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Interview

#1 Global Catalyst Meets α&Company CEO 入住寿彦氏


入住 寿彦氏 略歴

入住氏は新卒で住友商事に入社。その後NYでの1年半の研修期間を経て、米国シカゴ大学でMBAを取得。
その後Goldman Sachs証券で3年程勤務、2008年10月に起業。現在、α&Coを運営すると共にNPOマネジメント支援のためのNPO組織「Young Global Leaders」ことYGLの代表責任者も務めています。 世界をリードできる人材「Global Leaders」育成のために日々奮闘しながら輝いている入住氏とのインタビュー内容をご紹介したいと思います。


Q.入住氏は、ご自身のキャリアの中でいつ頃から経営者を志し始めたのでしょうか?現在の起業に至るまでのプロセスをご説明して頂いてもよろしいでしょうか?

A. 経営者を漠然と意識し始めたのは、実は新卒採用で住友商事から内定を頂いた後です。最初は「グローバル×自分主導」というイメージだけで、別に起業家になろうとは考えていませんでしたね(笑)。当時は内定を10個くらい頂いていたんですけど、色々な人を巻き込めるってことが魅力的で最終的には住商を選びました。
ですが、内定後の秋口に行われた配属面談時にもう一度改めて考えたんですよ。そして丁度その時お世話になっていた先輩に電話して相談しまして、その時に彼から厳しいお言葉を頂いたんですよね(笑)
会社は人を良い様に配置することが仕事なんだ。お前は会社のために動かされていいのか?お前はそんなんで終わって良いのか?というメッセージを頂きまして、それが今でも鮮明に覚えている指針になっているんですよ。
この言葉が、自分の人生を自分で考えて、自分でコントロールすることの重要性を気づけかせてくれましたそしてこの頃から、漠然と経営者としてのポジションに憧れ始めて、ゴールを定められたんだと思います。10年後に経営者になる。そのころには米国のように、日本にも経営者ポジションがあって、経営者が色々な企業渡り歩けるjob marketが出来ているんじゃないか?と考えていました。
本当に住商時代に頑張れたのは最初のゴール設定があったかおかげだと思います。


トップスクールのMBA取得について

Q. 入住氏はなぜMBAを取得しようとご決断なさったのですか?


A. MBA取得には3つの理由がありました。


一番大きな1つ目の理由は僕が「経営全般の知識が欲しかった」ことだと思います。なぜそう思ったかというと、住商4年目でNYへ1年半研修にいけるTrainee Programに参加出来たときに300人くらいの米国の工場労働者と働く経験が出来て、その時に経営の全体を俯瞰できたんです。
会計・財務だけじゃ全体を管理できないってことを、企業っていう一つの生態系(エコシステム)を見れてわかったんですよね。
それこそオペレーションを回せる力、社員の士気だとか、リスクマネジメントだったり、インセンティブの付け方、情報を回す力を学ぶことの必要性を学んたんですよね。そこで自分の小ささにショックを受けて、 経営に対するマインド・スキルを一気に学ぶためにMBA獲得への野心が芽生えたんですよね。

2つ目の理由としては、「グローバルトップレベルで経営を学びたかったこと」ですね。プロジェクトファインス(将来キャッシュフローをベースにファイナンス組むこと)でグローバルプレーヤーと共に働いたときにそれを痛感したんですよね。だいたいマッキンゼー出てトップスクールでMBA出てマイクロソフトに入る人と共に事業をしていたので。米国等のグローバルセッティングにおいて、あまりにも自分の実力がないことに気づいたんですよ。そもそもそういうセッティングに慣れてない自分がいて。相手に対してもびびったりしていると。気持ちの中で負けるっていうのは許せなかったんですよね。誰が来ても常に同等で戦うビジネスマンになるためにMBAを経験したかったことは大きいですね。

3つ目としては「これからも住商?」っていう疑問。Next 10 Yearsを考える機会、そして将来をじっくり考える「リセット期間」としてMBAを選んだともいえます。結局色々な学びがあって、行っている間に結論としてはGSの投資銀行部門に入ろうと考えました。その当時は会社のお金でスポンサーシップを使ってMBAに行かせて頂いていたので、普通辞めるっていうのはありえない話で、通常は3年くらい戻ってから働くんですけど。ですが僕はそれも時間の無駄だなと考えまして、2005年の8月くらいから3年ほどGSで働くことを決意しました。


