最後の猿の惑星−BATTLE FOR THE PLANET OF THE APES
73年米(87分)

監督 J・リー・トンプソン
脚本 ジョン・W・コリントン
制作 アーサー・P・ジェイコプス
             
●あらすじ ●登場「人物」 ●登場「猿」 ●ネタバレ・ストーリー ●ディレクターズカット ●感想

●あらすじ

       
対立、抗争を経て猿と人間はやがて共存の道を歩む

猿と人間の抗争は拡大し、ついには核戦争にまで発展した。戦後、生き残った猿族はシーザーをリーダーに仰ぎ、新しい社会の主導権を握った。

シーザーは崩壊した都市で両親の姿が記録されたテープを見つけ、地球の運命を知り、それを回避する手だてを検索する。やがて、ミュータント化した人間との対立、猿同士の抗争を経て、シーザーは人間と共存することになり未来を築こうとする。

●登場「人物」
マクドナルド 「猿の惑星 征服」に出てきたマクドナルドの弟にあたる。当時、都市の保管所に勤務していたらしい。シーザーと一緒に廃墟の都市に潜入する。
コルプ 「猿の惑星 征服」に出てきた時はブレック知事の部下だったが、ブレックが死んで時間が経ち現在は知事になっている。シーザーを憎み戦いを仕掛けるが敗北。アルドー達に殺される。
メンデス コルプの部下。平和主義者。ディレクターズカット版では重要な場面で登場するが、それ意外はあまり目立った場面なし。
アルマ コルプの部下。コルプの話し相手。ディレクターズカット版では重要な場面で登場するが、それ意外はあまり目立った場面なし。
キャプテン コルプに猿の町を発見したことを告げる。それ意外、目立った場面はなし。
ヨーク コルプの部下。ディレクターズカット版ではコルプ軍が負けたことをアルマとメンデスに伝える。
ティーチャー 猿の学校の先生。アルドー将軍に「ノー」と発言して反感を買う。コーネリアスの学力を高く評価する。
オーチュリー シーザー家のお手伝いさん。

●登場「猿」
シーザー 猿の町のリーダー的な存在。コーネリアスが生まれ父親になっている。シーザーの決断が未来の地球の歴史を握っている。
リザ シーザーの妻でコーネリアスの母親。コーネリアスの死にショックをうける。
バージル シーザーの補佐役でオラウータンの哲学者。シーザーと共に廃墟の都市に潜入する。
コーネリアス シーザーとリザの子供。シーザーが自分の父親から名前をとって命名したと思われる。アルドー達の秘密集会を盗み聞きしたがために殺される。
マンデマス 武器庫を長年守るオラウータン。武器庫を壊すことをシーザーに希望したが却下された。
アルドー ゴリラの将軍。人間との共存を嫌いゴリラ族による武力支配を主張。シーザーへの反乱を企てるが木から落ちて死ぬ。

