派遣法最前線―ー複合業務、付随業務などの概念によるまやかし

 (09年8月ブログより)

「ユニオンぼちぼち」「なにわユニオン」「管理職ユニオン」など、まともな個人加盟型ユニオンは、派遣問題などでも実践的に使えるものは使いながら、個別労働者の利益を守る活動をしています。

 

派遣法の一つの論点で、多くの人は知らないけれど大事な点を紹介しておきます。

 

26専門業務」ということで、派遣受入期間の制限がなくなるなど、めちゃくちゃなことが容認されるようになっています。

この専門業務というのが、いい加減で、「ファイリング」「事務用機器操作」などといって一般事務をさせられたりしています。

実際の労使交渉では、これが専門業務かどうかで話し合うわけで、そこを政府のマニュアルでは、勝手に「政令26業務の付随業務」付随的な業務」というのをつくって、企業の脱法を後方支援・お墨付きをしようとしています。

ふざけたことですが、官僚のやるのはそういうことです。

専門業務となると、1年の制限もなくなり労働者は派遣に縛り付けられますが、この専門というのがまやかしで、もともとは、女性を送っていた事務処理請負業者が、派遣法の中に「ファイリング」という職種・職務分類になかったものを無理やり入れ込んだのです。「26専門業務」を全て、本当に専門的か見直す必要があります。

と同時に、以下に示すように、専門に付随するということで、拡大解釈を進める動きを批判しなくてはなりません。

 

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 

以下簡単に説明しておきます。

 

◎労働者派遣で、「政令26業務」は派遣受入期間の制限なし。・・・ここでは「A扱い」とよぶ

 

     「複合業務」とは、政令26業務とそれ以外の業務を併せて行う業務のこと。

     「政令26業務以外の業務」が仕事の1割以下で、「政令26 業務の付随的な業務」(B)なら、複合業務全体を「A扱い」してよい。

(ふざけたことに、Bの明確な定義はない。一部事例を示すだけ)

     「政令26業務の付随業務」(C)とは、政令26 業務と密接不可分な行為又は一体的に行われる行為で、政令26業務の一部とみなす。したがって、26業務そのものでなくても、全体を「A扱い」できる。〔1割以下の条件もなし〕

(このCの規定もあいまいな説明)

     26業務があっても、上記のような条件を満たさないような仕事(B,Cでない)と一体になったものは、「A扱い」のできない「複合業務」とみなす。つまりこの場合だけ派遣受入期間の制限がある。

 
26業務関連の以下の時間をどうみなすか

(明確な定義ではなく、あいまいに事例でBCをしめしている。)

拘束を受けることのない「休憩」・・・BCどちらでもない

「朝礼」・・・C

 「ごみ捨て」、「掃除」、「後片付け」、「用紙の補給」、「電話応対」、「書類整理」なども、多くは、事務用機器操作の業務と一体的に行われる付随業務(C)および付随的な業務(B)とみなす

 

     ただし、唯一、使える規定として、26業務の就業場所以外で、「26業種以外の仕事」をしたら、その内容がBやCでも、全体として26業務とはみなせず、したがって「A扱い」することはできない。

 

まとめ

「付随業務」(C)および「付随的な業務」(B)という概念をつくって、派遣法の専門業務規定を拡大し、違法を違法でないようにする試みが進んでいるということです。

メディア関係者も学者も官僚も、こうしたことをよく知らずに表面的に派遣法を論じています。

 

まあ、私たちは交渉では、派遣法の原点に立ち返って、そうしたごまかしを押し戻す戦いをしています。

 

参考

Q&A いわゆる「複合業務」における派遣受入期間の制限等について

厚生労働省・都道府県労働局

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai02/pdf/01.pdf

 

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