1. 車で走るスイス そしてフランス
実際の行程、所要時間とルート地図は こちら

あるとき、ミネラルウォーター「ヴォルヴィック」のボトルを眺めていたら、
ラベルにへんちくりんなプリン型の山のイラストが描いてあるのに気がついた。
伊豆の大室山みたい、いや、なんだか火山ぽい……と思ったら、

そう、これはフランス・オーヴェルニュ地方の火山です。


オーヴェルニュ地方、面白そう。
位置は、フランスの真ん中よりちょっと南寄り……というくらいだろうか。
リヨンあたりからそう遠くもなさそうだ。

夏休みはスイス山歩き、と漠然と考えて飛行機だけ予約していた私は、
日程の後半に無理矢理フランス火山めぐりをねじ込むことにした。


※さすがにこの目抜き通りは走りません
車を借りたのはベルン旧市街中心部。

成り行き上、スタート地点はスイスになる。

トラムと歩行者と工事現場と一報通行が渾沌と入り乱れる、世界遺産都市・ベルン。ここの中心部で車を借りるという行為は、はっきり言って失敗だったというか、魔が差したと言うべきか。

運転は、ハワイ島/マルチニーク島の両火山シリーズから引き続き、浮世離れ系硬件エンジニヤ neko氏。
旅の前半を共にするベルン市民・マダムGのナビゲーションで出発するが「アタシだって町の中心なんて入らないわよ!」。
高速道路に乗るまで必死というか決死である。

写真は帰途に撮影。
行きは恐怖で凍結のあまり、写真が少ない
スイスの高速道路

最高制限速度120km/h ……のはずだが、周囲は結構飛ばしている。そういえばマダムGもしばしば150km/h超で爆走してるんだった。
neko氏はとりあえずルールを守って安全運転。

欧州の高規格道路の常で、スイスの高速道路は
戦車・装甲車も走れる堅牢な舗装がされている。おかげでクルマの乗り心地は上々。

スイスの場合、高速関連の標識は緑色、一般道はブルーが基調になっている。表現はおおむね日本と似たようなもので、走行中になんじゃこりゃ、という事はなかったが、横文字地名、特にマイナーな土地の名を瞬時に判読できるようになるまで、多少時間がかかった。

スイス(と、フランス)の高速道路休憩所

高速に乗って30分ばかり。とりあえずひと呼吸。

今回の旅ではあちこちの高速道路休憩所にお世話になったが、スイスにしろフランスにしろ、休憩所はトイレとベンチだけの簡素なものから、日本のサービスエリアの基本セット+それ以上の設備を有する所まで、よりどりだった。たとえば、coop のような「普通の」スーパーマーケットがあったり、大手チェーンのビジネスホテルにダイレクトインできる所も珍しくない。

写真はベルン〜ローザンヌ間のサービスエリア。洒落たショッピングモールのような小奇麗さは、さすがスイス
国境風景。
この写真もまた、帰途にフランス側から撮影
車での国境越え@ジュネーヴ

スイスもついにシェンゲン条約加盟国。隣国との行き来は基本的にパスコントロール省略だが、税関のコントロールは存在する。何考えてるのかうっかりパスポートをトランクの奥に突っ込んだままにしていた neko氏が、ここで店開きするのは嫌だお助け、と念じている。

国境が近づくと、車種分類に従って車線を分けられる。しずしずと減速しながら進むと、まずはスイスの税関。それをクリアすると、今度はフランスの税関。普通乗用車の場合、係官の指示がなければ停車の必要はなさそうで、どちらも関所を最徐行で通過するだけだった。

怪しいアジア系3名を乗せた車は絶対止められるぞ止められるぞ、巨額ニセ米国債とか持ってません私たち、と若干緊張したが、結局フリーパスだった。
ジュネーヴからフランスに入ったばかり、ジュラ山地の成れの果ての山岳地帯。やっと写真を撮る余裕が出てきた

フランスには、登坂車線だけでなく、下り坂車線も存在する(上の写真)。物理法則に導かれるまま、がんがん加速して勢いをつけたい車は走行車線、加速できない車は下り坂車線を。
合理的というか。今ふうに言うと
「これって、ECO ☆」
上の写真からすぐに、
なんの前触れもなく、突然の通行止め。
やおら前の車のドアが開いて、運転者は路肩の草むらへ。
周囲の車からも次々に人が出てきて、用を足したり状況見物に行っちゃったり、大声で立ち話したりで、さすがラテン系民族。

