銀の本棚

三度の飯より本が好きな銀星人。
その蔵書の中から少しづつ無作為に本を紹介しちゃいます♪


〜ほんじょの虫干。〜 著:本上まなみ (新潮文庫)
女優、本上まなみのフォトエッセイ集。前半は出版社の人と一緒に「ほんじょの干虫」書籍化決定のご褒美(?)としてギリシア、アテネを旅行した時のフォト日記。本人の言うところの「へもへも」な文体で綴られたマッタリと優しい文章です。街であった可愛い動物たちがいっぱい登場します。特に猫は大好きみたい。独特の視点から街、動物、食を書き記しています。ステキ♪後半は「本」に関するエッセイ集。ほんじょは短大の時、日本文学を専攻してたくらい本が大好き。へもへもな文体から想像以上に日本語に対する彼女の感性の良さが伝わってきました。読みやすいしお薦め!

〜無敵の俳句生活〜 編:俳筋力の会 (Nana)
現代俳句界を代表する新鋭俳人達へのインタビューや、若手俳人達による句会の様子、結社について、俳人になるには、俳句基礎知識などなど、兎に角これから俳句を始めようかなと思っている人達のために書かれたフレンドリーな本。俳句をやってみようかなぁと、俳句歴50年以上のおじいちゃんの部屋を物色していて見つけた一冊。この一冊で俳句というものを概論的に知ることが出来る。

〜語学の脳みそ〜 著:カラテカ 矢部太郎 (ワニブックス)
かつて電波少年の企画でマイナー言語(スワヒリ語、モンゴル語、韓国語、コイサンマン語)を4つも体得した経験を生かし、語学習得のツボを指南する一冊。意外にも矢部は東京外大を卒業しており、語学勉強に関しては素人とは言い切れない。内容はこの手の本を数冊読んでいれば既に聞いたような事ばかり。矢部の語学習得法は極めて実践的な方法であり、学生には耳が痛い。語学書としてではなく、体験記として読めば悪くない。このような軽い語学に関する本をたまに読むことは、学習のモチベーションを保つ上で効果がある。

〜失われる物語〜 著:乙一 (角川書店)
短編を6つ収録。発想力、構想力に関してこれほど面白いと感じさせる本は今まで読んだことが無かった。いや、読んだことがあるとしたら、類似したものとして「漫画」の類が挙げられるのではないか。しかし、世界観の美しさや巧緻さは決して漫画の比ではない。そして乙一の読みやすさは何なんだろう。思うに、彼は「今現在」の日本語を的確に使いこなしているのではないか。主義主張なんて無い。しかし、文学が娯楽メディアを内包している事を考えれば、彼の作品は十分に素晴らしい。加えて、文才の重要な一要素である「美的狂気」を彼は持っている。特に気に入った作品は他人の傷を自分に移す能力がある少年と主人公の友情を描いた作品「傷」。

〜見仏記〜 著:みうらじゅん&いとうせいこう (角川文庫)
個性とは恐ろしい。あまりにもdistinctiveな個性をもつ二人が「仏像」を求めて日本各地を飛び回る。深すぎる分析でついつい沈思黙考してしまう“いとうせいこう”と、小学生の時からの大の仏像マニアで、予想だにしない発想力を有する“みうらじゅん”。彼等の旅の始まりは東京駅「銀の鈴」。そこから京都、奈良、東北、九州で様々な仏像を見仏し、二人の奇妙な友情も旅を重ねるごとに深まっていく。今年の夏合宿で京都へ行く前に「予習」として読んで行った。この本を読んでから実際に本に登場した仏像を見ると断然「見仏」が面白くなる!是非。

