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イラク特措法関連トピックス



「イラク派兵は決定的違憲」山梨市民訴訟関連
自衛隊のイラク派遣延長に反対する弁護士会声明



「イラク派兵は決定的違憲」山梨市民訴訟関連

非戦つうしん113臨時号(もくじ・全文共通)
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まず24・25日に証人採用を求めるFAXを送っていただいた方に深謝します。

私が原告代理人を務める「イラク派兵は決定的違憲」山梨市民訴訟で、26日裁判所
がとんでもない暴挙を行いました。全国から一斉に裁判所に抗議FAXを送って下さ
い。
忌避申し立てに対する拙速な却下決定をさせないためにも、なるべく今週中にお願
い。
転送・転載大歓迎  今回は、知人名簿にも送りました。重複ごめんなさい
=========================================================
毛利正道 mouri-m@joy.ocn.ne.jp http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/
〒394-0028 岡谷市本町2-6-47 信州しらかば法律事務所
 Tel0266-23-2270・Fax0266-23-6642 携帯留守電090-4096-7065
=========================================================
1 裁判所抗議FAXひな形
2 忌避申立書
3 原告久松重光氏の当日のレポート 「司法の死」
4 当日、私が冒頭30分口頭で弁論した原告第3準備書面
5 当日、口頭で弁論した原告久松重光氏の陳述
1 裁判所抗議FAXひな形(毛利作成)  
   ・独自に作っていただいても、加筆していただいてもむろん結構です。
   ・FAX送る際、ついでに私のFAX 0266-23-6642にもお送りいただけると
   一層嬉しいです。
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甲府地方裁判所民事部 御中  FAX055−235−1439

2005年 月  日

平成16年(ワ)第301号 「派兵は決定的違憲」市民訴訟7月26日期日における、
「原告申請全証人採用却下 結審 判決日言い渡し」の暴挙を直ちに取り消し、弁論
を再開して、憲法尊重擁護義務を踏まえ違憲審査権を行使して下さい!

新堀亮一  倉地康弘  岩井一真 各裁判官様

あなた方3名の裁判官は、「派兵は決定的違憲」山梨市民訴訟7月26日第4回期日
において、「原告申請全証人採用却下 結審 判決日10月25日」と腰を浮かせな
がら早口で告げ、一目散に法廷から早足で駆け去りました。これは、10月4日1
3:30から17:00を証人尋問期日予定日として国代理人とも合意しており、
「平和的生存権の今日的議論状況を知るために」との理由で憲法学者愛敬浩二教授の
証人採用を岩井主任裁判官が強く示唆していた事前折衝の経過すら踏みにじって6名
の全申請証人を却下したばかりでなく、事前に全く示唆すらなく原告代理人・本人の
誰も予想だにしていなかった訴訟の一方的打ち切りであり、原告らの、本人尋問申請
権・弁論終結という重要な訴訟進行について意見を述べる権利・提出している膨大な
証拠物件に基づく最終弁論権・代理人本人が判決法廷に立ち会う権利まで蹂躙するも
のです。このような経過は、期日の直前に大きな圧力があり、これにあなた方が屈し
たのではとの司法権の独立蹂躙の疑いすら抱かせるものです。
私は、違憲審査権と憲法尊重擁護義務を有し、日本国民の中で希有な権限を持つあな
た裁判官が、イラクと世界で繰り広げられている戦争と憎しみの連鎖を断ち切るため
にも、憲法に基づく政治(立憲主義)を回復するためにも、自衛隊のイラク派兵の違
憲性に正面から向き合うことを、主権者として強く願い頭書のとおり求めます。

住 所 

氏 名
2 忌避申立書
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平成16年(ワ)第301号等
派兵は決定的違憲市民訴訟事件
原 告  小 出 昭一郎 外224名等
被 告  国 

忌避申立書
(当事者でない皆さんにも分かりやすいよう、実際に提出したものに、毛利におい
て、最小限の手直しをしてあります)

