憲法 第2問 1、設問前段について  (1) 公職選挙法第10条が、被選挙権について、衆議院議員については   年齢満25年以上の者、参議院議員については満30年以上の者として   いる点が、憲法15条1項に反し違憲ではないか。  (2) 思うに、まず、@被選挙権は、選挙権行使と表裏の関係にあるの   で、被選挙権も選挙権と同じく、15条1項により保障されると解す   る。    また、A選挙権・被選挙権の本質は、ともに国民主権(1条、前   文)にあるが、国民主権とは、自らの権利を制約できるのは自分の   みということであるという治者と被治者の自同性である。    よって、被選挙権の年齢は、選挙権と同じ年齢であるのが原則で   あるといえる。    そして、選挙権の場合は、成年選挙(15条3項)を保障している   から、被選挙権についても20年以上の者に保障されるべきとも思え   る。  (3) では、公職選挙法第10条の規定は、国民主権を趣旨とする15条1   項に反し違憲ではないか。    思うに、被選挙権は、選挙権と異なり、公務に就任するという違   いがある。そこで、一定の成熟性が必要とされ、選挙権の場合より   も年齢が上であることが必要となる。    では、衆議院議員で満25年以上、参議院議員で満30年以上とする   ことは違憲か。   ア、まず、衆議院議員については、任期が4年であるから(45条)、    25年以上の者だと1回は選挙権を行使する。これにより治者と被    治者の自同性により自らの権利を制約できるのは自分だけだとい    うことを理解し、成熟性は充分といえるから、衆議院議員につい    ては合憲である。   イ、次に、参議院議員については、任期が6年であるから(46条)、    30年以上の者だと1回は選挙権を行使する。これにより治者と被    治者の自同性について理解し成熟したといえる。     また、参議院の存在理由は、下院の抑制と民意の多角的反映に    あるところ、そのような機能を充実させるには衆議院議員の場合    よりも成熟性が必要といえる。     よって、参議院議員についても合憲である。  (4) 従って、公職選挙法第10条は憲法15条1項に反せず、合憲である。 2、設問後段について   設問後段の改正は、年齢を満35年以上の者とするが、これでは衆議  院議員で3回、参議院議員でも2回の選挙を経ることになる。   しかし、選挙権行使は1回すれば成熟性は充分といえ、それ以上の  制約は国民主権に反する。   よって、設問後段の改正については、国民主権を趣旨とする15条1  項に反し、違憲である。  以上  再現率60% 約2ページ半(50行前後)