ストーリー&感想(第2楽章 13〜17話)

第13話 『戦いの傷痕』
第14話 『新たなる旅立ち!』
第15話 『別れの港・センザ』
第16話 『滅亡国家・スラー』
第17話 『魔族として』


12話から間を置くこと半年、やっと14話まで見るつもりが、13話アラララ…、14話
も勝手に期待してたようなヒサンな展開には恵まれず、「違う!私の知ってるハーメルンは
こんなモンじゃない〜!」とばかりに16話まで見てしまいましたとさ。
そしたら、私確かにラストを先に見てる筈なんですけど、時々それを全く忘れてしまう回復
魔法ぶり…まっことこの話は、一体どうなるの〜っ!?


第13話 『戦いの傷痕』
ストーリー
スフォルツェンド側の勝利で戦いは終末を迎え、人々は歓喜に酔いしれる。しかしその油断
を突いて超獣王・ギータが城中に忍び入り、ホルンにパンドラの箱の受け渡しを迫る。
一方ライエルは、両親の復讐を果たすべく三本角の魔族_遠い日の幼馴染みに剣を向ける。
そして、母親を盾に取った魔族に命ぜられるがまま、フルートの両手は箱に伸びる…。
個人的感想
◆OPが変わったよ〜!しかし、今までの「マ・マ・マジカル〜♪」は一体何だったんだ、
てな激変ぶり。「ラララン・ラビ〜リ〜ンス♪」にも愛着ありますが、やはり圧倒的にドラ
マティックな新OPの方が、この番組にはふさわしいです。
◆で、これは歌詞といい、イイ所でハデに入るピアノといい、あ、そうだシングルジャケと
いい、もうどう考えてもライエルソング・フォー・ハーメルですね…いや、別にいいんです
けど…。2番の歌詞が…「いっそ憎めたなら/割り切れるものを/愛と言えるほどに/心を
支配されて」。愛。もしやそんなトコまでテコ入れされるほど大変だったのか…(何が)。
◆で、いよいよ後半突入!本編は、ついに来ました…テンションダウ〜ン!イェーッ!
◆まず、ハーメルの部屋。扉の下から差し込まれる紙が朝刊なのか、宅配裏ビデオやピザ屋
のチラシなのか、ガスの点検票なのか全く分からず、「お話したいことがあります。放課後
体育館裏で待ってます_R」かあ!と気付くまで三日かかった、私が鈍チンなのか?
◆次に、戦場跡でのハーメルとライエル。ピアノ弾き、モタついてます。強調するコトバを
何度も反復させるのはこの作品のお得意ワザですが、いかんせん物語前半から引っこずって
る内容も多すぎて、ここまで来るとトゥー・マッチ気味。トドメのセリフもキマらない。
◆また、ホルンとべ一スもやけにモタついてます一方、ライエル以外の者のハーメルに対す
る思惑はあまりに不明瞭でないかい?冒頭のナレーションが12話のテンション引き継いだ
まま劇的だった分、その辺の結果をど〜しても期待してしまうのですが…。
◆つまり、これまで明確に強調する部分と、あえて語らない部分のメリハリが功を奏してい
たセリフや演出の工夫が、今回はスッカリ裏目に出てしまった感があるのです。もう分かっ
ている所は無駄にしつこい(から飽きる)けど、分かりにくい所は断片的すぎて繋がらない
(から困る)。そのバランスが極端なのです。
◆展開もノロい!普段ならAパートだけで充分済ませられる内容を、もったいつけて引き伸
ばしすぎ。セリフの半分ぐらいは削ってもいい気がする。例え、どれだけ長丁場なセリフの
応酬があっても、物語はスピード落とさずガンガン進むから気を抜くヒマもなかったのに、
今回はただでさえ少ない舞台が転換しても、大した変化ナシ。辛いぞ。
◆画面もテンション落ちてる。今回のみでなく16話まで見た限りの印象、前半に比べたら
余計なロパクなど動きが増えた分、効果線など濃厚な描き込みが滅り、フツ〜のアニメみた
いな画面が幅利かせてる気がするのですが…。13・14話は特にホルン様!…頼むから、
ピシッと張り詰めた静止画をもっと大切に、誇りにしてくれ!映画のスチール写真の連続の
ような凛々しい画面に、もっと自信持ってくれ…(泣)。1話からのバンク(ハーメル・ベ
ース…やめて欲しかった…)もそれは目にしみます…(泣)。
◆あと、些細な事なんですが、「ハーフ」は別の言葉に言い換えて欲しかった。この時代劇
めいた作品の緊迫した感情劇に、そんなカジュアルな外来語は不釣合です。「混血」でいい
のでは?
◆以上、全て「前半毎回奇跡のようなボルテージを保ち続け、しまいにゃ12話という狂気
のごとき濃密爆弾を炸裂させた『ハーメルンのバイオリン弾き』というTVアニメ作品にし
ては」。そこの大前提があってこその苦言でした、すみません…。
◆もちろん良い所もあります。浮かれ騒ぐ民草どもの裏では、メインキャラの血縁ドロドロ
話がいよいよ表層化してきて、何ともイイ感じ。回想シーン、ホルン様の「あなたはパンド
ラ…箱を開けた女…」、この「おんな」の心底軽蔑しくさった言い方(嫉妬もあるとうれし
い)、タマらんです。
◆後半はダークさ、コワさに拍車が掛かる事が予想されます。血の滴る音だけが響く、ホロ
コースト状態のスフォルツェンド城内。コワい。けど、やっぱ何かが足りない。前半の凝り
まくった残酷描写に免疫ついたからか?単に人が斬られて血を流すだけで「残酷」いっちょ
上がり、そんなありきたりのコワさじゃなかった気がするのだ。
◆EDが変わったよ〜!…さっみしくなりましたねえ…。