〜夢十夜〜 作:夏目漱石 画:金井田英津子 (パロル舎)
俺ってね〜、夏目漱石あんまり好きじゃないのよ。でも、「夢十夜」は好き!内容はそのタイトルどおり、夢に出てきそうな不思議で奇妙な話、十篇からなっています。明治期特有の文体もまた趣があっていいよね。この本は文庫なら短編の一つとして扱われるような長さの夢十夜を絵本形式で収めた「大人の絵本」です。外装も中身も頗るお洒落な豪華本。こうゆう本を見ると編集者や出版社の本に対する心意気が手に取るようにわかって嬉しくなるんだよね〜♪

〜脳を鍛える[東大講義「人間の現在」]〜 著:立花隆 (新潮文庫)
この本は単行本全4巻からなる立花隆の東大講義「人間の現在」の文庫版第1巻。講義をもう一度書き下ろし、尚且つ膨大な注を入れた実際の講義以上の仕上がりになっている。内容は文学、哲学、医学、原子物理学、学生時代など広範囲にわたっている。物理学に関する物理学者たちのパリティをめぐる奮闘などは知的興奮でハァハァしてしまう。(爆)立花隆の大きな主張の一つである「人類の知的財産におけるパースペクティブを把握し、バランスよく学ぶ」という点において、この講義シリーズは将にそれそのものであると思う。一冊500ページ強にも及ぶので読み応えもバッチリだ。続編が待ち遠しい。

〜見るまえに跳べ〜 著:大江健三郎 (新潮文庫)
処女作「奇妙な仕事」を含め、「後退青年研究所」や「下降生活者」など10編を収録。「奇妙な仕事」で登場する「死体洗いのバイト」という実際にあるかは疑わしい仕事(養老孟司曰く、そんなバイトは無いらしい。)がこの作品によって世間に広く認知されてしまった。この本を読んだのはもう高校1年の時だったから、正直忘れてしまったところも多い。というよりも、基本的に大江の初期作品はその精緻極まりない文体が故、読んでいる時はその描写を理解するのに集中してしまい、作品の全体像を数年後になって振り返るのが難しい作品がいくつもある。今読み返してみても、よくこんな文章を4年も前に読めたなと、過去の自分に懐疑心を抱く程だ。ちなみに俺でも読むことすら出来なかった作品が実はある。三島由紀夫の「春の雪」から始まる三部作「豊饒の海」だ。俺の知る限りで最も難解な日本文学作品だと思う。近いうちに再挑戦してみようかな、と思っていたりいなかったり…。(鬱)

〜流学日記〜 著:岩本悠 (文芸社)
20歳の大学生が20の国を流れて学ぶ。それはそれは熱く熱く熱く…。普通の大学生が大学を一年休学して挑んだ「見えないなにか」を求める日々。何かが足りない、満たされ過ぎて何かが足りない…。そんな俺等の年代が抱える漠然とした憂鬱に抵抗する為に彼は旅発った。温室からの逃避行。初めはボランディアを利用してアジアへ。そして中東、アフリカ、オセアニアへと旅を続ける。まさにWelcome to the real world!!この本につまった滅茶苦茶で優しくて痛い経験は同世代の心をつかんで離さない。オヤジになる前に読んでおく事を同世代の男に強くお薦めする。

〜胡同の記憶〜(北京夢華録) 著:加藤千洋 (平凡社)
この本は私が大学を一週間サボって中国に行く前に読んでいった本です。著者は今「報道ステーション」のレギュラーとして古館伊知郎さんの右側に座っている加藤千洋さんで、彼はかつて朝日新聞社の北京特派員として7年弱北京に駐在していた。その時に見たもの、感じたこと、を白黒写真と共に書いている。また、庶民が昔から住んできた胡同という狭い路地からなる生活の場が、北京の近代開発に伴って破壊されている様子などが鮮明に描かれている。北京の近過去と今の実態をつかむ上でこの上ない良書である。

