伊田広行著『これからのライフスタイル』ができました!
「仕事の絵本」シリーズ第5巻『これからのライフスタイル』(絵・後藤範行)
大月書店、2007年2月20日発売開始
新自由主義的な優勝劣敗社会の中で、「勝ち組」をめざすのではなく、「短く働く」ことを大事に、
「ワーク・ライフ・バランス」を追求しよう、ダメな仕事はやめて、スローの発想で、少ない消費で楽しく、
ちゃんと生きていこう、と提案しています。
かなり新しい考え方も入れ、なんとか、「エリートでない普通の人」がサバイバルできるようにと、
考え方の援助をしようとした、微妙なバランスを追求した本です。アンペイドワークの再評価、
NPO,社会的起業など、新しい働き方も射程に入れ、いい仕事をみつけて、ぼちぼちやっていこう、
人生を何度もやりなおしていけばいいじゃない、という精神で書かれています。
「絵本」ですが、かなり密度濃く、さまざまな情報と思想を詰め込みました。
最近の私のスピシン主義の精神を隠し味にしています。
若者に説教するのではなく、ともに苦悩するような大人が増えてほしいなと思って書きました。
生き方、働き方を模索する、すべてのひとにぜひ読んでいただきたいと思っています。
【構成】
〈目次〉
仕事(働くこと)を広く考えていこう
時代の変化
「短く働く」という発想
ダメな仕事はやめてもいい
「ワーク・ライフ・バランス」という考え方
ワークシェアリングってなに?
ゆっくりと、ちゃんと生きていこう――スローな生き方
豊かな生活とは?――少ない時間働いて少ない消費で楽しくちゃんと生きる
いい仕事をみつけて、ぼちぼちやっていく
お金にならない労働の大切さ
デンマークの育児休業
新しい働き方、たくさん!
人生を何度もやりなおす。人とつながっていく。
「勝ち組」を目指さない社会へ
[働くこと・生きることの意味を考えるために]
小学校高学年から(小学校5年生以上の漢字にルビ)
各巻1,800円(税別)/送料380円、セット価10,800円(税別)
仕事の絵本 全6巻
1 仕事ってなに?――さまざまな仕事観(岩川直樹/文 後藤範行/絵)
2 人はどんな仕事をしてきたの?(浜林正夫/文 石井勉/絵)
3 仕事のつながり、仕事のしくみ(大谷猛夫/文 もりおゆう/絵)
4 働く条件ってどうなってるの?(朴木佳緒留/文 石井勉/絵)
5 これからのライフスタイル(伊田広行/文 後藤範行/絵)
6 仕事を考えるワークブック(大野一夫/文 もりおゆう/絵)
私たちは、いま、仕事をするということの意味が大きく揺らぐ時代を生きています。
仕事に励むことはいいことであり、職場に貢献することが自分や社会のためになるという、かつては当たり前のように感じられていた勤勉の美徳や組織への忠誠が無条件に信じられる価値観でなくなってから、すでに長い時間がたちました。
これまでも、人間にとって仕事とはなにかという問いに、けっしてひとつの答えがあったわけではありません。しかし、一方ではマネーゲームに奔走する人びとへの羨望や侮蔑が焚(ルビ…た)きつけられ、他方では働きながらもいっこうに暮らしがままならない人びとへの無関心や恐怖がうずまく近年の格差社会の広がりのなかで、仕事とはなにかという問いはいっそう鮮明に浮かびあがってきているように見えます。この社会のなかに広がる、働けない・働かない若者の存在も、新たな人生と仕事のスタイルへの多様な模索も、仕事とはなにかという問いにつながるものとして受けとめられるべきものだと考えます。
このシリーズは、私たちにとって仕事とはなにかという問いを多様な角度から考えることを目的として編んできました。一人ひとりの仕事への思いに耳を澄ますこと、過去から現在までの仕事の歴史を知ること、一つひとつの仕事がもつ複雑なしくみやつながりに思いを馳せること、働くよろこびや苦しみを左右する仕事の条件を自覚すること、人生と仕事をめぐる新たなライフスタイルを模索すること。これらの主題は、現在、学校教育のなかに導入されつつある「キャリア教育」を、たんに仕事につくための個人の能力開発や意識向上の時間に限定するのではなく、仕事をめぐる人生や社会の意味を問いかえしあい分かちあう場にするためにも必要なものと考えます。
このシリーズが、学校や地域のさまざまな持ち場で、仕事とはなにかについて子どもたちと大人が語りあう場づくりのきっかけになればと願っています。
【本書をすいせんします】
辻信一(文化人類学者、環境運動家)
子どもたちが仕事というものに絶望している。それはそうだろう。仕事は必要悪であり、金を稼ぐ手段にすぎないという「常識」がまかり通ってきたのだから。でも信じていい。生きがいとしての仕事が蘇る兆候はあちこちにある。『仕事の絵本』シリーズとともに、何かすごく大事なことが始まろうとしている、とぼくは感じる。もう一度子どもたちが仕事について豊かなイメージをもてるようになること、そこにこの世界の未来はかかっているのだ。