Q. シカゴ大でのMBA取得で何も最も学びましたか?


A. シカゴ大学でのベーシックコンセプトはFreedom。教授たちが言っていたのは、「お前たちは自分の信念に従って、やりたいことをやれ。その手段だったりパワーを私たちが与えてあげよう」と。それがシカゴ大学だったんですよ。ある授業ではやりたいことは10回言い続けろって教えてくれましたね(笑)

結局、トップスクールに行くと世界中の扉が開かれるってことがでかいと思います。どんな仕掛けもグローバルで展開できるし、どっからでもファンディング可能で。リソースがほぼ無限にあって自分に言い訳が出来ない状態になっちゃうわけですよ(笑)最後の授業とかで教授がこういうことをいうんですよね。
「お前たちはどの企業に入っても偉くなれる。それだけ競争力あるんだ。だったら自分が本当にやりたいことをやれ!それが幸せなんだから」って(笑)
MBAを取得したことで得たものは色々あるけど、やはり自分の中での満足感は大きいと思います。キャリアステータスにおいて腹八分目というか、自分自身に対する投資をある程度満たしたってことがあります。ここからは本当の目標に向かって行ける、という形でしたね。



Goldman Sachsについて


  起業するためにGoldmanを選択

Q.入住氏はなぜGSをお選びになったのでしょうか?

A.当時の僕の当時のロールモデルは現在マネックス証券の経営者をやっている松本大さんだったんですよ。彼はGSのIPO前夜にストックオプションが30億円入るって時に、GSを辞めました。そして当時SONYのCEOをやってた出井を口説いてマネックス証券を一緒に設立していたんだけど、その時の衝撃が僕の中でとにかくでかくて。
GSに入ればこういう人脈・経験・資金が3年で一発に全て揃うってことに感動したし、そこに惹かれましたね。シニアの方が権力を握っている年功賃金に縛られている日本経済のキャリアラダーを一気に上がるため、一気にシニアレベルのリレーションを築くため、GSでやっていくことがクレジットになること、トップレベルと一緒に働く経験が得れること、MBA授業料を返済する十分な資金、そして創業資金も用意するために働く場所っていったらあんまりないんですよ(笑)GSでは資金調達、M&Aアドバイザリー等を主にやりました。ここに入って1年半は死ぬほど働いたけど、楽しかったですね。


経団連との出会い


Goldmanで働いている過程で、経済同友会主催の起業塾と出会いました。僕はその起業塾第4回に参加しようと考えたんですよ。
なぜかというと、純粋にビジネスモデルを磨きたかったことと、経団連を自分のクレジットとして欲しくて。僕はGSに入ることで世間の外資に対しての嫌悪感を背負っていたと思いますので(笑)
そういった理由から起業塾に応募して、200人の中から6人が選ばれて3ヶ月行って来ました。成功した起業家が8人いて受講生は6人で無料という形でした。これは今思えば非常にリッチなプログラムでしたね。受講生6人のうち5人はもうスモールスタートアップをしていて、講師側が皆ビジネス界の著名人。そして塾長がHISの創業者である澤田会長で、彼が目の前に座っているという感じでした。まあそこで自分のビジネスプランががんがん叩かれるという経験をしましたね。そこから僕も実は色々と仕掛けを始めていて、MBA道場だったりαの原型を作ったりそこから始めていったという流れでした。


その波に乗れ!

そうやっていると非常に面白いもので、人との出会いや繋がりがどんどん広がっていった。これはサイエンスでは説明できない世界なんですけど。
自分がこういうものは必要だな、とかこういう人に会いたいなって思うと次から次に会える不思議な感じですね。αのシステムとか僕はSuper away from the techonologyな人間なんで分かりませんと(笑)
でもこういうのが作りたいっていうイメージはあったんですよ。そこでITベンダーに行くと入住さんがやりたいことはすごいけど2000万円かかるねとか言われて(笑)
そうすると偶然、慶応の理工生が通りかかって「僕やりますよ」ってことを言ってくれたりして。今でもその流れが止まらないんですよね。