●ネタバレ・ストーリー

             
2670年の北アメリカ。オラウータンが人間の子供と猿の子供に昔話(シーザーについて)をしているところからスタート

シーザーを中心にして猿と人間が一緒に住んでいる。学校が開かれている。

ティーチャーが「ノー!」と発言したためアルドーが怒りパニックとなる。シーザーがまとめるもアルドーは納得しない。

マクドナルドはシーザーに「ジーラとコーネリアスの映像が都市の保管所に残っている」と告げる。

シーザー、マクドナルド、マンデマスはジーラと廃墟となった都市の保管所に向かう。保管所に入る。

コルプ軍に3人が侵入したことを気づかれる。3人はテープを見つけシーザーはジーラとコーネリアスの姿を見る。

3人はコルプ軍と戦うが逃げ延びる。しかしコルプ軍に尾行されてシーザー達の住んでいる場所がばれてしまう。

シーザーは廃墟都市を調べたことを猿や人間達に話す集会を開くがアルドーは不平をもらす。

キャプテンが廃墟都市に戻りコルプに猿の町を発見したことを伝える。コルプは出撃を命令する。

ディレクターズカット版はここに場面が追加されている。くわしくはこちらへ。

シーザーとリザはコルプ軍との戦いについて話し合う。コルプ軍は出撃を開始する。

夜、リスのリッキーを追って外に出たコーネリアスはアルドーを中心とゴリラの秘密の集会を目撃してしまう。

木の上にいたコーネリアスはアルドーに木の枝を切られて転落してしまう。

マクドナルドとバージルは木は意図的に切られたものだという話をする。

コルプ軍の攻撃に備えアルドー軍は人間をオリに入れる。

コーネリアスはシーザーと話しをして、その後死んでしまう。

コルプ軍が到着して本格的な戦いが始まる。シーザーはコルプに追いつめられるがリザとバージルに助けられ形成逆転する。

コルプ達はバスで逃げ出すがアルドー軍に撃ち殺される。戦いに勝ちシーザーは賞賛される。

アルドーとシーザーは対立するがアルドーがコーネリアスを殺したことが発覚して皆から反感を買う。

アルドーはおびえて木の上に逃げる。シーザーは追って木に登っていく。木の上で2匹は戦う。

戦いの結果アルドーは転落して死亡する。マクドナルドはシーザーにお礼を言った後、完全な自由を要求する。

シーザーは人間と猿が平等という新しい考え方を持つ。

ディレクターズカット版はここに場面が追加されている。くわしくはこちらへ。

シーザー達は町を再建していく。武器を元に戻す。

場面は最初に戻り2670年の北アメリカ。オラウータンが人間の子供と猿に話を終える。

シーザーの石像が映し出され涙が流れる。

●ディレクターズカット

             
「最後の猿の惑星」にはディレクターズカット版が存在します。僕は10年ぐらい前にWOWOWで猿の惑星特集があった時に見ました。噂ではLD-BOX収録の「最後の猿の惑星」はディレクターズカット版という話を聞いたことがありますが未確認情報です。WOWOWから録画したテープを元に掘り起こしてみました。

1.コルプが戦いを仕掛けることを命令する時のコルプ、アルマ、メンデスの会話

まず通常版の場合

メンデス「どこかで流血の繰り返しを止める必要があります。AがBを、BがCを倒し、DがEを、EがAを倒す。これでは誰もいなくなります」

アルマ「キャプテンが戻りました!」

コルプ、アルマ、キャプテンは地図を見ながら話す。

キャプテン「猿の町を発見しました。ここが町の入り口。下の谷は果樹園などがあり食料は十分です。中心はここです」

コルプ「大きいか?」

キャプテン「それほどでも・・・・」

コルプ「見られたか?」

キャプテン「いいえ、敵は作戦会議中でした。近く攻めてくるかも」

コルプ「先制攻撃をしよう、出撃準備をしろ」

場面は変わりシーザーとリザが家で話している

リザ「シーザー、革命の夜に誓ったわね。将来、人間と仲よく暮らしていこう、と。なぜ、その近いを破るの?」

シーザー「禁じられた都市の人間はここの人間とは違う。正気でない。平和を望まない上にきわめて好戦的だ」


ディレクターズカット版の場合

メンデス「どこかで流血の繰り返しを止める必要があります。AがBを、BがCを倒し、DがEを、EがAを倒す。これでは誰もいなくなります」

アルマ「キャプテンが戻りました!」

コルプ、アルマ、キャプテンは地図を見ながら話す。

キャプテン「猿の町を発見しました。ここが町の入り口。下の谷は果樹園などがあり食料は十分です。中心はここです」

コルプ「大きいか?」

キャプテン「それほどでも・・・・」

コルプ「見られたか?」

キャプテン「いいえ、敵は作戦会議中でした。近く攻めてくるかも」

コルプ「先制攻撃をしよう、出撃準備をしろ」

コルプとアルマは核ミサイルの方に歩きながら話している。メンデスもだまって聞いている。

コルプ「アルマ、野獣はオリに入れるか皆殺しにするしかない、分かるな」

アルマ「核ミサイルですね」

コルプ「万が一にも猿に負けるような時は降伏する気はない、いいな」

核ミサイルを発射するため核ミサイルの上の壁が開く。コルプは核ミサイルの操作ボタンを押しながら話している。

コルプ「退却を余儀なくされるようならば暗号無線を送る。15分たったら照準を猿の街に合わせて発射させろ、このボタンだ」

アルマ「イェッサー」

場面は変わりシーザーとリザが家で話している

リザ「シーザー、革命の夜に誓ったわね。将来、人間と仲よく暮らしていこう、と。なぜ、その近いを破るの?」

シーザー「禁じられた都市の人間はここの人間とは違う。正気でない。平和を望まない上にきわめて好戦的だ」
    

2.コルプ、アルドー将軍が死んでオリの人間が解放され猿の町に平和が訪れた直後の場面

まず通常版の場合

マクドナルド「ありがとう、シーザー、お礼の言葉もない。この際、完全に自由にして欲しい」

シーザー「と言うと?」

マクドナルド「我々はあんたの子供じゃない。平等の生き物だ。尊敬しあい愛しあって暮らしたい」

シーザー「愛? 人間の愛は死に通じる」

バージル「アルドーは人間じゃなかった」

シーザー「バージル、あんたは立派で賢い猿だ」

リザ「あなたは立派で賢い王よ」

シーザー達が歩いている場面になる

シーザー「再建が始まった。望み通りの未来を築けると思うかね」

マクドナルド「築けるさ」

ディレクターズカット版の場合

マクドナルド「ありがとう、シーザー、お礼の言葉もない。この際、完全に自由にして欲しい」

シーザー「と言うと?」

マクドナルド「我々はあんたの子供じゃない。平等の生き物だ。尊敬しあい愛しあって暮らしたい」

シーザー「愛? 人間の愛は死に通じる」

バージル「アルドーは人間じゃなかった」

シーザー「バージル、あんたは立派で賢い猿だ」

リザ「あなたは立派で賢い王よ」

場面が変わりアルマとメンデスは基地の中でチェスのようなものをしている。ヨークが話しかけてくる。

メンデス「ヨーク」

ヨーク「終わりだ、負けた」

アルマ「知事は?」

ヨークは手を広げた動作をする。

アルマ「やるわ」

メンデス「連絡を待て と」

アルマ「今聞いたわ」

アルマは核ミサイルの方に歩きだす。メンデスもついていく。

メンデス「連絡を待つんだ」

アルマ「彼は死んだのよ、約束を果たすわ」

メンデス「全世界を滅ぼすなんて正気の沙汰じゃない」

メンデスは核ミサイルを指さして言う

メンデス「これは核ミサイルだ、滅びるのは猿の町だけじゃない。発射すればすべてが灰に。このまま残しておけば生き延びることもできる。希望を託すことも。ミサイルは発射せずに敬うんだ。先祖の過ちの証として尊び崇拝しよう。今日より先、我々にも美しい日々が訪れるのを願って」

