紙風船


どんなに忙しくしていても
どんなにお金持ちになっても
たとえ時代が黄色なサーカスでも
それは必ず
落ちてきます
ありふれた夕暮
ありふれた空から

静かに
ゆらゆら
わたしの紙風船

夢がなくても
輝かなくても
一人にたった一つの
紙風船

着地するまえ
自分の手で
すくいあげましょう
あたたかな息をたして
やさしく打って
空に戻してあげましょう
ぽんと、ね

自分のほかは
誰も打ち上げてくれません
自分しか見えない
わたしの命の紙風船ですから

誰も教えてくれなかったでしょう
こんな頼りない紙風船
でも、雲と雲の間を見つめては
みんなそうして生きてきたのです
あなたの父も
あなたの母も
その父母も
あたたかなため息をたして
ありふれた夕暮れ
ありふれた空へ
ぽんと、ね

(おおい、泣いているのか雲よ)

夢がなくても
輝かなくても
もう一度
あたたかな息を
ありふれた空へ
ぽんと、ね



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