僕は何かを始めるときには必ず先駆者のアドバイスを聞く習慣を大事にしています。そして彼らに言われた主なメッセージは「その波に乗れ!」だったんですよ。
波というものは正確には説明出来ないですけど実感できましたね。

GC. 自分もそういう波の存在は最近すごく感じています。入住さんがおっしゃった通り、とにかく動いていると出会いが止まらないという想いは大変共感します。

―そうですね。先ほど説明したMBAの授業の最初の課題図書が「The Alchemist」という本で、これは是非お勧めなので読んでみて下さい。
その本で言っていることは、自分が本当にやりたいことをやるときはユニバースが手伝ってくれるんだよと。まあユニバースって何?ってことになると思いますけど(笑)
でもそういう不思議な力って、結局は自分が動いてるってことだと思うんですよね。その重要性を「波に乗る」ことだと思っています。

そして、7月くらいから休職して、駆けずり回って起業準備を始めまして。その間に結果としてリーマンショックが起こり、市場がめちゃくちゃになり(笑)その間に準備が整ったので、株式会社をαとして設立して、YGLというNPO支援の発想も出ていたので、その二つを同時に立ち上げました。
当初ののゴールとしては、日本からグローバルで活躍できるリーダー育成の支援をする仕組みを作りたいなと考えていました。
その仕組みがαであったりYGLであって。そこがまず最初の目標ですね。


アジアで最大の教育事業者になりたい

Q.入住さんの将来の目標を教えてください。


A. 僕はやはり教育界でジャイアントになりたいと思っています。アジアで最大の教育事業者みたいなポジションを目指したいと考えています。
それによって人々の小さい頃から大人になるまでのeducation environmentを形成できるような仕組みが作れていれば幸せだなと、そしてそれがどんどん世界に向かっていくようなビジネスに出来ていれば良いと思います。とにかく僕は「仕組み」を作るってことに興味があるんですよ。今は、せっかく基本の仕組みを作ったんでそれをどんどん大きくしていきたいな、と思っています。


 GC.実際今の勢いはすごいですよね。

そうですね。今日も伊藤忠から頼まれてαの3年生に向けにゼミをやるんですけど。会社立てて3ヶ月でこういった大企業と仕事ができるってのはまずありえないことですよね。しかも僕従業員一人ですみたいなね(笑)それはなぜか?ということなんですよね。
僕が起業塾に所属していたときに、僕は人材採用だとか、教育マーケットのヒアリングをすごいかけたんですよ。「起業塾の同友会でやってます!教えてください!」って言いながら、今はなきリーマンの人事部につっこんでいったりしました(笑)
そういった場所で様々なお話を伺って、この業界の課題っていうものを見つけまして。そして実はその問に対する解決策が自分のやりたいモデルとぴったりだったんですよ。
やはりビジネスは課題解決、そしてその問題発見ですね。日本では優秀な人がどうしても保守的な人生を歩んでいて、日本人としてグローバルに出て行く人がどんどん少なくなってきている。英語もどうでもいい、海外旅行もどうでもいいと。そうするとじわじわと世界での日本の競争力が落ちていくと思うんですよね。しかし一方でニーズはすごい出てくる。
日本の企業が歩むべき方向性としてはどうしても日本だけではなくて海外に出て行く必要性がある。そうするとものすごくニーズとリソースの間にGAPが出てくるんですよね。じゃそのGAPを誰が埋めるんだ?って話が必ず出てきます。そこで産業構造とか自分のやりたいことを見ながら、ビジネスモデルを考えていってここに至っているんだと思います。


Q.「学生時代にやっておいた方が良い」と思うことがありましたら是非教えてください。

A. そうですね。2つあります。

1つ目は海外を見ること。自分が興味を持っていればどこに行ってもプラスになると思います。

2つ目はリーダーシップエクスペリエンスを取ること。やはりこれをするかしないかは社会人になってから圧倒的に差が出ますよ。しかも既存のものでリーダーになるんじゃなくて、0⇒1でやってみる、新しいものを創ってみることには本当に意味があると思います。そしてそれをひっぱっていく経験だったり、リーダーとしての孤独感だったり、struggleだったりそういうある意味ネガティブな経験が後々生きてくるんですよね。僕がシカゴ大に行った理由もこれで、過去に経験したことが原体験として染み付いてるんですよ。原体験があることによって、自分のリスクに対する許容量が確実に広まります。

皆さんには自分でどんどん仕掛けることをお勧めします。目的意識があれば何をやっても良いと思いますね。今回もいきなりメールをもらって最初は「ん?何?(笑)」ってなるけど応えてやりたいって思えますし。
やはり「想い」が重要です。


Q.ファーストキャリアとして学生起業、ベンチャー企業を選ぶことをどうお考えでしょうか?