一行唯一の貴重なフランス語話者・マダムGが聞き出して来た通行止めの原因は、トラックのタイヤがバーストしたとかしないとか。ただし根拠不明。
通行止めは15分ほどで解除。表示された規制速度はいきなり110km/h。
運転者不在で放置された車、歩行者、それらをかき分けて動き出す車。路上は一時的に無政府状態。

通行止めの原因は、単なる工事作業だった。
おフランスの高速道路の通行券。運営会社や路線によってデザインは違う。
今度はフランスの高速道路 もしくは
ちょーちょのごと華麗なるおフランス走りについて

最高制限速度はスイスよりちと速い130km/h ……で、例によって周囲は更に飛ばしているので、スイスより流れが早い。路面状況が良いのはスイスと同じ。
標識は、色の扱いが日本やスイスと反対になる。高速関連がブルー、一般道関連が緑。

フランス人とゆー人たちは、なぜか車間距離を異常に詰める……ような気が以前からしていたが、やはり気のせいではなかった。国境を越えるなり車間が狭い。そういう気質なのか?

さて……

「高速道路の追越車線は追越のための車線です。追越を終えたらすみやかに走行車線に戻りましょう」

と、運転の教則本に書いてあるが、日本でこれを遵守する車がどれだけいる?
フランスではこの規則はかなり重視されているように見える。どの車も通常はきっちり走行車線を(車間ツメツメで)走り、追い越し車線は空けておく。

走行速度は早い車から遅い車まで各自まちまちなので、当然ながら早い車は積極的に追い越しをかけるのだが、追い越し車線を走るのは、文字通り追い越しをかける時だけ。
追い越し車線走行中は「私は今、通常走行ではない」という意味だろう、ウインカー出しっぱなしの車も多い。
(もしくは「どいてどいて」の意味かも)
彼らは、目的を果たしたらすみやかに走行車線に戻る。2009年春以降日本の高速道路でよく見かけるようになった、走行車線の車と並走して道を塞ぐような阿呆は存在しない。

しかし。
規則を守ってスムーズな流れ、は良いのだが、追い越しを頻繁にかけ、なおかつ車線遵守ということは、車線変更も頻繁だということになる。そして、車間がむやみに狭く、流れも速いと来たらどうなる?

狭い車間にひらりひらりと出入りする、
ちょーちょのごと華麗なるおフランス走り、登場


都市部に入ると道幅が狭まり、カーブも勾配もきつい。道路の形状は首都高速環状線@東京そっくりになる。おまけに車間はますます詰まる。速度は相変わらず130km/h 超。
この状況まで来ても、ひらりひらり。
おフランス走りは
人類の芸術的財産です。なんのこっちゃ。
慣れない人間には相当な恐怖である。


見た感じ、フランスの運転者の集中力はかなり高い。
速度といい、動きといい、一見好き勝手に走っているように見えるが、フランスの運転者はとにかく周囲をよく見ている。
(さもないと死ぬ、という説が真実か)
近接する車への意思表示も明瞭なので、よく考えてみれば、こちらもきちんと運転に集中していれば、危険なことは何もないのかもしれない。

漫然走りのおっかない車が多い日本より、慣れるとむしろフランスの方が運転しやすい、とはneko 氏の言であった。

スイスとフランス、高速道路通行料の支払い方

スイス:
通行料金は年額一括払い制、40Sfr.(日本円で約3600円、2009年)。通行券シールを郵便局やガソリンスタンドなどで買い、フロントガラスに貼る。
詳細はこちらhttp://www.autobahnen.ch(個人サイト)

スイス国内で大手レンタカー会社の車を借りる場合、自分で通行券シールを買う必要はないと思うが、ドイツなど他国で車を借りてスイス入りする場合は、事前にご確認を。


フランス:
通行料金は料金所ごとに支払う。走行中、"
P斬ge" と書かれた看板が出てきたら、料金所近し。日本のETCに相当するシステムを搭載した車は「t 」マークが点灯するゲートへ。