第14話 『新たなる旅立ち!』
ストーリー
遂にフルートの手からギータの手に移ったパンドラの箱。魔族は今こその大魔王・ケストラ
一復活の瞬間に固唾を飲むが、全ては十数年間に及ぶ人間側の巧みな罠であったと知る。城
に転送されたライエル・クラーリィ・ハーメル・兵士達に囲まれ、絶体絶命に陥るギータ。
しかしその時、妖鳳王・サイザーが舞い降り、一撃のもと城を切断、パンドラの箱の鍵はギ
ータの手中に収まり、魔族は退散する。
そして本物のパンドラの箱を探す、ハーメル・フルート・オーボゥの旅が再び始まる。

個人的感想
◆まだ13話の呪いが…本編開始前に前回のおさらいで何分も時間稼ぎする、ついでに5分
の内容を30分かけてやる●●●●系アニメのような番組じゃなかった筈だ(泣)!
◆あと、ど〜しても納得行かない箇所が…。12話ラストでメインは全員、魔族化したハー
メルの姿を見ている筈です。しかし、街でバッタリ出くわしたコルネットたちの平然とした
対応は…。魔砲車の上の三人に、何らかの抵抗感は無かったのか?息を切らせてハーメルを
追っかけてきたライエルが浮いてて、ちょっとカワいそう…。
◆しかしこの集結あたりから、序々に持ち直してもきます。「これをくぐれば、願う所へと
●●●●する事ができる…(うわ〜)」。水田家のパーカスさん、この人は絶対叩けばまだ
何か出てくる便利屋さんだと思ってました、魔砲車引き返し不可能を悟り、ガクッと首を落
とす、こんなプリチーさにもホレ直しました。
◆逆にイメージガタ落ちNO.1は、前半では完壁な好青年を演じていたライエル。さっき
までウキー!殺す一!ってやってたクセに、助っ人が欲しくなると「ハーメル…来い!」、
来たハーメルに助けられりゃ「どうして僕を助けたりしたんだ?」。ギータは直接の復讐の
相手じゃないのに、恨みはその場に居る全員同じなのに、「僕にやらせてよ」。だけど同じ
軍王でも美人だったら、不意に迫られたからって鼻の下伸ばすダメっぷり、イイ感じです。
前半は皆が皆、あれだけストイック然としていた人間側も、所詮はドロドロダーティ化計画
の一環だとうれしい。
◆史上最大のブラジャー!には唸りましたが、魔族側も負けじと活躍が痛快。キューキュー
言ってたギータ様が、鍵に気付く過程を絵だけでサッと見せ、パーカス達の危機を挟んで、
奪い取る!…これだよ、これがハーメルンのテンポだよ!
◆そしてギータ様最大の、いや恐らく全編最大の笑えるセリフ!言葉自体は別にギャグでも
何でもないのですが…これは声優さんの演技の方がスゴいのか。それにしてもギータ様って
改めて、ハーメルンの中でゴージャスなシルエットが最も美しいキャラだと再確認。
◆クライマックス絶好調!今回後半の主役・ギータ様→捨てゼリフ残して(旧OPバンクだ
けど)颯爽と飛び去るサイザーさん→落ちてくる塔に向かう必死の形相のパーカスおやじ…
これだよ、この辺の尋常でない盛り上がりこそハーメルンの正常だよ!
◆一転して、森の中のドラム(こ、こやつまだ…)とギータ様。片腕を失くしたギータが、
両腕と片首を失くしたドラムを斬る、傷付いた者がより傷付いた者を殺す…これだよ、この
ゾクッとくる容赦の無さこそハーメルンのコワさだよ!…ただ雨の中、ハイコントラストな
モノクロ画面(7話でもありました)、決定的場面の省略、そして立ち去るギータとドラム
の残骸のシルエット…だけでも充分だった気がする。剣に付いた血をペローリ舐めるギータ
は、ちょっとやりすぎというか、この作品にしてはちぃ一とばかし下世話な描写というか…
なんだか注文多くなってきた…ゴメン。
◆で、人間側は新たなる旅立ちを迎えるこのラスト、3話みたくアッカるいなぁ…今更こん
な平穏さで終わるのかなぁ(ホルン様はそうでもないけど)…などとご不満コイてたら場面
変わって、オッ!となるのも束の間、我が目を疑うテロップが…。…ええ〜っ!!