    2005年7月26日

甲府地方裁判所 御中

   原告ら訴訟代理人弁護士  小笠原 忠 彦
           同         毛 利 正 道 (このほか6名の代
理人の連名)
第1 申立の趣旨
   御庁平成16年(ワ)第301号,同17年(ワ)第205,同年(ワ)第2
73号事件につき,裁判長新堀亮一,裁判官倉知康弘,裁判官岩井一真に対する忌避
は理由がある
  との裁判を求める。
第2 申立の理由
 1 弁論終結(結審)にいたる経過
   2月8日 第2回期日
   3月12日に,原告としても主張をできるだけ早く5月31日までに出し,証
人申請もできるだけ早くすることにする。
   5月13日,裁判官との協議があり,上記予定を裁判官に伝える。9月20日
の午後を証拠調べ期日の予定日とする事について,裁判所より事前に予定を空けてお
くように言われた。原告代理人らは5月31日以前に次々回予定を打ち合わせ,この
日,原告弁護団会議を開き,証人を具体的に候補を上げる。
5月31日 第3回期日,この日次々回期日の予定として9月20日が決まる。その
期日後,被告代理人にも事前に予定を聞いておいて予定を入れたにもかかわらず,被
告代理人の都合で変更の要請があり、9月20日を10月4日へと証拠調べ予定日を
変更した。
   7月20日,裁判所との協議において,弁護団は熊岡路矢、小林正弥、愛敬浩
二、渡辺修孝等6名の証人尋問の必要性を強調し,証人全員の採用を求めた際に岩井
主任裁判官は「一般の事件と区別せず,進行したい」,「証人の必要性について法廷
で述べてもらいたい」と意向を示された。そのため改めて,証人申請の補充書1,2
を作成提出した。
7月22日,裁判官に呼び出され,小笠原,関本代理人が裁判所に出向いたところ
「平和的生存権論議の今日的到達点を知るため,愛敬教授を考えている」と言われ,
証人調べに入ることを示唆された。原告弁護団は10月4日の証人調べ期日に愛敬証
人の出頭を確保するための連絡を入れる等の手配を開始した。なお,7月25日,岩
井主任裁判官との面会においては「皆さんの意見をよく検討します」と対応してお
り、結審,判決日指定という話はこの時まで可能性としても全くされていなかった。
   しかるに、7月26日の第4回口頭弁論期日において、上記3名の裁判官は、愛敬
教授を含む6名の「原告申請のすべての証人却下 これで結審 10月25日判決言い渡
し」と早口に告げ、一目散に法廷を去った。
 2 不公正な判決がなされるおそれ(忌避決定の要件)がある
   この間の審理経過,裁判所との折衝からみて,本日の結審・判決日指定は,原
告代理人として全く予想し得ないものであり,このような態度では,不公正な裁判が
なされるおそれがあることあきらかである。
   原告代理人らは,裁判所の申出を受け、訴訟の進行に最大限協力してきた。に
もかかわらず,原告代理人が全く予想しない判決日の指定にまで進行させるのはだま
し討ちであり,到底公正な判決がなされるとは思われない。
 3 裁判を受ける権利の侵害(憲法32条,民訴法251条の2)
 (1)判決日を突然指定した。原告はもちろん代理人も判決に立ち会う権利があ
る。代理人も8人おり,遠方から来ている代理人もいる中で,事前もその場でも代理
人の都合を聞かないで期日を一方的に指定したのは,判決出頭の可能性を奪うもの
で,違法な期日指定であり,許されない。
 (2)裁判官は、通常当事者に聞いている結審についての意見を、原告に対し聞い
ていない。
(3)裁判官は、最小限与えられるべき、膨大な提出済み書証に基づく原告の最終弁
論の機会を奪った。
(4)事前に、別途、原告本人尋問申請をすると原告が言っていたにもかかわらず,
原告本人尋問の機会をあたえないまま結審した。
4 3日以内に詳しい疎明書を提出する。
3 原告久松重光  司法の死
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司法の死―抗議のFAXを甲府地裁に集中させてください。
山梨の久松です。今日の山梨では、司法の死を目撃しました。その模様を、詳細にご
報告します。

朝から、甲府は、台風の余波で荒れ模様でした。法廷は、10:30に開廷しまし
た。70人ほどの原告、8名の弁護士で裁判に望みました。この日は、司法研修生3
人も同席していました。初めに毛利弁護士が、イラクの現況と国の準備書面について
の反論そして「平和的生存権」についての弁論と小笠原弁護士の弁論があり、そこで
休廷となりました。休廷後は、ぼくの7分ほどの事実認否(添付しました)を促す原
告弁論の後、松島弁護士が、小林教授と愛敬教授、また川口弁護士が、池住さん、熊
岡さん、小笠原弁護士が、渡辺さんと北富士の天野さん、の証人尋問の必要性を弁論
しました。新堀亮一裁判官は、被告に証人の必要性について意見があるか、と促すと
意見書に出したとおりだと答えました。そこで、裁判長は協議のために、一旦中断し
ますというと、被告の代理人は、薄ら笑いを浮かべ、言い忘れていました、証人尋問
を必要性がないならば、結審してください、と言い添えました。原告の中からは、何
言っているんだ、といった声が上がりました。

6,7分後裁判官たちは、再び入廷するや、まだ椅子に座るや否や新堀裁判官が、
「全員却下しますといい」中腰になりながら、ほとんど聞き取れないような早口で、
結審します。判決は、10月25日と言い捨てるや、逃げ去るように退廷していって
しまいました。
却下しますという発言は聞き取れたものの後は、その後の言は、ほとんどの人がきき
とれませんでした。法廷は、騒然となり、ありえない、と立ち上がる人、日本は壊れ
るよ、国の代理人(裁判官だそうです。名前を後で調べます)に詰め寄る人、国の代
理人が、退席するとき薄ら笑いを浮かべていたので、皆怒り心頭に発し、その笑いは
なんだ。女性の代理人には、あんたも女でしょ。死んだ子供の肉片を拾う母親の気持
ちになってみなさい、と言う人。廊下に出ても人々の怒りはおさまらず、何の説明も
なく立ち去った裁判官を連れて来い。これが裁判か。と裁判所員と押し問答で、騒然
となりました。今思えば、初めからこうするつもりで、裁判官室に近寄れないよう
に、警護を固めていました。30分ほど廊下で、所員と押し問答でした。結局、ぼく
と弁護士8名が、裁判官と接見しました。

 応対に出てきたのは、岩井陪席一人。あれは何ですか。説明してください。と弁護
士。ぼくは、前日の25日の岩井陪臣とのやり取りを思い出しました。原告は、判決
まで何回ぐらいと考えていますか、と岩井陪臣に聞かれたので、回数ではない、きち
んと審理することが問題だと答えると、ああ質問が悪かったですね、と岩井陪臣は答
えていました。また原告は、この裁判に何を求めていますか、聞かれたので、平和的
生存権の概念を拡張していただきたい、と答えたのを思い出しました。