〜春琴抄〜 著:谷崎潤一郎 (新潮文庫)
春琴という盲目でありながら美しく気高い女性と佐助という奉公人の陶酔的ラブストーリー。春琴が定かではない者から顔に大火傷を負わされてからの佐助の心境には身が震える。春琴の醜くなってしまった顔を見ない為、自らも盲目となって仕える佐助は更なる愛の境地へと入っていく。クリアな切なさを売りにする恋愛小説が多い現代において、この手の作品は心に深く染み入るものがある。

〜ゆがんだ闇〜 著:小池真理子、鈴木光司、小林泰三、篠田節子、坂東眞砂子、瀬名秀明 (角川ホラー文庫)
ホラー小説界のベストセラー作家達の短編集。怖いというより「不思議」「幻想的」などの言葉がしっくりとくる作品が多い。中でも篠田節子さんの「子羊」は未来におけるクローン人間ストック施設の話で、施設の中では金持ちのクローン達が「神の子」として神聖で豊かな生活をしている。自分が臓器のパッケージであることも知らず…。比較的ボリュームのあるホラー短編が6つも読める点でお薦めの一冊。

〜花束のように抱かれてみたく〜 著:俵万智 (角川文庫)
四季それぞれの花を題材に、稲越功一氏の美しい写真と俵万智の優しい歌がコラボレーションする。歌が素晴らしいのは当然のこと、この本は四季の花図鑑にもなっている。最後の方のページでは「誕生花」が調べられるようになっていて、自分の誕生日の花がなんていう花言葉なのかも調べることが出来る。どこまでも綺麗な本である。

〜ナショナリズムの克服〜 著:姜尚中、森巣博 (集英社新書)
在日朝鮮人3世であり、東京大学社会学教授でもある姜尚中と、ギャンブル好きでネーションにボーダレスな人生を送ってきた森巣博が対談形式で「ナショナリズム」「国体」について考えていく。アイデンティティーやナショナリズムについてかなり深い論考が行われるが、姜尚中が難解な方向へと進んでいくのを森巣さんが丁度よく噛み砕いてくれていて、この手の本にしては珍しく読みやすい。ナショナリズムにおける入門書的一冊。

〜蹴りたい背中〜 著:綿矢りさ (文藝春秋)
言わずと知れた芥川賞受賞の話題作。アイドル作家としてケチも飛んだが、作品自体、正直に面白かった。クラスに必ずいる「独り者」の視点から実に上手く世界を描写している。

〜天使の卵〜 著:村山由佳 (集英社文庫)
恋愛小説の超王道。“人を泣かせる作品”の典型。予備校生の少年が年上の女性(春妃)に満員電車の中で恋に落ちる。紆余曲折を経て二人の間が確かになった所で彼女が突然死ぬ。そして、愛するものを失い絶望し、泣く。読者も泣く。ただ、それだけの作品。世界の中心で愛を叫ぶもこの手の作品である。短絡的、単純、本質的。誰か死が絡まないで泣ける美しい恋愛小説を紹介して欲しい。

〜GOTH〜 著:乙一 (角川書店)
猟奇的な事に深く関心があり、冷淡な主人公と同じ趣向をもつクラスメイト「森野」の短編集。二人が巻き込まれる(首を突っ込む?)異常者達が起こす事件を推理小説のようにして主人公が解決していく。乙一の作品はジャンルに分けづらく、そして面白い。

〜黒冷水〜 著:羽田圭介 (河出書房)
綿矢りさのインストールと並んで史上最年少17歳で文藝賞を受賞した作品。作者は現在本校生徒である。兄弟のどす黒い憎悪が生み出す日常生活を描いている。とにかく描写が細かく、実体験を基にしているのかを疑うほど。文学としてはどうかと思うが、純粋に面白い。