それ以外の車は、
入口料金所/
緑の「↓」マークが点灯するゲートに入り、発券機からチケットを取る。

出口料金所/
クレジットカード払いの場合は、白の「CB」マークが点灯するゲートへ。
利用できるカードは料金所によりけりで、VISA 、
マスター、アメックスの御三家カードも使えたり使えなかったり。同じ高速道路会社内でも、料金所ごとにまちまちで、何が使えるかは実際にゲートで支払機の前につくまでわからなかった。これもまた、さすがおフランス。
現金払いの場合は、緑の「↓」マークが点灯する有人ゲートへ。

もし間違ったゲートに入ってしまっても、インタフォンで係の人と通話でき、対応して貰える。貰えた。

で、気になる料金は:
ジュネーヴ〜リヨン間、134kmで14.50 EUR(約1,950円、2009年9月)だった。

晩御飯はホテルの近所で唯一突出して栄えていた、中華系というかよろずアジア系ビュフェにて。おいしかった。

スイス住まい40年近いマダムG
いわく:
「この辺りは、妙なアジア人がこうして紛れ込んでても、住人だか他所者だか、さっぱり区別がつかないわねえ……隣がどーいう人なんて、誰も気にしやしないじゃない♪」

(スイスには確かに外来者をジロジロ見る人が多い。悪意ではなく、たいてい好奇心なんだけど……)
フランスに関する噂

初日に予定していた行程はリヨンまで。
慣れない大都市の中心部に、暗くなってから車で入るのはおっくうと思い、リヨンとは言っても、郊外にある安ビジネスホテルを宿泊先として予約していた。

結局、ベルンを14時に出て、18時すぎには余裕でホテルに到着。9月中旬でもまだまだ明るい。サマータイムありがたや。


……
フランスの大都市、近郊住宅地。
想像はしていたが、トーキョー近郊で例えれば、16号線沿いあたりの少々乱暴に開発された住宅地と、まったくよく似た雰囲気の町である。
やや老朽化した大規模団地と、突然出現する、変にこぎれいだが安普請っぽいショッピングモールの対比もそれっぽい。通勤電車駅の近所、かなりさびれたと言うか荒んだ商店街(これまたそれっぽい)の中に、ホテルは位置する。

マダムGは言う。
「ね、フランスは泥棒さんが多いって言うわ〜」
私:
「うむ、ウチの社長もフランスで車上荒しに遭って、塩辛いパンツを詰め込んでたカバンを盗まれたって聞いた」
このへんは、それっぽい。

外務省 海外安全ホームページ「フランス」

とりあえずよくはわからないが、トーキョーあたりで普通に気をつけている程度に注意していれば、まあ大丈夫なのではないか?
neko 氏はせっせと車の中から、(日本でしているのと同じように)目につくアイテムすべてを運び出している。

そう、日本の suburb だって、欧米の先駆者に負けず劣らず結構荒廃しているぢゃあないか……
明日はいよいよ火山に遭遇……  次のページ>
第1日目 2009年9月18日(金)全行程
●サメダン Samedan 08:17発 → ベルン Bern 12:29着(ここまで鉄道)
●13時30分にベルン市内、カジノ広場 Casinoplatz でマダムGと合流、目の前にあるハーツレンタカーで車を借りる(日本で予約・事前チェックイン済み)
●駐車場をおよそ14時発 → ベルン旧市街を西に抜け、高速に乗る→ サービスエリア "Rose de la Broye" に14時半着、30分ほど休憩 → サービスエリア 15:00 発 → ジュネーヴ Geneve スイス/フランス国境に16時過ぎ着
●フランス入国16時過ぎ → ナントゥア nantua 付近で通行止めにはまって20分ほど停車 → 途中2回の休憩をはさみ、リヨン Lyon 東郊 Decines-Charpieu に18時過ぎ到着。本日ここまで
走行距離 305km(ViaMichelin による)
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おフランス火山紀行
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1日目 車で走るスイス そしてフランス
2日目 ル・ピュイ・アン・ヴレイと
   モンドール火山
(以下作成中)
3日目 雨と霧のシェヌ・ド・ピュイ
4日目 「おフランスの東伊豆」
   パヴァン湖と溶岩台地
5日目 カンタル山地、ピュイ・マリーへ
6日目 ピュイ・ド・ドーム
参考文献とリンク集
旅のメモ
足で歩くスイス
火山の島 マルチニークに行く
北朝鮮大旅行記

セントポーリアミニ温室

リンク集

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