岩井さん、貴方だけでは、ダメだから裁判長を呼んできてください。岩井陪臣「ぼく
が、主任ですから」との答え。弁護団から「あなたに決定権はないでしょ」といわれ
ると、岩井陪臣は、固い表情で、宙を見つめるばかり。脇にいた書記官が、裁判長を
呼びに行き、しばらくすると、新堀裁判官が、入ってきて、こうした会見を持つのは
「異例なことだ」などぼそぼそいっている。前3回の打ち合わせのとき、約束と違う
ではないですか。騙し討ちですか。と弁護団。ぼくは、弁護団の詰問内容をよく思い
だせないのですが、弁護団の問い質しにほとんど何も答えなられない状態。ぼくは
「何の審理も説明もない」。「裁判所は、そう判断したのです」。」「判断した理由
も述べない。これが裁判ですか。小泉と同じではないですか」「そういうことは、お
答えできない」「あんたは、裁判官ですよ。あなたの職業ですよ」「そういうこと
は・・・」と。後は何を言ったか思い出せないのですが、大分興奮していたようで、
弁護士の方から、静止されました。「岩井さん、あなただけは信頼していたのに」と
川口弁護士。ぼくも「ぼくも岩井さんは、信頼していました。あなたは裏切りました
ね」と岩井さんの目をみつめなしたが、終止無言。次の法廷があるとのことで、時間
切れになりました。

今日は、法というものが、崩壊してゆく姿を見る思いでした。法廷指揮もなく、恥も
外聞もなく逃げてゆく裁判官の後ろ姿には、法を司る者の権威も何もなく、哀れな姿
でした。違憲裁判は、負けるに決まっていると耳にしますが、実際に体験してみると
なんとも奇妙なものです。裁判官は、自分を勝ち組と思っているかもしれませんが、
そそくさと逃げて行く裁判官の姿には、勝者の誇りがまるで感じられず、司法の敗
北、司法の自殺行為とうつりました。何の説明もできずに、ひたすら却下といっただ
けで、逃げてゆく裁判官の姿は、今後至るところに顕在化してくるだろう現実の予兆
のような威力を実感しました。ぼくにはなんとも異様で薄気味悪い光景でした。今日
は、たまたま報告会の後ピース・オンの相澤さんの講演を予定していましたので、相
澤さんも一部始終を傍聴していました。相澤の言葉はとても印象的でした。「生まれ
て初めての傍聴でしたが、人間の楯として入ったバクダット侵攻のときに感じたもの
と同じものを感じました。イラクでは沢山の人の死を目撃しましたが、今日は、司法
の死を眼にした思いです。」

ぼくたちの平和運動も、なお一層本気にならないと、とてもこの流れを止めることは
できないと思われました。若い国の代理人の薄笑いは、現代の教育と知のあり方全体
に関わる実に根の深い問題であると感じました。

弁護団は、直ちに「忌避」の手続きをしました。ぼくたちも、直ちにこの状況を覆す
ために有効な対策を練ります。とりあえず、明日までに抗議文を作り、裁判所前で抗
議行動を起こします。どうか皆さんも裁判所に抗議のFAX どんどん流してください。
                                  久松拝
                             
4 毛利が冒頭口頭で30分弁論した準備書面 
     迫真・最高のつもりだったのですが・・・ピエロだったのか!
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平成16年(ワ)第301号
派兵は決定的違憲市民訴訟事件
原  告   小 出 昭一郎 外224名
被  告   国

原告準備書面(14)

2005年7月26日

甲府地方裁判所 民事部合議A係  御 中
原告ら訴訟代理人弁護士  毛  利  正  道

―被告準備書面(1)に対する反論―

第1 前提事実としてのあまりにひどいイラクへの自衛隊派兵の違憲性 
       最新情報を踏まえ
1 2003年3月20日からの対イラク侵略
(1) その理由であった大量破壊兵器の不存在が明確になり、アルカイダとのつな
がりも証明されず(添付別紙@AB―以下、同じ)
(2) イラクでの攻撃による死者
 @民間人24,865名(うち女性・子ども18%)
     「ボディー・カウント」2005年7月19日報告(C)
 Aイラク人39,000名 
     国連ジュネーブ高等国際問題研究所2005年7月11日発表(D)
 Bイラク人128,000名(うち女性と12才以下の子ども55%)
     イラク人道組織理事長ハチム・アル・アルワニ博士が2005年7月11
日に発     
     表(病院・家族からの情報収集)(E)
 C2005年7月16日のタンクローリー自爆テロで98名死亡
     7月8日ロンドン同時テロ死者54名を、この1回だけでオーバー(F)
 D4月末移行政府発足以後2ヶ月で死亡者1200名以上(G)
 Eアメリカ兵1,755名、イギリス兵90名各死亡
(3) イラク参戦への反撃としてのロンドン同時テロ(7月7日・21日)
 @死者54名・負傷者1000名以上(HIJ)
 A「イラクへの参戦が、テロ攻撃の危険性高めた」
   ・チャタム・ハウス(旧称・王立国際問題研究所)2005年7月18日論文
(KL)
   ・イギリス民間世論調査15〜17日実施
      「イラク参戦が今回のテロに責任ある―64%」(M)
 B新たな対欧州へのテロ宣言
     ロンドン同時テロの犯行声明を出した「アブハフス・アルマスリ旅団」名
にて7  
     月16日付で(N)
 Cフランス犯罪学者「対日テロ、現実味ある」
     「イラク戦争の連合国かどうかで選んでいる」(毎日新聞7月24日)
(O)
   ◎対日攻撃宣言
     2004年11月16日 サマワでサドル派幹部言明
       「自衛隊は占領軍、日本も我々の戦いの一部」(P)  
     2004年7月20日 ザルカウイがウェブサイトで公表
       フィリピンにならって自衛隊を撤退させなければ対日テロを」(Q)
(4) イラクの少女から、ロンドンテロに遭ったイギリス国民への手紙
           アルバスラネット 7月8日掲載(R)
 特に次のところに注目して下さい。

