が付けばもう夜になっていた。

「○○、紅茶」
と、紅茶の入ったポットを持った○○が出てくる。
「相変わらず薄い紅茶ね…」
いつも彼は薄い味の紅茶を淹れてくる。それでも結構美味しい。


さて、明日は一体どんな仕事をさせようか。
どんな話をしようか。どんな風に接しようか。
私はそんなことを思いながら紅茶を味わっていた。





ガチャン
バタン





ふと後ろで何かが落ちる音と何かが倒れる音がした。

下を見ると床に○○が倒れていた。



「…ちょっと○○何倒れてるのよ……」
輝きを失った瞳、確実に様子がおかしかった。

「ちょっと…○○…ポットが割れちゃったじゃない…どうしてくれるのよ…」
青ざめていく顔、これじゃまるで…

「ねぇ○○…起きてよ…起きなさいよ…」
身体から温もりが失せていく、まさか嘘だ、こんなの突然すぎる。

「○○…う…そ…でしょ……?」
息の絶えた抜け殻、夢だ、なんて酷い夢だ、まさか、○○が死ヌナンテアリエナ
















今日もまた朝が来た

「○○、着替え…」
返事は無い、自分で着替えを持ってくる。

「○○、朝食…」
返事は無い、今日は食欲が無いから食べない。

「○○、紅茶…」
返事は無い、あの薄い紅茶はもう飲むことは出来ない。

「○○、如雨露…」
返事は無い、自分一人で花の水やりをする。



気が付けばもう夜になっていた。
今日は特に何も無かった。
いつもと変わらない…変わらない日だった。


「○○…」
返事は無い、これが"普通"なのだ。


「○、○ ○○…○○…○○…○○…○○…」
気が付けば無表情のまま涙を流していた。

ふと昨日のことを思い出す。
○○が倒れた後、急いで竹林の医師の所へ向かったものの、
手遅れだった。

医者が急性心臓麻痺やら何やら言っていたが、
私はそんな事聞かずに○○の亡骸をずっと見つめていた。

あの後、○○の亡骸を向日葵畑の中心に埋めた。
あの時は頭が真っ白になっていたせいか昨日の事はほとんど覚えていない。

ただ、分かることは、○○が、死んだ、死んでしまった。




「○○…○○…○○…嫌…嫌…なんか返事しなさいよ……」


一体私は何をしているのだろう。何故、もう死んでしまった亡き者の名を嘆き続けているのだろう。
これでは森に居るような下等妖怪ではないか。













…そうだ、私は下等妖怪ではない。
幻想郷で上位に位置する上等の妖怪なのだ。

手に入れたいものはなんでも手に入れる。
こうやって○○の命も手にした。

その命を勝手に手放すなど、絶対にしない。
させてたまるものか。







気が付くと私は日傘を握り、彼岸へと真っ先に向かっていた。


「ふふ…○○、私の奴隷を勝手にやめるなんていい度胸じゃない…
 連れ戻したらしっかり躾してやらないとね…」



覚悟なさい 私の○、○

4スレ目 >>646




〇〇「これはすごい。家の周りが一晩でひまわり畑に」
幽香「嬉しいでしょ。このひまわりは、あなたが家で何をしてるのか全部教えてくれる優れものよ」
〇〇「それ、面倒くさくないか?」
幽香「いいのよ。離れてる間にも〇〇が何をしてるのか知っておくのも恋人のつとめだもの」
〇〇「そういうことじゃなくてさ、こんなふうにひまわり咲かすより俺達が一緒に暮らすほうが楽じゃないか?」
幽香「……そういえばそうね。さすが私の夫になる人は違うわ」
〇〇「はっはっは。しかし、いつの間に俺達付き合う事になってるんだ?」
幽香「何か問題でもあるの?」
〇〇「ただの人間、顔は残念、金も無い。それでもよければむしろバッチコイ」
幽香「じゃあいいじゃない。これからよろしく、だんな様」


幽香「どこ行くのよ」
〇〇「仕事。つるはし一本で大地と格闘だ」
幽香「お金なら私のがあるじゃない」
〇〇「ヒモにだけはなりたくない」
幽香「じゃあ、私の執事として雇ってあげる」
〇〇「夫と妻は常に対等に。俺はそう決めてる」
幽香「ダメよ。男は女の見ていないところで何をしてるかわかったものじゃないもの」
〇〇「超兄貴みたいな男ばっかりの仕事場だぞ」
幽香「それでもダメ。どうしてもこの家から出たかったら、私を倒してみなさい。無理でしょうけど」
〇〇「……どうりでここ最近、太陽を拝んでないと思ってたよ」
幽香「ええ。いつどこであなたを狙う女がしっぽを振りに現れるか分からないでしょ」
〇〇「……よし分かった。仕事行く」
幽香「あら、私に挑むの? 勇気と蛮勇は違うわよ」
〇〇「いや、一緒に行くんだ」
幽香「え」
〇〇「幽香は力が強い。うちの仕事にはうってつけだ。そして一緒にいれば俺を見張れる。一石二鳥だ」
幽香「……お弁当作るから、少し待ちなさい」
〇〇「時間が無い。幽香はおむすび握ってくれ。俺は卵とウインナ焼くから」
幽香「おむすびと卵焼きとウインナ……まるで遠足ね」
〇〇「もしも俺がノルマクリアして体力残ってたら、二人で湖にでも行くか?」
幽香「そんな事言っていいの? お昼ごはん食べる前に出発する事になるわよ」
〇〇「上等」


ヤンデレとイチャイチャとはは色が違うだけの、同じ愛情という種から咲いた花である
                                      ―――――〇〇

5スレ目 >>230




好きな女の子に、プロポーズの為の花束を作る事にした。
里の花屋で、あーだこーだ試作してると、良く里に来る妖怪さんに声をかけられた。
妖怪さん曰く、そんな花を無駄にするばかりで華が無い花束を作っては駄目だと。
せっかくの花々が悲しんでいると。
親切な妖怪さんは、花束のレクチャーをしてくれるといってくれた。
それから数日間、僕は彼女の花束教室に通い、花束の作製を学んだ。
ようやく手応えを感じた一作を妖怪さんに見せると、花も喜んでいるし良い出来だと楽しそうに笑った。
僕も笑顔で妖怪さんにお礼を言った。

ありがとうございます。これで、彼女に花束を渡して告白が出来そうです。

何故か、妖怪さんが俯いてしまった。
どうしたんだろ、と声をかけて見たら妖怪さんがニッコリ笑って顔を上げた。

私の花畑の奥に、秘密の温室があるの。
そこに希少種の素敵な花があるわ。ちょっと案内するから取りにいかない?
貴方が手ずから取った花々で花束を作れば、きっと素敵なものになるわよ。

僕は、妖怪さんの申し出を快く受けた。
何ていい人なんだろう。妖怪が怖いだなんて偏見だよね。阿求さんの本もあんまり当てにならないなぁ。
僕は彼女の日傘を追うように、里の出口から花畑へと向かった……。


……
…………
………………


数日後、○○の思い人に一束の花束がいつの間にか贈られて来た。

苧環、鬼百合、金盞花、枸杞、華鬘草、鳳仙花、万寿菊で彩られた花束。

結局送り主が誰かは解らず、○○が花束を持ってやって来る事も無かったという。

5スレ目 >>376