馬だからかしら
馬ノ助は馬だからかしら
馬ノ助は年を重ねても
とても愛のことはわからない
その馬ノ助の黄色い
きたない歯が欠けてしまった
馬の助
草競馬で転んだのです
愛などわからないはずだけど
愛されていないということを
わかってしまったのですね
ねえ、馬ノ助
雪の日に水を背中から浴びせられたように
ぞくっと ぞくぞくっと
震えてしまいましたね
馬ノ助は馬だからといっても
馬ノ助は歯だけでなく
脚も一本折れていたからかしら
それこそ息を吸いながら吸いながらよ
わたしに
さかんに笑ってくれているの
明日売られていくのに
馬ノ助
馬だから
(2003.2.27)