「皆さんは(イラクの)幼い少女ハンナン・サリフ・ムトルドの名前を聞いたことが
ありますか? 少年アハマド・ジャビル・カリムとか、サイード・シャブラムという
名前を耳にしましたか?
 そうです、私たちが失った(イラクの)人々にも名前がありました。彼らは1人1
人がそれぞれの顔を持ち、ものがたりを持ち、思い出を持っています。彼らが私たち
といっしょに過ごし、笑い、遊んだ時間がありました。彼らは皆さんがそうであるの
と同じように、夢を持っていました。彼らにを待ち受ける明日がありました。しかし
今日、彼らは目ざめる明日もないまま、私たちの胸のなかで眠っているのです。

(テロで)亡くなられた方の家族には、木曜日の朝ロンドンを襲った爆弾事件の責任
はトニー・ブレアと彼の政策にあるのだと知らせてください。イギリス政府がすすめ
ているイラク国民に対する戦争を止めてください! イギリス軍がかかわっている
日々の殺戮(さつりく)を止めてください! イギリスのイラク占領を終わらせてく
ださい!」

   日本の私たちに突きつけられてもいるようです。

(5)国連憲章にも反する明確なアメリカのイラク侵略戦争が新たな戦争犠牲者の連
鎖を創り出している

2 アメリカの対イラク戦争を支える自衛隊
(1) 米兵や多国籍軍兵をクウェート・イラク間空輸
 @2004年3月3日から本年4月25日までに138回
     その一方、ちまちましたサマワでの活動(防衛庁HP)(S21)
 Aアメリカ兵や連合国軍兵士も輸送(大野防衛庁長官)
     (2005年3月14日参院予算委員会での答弁)(22)
 B「狙われるようなことをしているから不開示」(甲   )(23)
     「輸送(中略)内容が記載されているため、これを公にすることにより
(中略)
    自衛隊の運用要領が明らかになり、我国の安全を害するおそれがあります」
   
    =公表すると攻撃の対象になるということ
 C 主に占領軍兵士を輸送していること明らか
(2) サマワ自衛隊への攻撃
 @ 宿営地に対し11回以上(24)
 A 6月23日には、陸自車両に爆発による被害発生
(3) 「イラク武装勢力にテロ遂行能力あり」
       2005年7月21日米国防省報告書(25)
(4) 19ヶ国が撤兵するなかで居残る自衛隊
   派兵37ヶ国中、撤退予定のない18ヶ国のなかで、員数で6番目(800人)
(26)
(5) サマワ自衛隊を守るオーストラリア兵士
   戦闘能力に疑問があるオーストラリア軍450名を、同国内で70%が反対と

   声を押し切ってまで、自衛隊を守る任務につかせた。(27・28)―そこまでし
て、
   自衛隊がサマワに居残り続けるのは、自衛隊の存在が連合軍を精神面で支え
   る役割があるから―彼らが殺されたら、彼らの家族に誰が謝るのか
(6) 自衛隊派兵によって、イラクの人々の日本人に対する感情は悪くなる一方
(29)
(7) にも拘らず、本年12月15日以降の派兵再延長の動き急
 @7月12日小泉首相、駐留延長を示唆
      「失敗が許されない。日本も世界と協力していく」(30)
 A日米が再延長にらみ協議始めている
     「12月発足予定のイラクの正式政府が望めば、駐留継続可能」と国連安

     理決議を無理に解釈する方向(31)

3 あまりに明白なイラク自衛隊派兵の違憲性(32)
(1) 武装連合軍兵士の空輸は、「武力の行使」(特措法第二条2項で禁止)
  兵士の輸送=後方支援活動が広義の戦争の一部であることは世界の常識。
(2) サマワが戦闘地域であること明らか(特措法第二条3項で禁止)
(3) 政府見解でも違憲となるイラク派兵
  遠い海外で、自衛隊を「戦力」として用いることは9条2項で禁止されている!
(4) イラク特措法自体憲法違反だが、内閣による今回のイラク派兵は、そのイラ

  特措法にも違反している。
4 このような幾重にも違憲なイラク派兵を、裁判所が認めることは、立憲主義の蹂
躙であり、かつ、憲法98条により憲法尊重擁護義務を負う裁判官としての職責・良
心の放棄であり、決して許されない。


