真空管アンプって?2002.12 このページは、マニアや分かっている人ではなくこのホームページはなんだろうとか、こういう趣味ってどういうんだ?という人のために百十番が同じ初心者の立場から解説しました。マニ
アや上級者の方は、いまさらということで飛ばしていただくか、ご一読の上不適切な個所に気がついたらご一報ください。 <そもそも真空管アンプって?> このホームページを開設して、友人に教えたら「さっぱり解からない」と指摘されました。それはそうです。結構マニアックな趣味で、興味がない人にとってはさっぱりでしょう。
そこで、何でこのような趣味のジャンルが存在していて,何を考えたりやっているのか,さっぱり解からない人のためにちょいと解説したいと思います。ただし、これを書いている百十番すらこ
の道たかだか数年の駆け出しですので、より興味のある方は、検索サイトから上級者のサイトに行くなりして勉強してください。また、上級者が間違ってこれを読んだ場合は、適切なアドバ イスをメールか掲示版にお寄せください。 では、そもそも真空管アンプの魅力って何でしょう?真空管の話をすると,しばしば聞かれるのは「作るより買った方が早いんじゃないか」とか、「そんなに音がいいのか?」とか、「球が切
れたり故障しやすいのでは?」「音を聞くまでにウォーミングアップで時間がかかると聞いたが?」とかいう質問です。「何で真空管アンプって値段が高いの?」とか聞くのはもはや半分こち らの世界に足を踏み入れた人ですね。 それでは、こうした疑問にお答えいたしましょう。この程度であれば,百十番の独断でなくともマニアの間の一般論というやつで十分お答えできます。
<そんなに音がいいの?> はい。いいです。
百十番も20代前半までは音楽中毒で、何をするのでもBGMがないとだめな若者でした。ウォークマンやカーオーディオは必須です。たまさかライブの招待券などいただこうものなら,中身は
何でもルンルンでした。 が、しかし!同世代の多くの人がいまや同じ事言います。「もともと音楽が好きなはずなのに、歳が30,40となると最近さっぱり聞かなくなった」。
これは、すこし分かっている人なら、ライフスタイルデータとか、CDの購買動向とかデータもきっちり裏付けていることをご存知なはずです。そうです。百十番も嫌いではないけど、歳とると
あまり聞かなく(&買わなく)なったのでした。生理的に以前ほど求めなくなったというか、逆に静かな方がありがたかったりします。(静けさや自然を求めて山歩きをするのって,中高年が多 いとか?脱線。) しかし、真空管の音を聞くと、中高年の人がまるで猫にマタタビのごとくまた狂ったように音楽を聞きだすのです。それは何故か?とにかく心地よいのです。
<トランジスタとかのほうが良い筈だけど。。> 一昔前の考え方では、性能上の科学的測定値が良いトランジスタ系アンプが、はたまた音源もアナログ盤よりCDの方が音が良いと無条件に信じられていました。百十番もそう思い込
み、アナログ盤やレコードプレーヤーは廃棄処分し、CDの音質は完璧と信じて疑いませんでした。 しかし、人間の感性というのは奥が深く、決して80年代に言われていた測定値で全てが割り切れるわけではありませんでした。(本当は言いすぎだけど)全ては嘘だったのです。厳密に
いうと,まだまだ解明されておらず、トランジスター系やデジタルの音は、原理的には優れていても、音の良さはまだまだ別の要素も多く、一概にどれが良いとはいえないのです。 トランジスターアンプも,とっても高いやつは(いわゆるハイエンドというもので、数百万円以上)もしかしたら真空管では勝てないかもしれませんし、CDプレイヤーも本当にいいものはアナロ
グ盤(LPとか)を超えているかも知れません。逆に、真空管を使っていても大して音が良くない製品もあるでしょうし、自作となれば失敗作や調整不足というのは珍しくありません。 <どういいの?> 良くぞ聞いてくれました。(自分で書いてるくせに)。真空管でも実は音の傾向はいろいろなのですが、あくまでも一般論で申し上げましよう。ある評論家は「色っぽい」といっていました。私