〜質問力〜 著:齋藤孝 (筑摩書房)
この本を読んでから自分が現在している質問がよい質問なのかを考えるようになった。又、質問をする前になにを聞いたらいいのか質問の内容について考えるようになった。本書に出てくる、先生の自分の子供に対する接し方には笑った。「おまえが生まれてから10年あまり、あらゆる質問に耐えてきたが、今日を限りに耐えるのをやめた。」「今、おまえに許される質問はただ一つだ。」というような接し方を子供にする親…。それもまだ小学生に…。すごい親父だ。将来、先生の子供がどんな人間になるのか楽しみだ。教育学者のメソッドを最高に詰め込まれた人間なのだから。(笑)

〜死者のおごり・飼育〜 著:大江健三郎 (新潮文庫)
大江健三郎が芥川賞を受賞した作品「飼育」の他、東大在学中に書いた「死者の奢り」などを収めた短編集。大江の初期作品は全体的に噎せ返るような醜気を放っている。その中でもこの文庫に収められているものはそれが顕著に現れている。しかし、臭いまでもを感じさせる巧みな文章力と陰惨な想像力はこの頃の大江作品の最大の凄さであると思う。光(大江の長男にして知能障害をもつ)が誕生するまでに書かれた作品はその影響力が少なく、私小説化していないという点で貴重である。

〜Missing〜 著:本多孝好 (双葉文庫)
ここ数年の新人の中で最も透明な文章を書く作家であると思われる本多孝好の短編集。文章そのものの美しさを保ったままミステリーの要素を組み込んでいる。「瑠璃」は年上の幼馴染「ルコ」との幼少〜青年に至るまでのラブストーリーで、プールの塩素の臭いがする(?)爽やかで切ない物語。とにかくお薦めです。読んで感じてください。

〜Faust〜 著:ゲーテ (新潮文庫)
言わずと知れた超名作。名前はみんな知っていても実際に読んだ人は少ないはず。戯曲の文体で高尚な文章が展開される。舞台は中世ヨーロッパを感じさせるが、魔女や悪魔、魔法などが出てくるのであくまでファンタジーなのではないだろうか。(?)メフィストフェレスとの契りを用いてファウストが色々な世界を旅する。グレートヒェンとの恋愛が物語の幅を取りすぎている所に少々不満。しかしながら描写と世界観は気高い。ハリーポッターばっかり読んでるんじゃねぇ、と呼びかけつつお薦めしたい。

〜唯脳論〜 著:養老孟司 (ちくま学芸文庫)
昨今の「バカの壁」を初めとするブームでやっと騒がれだした養老さんの名著。確かに最近の養老さんの本は内容が軽くて読みやすいが、所詮二番茶にすぎない。なぜなら主な彼の思想や理論はこの本を初めとする過去の「人間科学」や「考える人」「涼しい脳みそ」などで詳しく語られているからだ。それを対談形式という読みやすい形式にして噛み砕いて部分的に話しているのが最近の出版物だ。強いて最近の養老本の新しい所といえば「仏教思想」と「科学」を混在させた哲学が介入してくるところだろうか。この本では社会の脳化や時間概念、脳医学倫理など根幹となる問題が扱われている。

〜The Fruit cake Special and other stories〜 著:Frank Brennan (ケンブリッジ出版)
ハリーポッターでさえ原書では読みこなせない俺でも読めたケンブリッジから出ている洋書。5つの短編集から構成されている。表題のフルーツケーキスペシャルを初め、会話が多くて読みやすい本だった。後味サッパリな一冊。

〜天使の囀り〜 著:貴志裕介 (角川ホラー文庫)
長編だがひきつける力が強く一気に読めた。「天使の囀り」が聞こえるようになってしまったアマゾン調査隊の高梨。そのジャングルでの活動手記から天使の囀りに繋がる謎が徐々に浮き彫りになる。果たして「天使の囀り」の正体は?グロくて怖くて面白い作品です。

〜世界は幻なんかじゃない〜 著:辻仁成 (角川文庫)
辻仁成の高校生時代、函館にベレンコ元空軍中尉がロシアから亡命してきた。辻は教室からベレンコの乗ったミグ25が地上に迫ってくる所を見た。そして21年たった時、辻はベレンコに会い、かつて共産圏から自由を求めて亡命してきた男に「自由」という事について尋ねるためアメリカに飛んだ。フォトエッセイという形で話の最後には現実の重さを読者に突きつける一冊。ベレンコに会うまでのアメリカ旅行記的要素が強い。