第2 本件において「人間の命の安全」という人格権が侵害されていること明らかで
ある。
 1 原告準備書面(3)は「原告自身並びに原告が強い痛みを覚える他者の生命の
安全」が、原告の人格権の内容となるとの趣旨である。
 (1) 原告が、「自身の命が狙われる危険に晒されないこと=安全」を求めるこ
とは、「命は地球より重い」ということからも当然のことであり、国賠法上の保護法
益となること明らかである。
 (2) 四囲の状況のなかで、自衛隊をイラクに派兵すると、イラクの人々の対日
感情を害し、これによって
   @ イラク国内、イラク・日本以外の海外、日本国内で日本人を狙う、
   A 日本国内で米軍基地を狙う、
攻撃、テロの危険が格段に高まることは、十分予想されることであった。にも拘ら
ず、敢えて自衛隊をイラクに派兵させた日本政府である。
 (3) 原告らは、テロによって自身の生命の安全が脅かされていると強い不安を
抱いているのであるから、この状態は、原告の人格権を侵害していることになる。
 (4) 原告の清水俊弘は、日本国際ボランティアセンターの事務局長として、団
体としても、自身としても、イラク国内に入り、文字どおり本物の人道支援活動をな
して来た。そのような者にとっては、自衛隊派兵後、イラクでの対日感情が悪化し、
現に日本人が5名殺害され、5名拘束されている下では、命の覚悟をしなければ、イ
ラクに入国できない。原告清水は、それだけで十分、「自身の命の安全」という人格
権を脅かされている。
 (5) それでは原告の肉親や知人が、イラク、海外、国内で対日本人(米軍基地
も)攻撃に晒されるという原告自身の不安は、原告の人格権の一内容とは言えない
か。例えば、フランスの犯罪学者が「タイなど日本人が多く行く地での対日テロ」を
予測しているが、子どもがタイの観光地で働いている原告が、その予測を聞いて、我
が子の身の安全に強い不安を覚えたという場合がありうる。このような場合に、国賠
法上の保護法益としての人格権の侵害がないと言いきれるか。
 (6) 更に、原告が知人とは言えないイラクの人々が次々に殺害されていくこと
に強い不安と怒り、憤りを抱くことは、原告自身の人格権の一内容とはなりえないの
だろうか。人権の世界化と、メディアの発達によって、イラクの人々の死も、自分の
肉親の死と同等に映像で直接目にすることができる時代状況のなかでは、そのように
言い切ることに強い躊躇を覚える。
(7) 刑法においても、自分とは無関係の第三者の生命や権利・身体・自由・財産
への加害・危難を避けるためになした加害行為を正当防衛・緊急避難として不処罰と
しており、民法においても、民事責任がないと定めている。自分以外の第三者の身の
安全を案ずることに、現代法が決して無関心ではないことを示している。 

(8) そうは言っても、インド洋大地震の如き天災の場合には、このような(5)
(6)の如き他者の人命の安全に痛みを覚えることが、原告自身の人格権として保障
されていると言い切ることには他方の躊躇を覚える。
    我が国は、明治の始めから78年間にわたり、対外膨張政策を掲げて侵略戦
争を続け、内外二千数百万人の人命と数億人の人生を破壊した。その人命軽視ぶりは
なはだしいものであったが、戦後は60年間一転して、国家としては内外一人の人命
も奪わなかった。これは日本国憲法9条の存在が大きかった。この憲法の下では、本
人の生命の安全だけでなく、戦争によって、自己の肉親・知人そしてイラクの人々の
命が危険に晒されることに痛みを覚える日本国民が少なくない。ここが重要である。
 (8) このように見てくると、原告自身と原告が強い痛みを覚える知人とイラク
の人々の命の安全を願い求め、それが戦争やテロ、武力行使によって脅かされること
に現に強い痛みを覚える感情を、憲法9条を持つ我が国では、全体として、国賠法上
保護される人格権の一内容として保障されているということが十分できる。被告が述
べるような、原告主張の人格権の具体的内容が曖昧ということは決してない。そし
て、平和的生存権とは、この意味での人格権を内包をもしている概念というべきであ
る。少なくとも、各証人並びに原告本人の人証調を尽さずして、否定的に判断できる
ほど軽いものではあるまい。

第3 原告らの人格権が現実に侵害されていることも明らか
 1 被告は、答弁書において、国賠法1条1項に基づく損害賠償請求においては、
原告らの国賠法上保護された利益が現実に侵害されたことが必要であり、侵害の危険
性が発生しただけでは足りない、と主張する。
   しかし、この被侵害利益が現実に侵害されたということと、侵害の危険性が発
生したにとどまることは、それほど明確に区別できることなのか。
   それは、保護法益をどうとらえるかによっても異なってくる。人命を保護法益
ととらえれば、人命が奪われない限り、法益侵害が現実に生じたとはいえない。しか
し、「お前の命を奪う」と脅迫することは、脅迫罪に該当する違法行為であるから、
「命を奪う」と脅されないとの期待=命の安全も法によって保護される利益であるこ
と明らかである。
2 最高裁1993年2月25日の厚木基地騒音訴訟判決は、航空機騒音によって、
「家族のなかでいらいらして怒鳴りあってしまうこと」や、「自己の戦争体験に重ね
合わせて精神的苦痛を訴えること」をも、「情緒的被害」のひとつと認定している。
このような恐怖感・不安感に基づく情緒的被害は、大阪国際空港、横田基地、小松基
地などの訴訟においても、騒音被害の一内容として認められている。
  このように、身体的被害でなく、はっきりとした精神的被害とも言いにくいよう
な「単なる情緒的被害」についても、保護法益の現実の侵害ととらえることは、確立
された判例の立場である。
 3 原告らの多くは、まさに自己の戦争体験、あるいは日本国憲法の下で培われた
感受性、更には我が子の成長・将来への不安から、今回のイラク戦争で人命が理不尽
に奪われることに心掻きむしられる痛みを覚えている。これと、基地近隣住民が航空
機騒音から、自己の戦争体験に重ね合わせて、精神的苦痛を訴えることとに質的な差
異があるとは思われない。
 4 しかし、被告は、同じ答弁書において「本件における自衛隊のイラク派遣等そ
れ自体は、原告らに向けられたものでなく、原告らの法的利益を侵害するということ
はおよそあり得ない」と反論している。
   確かに、原告らは、航空機騒音を直接受けている者ではない。しかし、この点
は、原告準備書面(3)において引用したように、自衛官合祀訴訟において、当該原
告に向けられた行為による場合でなくとも、その原告の法的に保護された利益の侵害
になると判断されている。同じく引用した小泉首相の靖国神社参拝慰謝料請求福岡地
裁判決においては、より明確に、原告に向けられた行為でなくとも、原告の保護法益
を侵害することがあり得ることを認めている。
 5 翻ってみるに、そもそもこの自衛隊のイラク派兵は、ほとんど常に過半数が反
対している国民の意思に逆らうように決定・遂行されている。だからこそ、現在、全
国11の裁判所で、すべての都道府県に住む5400名以上の原告が立ち上がって、
イラク派兵差止の訴訟が行われているのである。例えば厚木基地騒音訴訟最高裁判決
は、多くの住民が被害を受けたと立ち上がっている事実を重視している。さきほど述
べた情緒的被害自体も、たった1人の訴えでは到底認められることなく、多くの住民
が我も我もと立ち上がっていること自体が、被害認定の裏付けとなっているのであろ
う。
   このようにみれば、イラク派兵は、まさに、日本国憲法とその精神を大切にし
たいと心から願う日本国民に対して銃口を向けることと質的に変わらない、直接的攻
撃性を有しているといえる。
 6 以上のとおり、自衛隊のイラク派兵という決定的違憲行為により、原告らの日
本国憲法に裏打ちされた「自己と他者の命の安全を戦争や武力行使によって脅かされ
ない権利」が現実に侵害されていること明らかである。