のような凡人は「しびれる」とか「とろけそう」という印象なのですが楽器をやる方、特にアコースティック、更にクラシック関係の方は原音忠実という意味ではない次元で「本来の音や響きに 近い」とか「再生音っぱさが少なく、楽器の音の魅力が失われていない」といいます。 あくまでも、真空管でありがちなな回路、部品、筐体で作られたアンプとトランジスタ系(以降石といいます)でありがちな回路、部品、筐体で作られたアンプでの話です。石は聞き慣れた
優等生的な良い音です。大量生産でコストパフォーマンスも高く、規格品としてかなり値段にも比例してピンきりです。 これに対して、真空管は回路によって古典回路では「懐かしい心地よいサウンド」だったり現代の部品、近代回路では、数値的性能を含め現代的高音質という印象だったりします。マニア
や金持ちでない人がボチボチの製品を買った印象では、音楽を楽しめるのが真空管で、音質のよさを追求するのが石、と言った辺りでしょうか。 演出型と、忠実型と言う言い方もされます。もちろんこれは一般的傾向で比べた場合で、逆のねらいの製品も多々あります。しかし、真空管で忠実・高性能を狙った製品や回路でも、色気
は最後まで残ると思います。 <他には?> 音質以外のメリットとして、球の差し替えがあります。互換球やメーカーとかロットの違いで、音質が変化します。オーディオの楽しみとして、石のアンプではそっくり買い換えないと(既製
品だと改造は大変で時として危険)アンプの音の違いは楽しめないのですが、真空管なら球だけ買ってきて差し替えれば石のアンプを買い換えたような違いが出たりして結構楽しめます。 そこまでしなくても、ちょっとしたパーツの交換で音を変えたりという楽しみ方も、真空管アンプなら容易ですが また、意外かと思われますが、長持ちします。現代のオーディオに使われる真空管は、品質的にも、回路や部品の信頼性的にも石のアンプと同じくらい長持ちするケースが多いです。ま
た、ケミコン(電解コンデンサー)など寿命の短い部品の交換といったメンテも比較的楽だし、既製品のアンプだとハイエンド製品を除いてメーカーの修理期間が終わると製造したメーカーで は修理してくれないし、修理をお願いする先も限られ、肝心のパーツが入手困難になったりして泣く泣くお別れという話も良く聞きます。 真空管アンプは、よほど凝った製品を除いて心得のある人なら修理、レストア、改造ができる可能性が高く、戦前の製品が現役で稼動しているという話はざらであります。
<球切れない?> 私の世代だとぎりぎり子供時代にテレビとか真空管製品がまだありました。そのころのイメージから、電球と同じように真空管は切れる(故障というより昇天)と思えます。ところが、めった
に切れません。というか、切れたためしも話も聞きません。いじりすぎて壊したことや、自作の過程で実験したり間違ったりして壊したというのは良くある話ですし初期の中国やロシア管や、 中古の球では初期不良というのもあります。 ところが、安定した現代回路で組み上げたアンプは、現代の部品の信頼性の高さにより相当長持ちするようです。現代では、真空管は貴重品であり、過酷な動作を強いる回路は減ってき
ていますが、昔の真空管テレビの時代などは真空管は消耗品でしたから、結構無理させることがざらでした。大量生産の民生品でしたので、安価なことが重要で、球は交換すりゃいいとい う思想でした。 理論的には10年くらいで昇天してもおかしくないのですが、不思議と20年くらい平気で稼動したというような話が多く、実際に新品から使用して切れたという話を聞かないのです。
<どこで聞ける?> そうです、これが大問題です。まず、近所の量販店の電気売り場にミニコンポと一緒に置いてあるということはありません。なかなか、聞く機会が無いのです。最も聞いてしまったら魅了さ
れると思いますが。。 一般の人は、オーディオイベントや試聴会とかめったに行かないでしょうし、ましてや自作アンプの発表会などどこでやっているかも知らないでしょう。
しかし、以前よりは試聴環境良くなりました。オーディオ専門店はともかく、大型電気店でもミニコンポではない本格オーディオコーナーを以前よりは復活させているケースが増えていま
