フランス・ブルゴーニュへの旅
サァスだテロだと世の中が不安定なので、しばらくヨーロッパへの旅を控えていましたが、なんとなく物足りなく又ヨーロッパへ旅したくなりました。
今回はフランスのブルゴーニュを中心に「フランスで最も美しい村々」に認められたところを廻ることにしました。

パリの南東にあるブルゴーニュはボルドーと並んでワインの産地として有名であるとともにエスカルゴはじめワインに合うさまざまな料理を味わえるところでもあります。
こういう食文化の本場であると同時に、ロマネスクの美術遺産が数多く残っている地域としても有名です。
今回は、「フランスで最も美しい村々」に認められているブルゴーニュの村「スミュール」「オータン」「ヴェズレー」にじっくり滞在し、さらにパリ郊外の「バルビゾン」にも立ち寄ることにしました。

まず、パリから「ノワイエ・シュール・スラン」という小さい村を通り「スミール」に入り、ここで3泊。
次に「オータン」で1泊。
そこから「ヴェズレー」に入り3泊。
さらに、パリ郊外の「バルビゾン」に戻り2泊。
バルビゾンを拠点に「モレ・シュル・ロワン」「オーヴェール・シュール・オワズ」に足を伸ばします。
久しぶりのヨーロッパへの旅なのでわくわくしながらエールフランスに乗り込みましたが、年をとるに従い12時間余りのエコノミークラスのフライトは疲れるようになりました。
やっとこさでシャルル・ドゴール空港に到着、パリ・リヨン駅近くのホテルに投宿、やはりパリ市内のたたずまいは東京とは歴史と風格が違い、都市の美しさ、優雅さを感じます。
翌朝パリ市内で画材を物色した後「スミュール」に向かいます。
パリ郊外で昔の水車小屋を改造した素敵なレストランで昼食をとって、再び出発、途中「ノワイエ・シュール・スラン」という小さな村に立ち寄りました。
ノワイエ・シュール・スラン
人口800人にも満たない小さな村ですが、中世の時代に迷い込んだような家並みと古びた井戸があちこちにあり、「フランスの最も美しい村々」の一つに認められた素晴らしい村です。

パリを南に少し行くとそこはもう麦畑とブドウ畑の広がる平坦な土地です。
フランスは農業国だとつくずく思います、あちこちには小さな集落が見えますが、それはもう中世のままのたたずまいです。
畑の中の小さな川を渡るとこの美しい村に入ります、ここで40分ぐらい小休止をしました。

国から「美しい村」に指定されるには色々な条件があるようです、ここの人々も苦労しながら環境を守っているようです。
本当に昔のままの姿をとどめた、静かで美しい村です。
しばらく滞在してこの雰囲気を味わいたいものですが、ここで早書きスケッチで何とかこの静けさを表現しました。
何しろ人が少ないので人の姿が見えず、中世風の建物と静けさが際立っています。

数少ない人々は、大人も子供も村のカフェテラスに集まり、ワインを飲んだり食事をしたりしながら話に花を咲かせているようです。
日本のあわただしい日常を過ごしている私には、とてもここの生活は新鮮で、これこそ穏やかな生活だとつくづく感じ入りました。
スミュール・アン・オーソワ
スミュールは13世紀に建てられた4つの塔を持つ美しい城郭都市です。
蛇行するアルマンソン川に囲まれた街で、北側のジヨリ橋からの風景や南側の眼鏡橋からの風景は息を呑むような美しさです。
又、街の中央にあるノートルダム教会周辺の風景も中世の面影を色濃く残した素晴らしいものです。
今日から2日間この街でゆっくりスケッチをしながら過ごします。

南側の眼鏡橋(正式にはピナール橋といいます)から見た風景。
橋の下を流れるアルマンソン川の水は澄み渡り、橋の影をくっきり映し美しい眼鏡を形どっています。
この季節のフランスは本来ならば枯葉の季節ですが、異常気象でカンカンの夏日、日差しを避けながらスケッチしました。

この日は、日差しが強烈でとてもたまらず日陰に移り、村の外側の風景を描くことにしました。
ここには、日本人はまず訪れることはありません、週末でも人影はまばらで、本当にゆっくり出来ます。

天気が良く、日陰もすぐに日当たりになってしまい、熱射病になりそうです。
又、日を避けて今度は村の外に出て、スケッチしました。
今日はこのぐらいにしてホテルに引き上げ、一休みすることにしました。

朝、目が覚めると今日も快晴、ホテルの周りを散策することにしました。
ホテルの近くから眺めるスミュールの村は、朝日に照らされ本当に美しく、四つの塔もくっきりと見えます。

ホテルの窓からは、牧場と遠くの民家が望めます。
このあたりの牛は真っ白で、シャロレー牛といってフランスでは最高の牛肉と定評があるそうです。
ブルゴーニュで会う牛は皆この真っ白な牛でしたが、牛肉としては日本の牛にはとてもかなわないと思います。

今日は、この村で最も美しいといわれるジョリ橋からの風景をスケッチすることにしました。
ジョリ橋のところは朝は光線の具合が悪く、カンカン照りの上、逆光なので、とりあえず橋の下に避難して時間を稼ぐことにしました。
橋の下は、アルマンソン川の清流が流れ、とてもさわやかな空気でした。

スミュールの村の入口ジョリ橋から見る光景は、息を呑むほどの美しさです。
トンガリ帽子をかぶったような塔が四つあり、左の大きいのが「ロルル・ドーンの塔」、その後ろに「プリゾンの塔」、右手に「ジェエンヌの塔」、その後ろが「マルゴの塔」です。
お昼は、村の中央の広場にあるカフェテラス「オムニビュス」で名物のエスカルゴとチキンサラダとグラスワインを注文しました。
その味は、さすがブルゴーニュの名物料理だけあり最高でした。

この日も快晴で、あまりの
日照りの強さでいささかグロッキー、村の公園で誰もいないのを幸いに一眠りして、歩いてホテルに戻ることにしました。
その途中の村の風景が本当に美しく、思わずスケッチしました。
オータン
「スミュール」に別れを告げて「オータン」に向かいます。
ここは「ヴェズレー」への通過点で一泊しか出来ませんのでゆっくり見物とはいきません。
この村は、シーザーの跡を継いだ皇帝アウグストゥスが紀元前一世紀末に造った城壁に囲まれた村で、ローマ時代の遺跡が数多く残っています。
しかし、この村の中心はなんと言っても「サン・ラザール大聖堂」と壁画の「イヴの誘惑」でしょう。
この壁画は、今はロラン美術館に収蔵されています。
見てきましたが、一糸まとわぬイヴが横たわり、豊かな乳房を見せているこの壁画は、とても十二世紀のものとは思えぬ大胆な構図をしています.

オータンでは時間が無く、ゆっくりスケッチを出来ませんでした。
これは、朝方ホテルの窓から見えるこの村の一部を訪れた記念として早書きしたものです。

出発前にホテルの玄関から垣間見えるサン・ラザール大聖堂を慌ててスケッチしました。
この大聖堂は、十二世紀のロマネスク様式で、この土地で採れる砂岩で壁が造られているのでやや黒ずんだ色になっています。
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