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外貨ショップ 今度はショッピングです。店の名前を聞き忘れてしまったうえ、場所も良くチェックしなかったのですが、とにかく「いかにも」という感じのガイジン向け土産物店です。通りからはフェンスでがっちり隔てられていて、一般の人が入ってくるには度胸の要りそうな建物・・・とはいえ、一般の人が買うようなものも特になさそうな小さな店です。目に入った商品としては、入り口に近いフロアには高麗人参関係のもの、民族衣装(質はイマイチ、いかにもおみやげ風)、切手、日本のアジア雑貨店あたりで並べたらちょっと人気の出そうな小物なんかが置いてあり、お値頃なせいもあって、やんやの人だかりができています。そこからちょっと引っ込んだところにあるもう一つのフロアでは、記念コイン、民芸調家具、やや品の良さそうな民族衣装、絵画、工芸品など、少し値の張りそうなものを扱っています。 おや?なんと驚いたことに、ここではクレジットカード(マスター)が使えるんですねえ。しかし、何かトラブルがありそうで、ここでカードを使う度胸は私にはありません。 ここで私は金大中・金正日会談記念コインを2種買いましたが、コイン類をよく観察してみると、シドニーオリンピックやらアンリ・デュナンの肖像やら、よその国の物事をテーマにした記念コインがかなりあります・・・ ここに限らず北朝鮮でのお買い物は、可能なかぎり人よりも早く行列に並ぶことが肝心です。時間的にも在庫量の問題から言っても、とにかく「人よりも先に」がポイントです。 この国の売店における対応は例の社会主義国百貨店式で、大勢のお客に対しごく少数の売り子さんだけで、「はい、次」「はい、次」という調子の悠長なものです。一緒に買い物していた在日コリアンの京淑おばさん、機会あるごとに私たちを教育しようと熱心な彼女も「この国は本当に稼ぐ気があるのかしらねっ」と憤慨していました。 大同門(テドンムン) 6世紀に建造された、平壌城内城の東門。現存する建物は1635年に再建されたもの。 外貨ショップからバスで次の見学地・大同門に向かう途中、金日成広場の正面を通過しました。私たちが訪れる前日の4月25日、ここで大規模な軍事パレードが開かれたばかりです。今日は特にこれといった行事はないようですが、大変な人で賑わっているのを見て、バスの中もどよめきます。 「うおおおぉ、ここを歩きたいなあ」 「後で歩きますよ、お楽しみにね」 さて、バスは大同門に到着しました。相変わらず空は快晴・気温やや高し。爽快な川風が柳の枝を揺らし、柳京の情緒たっぷりです。ところで、大同門の精緻に彩色された垂木は目を引きますが、全体にあまり保存状態が良くないようです。まあ、朝鮮戦争を無事にくぐり抜けただけでももうけもの、という感じでしょうか。 ここで少々散策時間をもらったので、さっきから気になっていた、川辺の広場でテコンドーを練習する子供たちを見物に行きます。よく見ると、テコンドーだけではなく、かなり大勢の子供や学生が、あちらこちらで何やら絵を書いたり、ベンチで本を読んだりしています。おお、洋書を読んでいる学生さんもいるぞ! 私:これは放課後のクラブ活動か何かですか? ガイドのリさん:今日は土曜日だから、課外活動ですね。普段の日も学校が終わると、みんなこうしてグループに別れて自分の好きなことします。 私:指導者なんかは付くんですか? リさん:ええ、ほら、あそこに先生がいますね。それに、大きい子がよく小さい子の面倒を見ます。 私:普段の日なんかもこうだと、働くお母さんは便利ですね。 C社のムンさん:本当ですよ。こういうのは、社会主義の国のいいところですね。 私:いや、本当にそう思います。 ムンさん:ほら、あっちは歌の子たちみたいですよ。あら、だれか見学に来ているのね、手を振って見送りね・・・まあやっぱり歌の子はなんていうか、ちょっと作っちゃって、上手ねえ 私:リさんは子供の頃、何をなさってましたか? リさん:サッカーですね。僕はサッカーが好きで、専門の学校に行った時期もありましたが、そこまでの才能はなかったです。残念でした ・・・・・・ リさんに、南朝鮮(韓国のこと)で開かれる、サッカーW杯を見たいですか?と聞いてみればよかった。 さてさて、実はこの時点で予定時間を大幅オーバー。再び集合した車内で、今日は金日成広場を見学することが出来ないと発表されたときの一同の悲鳴ときたら。バス55号最大の痛恨事でした。 凱旋門(ケソンムン) 1982年4月、金日成首席の生誕70周年に際して除幕。パリの凱旋門より10m高い。すぐ脇にある金日成競技場は、綾羅島のメーデースタジアムが落成する以前のマスゲーム会場。更に、その後ろの小高い丘が、誰でも知っている焼き肉のタレの名のもととなった、牡丹峰(モランボン)。 「金日成広場あああああ」 「このあとにはサーカスを観賞します。時間がないです・・・」 「金日成広場あああああ」 サーカス 平壌サーカス劇場:光復通り沿いにある、3500名収容の本館ホールのほか、練習場、休憩室なども備えた本格的大劇場 「サーサスなんて、ブツブツブツ・・・金日成広場の方がいい」なんてグチも、劇場に入ったとたんに、すっかりサーカス気分になってしまいました。売店でおやつを仕入れている人もいます。