11月7日のフリースクールはいつもと違い、午前中の勉強はありません。2日後に迫ったつくで祭りに池の原フリースクールが初めて参加するのです。荷物を詰め込んだり、包装したり、忙しい2時間でした。やっと梱包が終わり、ランチの後、天気もいいので久しぶりで森のスクールの頂上まで登ることになりました。山の中は秋の気配で一色です。あちらこちらでどんぐりの実を見つけました。落葉もいっぱいです。腐葉土もいっぱいです。一時間で頂上です。静かな三河湾が広がっています。山の上から見る海のスクールも格別でした。閑かな畑と三河湾の中に、できたばかりのグラウンドを持った海のスクールがはっきり見えます。ちょっと休んで、またどんぐりや檜の林の中を降りて来ました。檜の林は今から60年前に植樹されたものです。
11月10日 朝7時。出発。8時30分、南設楽郡のつくで(作手)鬼久保広場に到着しました。赤いテントに「池の原フリースクール」と書いてあります。さっそく、子どもたちと作品を並べます。周りの山々はもうすっかり赤や黄色で色付いています。風はとても強く冷たいけど、雨が降っていないのがなによりです。
店を並べて1時間。誰も買いに来ません。A君が一生懸命「いらっしゃい。手作りですよ」と叫んでいます。するとB君が「先生、僕もやりたいけど、緊張する」と言ってきます。1時間半経ちました。お客さんは来るのですが、買おうとはしません。「先生、みんな通り過ぎていっちゃうね」「先生、誰も買わんね」と言うのを聞いて、今回ボランティアでブローチを50個も作って下さり、さらにこのテントの中で販売の手伝いをしてくれていた友人のTさんが、ふと立ち上がって、店の向こう側に回り、「これ下さい」と言ってくださいました。すると、前にピヨピヨ会(親の会―子育て支援 毎月第2金曜)に来てくれたことのあるKさんが「沓名先生ですね。前に…」と言って、ブローチを二つ買ってくださいました。「子どもにつけてもらいたいのです」と言う言葉に感動しました。
店の前には多くの人が通ります。でも横の味噌屋さんや、おもちゃ屋さんには行列や人だかりができるけど、手作り流水のアートには、なかなか人が来ません。再び沈滞ムード。
するとスタッフのIさんが「先生、こんなに売り子がいてもなんだから、ちょっと見学に行っていいですか」と助け舟を出してくれました。
通りかかる人に声をかけますが、買ってはくれません。祭り太鼓は景気よく鳴っています。しばらくすると子どもたちが帰ってきました。「先生、売れた?」「ううん」と応える私。すると今度はもう一人のボランティアのHさんがこれとこれと買い出しました。「先生、本当にほしかったから買っているのですよ」とは言って下さったのですが、申し訳なく思います。ところが、この買い物に近くの人が寄ってきて、「この松かさ(20センチ)を一つ下さい」「この巣箱下さい」「ハスの花(森のスクールにあるハス池から採ってきたもの)4つ下さい」「ピーチコーミング(この夏中、子どもたちが砂浜で拾って集めた物をアクリルの容器に詰めて、世界の海からの贈り物って売り出した物)って面白いですね」。やっと少し販売できました。でもまた波が引いていきます。うどんや五平餅の前には行列が並んでいます。スタッフのIさんが桜作戦に出ました。C君と店の前に立ちます。すると一人のお客さん。「松かさ4つ下さい。大きいですね」「試験管の一輪挿し。私こういう物がほしかったんです」と買ってくれた女の人。
待っていてもあまり人が来ないと思ったのか、A君が「先生、売りに行ってくるわ」とおつりを持ってB君とテントを出ていきました。しばらく経って、「ハスが売れたよ」ともどってきます。みんなで拍手です。すると第2段、スタッフとYさん出発です。なかなか作戦通りには行きません。商売ということの難しさを実感です。
1時30分。もうあと三〇分しかありません。その時、やっとシフォンケーキが届きました。「先生、持っていくから」と言って下さったケーキがやっと届きました。
きれいなリボン付き箱入りで三個入っています。200円ならきっと売れる。メガフォンで叫びます。私から子どもたちへ。次々と子どもたちが叫んでいます。あんなに緊張したB君もC君も大きな声で叫んでいます。YさんもRさんも袋へ入れたり、おつりを出したり大忙しです。やっと販売しているなという実感です。ケーキは森のコンサートでも百売れました。すごくおいしいのです。今回は30個がたったの20分で完売です。
仕入値を引いた13100円が収入となりました。冬のスクールの灯油がなんとかなりそうです。みんなで得た貴重な体験でした。作手の山々は秋から冬の訪れを告げています。
みんなでスクール運営する一日の体験でした。 (沓名)