第15話 『別れの港・センザ』
ストーリー
ハーメル・オーボゥ・フルートがスフォルツェンドを旅立ち、一年後(…ええ〜っ!!)。
パンドラの箱と鍵を追い求める三人はセンザの街に至り、サイザー率いる妖鳳軍艦隊もその
上空にあった。三人は妖鳳軍艦内に潜入し鍵を見付けるが、サイザーの仕打ちを受け、沈み
行く海の中で離ればなれとなる。
サイザーが飛び去った後に、センザの街は廃虚と化した。

個人的感想
◆前回、ラスト1分半に「一年後」を割り込ませた、意地でもキレイな所で終わらないこの
番組のド根性見たり(感涙)!…と取るか、もしやこの辺で打ち切りが決まって、急な時間
調整を迫られたのか…と取る…のはヤなので考えません(泣)!
◆…でもハーメルとフルートの回想、ミョ〜に白々しい状況説明セリフが、一年分削らざる
を得なかった事情を臭わせて…(泣)。冷静に考えたら、かなり説明不足かつ強引な展開に
なってる辺りも、制作現場の余裕の無さを臭わせて…(泣)。
◆しかし色々臭わせて余りある見応えです!『二つの道』の淋しい旋律に乗り、益々ブンガ
クしている導入のナレーション…この引き摺り込まれるようなムードがあれば安泰です!
◆雪、海、メカメカしい戦艦、妖鳳兵…見慣れぬものたちが一気に登場し、何だか違う番組
見てるみたいです。見慣れたハーメルたちもまた、「一年分」の重みを垣間見せます。とに
かく、寒い!
◆寒い!のは雪だけではない。ちょっと動き過ぎだけど絵もスゴい気合いの冒頭。魔族化し
てからこっち、ハーメルは焦点合わないアヤしい目付きが増えてきてイイ感じですが、吹雪
の中の疲れ切った、夢や希望なんてモノと最も遠いところにある、感情も麻痺したかの様な
あの表清。その虚ろさに向かって、目をキラキラ輝かせて駆け寄るフルート。…寒すぎる、
もう、ここにはすべてがある…なんて、こんな何でもない場面で泣くなよ、私。でも、こん
な何でもない場面に比べたら、7話の滝の裏で息を潜めてた二人なんて、まだヌルかったの
では。
◆後の回想からも、二人がこの一年間、いかに何の実りもないサッムい旅を続けていたかと
思うと、暗澹たる気分に襲われる。もはやバイオリン弾くより、パート魔族化する方が手っ
取り早くなってるハーメル。それを常に隣で見ていたフルート。…正視に耐えないやり切れ
なさである。…あぁ!もし私が金持ちだったら個人スポンサーになって、30分でいいから
この一年間の二人、あイヤ三人を描いたOVAを作ってもらうのに(号泣)!
◆ニセサイザーと対決するハーメル。パート魔族化で「フッ…今度は俺の番だ」なんて優勢
に出られてもちっともウレシくない、その強気の笑顔なんて見たくもない、こんなヒーロー
アリかよ…(泣)。この回でやっと、新EDでは何故ハーメルのマントが片方スッポリ前に
来ているのか、つまり右腕が完全に隠されているのかが分かりました(泣)。
◆いつもそうですが、名もないエキストラたちがニクいほどイイ味出してる。今回は、雪の
吹き込む室内で、まったく動じることなくサイザーに受け答えていたお婆ちゃん。最後まで
余裕の笑みで見送られる赤き堕天使、タジタジの存在感である。
◆そのサイザーも、飛び立つ時のアップの表情で、いかにこの一年間ムナしく成長したかが
分かってしまう。寒々とした月日しか送れぬ若者とは対称的に、さきの老婆は中身の詰まっ
た、あるいは怒りや憎しみを超越した人生を感じさせます。
◆新キャラ、オカリナ。オーボゥもそうですが、ギャグ映えするコミカル・タッチな原作の
設定をよくぞ、そのまんま持ち込んでド・シリアスに徹する気に…。しかもそれが成功して
いる、こんなアニメはやはり天然記念物ですぞ。あんなギャグにしか見えない造形のキャラ
がクソマジメに喋る度、その違和感がもはや心地好いことに驚くのです。逆に、キャラデザ
や設定の文脈通りの事しかやらないアニメが、パッケージだけで大体の中味が分かってしま
うアニメがいかに多いことか…。
◆なかなかケバい妖鳳軍(ハキハキ日本語)って、冥法軍(カカカ)や幻竜軍(グルル)よ
り偏差値高そうですね。
♪チャイコフスキー『白鳥の湖』
◆物語後半、未だおニューの魔曲が登場しない…。やはり制作現場で…考えるな〜!無伴奏
バイオリンソロも、それはそれで寂莫感あっていいのですが、欲を言えばこのサッムい回は、
ぜひぜひシベリウス辺りの、凍て付くようなビブラート効かせた曲を披露して欲しかった…
けどそれじゃ当たり前すぎるから、ラブホテルのフロントやケーキ食べ放題の店でかかって
そうな、典雅で春めいたバロック音楽を敢えてリクエスト!してどうする…(泣)。