第4 現段階で特に留意して欲しい点
 1 第1点
   本件は、イラク特措法の制定のみを対象としているのではなく、その法律にさ
え反して、イラクに派兵した自衛隊に武力行使をさせ、戦斗地域で行動させるとい
う、自衛隊を憲法9条2項で禁止されている戦力として用いている日本政府の政策決
定を直接的には対象としているのである。「国会が決めた法律だから・・・」責めを免
れるというものでは決してない。
 2 第2点
   本件原告中、とりわけ、清水俊弘は、自衛隊のイラク派兵によって、自身のイ
ラク国内での人道支援ボランティア活動が大きく阻害されているのであり、自己の良
心に基づく活動が侵害されている者として慰謝料請求が認められるべきである。他の
原告についての保護法益とその侵害性の判断とは別に判断されなければならない。
 3 第3点
   貴庁において仮に、イラク派兵が立法府が決めた法律に基づくものであるが故
に、これを尊重したいとの発想があるのであれば、それは誤りである。一連の米軍基
地騒音訴訟においても、日米安保条約や日米地位協定という国会で定めた法令によっ
て作出された事態に対して、多数の住民に損害賠償を認めている。国会で決めたとい
うことを理由に、精神的被害を甘受せよとは言えないのである。少なくとも、こと損
害賠償については、このような配慮を一切すべきではない。
   しかし、本件においては、差止も求めているのであるから、貴庁にこのような
「立法裁量論的発想」があり、それによって、原告の申請証人を採用することに消極
的ということであれば、我々としては、次回までに、この点について十分主張を尽し
たい。今回採用する証人以外については、当面採否を留保のうえ、その原告の弁論を
聞いてから判断していただきたい。
 4 第4点
   原告は述べる。
  ― 裁判官、今違憲審査権を発動しなくていつ発動するのでしょうか。それと
も、憲法81条は、単なる絵に描いた餅なのでしょうか。裁判官、私たちは、今人類
史的にも未曾有の危機の時代を生きています。いまこそ、法の力によってこの侵略戦
争を止めさせる時です。第9条は、このときのために用意されたのです。―久松重光
  ― 裁判官、私たちは、勇気を持って行動する必要があります。歴史に残る判決
をして下さい。私は2001年5月、熊本地方裁判所が出したハンセン病裁判の判決
を決して忘れません。あの判決は、日本中の人々の魂に届いた名判決でした。―川田
悦子
  ― 裁判官、お願いします。世界中の人々に、加害者にも被害者にもならずに生
きる権利を与えてください。痛めつけ、傷つけ合うばかりが人間でないということ
を、日本の若い世代に教えてください。―田中真理
  ― 裁判官の皆様、どうぞ今国がしていることとしっかり向き合い、私たちと一
緒に考えて下さい。司法への信頼はとみに失われています。今もう一度司法の立場を
固め、その権威と力を私どもの前に示してください。私たちは、まだ司法への信頼と
希望をもってこの訴訟をおこしました。私たちのこの信頼と希望に応えて下さること
を心からお願いします。―川隅裕子

   今や、日本と世界の人々を救えるのは、日本国憲法によって司法権を与えら
れ、かつ、憲法尊重擁護義務を負う希有な存在であるあなた方、裁判官である。
   新堀亮一、倉地康弘、岩井一真の各裁判官、あなた方の良心を信じさせて欲し
い。聞く耳を持ち、すべての原告申請証人を採用していただきたい。 (大きな拍
手)