す。そうした店で真空管アンプはまず置かなかったのですが、東京サウンドとかトライオードサプライジャパンとか最近では中国製のスパークなど熱心なメーカーの製品を置くケースも増えて います。また、東急ハンズでは渋谷と池袋店でキット製品が実際に聞けます。渋谷店などはちょっとしたオーディオ売り場に発展しつつあります。 <注意事項> デメリットもありますよ、そりゃー当然。次のような欠点があります。
@電気食う。
→ヒーターの熱で増幅しているため、一般的には石のアンプより電気食います。
A重い
→大部分が高音質志向の本格オーディオ機です、本格オーディオ機材は石のアンプも重いです。真空管アンプは出力トランスという重い部品があるのが特徴ですから軽くないです。
B操作性悪い
→リモコンとかつけているのはごくごく一部です、機能性や操作性はミニコンポやラジカセと比較しないで下さい。
C出力小さい
→大出力のものもあるにはありますが、石よりたいてい一桁近く小出力だったりします。一昔前の低能率スピーカーだとちと苦しいです。90db以上のスピーカー能率が理想ですが、80台で
も結構いけたりします。増幅の方式の違いで一般的には球のアンプの出力を3倍した数値が同じ程度の石のアンプのスピーカー駆動力といわれます。日本の標準的な居住環境であれ ば、1W程度あれば通常音量はまずまずのスピーカーでOKだそうですので、最大出力3W程度で実用になるケースが多いです。 D見た目が
→コンパクトなアンプも結構ありますがでかいし、見た目がおしゃれでないというケースがあります。これらは主観ですが、見慣れるとそこが良さに変わります。メカとしての機能美と真空管
にともるほのかな光がたまらなくなります。また、そういう趣味で無い人のために現代的センスのアンプを製造するメーカーも増えています。 <百十番が真空管に嵌ったきっかけ> べるけさんのボードに投稿した内容から引用します。
シャープの1ビットと聞いてたまらず発言いたします。
私が真空管アンプに嵌るきっかけになったのは、このシャープのアンプです。
私のオーディオ歴は、日本のオーディオの盛り上がりと盛り下がりに一致しています。
70年代中後半、中学生の頃オーディオブームで「FMレコパル」や他のFM誌や「初歩の
ラジオ」読んでいました。
フルレンジで自作バスレフでスピーカー鳴らしたりしていました。
しかし、受験や進学でそれどころではなくなり、気がついたらCDが発売されていました。
デジタルならノイズもなければ、可視聴帯の周波数特性のでこぼこもないし、もはやオーディオ
機器にこるのはナンセンスと、オーディオの興味なくしました。
どれで聞いても同じと真剣に信じていました。
それが、3〜4年前のオーディオエキスポにたまたま仕事で行ってシャープの1ビットアンプで
SACD+ノーチラスのブックシェルフ聞いたら目から鱗でした。
「再生音でこれ以上のものがあろうか」
あまりの技術の進歩に(いまでは?ですが)感動しました。
で、オーディオに再度嵌って、真空管に辿り着いた訳です。
真空管に嵌れば嵌るほど、一概にその音を表現出来ない、あるいはしてはいけないという状況
になります。
それ程、真空管アンプもいろいろな方向性の音が有るわけです。
シュガーさんの疑問に乱暴にお答えするとしたら。
当時、サウンドレコパルの試聴記で
普通のトランジスタのプリメインアンプ
→いつもの音、トランジスタの音、やや硬くつめたい、緻密で原音再生志向
真空管アンプ(アコースティックリサーチのシングルアンプ)
→暖かい音、やや大つかみだが音よりも音楽を伝える説得力に富む
シャープの1ビット(当時100万円)
→上記の中間の音、トランジスタのような音の再現力と真空管のような優し
さを足し合わせたような。
というような、趣旨の特集がありました。
今でも、これは的を得ていると個人的に思っています。
ただし、真空管でも昔ながらのかまぼこ方の音を志向するものや現代的な広帯域を狙うものなど
実はバリエーションが大変多いのが実情だと思います。
期待していたシャープの1ビットは、安いモデルが売り出され、店やフェアなどでも聞く機会が
あるのですが、不思議とかつての感動はありません
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