第16話 『滅亡国家・スラー』
ストーリー
ハーメルは遺跡近くの漁村に打ち上げられ、ライエル達一座は滅びた国から興行に呼ばれる。
それぞれの前には正体不明の者が現れ、その力を試すかのように未知の攻撃を加える。
一方、スフォルツェンド、北の都には奇怪な通信音が鳴り響く。
十年前に、サイザーがベースの命によって滅ぼしたスラー共和国、復讐の産声であった。

個人的感想
◆救助されたハーメルは全裸マン?しかし、予想以上の見るっからに抱かれ心地悪そうな、
老人のようなカラダ…脱いでも逆サービス、いかにもこの人らしくてまた株が上がる。
◆今回も、エキストラの漁師の父子がイイ味です。特に、子!まったく自我を捨て去りハー
メルをポカー…と見ているあの表情、できない。あれはまさに、子供にしかできない表情で
す。その後も言葉無くして、派手な感情は出さずして、ほとんど目だけで演技しやがる。
◆25話ラストでも使われていた「SONG」(また記憶違いの可能性大、1話同様OP・
ED無しでここでスタッフクレジット入ってた気が…)。それだけに思い入れ強い曲ですが、
劇中では何もこんな使い方を。母親の我が子に向ける、静かな情熱を歌った曲(今川泰宏・
作詞…は何語かと思いきやパンドラ語?)ですが、何もこんな使い方を。
◆手に持つカマが武器とも思えぬ愛くるしい童女・サイザーが繰り広げる、破壊と殺戮、鮮
やかな血しぶきの世界。美しい音楽、残酷な画面、そして哀しい物語。この三大ハーメルン
要素がギュッと凝縮された時、自分は涙腺ぶっ壊れるようです…もうサイコ〜(感涙)!
◆いつもいつも(かなり専用に作ってる?)聞き慣れぬ効果音が印象的ではありましたが、
スラーからの通信音には何事かと背筋が震えました。もう、まるっきりこの世界設定の文脈
に無い音!耳を押さえアワてふためくこの世界の住人達を、思わず抱きしめてあげたくなる
ような不気味さであります。
◆そしてスラーの異形の者たち。前回に増して、何だか違うアニメ見てるみたいです。これ
ら新キャラ(メカ?)の登場っぷり、画面の勢いに目を見張ります。ライエルの水を切るや
つなんて形態がすでに異世界ファンタジー、つ一より『遊星からの物体X』じみててコワい
んですが、あんなにハデに動き回ってるのに、全体像は最後までチラリズムなのがタマりま
せん。ここんとこお得意のシルエット〜モノクロ・ハイコントラスト絵の頻度が増えてます
が、バリエーションも柔軟に広がっております。…あまり教えたくないけど、絵描きとして
はかなり参考になるアニメでして、盗めるワザはその気になればいくらでも見付かります、
読まなかったことにして下さい。
◆その5人(体?)が遂に集結してシンクロ喋りで見栄を切り、バックの波がザッパ〜ン!
…凶悪なほどキマりやがる、新OPの海も大迫力、やはりこの作品の「水」と「火」の扱い
からは目が離せません。
◆ラストの絵(特にライエル、フルートの表情!)とナレーション、もうこのイキイキと輝
くばかりに縁起の悪いシメ方、ラストl分をよくも毎回占いで言う所の「最悪!要注意バッ
ド・デー」に持って来る底力…いやはや、敬服いたします(感涙)。