ビジネスは問題解決であって、問題をどう解決するかが全てなんですよ。自分がどういう社会の問題を解決したいのか?そしてなぜか?それに尽きますよ。
浅はかな気持ちベースでは続かないし。水が欲しいのに、コーヒーを渡しても誰も喜ばないよね。それだけの話なんですよ。
自分がどんな問題を解決したいのかにフォーカスして、どういう手段がいいのかを考える。その結果今はベンチャーだと、そのストラクチャーがベストソリューションだと思えればやれば良いと思うし。かつそれに投資する時間、人生の価値があればなおさらだしね。


学生とか若い人たちが行ってそのまま失敗する理由はそこにあると僕は考えています。思いドリブンすぎるんじゃないか?と。ビジネスはもっともっと功利的な判断が必要なわけですよね。
つまりないから必要なんでしょ?ない部分は何か?そしてなぜそれを自分は提供したいのか?そしてフォロワーは出てくるのか?コンピティションとして既存のプレイヤーにすぐ真似されないのか?といったところを功利的に考えることが重要だと思います。


自分を過小評価するな!

Q.では最後に世界を変えようと考えている若者に対してのメッセージをお願い致します。


大事な点が一つあります。皆さんは「自分自身の可能性を過小評価」していることを意識するといいと思います。皆さんは無意識に自分の可能性をアンダーヴァリューしているんですよね。
自分の可能性は原則的に、自分の今までの経験でしか判断できない。つまり皆さんの「世界」の定義がめちゃくちゃ小さいかもしれないんですよ(笑)
例えばですね、現在YGLの活動でNPO団体のかものはしとミッションステートメントを変えたらどうかな?という話をしています。現在かものはしはカンボジアの児童買春をとめたいっていうことがミッションなんですけど。
そこでカンボジアをとって、「世界」の児童買春を止めようということにする。そうするとゴール設定を大きくなることでワールドクラスのNPOになれるかもしれない。世界全体から資金集めが可能になってくるんじゃないかと。
そのためには貧困をなくす必要性があると、そこから啓蒙活動を行っていく、児童に対しての教育に問題があることが分かってくると。それがコアな解決策になるんじゃないか?と解決策は本質に近づきます。
そうしますと、例えば「世界の貧困の中にいる女性に教育を与える」っていうビジョンに変えることも出来るだろうし。そうすると発想の転換で、グローバルに自分の描いている世界が変わってくると思うんですよね。
皆さんにも実は同じことが言えて、スピード、規模は枠組み次第で変わるので、「とことんでかく考える」というのが僕からのメッセージですね。
例えば、1年で~を世界規模・地球規模にするとかが丁度いいかもしれないですね(笑)笑い事じゃなくて、本当に目標設定次第で一気に物事は加速するもので。
いつまでに?誰に?どのくらいまでもっていくか?その目的次第でどこまで社会にインパクトを与えられるかが変わってくるんだと思いますね。
その際に既存の枠組みを意識して、自らを過小評価しないことが大事になってきます。
それによって世界を変えるインパクトは大きく変わってくると思いますよ。
もっと大きく考えて、もっと早くできるって考えたらどうでしょうか?

GC一同:本日はお忙しいところお時間頂き誠に有難う御座いました。


編集後記

入住氏の考え方の大胆さ、そして実際にそれを形にしてきた実践力にメンバー一同脱帽でした。夢を語る彼の眼の輝きは聞き手に熱いものを感じさせます。今後の日本を引っ張っていくリーダーを輩出するための「仕掛けづくり」に奮闘する入住氏。大著アルケミストに出てくる主人公のように、世界中の人々に希望を与えながら突き進む同氏の活動からは目が離せません。

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