シーザー達が歩いている場面になる

シーザー「再建が始まった。望み通りの未来を築けると思うかね」

マクドナルド「築けるさ」

●感想

       
この作品も高校時代に知りました。

過去の4作に比べて地味な印象なのは僕だけでしょうか。全5作の細かいセリフなどから考えますと「猿の惑星 征服」と「最後の猿の惑星」の間に人間と猿による核戦争がおきていることになります。それによってコルプ軍は生き残ってはいるものの病気のような状態になっています。すでに町中のビルなどは崩壊していて、景色としてはほとんど「猿の惑星」「続・猿の惑星」の世界と変わらないほどになっていると思われます。

なぜここまでになってしまったのでしょう?「猿の惑星 征服」は1991年の出来事、「最後の猿の惑星」は200X年の出来事です。シーザーとリザの子供であるコーネリアスの容姿からしてせいぜい10歳とかだと思うので、その程度の時間しかたっていません。

人間たちが猿を殺すのに核ミサイルを使うというのもなんとなく不思議です。人間たちも大量に死ぬような気がしてしまいます。それに対して猿はどう対抗したんでしょう。人間の作った核ミサイルなどの兵器を使うだけの頭脳や知識はあるんでしょうか?
マクドナルドのようにある程度、猿の考えに理解を示し協力していた人間もいたんでしょうか?
それとも猿はせいぜい銃などの武器を奪って使う程度だったんでしょうか?
そのあたりが理解しにくいです。その時代こそ映画化して欲しかったです。まあリアルに描くにはとんでもない予算が必要だったかもしれませんが。

内容に話を戻しますが結局コルプ、アルドーが死にます。そしてシーザーが考えを改め「猿と人間の平等」を説きます。その話を2670年の猿が人間と猿の子供たちに聞かせています。いかにシーザーがすばらしいかといった感じでです。これを見る限り少なくても2670年は猿と人間たちの関係がうまくいってるような気がします。

3955年まで、このまま行くとテイラーが辿り着いた猿が人間を支配している地球にはならないような気がします。まあ一応はハッピーなエンディングです。

「シーザーによって未来の地球は猿と人間が共存した平和で幸せな世界になるのである・・・終わり」っていう感じです。まあ5作の連作な上に、地球の未来を猿が支配していたり地球が消滅したり、言葉を話す猿が現代の地球にきたりしたわりには、うまくまとめていて、いい終わり方だと思います。

しかしディレクターズカット版は違います。コルプが死んだ時、アルマは核ミサイルを撃とうとします。メンデスが説得しなければ200X年、すでに地球はありません。しかもとりあえず発射をやめただけであのミサイルに祈りを捧げていくわけです。これだとやはり3955年はミュータントが存在していて核ミサイルを神として「アーメン、アーメン」と歌ってるでしょう。ディレクターズカット版を見るとシーザーがどんな決断をしようと結局、また3955年の地球はテイラーとブレントがたどり着いた「猿の惑星」になっているのでは?という気がしてきます。

「未来」というのはレールを乗り換えることで変えることができるという説があります。例えるなら5分後に家を出れば車にひかれませんが10分後に家を出れば車にひかれて死んでしまうかも?というやつです。未来は自分で選択して変えることができるという考え方です。

しかしそれとは別に未来はすでに決まっていて運命には逆らえないという説です。例えるなら何分後に家を出ようが結局は車にひかれるという考え方が運命です。

つまり「最後の猿の惑星 通常版」は選択によって未来を変えられるような気がするしシーザーは正しい選択をしたような印象です。

逆に「最後の猿の惑星 ディレクターズカット版」はシーザーが何をどうしようと結局は猿が支配している惑星になってしまうという印象です。

個人的にはディレクターズカット版のちょっとダークな終わり方の方が好きです。アルマやメンデスを見ていると結局こいつらがミュータントになるんだっていう不気味さがあるんです。

タイムトラベルものは考えていくと難しいです。過去の歴史を変えると未来が変わるというのは理屈ではわかります。そうすると変える前の未来はどうなっちゃうの?消えてしまうの?それとも、それはそれで別に残っていって未来が何種類も存在していくの?っていうのが僕はよくわかりません。まあタイムマシーンなんて今はないし、考えなくてもいいのかもしれません(笑)

まあそれにしても全5作からなる凄い作品を楽しませていただきました。

BACK