〜バイバイまたね〜 著:銀色夏生 (角川文庫)
詩人銀色夏生のフォトポエム集。彼女の詩は恋愛についてのものが多いが、日常から生まれた彼女の詩が特に好き。「不幸とであったら 不幸を追い越して 不幸よりも先に進む私」「私たちはもう 理解されないことを恐れる段階じゃない」などがお気に入り。写真のモデルさんには三人の少女が使われています。

〜人間失格〜 著:太宰治 (新潮文庫)
終始一貫した自己否定と静かな語り。彼を知るにはこの本が一番。かなり自伝的内容。「二十世紀旗手」(新潮文庫)の中に収められている「Human lost」という作品の中で書かれている精神病棟での経験が「人間失格」を彼に決定づけている。

〜サラダ記念日〜 著:俵万智 (河出文庫)
「この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日」という余りにも有名な一句が収められた歌集。彼女の句は31文字の中で自由な言葉が躍動しており、これまで読んできたような堅くて難しい短歌との壁を不定型詩の抒情詩に匹敵するところまで破壊してくれた。

〜メルヒェン〜 著:ヘルマンヘッセ (新潮文庫)
ノーベル文学賞作家ヘッセの短編集。メルヒェンという題名からもわかるとおり、もの凄くメルヘェン。(爆)だって、たんぽぽや太陽が話しかけてくるんだよ…。そりゃメルヒェンだって…。しかしながら、そんな表面的なメルヒェンで終らせないのがヘッセ。シッカリと精神的葛藤や闇、そして人生の教訓などを敬虔なキリスト教徒の視点から書き切っています。大人のための童話、是非どうぞ。

〜世界の言語を楽しく学ぶ〜 著:井上孝夫 (新潮新書)
100以上の言語を学んできた著者の経験談。東大文学部出身の典型的勉強マニアとでも言うべき人間。学生時代から始めた多言語学習は出版社に勤務してからも続けられている。どうやったら多言語学習を進めることが出来るのかなどのお話や、語学との奮闘気が語られている。出版社で校訂の仕事をする傍ら、漫画家としての顔も持つ。言葉もフランクで読みやすい。しかし気に食わないのが一点。それは著者が言語を勉強しているだけで、実際には海外に片手で数えられる数しか行っていない事。本人も認めてるけどホントに只の趣味じゃんねぇ・・・。

〜なかよくしようぜ!!ダメな大人にならない為の心理学2〜 著:山岡重行 (ブレーン出版)
大学の本屋で目に留まり、購入した一冊。どうやら情コミ学部のテキストとして使われているらしい。なんで買ったかっていうと…恋愛心理学について相当詳しく書かれているから♪(←おぃ)その他にも社会心理学の論点から7つのテーマについてわかりやすく書かれており、かなり為になった一冊です。

〜海馬〜 著:池谷祐二・糸井重里 (朝日出版社)
脳科学について深く語るのを放棄してしまった養老さんの代わりを求めて購入した東大医学部助手で脳医学専門の池谷祐二と糸井重里さんとの対談を基に書かれた一冊。養老と違って脳医学一直線な会話が読んでて心地よかった。この本には「脳は疲れを知らない、疲れているなと思ったら大概は目の疲れだ。」「中年を過ぎると確かに脳細胞は死んでいく一方だが、他方で関連付ける力が上がる。元々脳の97%は使われずにいるのだから年を取るにしたがってパフォーマンスが落ちるなんていうことは嘘だ。」など、ものすごくポジティブな意見が沢山出てくる。加えて記憶力をアップさせる薬は既に出来ている、しかし倫理的、市販向けに考える立場からまだ試作品段階だという“魔法の薬”の存在をも示した。その他にも面白さが沢山詰まっている。最高の一冊。

