キッチン' s story 〜カルボキシルとキッチンから〜
ある日の放課後。私立七中の理科室で2人の人間がさわいでいる。
ドッカーン、バリーン、チーン…
何かが爆発するような音、何かが倒れるような音、何か家庭科室で聞くような音…。
いつもとは何か違う、不思議に思った武田君は見に行くことにしました。
理科室をあける…。
とそこに、友人村田と橋野先生、そして多種多様なドーナッツとチェロスがあった。
武田 (ここはキッチンですか!?)
いつも見かける様々な実験器具。
そして、フライパンや泡だて器といった、調理器具。
それらに囲まれている2人はこちらの様子に全く気付いていない。
村田 「見てみて先生!ドーナッツとチェロスでカルボキシル基のモデルが出来ましたよ!!」
橋野T「どれどれ。これはヒドロキシ基ですよ!村田さん!」
村田 「ヒドラ?」
橋野T(中学生には難しすぎたかしら…)
村田 「あー。OH基かぁー。」
橋野T「(あ、わかった。)では、失敗作は食べておきましょうか。だいぶたまったし…」
※失敗作…化学の○○基シリーズ以外にも、二酸化炭素分子モデル、酸素原子モデルなどなどの作品が「間違って」生まれています。
村田 「ですねー。って、武田じゃん。」
武田 (げ、見つかった…)
村田 「何の用?」
武田 「いや、特に何も。てか、お前今日合奏だろ…」
村田 「ん、もしや狙いはこのチェロスか!?」
橋野T「これは私たちの研究ですよ!」
武田 「いや、いらないし…」
とそこに加藤Tが登場。
加藤T「む、お前は!」
武田 「うわ、2人じゃなかった!!」
加藤T「ま、まさか俺のおやつを奪いに来たわけじゃないよな!?」
武田 「いや、いらんて。」
小島T「うお、誰かと思えば…さては俺の夜食を!!」
武田 (え、すごく誤解されてる―――っ!?)
加藤T「ちょっとまて、小島。これは俺がおやつとしてもらおうとしていた失敗作達だ。」
小島T「いーや、俺のだ。俺の夜食だ。」
武田 (ケンカになった―――っ!!)
加藤T「酢酸でも食らえ!!」
バシャーン
小島T「うう…って、それ食用の酢だろ!!」
加藤T「しまった。ここはキッチンだったか!!」
※あくまでも理科室です。
小島T「すきあり!フライパンスラッシュ!!」
加藤T「ふごっ…き、貴様…それは家庭科室限定の技だぞ…」
武田 (もはやここが家庭科室なのでは…)
小島T「お、そうだったか。」
加藤T「と、見せかけて…ドライアイスアタック!!」
小島T「あ、だまされた!!さむっ!…く、くらえ!炭酸水素ナトリウム水溶液!!」
加藤T「うへぇ。」
武田 (あ、理科室っぽい。)
村田 「いや、今小島Tが溶いた粉、隣に置いてあった片栗粉だから。」
橋野T「いいえ、小麦粉ですよ!」
村田 「ん、そーだっけ?」
武田 (正直、どっちでもいい…)
加藤T「食らえ、グルタミン酸フラッシュ!!」
小島T「塩化ナトリウムファイヤー!!」
加藤T「Feガード!」
小島T「もくもく小麦ぃ〜〜!!」
わかりそうでわからないような意味不明な技の応酬が続く!
お互いに身近にあるありとあらゆるものをぶちまける!!
武田 「てか、この人たち、ただ単に暴れて楽しんでいるような…」
ピンポーンA
武田 「正解かいっ!!」
加藤T「や、やるな。小島…」もぐもぐ
小島T「はははは…」もぐもぐ
加藤T「腹ごしらえ終わったら続きやるか?」もぐもぐ
小島T「だな、新兵器、ぶっ飛びロケット完成まであと少しだ!」もぐもぐ
橋野T「あの〜。お2人さん?」もぐもぐ
加&小「はい?」もぐもぐ
橋野T「ちゃんと、片づけはして行って下さいね。」ニコッ
加&小「へ?」
見渡す理科室はいろいろな粉で真っ白になった道具とか、べとべとの鍋とか…まあ、いろいろ散らかっていました。
橋野T「では、これにて失礼!」壁|彡サッ
村田 「あ、合奏行かなきゃ!」壁|彡サッ
武田 「村田、置いてくなっ!」壁|彡サッ
放課後理科室キッチン事件。
それは2人の食べ物好きの実験から始まった、理科室が粉だらけになった事件であった。
この事件をきっかけに、七中には何でも吸い込む「スゴイ」掃除機が誕生した…らしい。
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