5 原告久松重光の法廷での口頭意見陳述
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9.11事件以来、私たちは、次々に起こる事件と混乱のなかで、残念ながらとても
疑り深くなってしまいました。先日もロンドンで、同時爆破テロがおきてしまいまし
た。その真犯人や動機については、現地でも色々問いただされています。しかし真犯
人が誰で、どんな意図があるにせよ、健全な推論能力を有する者ならば、このロンド
ンでの「テロ」と米英による侵略戦争がまったく無関係に起きたと考える者などいな
い、と思います。7月19日には、イギリスの王立国際問題研究所も、イギリスのイ
ラク戦争参戦がロンドンの同時爆破テロを招いたとする報告書を発表しています。で
すから、何時までも「自衛隊は貴方たちに向けられたのではない」などと寝ぼけたこ
とをいっている場合ではありません。
また最近では、サマワに駐留している自衛隊が、いわゆる抵抗勢力(この名称が正し
いかどうかわかりませんが)によって攻撃を受けていることが、ようやく日本の新聞
にも載るようになりました。これは、私たちが、予想していたことでした。また昨日
7月25日には、サマワの商店街にある日本友好協会の会長が経営する宝飾店が、襲
撃されるという事件がおきてしまいました。政府のついている嘘が、次々と白日に下
に晒されてきています。小泉首相は、「自衛隊が、行くところが非戦闘地域である」
などと放言していましたが、最近では、大野防衛庁長官は、「何がおきてもおかしく
ない」などと無責任なことをいっています。こうした一連の政府の答弁は、そもそも
司法というものを侮辱した発言ではないでしょうか。こうした政府の答弁を許すこと
は、無法を許すことになります。それでいいのでしょうか。
 何が真で何が偽であるか、容易に見通せない混乱した情況ではありますが、もう一
度、二つの原点に立ち返って審議していただきたいと、私たち原告は、心からお願い
します。そのひとつの原点とは、米当局者自ら、大量破壊兵器はなかったことを認め
ているように、こうした状況を作り出したその発端であるこのイラク戦争の大義その
ものが、崩壊しています。大量破壊兵器がなかったという事実を前提に、このイラク
戦争を考えたならば、それは侵略戦争以外のなにものでもないということが明らかに
なります。皮肉にも英米主導でナチス・ドイツの罪を断罪したニュルンベルグ裁判の
判決文には、次のように記されています。「戦争は本質的に邪悪なものである。その
影響は、交戦国の間にだけ留まらず全世界に及ぶ。よって侵略戦争を遂行すること
は、単なる国際犯罪ではなく、究極の国際犯罪となる。あらゆる犯罪を引き起こす侵
略戦争は、すべての悪を内包するという点で、他の戦争犯罪と隔絶している。」どう
かこのような侵略戦争に加担することを、日本国憲法が許しているのかどうか、判断
をお示しください。

そしてもうひとつの原点は、原告が提出している諸々の証拠が示しますように、この
戦争で行なわれている諸事実を、心の眼を持って精査されれば、イラクの人々の慟哭
の響きと共に、日本国憲法が示す「法」の精神が、再び立ち現れてくるはずです。7
月11日のマフカラット・アル・イスラーム紙の報道によれば、バグダッドにあるイ
ラクの人道組織の理事長ハチム・アル・アルワニ博士が、2003年3月に始まった
米国のイラク侵攻以降に殺害された人の数は12万8000人に達し、死亡者のうち
55%が女性と12歳以下の子どもであったと述べています。世界は、こんな無法な
侵略を決して許してはならないのです。ましてや、「全世界の国民が、ひとしく恐怖
と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利と有することを」確認している国の民
が、どうしてこれを許すことができるでしょうか。
世界を見廻せば、人々が平和的に生きる権利が具体的に脅かされ、今日ほどこの権利
の確立が切望されている時代はありません。そうした状況ですのに、「世界の人々が
平和に生きる権利を確認した」と宣言した憲法をもちながら、こうした侵略戦争を詭
弁を弄し、唯々諾々と支持し続ける国とそれを黙認する国民は、そうした憲法を持た
ぬ国の政府や国民よりなお一層罪深い、と思います。日本政府のこの態度は、近い将
来、必ずや世界から厳しい批判の目に晒されることになろう、と思います。日本国憲
法は、日々何の理由もなく殺されてゆく諸国民の苦悩に耳を澄まし、こうした侵略行
為に対して全力で反対せよ、と私たちに呼びかけます。米英そして日本政府は、「テ
ロとの闘い」を喧伝していますが、本当の闘いは、戦争を違法化しようと先賢が営々
と築きあげてきた「法」と無法との闘いです。

この侵略にいたった真相が、徐々に明らかになると共に、この戦争に反対しイラクか
らの撤兵を要求する世界世論は、ますます高まっています。先の大量破壊兵器がな
かったという事実とも関係しますが、2005年5月1日には、英国のサンデー・タ
イムズ紙上で、2002年7月23日にブレア政権内でイラク戦争開戦について内密に会議
が行われた際、英情報部(MI-6)長官が「(イラク侵攻のために)ブッシュ政権は情
報を仕込んでいる」と明確に語っている、英国政府機密文書が掲載されました。米国
においても6月7日には、元CIA長官のジョン・M・ドイチでさえ、アメリカ軍をで
きるだけ早く撤退させることを求め、また6月20日に発表されたCNN、USAツデー、
ギャラップの合同世論調査によると、アメリカ国民の6割がイラク戦争に反対であ
り、テロとの戦争に不満を抱く者の数も大きくなりつつある、と報じています。そし
て日本においても自衛隊のイラク撤退を求める声は、決して少数のものの声ではあり
ません。JNNの調査でも、撤退すべきという人が、83%に上っています。