それにしても『打ち切り』の四文字が益々重くなってきました。だって私が「まだ知らない
ハーメルン」はあと7話分しか残されてない。真偽は知らないけど、「…もしこれが一年の
番組だったら!」…いったい何千億回思ってしまうコトか。
このやり場のない悔しさと淋しさから逃れるために、真偽は知らないのをイイ事に、ホレ、
ポジティブシンキング!
ハーメルンは実は当初1クール予定の番組だった!TVでは5人がスフォルツェンドに着く
所までしか描かない予定だった!しかし好評を博したため(ツッこむな〜)、もう1クール
延長が決定!おかげで本来見られなかった筈の、一年後の物語のみならず、なんと結末まで
が見れちゃうなんてっ!ズコいっ!
何事も思い込みですよ、こう信じるだけで新OPから始まる全てが、とっても得した気分で
見られるゾ!…寒い!

(98年4月2日付)


↑いやはや…7か月ぶりってスゴいね。あたし何やってたんだろ…。それはここの更新が
遅いがゆえに始めた日記、実は益々足を引っ張ってるとしか。

 ともかく。オールナイト全話も2度やると、やはり全25話では足りな〜い!…と言うか、
第一楽章と第二楽章をもっと繋げて描いて欲しかった…と思えてくるのでした。両楽章間の
ズレ・ギャップに、いろんな点で無理を感じるのです…。
 ただ、第一楽章はハーメルが自ら「道」を選択するまでの旅が12話、情けもゼロな終着
を果たした(未だにあれが最終話でもよかったと思ってます)し、第二楽章は「愛」の残酷
な姿―「復讐」が25話、ある「愛」のオンリー&オールな姿の下に眠り、再びもう一つの
1話からの「道」が開かれる…この全体図は、見事なまでに整っていると思います。
 様々な要素はバラけたけれど、最初・ド真ん中・最後の頑強な柱に支えられ、永遠に崩れ
ることのない物語。いよいよ17話以降の感想、レッツ・ゴー!…に、ホンットにここまで
時間がかかったのは、全話見てしまったからです。従来の気軽な部分指摘が難しくなりまし
た。よって、厳密にその回だけの内容感想じゃなかったり、異常に長かったりと…相当読み
辛いかと思われます、メンゴ。


第17話 『魔族として』
ストーリー
ハーメル・ライエルは共にスラー共和国王室に招かれ、記憶を失ったフルートと再会する。
十年前サイザーの攻撃により国は滅び王妃アルトは失われたが、シターン国王とその五人の
子供たちは体を機械に変え、パンドラの箱を守りつつ魔族への復讐の時を待っていた。
ハーメルの正体を承知のシターン国王は挑発的に魔族との戦いへの協力を願い出るが、ライ
エルがその間を立ち塞ぐ。
やがてスラー兵達の前でへリウッド一座の興行が始まる。しかし、スラーの用意した魔族が
舞台のバーディに迫り、ハーメルは再びその姿を変貌させ一撃のもとにこれを倒す。
パンドラの箱の鍵を手に、サイザーがその前に降り立つ―。