目につく品物としては、国産、あるいは中国産のビールやソフトドリンク、キャンディーや駄菓子のたぐい、手焼きふうのカステラ、ロールケーキなど。 プログラムは1時間半ほどの短いものでしたが、空中ブランコのようなスリリングなショーの合間にコメディーなども入り、なかなか楽しめます。オーケストラの生演奏に合わせてショーが進行するというのも、実は日本ではなかなか見られない贅沢な演出です。 オーケストラの水準はなかなかのものですが、オーボエだけははっきり言って壮絶にヘタクソです。実は、北朝鮮で耳にする機会があったオーボエの音は、TV番組で聞いた国立管弦楽団(だと思う)のものまで、はっきり言ってすべて聞くに耐えないものでした。薄っぺらな音はリードの作り方に問題があるんでしょうが、同じ構造のリードを使うファゴットなんかはまともですから、理由がよくわかりません。とにかく、絃なんかは割合いい音を出しているのに、オーボエだけはずば抜けてヘタクソで、その不安定さと言ったらまるで深夜のアカイエ蚊です。しかも、明らかにそれに引きずられて、他の木管楽器も変なアンサンブルしちゃってることがありました 長い一日の終わり サーカス観賞を終えて劇場の外に出ると、既に周囲は夕方でした。これから、今日の宿泊先である妙香山に向かいます。平壌の北、150kmほど離れた所に位置する妙香山までは2時間半ほどのドライブです。まだまだ1日は終わりません。 まあ、もうじき日が暮れてしまいますが、とりあえず車窓の風景を楽しみましょう。 ちょうどオフィスから人々が退勤するくらいの時間で、平壌市から近郊に向かって、ゾロゾロと人の群れが移動しています。道路のすぐ脇を、分厚いバラストにコンクリ枕木、電化されている立派な線路が走っているのですが、列車が走ってくるのを全然見ません。道路も、考えてみればさっきからあまり対向車を見かけません。とにかく人の群れは歩きます。平壌市から5km以上離れても、まだまだ歩き続けます。 そういえば、平壌市内でも、やたらと人が歩いている、とにかくよく歩くという印象を受けました。 市内を出て15〜20分ほどで大きな立体交差をくぐり、もう少し行くと、私たちのバスが走る高速道路に並行して走っていた未舗装道路がちょっと木立の向こうに隠れ、何やらフェンスのようなものと、赤い旗がちらちらするのが見えました。そして、人が数人。 「検問だ!」 私たちのバスはあっという間にその脇を走り抜けてしまったので、気がついたのはほんの数人でした。 一方、線路はそこからもまだしばらくは道路と並行して走ります。そのうち、ちょうどドイツあたりの大都市通勤圏あたりで見るような近代的デザインの駅が出てきました。大きな金日成首席の肖像画もかかっています。そういえば、平壌駅以外の駅を見るのははじめてです。しかし相変わらず列車は見えず、しかも既に薄暗い時間だというのに、駅には灯らしいものはありません。写真を撮りたかったのですが、ほとんどクルマの見当たらないハイウェイ、爆走するバスはまたたく間に興味の対象から遠ざかってしまいます。 やがて日が暮れ、薄明の中、なんとなく干からびたような風景の中に、ポプラの木が立っているだけになりました。集落があっても、明かりはたまに裸電球らしい光がポツリポツリと見えるだけです。 タタケ山さん:ふぐちゃああん、このビデオ結構いけてるよぉ バス備え付けのビデオでは、さっきから北朝鮮カラオケビデオが上映されています。今流れている音楽は演歌プラスポップス÷2みたいな曲、画面は「平壌OLの日常」ふう。近代的なアパートの部屋、前髪にカーラーを巻いた女の子が朝寝坊していると、可愛らしいトラネコが朝食をおねだりして、ベッドの上に飛び乗ります。 私:う〜〜〜ん。平壌のトレンディ生活、かな、これは。 タタケ山さん:こういうカラオケ歌う人って、どういう人たちなんだろうねえ 私:高級幹部 今度は画面一転、勇ましい行進曲風の音楽をバックに、女性が凱旋門を見上げて、胸に手を当てています。 私:う〜ん、誰が見てもこれは愛国歌謡だな、きっと。 タタケ山さん:----------- あら、さすがに疲れたらしく、タタケ山さんは寝てしまいました。気がつくと、バス内総倒れ状態です。ハードスケジュールだったもんなあ・・・。しかし、見るものなんでも珍しい私は寝る気にもならず、外とビデオを交互に眺めます。 しばらくして、前の席に座っていたヲタクのお兄さん・寝る時間もったいない組同志の広島君が、私に言いました。 広島君:ねえねえ、さっきリピーターのパクさんに聞いたんだけど、今日のホテル、外観は立派でも中は超ボロっちいそうですよ。停電なんかもあるらしいっす。 私:ほほー。 広島君:僕はビンボー旅行に慣れてるんでなんともないっすけど、パクさんが「あそこに泊まると思うだけで気が重い」って、むちゃくちゃ暗い顔して言うんで、どんなところかと思って。 私:北朝鮮のオバケが出るとか? 広島君:ねえ、やっぱそういうこと考えちゃいますよね〜! 妙な期待を乗せつつバスは北へ北へと向かい、やがて午後9時頃、今日の宿・星空のきれいな妙香山ホテルに到着しました んでもって結論を言うと、ホテルは最近内部改装したせいで、きちんとお湯もでる立派なホテルになっちゃってました。オバケも当然出ませんでした。 ちゃん、ちゃん!
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