星野 守夫 お別れ会  「喪主あいさつ」

 

本日はお忙しい中、お別れ会にご参列いただきまして誠にありがとうございました。父の生前中、何かとお世話になりました事を深く感謝申し上げます。

本来は喪主である母がご挨拶すべきところですが、あまりに急な出来事に胸中が乱れ、お別れ会にご参加いただきました皆様への感謝の気持ちを言葉にすることが出来ないため、母に代わりまして娘より父を紹介させていただくという形でご挨拶に代えさせていただきます。

 

 父は、強い信念を持つ生き方をした人でした。その信念は子供の頃の私には理解することが難しく、微妙な年頃の時代には父の考え方を素直に受け入れられないこともありました。しかし、時が経つにつれ、そんな父の生き方、考え方は私の人生の指針になりました。きっと母も同じだったと思います。私たちにとって父は何ものにも代えがたい存在でした。

 また、休日には母や私とともに家から近い裏山へでかけ、山菜やきのこ採りを一緒に楽しみ、私に野外で遊ぶ楽しさを小さな頃から感じさせてくれました。最近は、山歩きやアマチュア無線、インターネットなどを楽しんでいたようで、仕事では厳しい面も発揮されていたようでもありますが、反面、「人生を楽しむ術」も持ち合わせていた父でした。

 そんな父が、昨年1023(中越地震発生の6時間ほど前)に母にあてて手紙を書いていました。昨日、父の写真を探している時、偶然見つけたものですが、生前の父の言葉でもあり、父の行き方や人が生きていくことについての考え方がわかりやすく書かれていましたので、少し長くなりますが、この場を借りてご紹介させていただきたいと思います。

 

(父の手紙)

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愛する妻へ

 今回のアイボール会で、再会する人、新たに知人と成る人、楽しみに出掛けます。

 

趣味の友人とは言え、いずれ、考え方の違いが分かれば、がっかりしてしまうのですが「万が一にも」の気持ちで出掛けます。

インターネットでの楽天さんのような方に出会う可能性を求めて・・

 

健康の為、登山をしている分けですが、いずれは、登山を出来ない体に成ってゆきます。

今後は、ウォーキング・ハイキングの楽しみも考えて計画を立てます。  

人生を楽しみながら過ごしましょう。 とは言え、年金生活の我々、費用の掛かる旅行はあまり出来ませんね。

家計のやり繰りを、みんな任せきりにしていますが、よろしく頼みますよ。

 

体を動かし、食事に気を付け、規則正しい生活が長生きの秘訣である事は言うまでも有りません。

夜遅くまでパソコンをしている、私のペースに巻き込まれず、早寝早起きをして下さい。

 

静寂を恐れないで下さい。暗闇を恐れないで下さい。孤独を恐れないで下さい。

人類は大自然の中で、大自然の畏怖から逃れようと必死でもがいて来たのですが、今では、大自然を恐れる必要は無くなってきているのです。

何時でも、テレビをつける事によって静寂から逃れ、明かりを灯す事によって暗闇から逃れ、電話を掛ける事によって孤独から逃れられるのです。

 

科学技術の発達はありがたいものです。物事の見方・考え方(哲学)の進歩はありがたいものです。

分からない事は、辞書やインターネット検索で瞬時に分かります。

ただ、それをどの様に読み取り・解釈するか、です。 それが哲学です。正しく解釈出来る事が「悟り」です。

 

正しい解釈は、いつも一通りではありません。 複数の解釈があります。 しかし、間違った解釈をしてはなりません。

人夫々、人生の生き方で解釈が異なります。 

他人の迷惑にならない生き方をしていれば、胸を張って自分の考え方を主張できます。恥ずかしい事は何もありません。

人は人、己は己。

相手が「迷惑だ」と言うなら、その場を立ち去れば良いのです。

 

 

自分自身を律する事はなかなか難しいものです。 自分に厳しくなければなりません。

「己に克つ」と言う事です。  スポーツの世界でも、一流の選手は皆さん、言っていますね。

精神の世界でも同じです。自らを律し、努力する事により、自立した考えを得られるのです。

 

そろそろ、出掛ける準備の時間になりました。

私は、何時も、あなた傍にいるのです。

今宵は、気丈夫に、お休みなさい。

 

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 これからは残された家族で、力をあわせて生きていきます。そして、故人の意思を大事にして安心してもらいたいと思っています。今後とも亡き父同様ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いいたしまして長くなりましたがお礼のご挨拶にかえさせていただきます。

 ありがとうござました。