個人的感想
 第一楽章でのこの人の位置付けは、不幸がバイオリンしょってやって来る!展開の重要な
核だった。例え王子様や大神官様が表舞台で花形やってても、それは裏に潜む音楽家の存在
が意識されてこそ、相対的に映えた。
 また思えば、この人自体の元気が良かった。自分の正体さえ掴めず厄災から大凶へと流さ
れながらも、要所要所で肯定・否定・願望などの主張はシッカリ示していた。しかし人生の
一大転機にスネた態度を反省さえしたってのに最大の意思表示が叶わず、もはや完全にスネ
てしまったのか?15話でも疲れ切ってたし。もはや何もかもどうでも良くなったのか…と
思いきや、時折気弱ながらも前向きな発言があったり、やっぱりイジけてみたり。何だか、
本心が薄ボンヤリとして見えない。
 魔の血が騒ぐ発作(危険が迫ると白目剥いてグァ〜ッ!となるアレ)もかなりなチャーム
・ポイント、同時にストーリーのアクセントだったのに、ひとたび魔族化しちゃうと治まる
のはナゼ。変身の度合いに差はあれ、即アッサリ真っ赤な肉棒…じゃなくて肉体をムキ出す
ハーメルよりは、過去の記憶断片フラッシュバックの描かれ方のほうに「大魔王の後継者」
たる底知れぬ脅威を感じた。

 また、母の子守歌を強調させたい意図は分かる。しかし物語のメインディッシュ・魔曲も
ここまでおあずけ状態だと、どうも見応えは栄養失調、キャラはカルシウム不足気味なのか
条件反射的にヒス起こすライエルに始まり、スラー一家、サイザー…こやつら、自己主張も
激しければ物言いもいちいちキッツいズケズケ軍団。薄ボンヤリ主人公は、その中でさらに
埋もれてしまう。
 そしてハーメルを包む「五つの希望の星」も解体された。ヒロインはしばし記憶を失い、
ピアノ弾きは情緒不安定、王子様はスフォルツェンドのセレブに紛れ、カラスはソロ活動に
突入。この混沌ぶりは、明星のごとき「五つの復讐の星」・スラー聖鬼軍にその座を譲った
かとも取れる。しかしその対比が弱い。何せ第二楽章を通して空中分解の元祖「五つの星」、
第一楽章においても6・7話を除き充分な確立は果たされなかったからだ。元祖にももっと
燦然と輝いた経歴があれば、この皮肉な交代劇も鮮やかに見えたと思う。

 ただ第一楽章と変わらず毎回悪化☆展開は健在、事件も起きるのだが、一気に増量・散在
したキャラの中でそれは部分的な細事とも映り、ハーメルという核もボヤけたもんだから、
全体像の見通しがツラい。結果、展開もペースダウンした感触なのだ。…実際はそうでもな
いのだが。

◆そんなこんなで17話。冒頭のいよいよ動き出したスラーの勢い以降、ラストのドタン場
急転回(これはお約束)、ハーメルの魔族化まで、何だか華がない…。普通に会話している
だけの場面が多いからだろうか。でもその内容はキワドいはずでも、イマイチ差し迫らなか
ったり…。まあ、おどろおどろしい情念が渦巻き始めたムードはタップリあるけど。
◆一方、ちびっ子と娘っ子と犬っころだけになってしまった北の都。ああ、天井がとっても
高く見える…(泣)。物語もこう複雑怪奇化してくると、やはりこの世界で唯一、天真爛漫
・単純明快・豪放磊落を誇っていらした貴重なあの方の早世が惜しまれますわ…。
◆ラスト、ハーメルのメタモルフォーゼ。フルアニメーションの快感!…だけど、モデルの
メタモルフォーゼよりはタブロー全体のメタモルフォーゼがハーメルン一流のヴィジュアル
快感だと思っている故、こんな見せ場こそ!一枚でいいからイラスト処理が欲しかった…。
◆しかしその後の、止メのハーメルと飛び交うハトの対比は仲々イジワルいよ…共に翼ある
もの、方や幸福の象徴、方や「ばけもの」。さらにハトの舞い上がる上空から、「まるで天
使」サイザーが、翼も力強く羽ばたかせ降臨。…ああ、悲劇に欠かせぬはイジメの美学…。




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