ですから裁判官、こうした世界の声を背後に感じつつ、どうか事柄の中に入って、事
実を精査してください。そのために私たちは、人証尋問を要求しています。これは、
自衛隊のイラク派兵がどんな広がりと深刻さを孕んでいるかを、各分野の専門家の
方々の見識を通して、リアルに認識してもらうためのものです。証人全員の採用を求
めます。自衛隊が、非戦闘地域で、「人道復興支援」をしているなら、どうして先ほ
どのサマワの日本友好協会会長の商店が、襲撃されたりするのでしょうか。自衛隊を
戦場に出していると言うこれまでに前例のない状況では、過去の判例に頼ることはで
きないはずです。実質審理が是非とも必要です。実質審理をするなかで、イラクとい
う戦場の本当の姿も浮かび上がってくると思います。そしてこの戦争の狂気に加担す
るということの真の恐ろしさも分ってくると思います。

この裁判は、決してこの小さな山梨での裁判ではありません。2000万人もの犠牲
を強いられた近隣のアジアの人々もそして今戦争の惨禍に苦しんでいる中東の人々
も、この裁判を注視しているはずです。司法を、民衆にとって身近かなものにしたい
というのが単なるスローガンでないなら、今が絶好のチャンスです。世界の平和を愛
する人々と手を携えて、この平和憲法を世界に向かって高らかに、発信する絶好の機
会を裁判官は、手にしているのです。どうか日本国憲法の精神に則り、日本の失われ
た名誉を回復してください。これが、わたしたち原告からの切なるお願いです。
                        





弁護士会声明

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札幌弁護士会
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自衛隊のイラク派遣延長に反対する会長声明

2004年12月8日
札幌弁護士会
会長 藤田 美津夫

 政府は、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(以下「イラク特措法」という)に基づく基本計画で定めた自衛隊の派遣期間が2004年12月14日で満了する事態を受けて、基本計画を変更し派遣期間を1年間延長しようとしている。

 当会は、昨年7月24日、審議中のイラク特措法案の成立に強く反対する会長声明を発表し、同年12月1日には自衛隊のイラク派兵は,イラク特措法が定める派遣先の「非戦闘地域」の要件を満たしていないものであるとして反対するとともに,基本計画を閣議決定しないことを求める会長声明を発表した。本年1月14日には、自衛隊をイラクに派遣することに反対するとともに,その中止を強く求める会長声明を行った。

 当会のこれらの一連の声明は、イラク特措法が、国際紛争を解決するための武力行使及び他国領土における武力行使を禁じた日本国憲法に反するおそれが極めて大きいこと、イラクへの自衛隊派遣がイラク特措法の要件を満たしていないことを大きな理由とするものである。

 イラクの今日の治安状況は、北部クルド地区を除く全土への非常事態宣言の発令及びファルージャ等における激しい戦闘等に見られるように悪化の一途をたどっている。特に、本年10月末にはついに自衛隊宿営地に砲弾が打ち込まれるに至ったことや、来年3月には自衛隊宿営地のあるサマワの治安維持にあたっていたオランダ軍が撤退する予定であることなどから、自衛隊が戦闘に巻き込まれて,いつ犠牲者が出ても不思議ではない危険な状況にある。これらは,もはや自衛隊の派遣が,「非戦闘地域における人道支援」という要件を満たしていないことを明確に示している。

 基本計画に定めた派遣期間の満了は、慎重に状況を検討し、従前の政府判断を見直す好機である。当会は、この機会に政府が自衛隊派遣期間の延長を行わず、自衛隊をイラクから撤退する決断を行うよう改めて強く求めるものである。

広島弁護士会
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               会 長 声 明

           自衛隊のイラク派遣延長に反対する

 政府は、イラク特措法に基づく基本計画で定めた自衛隊の派遣期間が
2004年12月14日で満了する事態を受けて、基本計画を変更し派遣期間
を1年延長しようとしている。
 当会は、2004年2月13日自衛隊のイラク派遣に反対し、「イラク派遣
に強く反対し、既に派遣した自衛隊員のすみやかな撤収を求め、今後の派遣を
しない」ことを求める会長声明を発表した。さらに、2004年10月22日
中国地方5弁護士会で構成する中国弁護士会連合会大会において、イラク特措
法の廃止を求める大会決議を採択した。
 これらの声明・決議は、米・英両国によるイラク攻撃とその後の暫定統治は
国際法に違反している疑いがあること、イラク特措法は憲法第9条に違反して
いる疑いが大きいこと、イラクの現状がイラク特措法による自衛隊派遣の要件
である非戦闘地域に該当せず、自衛隊派遣は同法に違反すること等を理由とす
るものである。
 イラクの現状は、北部クルド地区を除く全土に非常事態宣言が発令され、
ファルージャ等での激しい戦闘などに見られるように悪化の一途をたどってい
る。特に、本年10月末には自衛隊宿営地に砲弾が撃ち込まれるに至ったこと
や、来年3月には自衛隊宿営地のあるサマワの治安維持に当たっているオラン
ダ軍が撤退する予定であることなどから、自衛隊が戦闘に巻き込まれて武力の
行使に至る危険性が高まっているといわなければならない。
 イラクでの戦闘の激化と治安悪化および派遣国内の反対世論のため、スペイ
ン、フィリッピン、ニュージーランド、タイ、など8カ国が派遣部隊を撤退さ
せ、オランダ、ウクライナ、ハンガリーなど8カ国が近い将来の撤退を決め又
は撤退を検討している。これらを除く派遣国は我が国を含めて22カ国に減少
している。
 イラク特措法にもとづく基本計画に定めた派遣期間の満了は、この機会に状
況を慎重に検討し、従前の政府判断を見直す好機である。当会は、この機会に
政府が自衛隊派遣期間の延長を行わず、自衛隊をイラクから撤退させる決断を
行うよう改めて強く求めるものである。
             2004年12月8日
                広島弁護士会
                  会 長 津 村 健 太 郎