〜FINE DAYS〜 著:本多孝好 (祥伝社)
滔滔と湧き出る水を見ている気分にさせる余りにも綺麗な短編集。表題の作品は推理と視覚美の要素を併せ持つ素晴らしい作品。「シェード」は骨董屋のシェードランプを彼女へのプレゼントにしようとする現代の恋人と、シェードランプにまつわる言い伝えの中の恋人の物語が平行して最後に帰結する美しい物語。・・・なんか本多孝好を褒めすぎかなぁ・・・。

〜悪魔の辞典〜 著:アンブローズ・ビアス (角川文庫)
物事を皮肉った視点から定義する風変わりな辞典。結構有名。とにかくシニカル。そして大したこと無い。辞書といっても収められている単語は極めて根拠が無く選ばれていて、「手」は載っているが「足」は載っていない程度のもの。一番気に食わなかったのが「神」という単語から逃げたこと。聖書や悪魔などをふんだんに皮肉として利用しながらその根幹には触れない劣悪な一冊。

〜掌の小説〜 著:川端康成 (新潮文庫)
川端康成の短編を百数十も納めた一冊。一話の長さは大体2〜4ページ程度。川端曰く、「多くの小説家が若い頃に詩を書いていたように、私は散文としてこれらの短編を書いてきた。」という。短いながらも川端特有の文章の雅致さは随所に感じられ、ペラペラと捲って指を挟んだページの話を読むという風にして少しづつ読んでいくといい一冊。

〜TVピープル〜 著:村上春樹 (文春文庫)
俺は村上春樹が嫌い。だからみんなが何であんなに好きなのかが理解できなくて、理解しようと5冊くらい読んだときの一冊。短編集。表題の作品は普通の人間よりも何となく全体的に一回り小さい不思議な生き物TVピープルが部屋の中に突然入ってきてテレビを運んだり飛行機のような謎の物体を組み立てたりと好き勝手に振舞う。主人公はそれを何故か客観的に眺め、まるで別の世界の出来事のように干渉しようとしない。最後には何故か主人公がTVピープルになりかけている。この様に説明している俺でさえ何が何だかよくわからない。ただ、奇妙ではあるし、村上特有の擬音もよく使われていた作品。村上の作品は一貫して後味がわるい。どこか腑に落ちない。みんなこんな作品の何がいいんだ・・・。(´・ω・`)

〜神の子達はみな踊る〜 著:村上春樹 (新潮文庫)
上に村上の作品を紹介したからついで。作品全体を通して阪神淡路大震災の事実を組み込んでいる。表題作品の心境風景は中々悪くなかった。「かえるくん、東京を救う」は確か高校時代の図書委員会交流会で面白いと話題に上っていた気がする。俺は「あっそ…。」って感じの作品だった。なんだろう、笑うには何か違うけど十分コミカル、そして最後に微妙な切ない悲しみ。やっぱり村上春樹は後味が悪い!!そして青髭がキモイ!!

〜東大生はバカになったか〜 著:立花隆 (文藝春秋)
実は結構好きな立花隆の本。この本もタイトルどおりに解釈して永遠と東大生のバカっぷりを爺さん特有の最近の若いもんは云々かんぬんダメダメ節で語っていくだけの本ではない。そんな本買わない。副題は「知的亡国論+現代教養論」です。要は東大の歴史を照らし合わせて見るこの国の教育問題について書かれた本なのです。そして東大法学部を代表するステレオタイプ化された同種大量生産型の秀才を創り出す日本の教育システムと文部科学省への批判及びゼネラルエデュケーションの薦めなどが主題です。立花隆って守備範囲が広くてその道のスペシャリストに突っ込まれる形でよくいい加減だと批判されてるけど、俺はゼネラリストとしての彼は尊敬してます。