<いきいき介護セミナー2004> 平成16年9月5日(日)
「制度がわかれば、ケアは楽しくなる」
山田 尋志先生(高齢者福祉総合施設ももや施設長)
制度が変わっても、皆様方の仕事は変わらない。とりあえず、自分の目の前でかかわるケアに一生懸命おやりになっているというのが実情です。しかし、これだけ制度が変わると、特に2000年に介護保険が始まってから大変な変化です。自分たちが何を求められているのか。社会が、私たちにどういう役割を求めているのか。しっかり把握して自分の仕事を見直していかなければならない。しかし、現場にいると情報が入りにくい。
今日は、制度のこととユニットケアのことをお話します。ユニットケアも新しいもの現場が作ってきたもの。時代の流れにピッタリということで、厚生労働省が現場の制度をいち早く取り入れたもので、国が押し付けているのではない。ユニットケアという制度上の言葉や法律に惑わされずに、何を目指そうとしているのかをしっかりと理解しないといけないと思います。今の制度の動きは、介護の方法とか目的とか本質そのものを変えようとしている制度改革です。制度とユニットケアは、同じことを言っているという部分はかなりある。ただし、ユニットケアというものは、ケアの方法を根本的に変えようとしている。制度は限界が多い。全国画一にしたとたんに、質の部分がどっかに行ってしまう。制度は所詮制度にすぎない。
かなり遅れてやってくる。ケアの方法そのものは、我々がこれから作っていくもの、我々が制度を変えていこうと現場のものは考えたほうが良い。なぜユニットケアが誕生したのか。それがどうして制度に影響を与えつつあるのか。現場の我々にどういう影響があるのかを考えながら制度の話を進めていきます。
T.制度の変遷
1. 戦後の高齢者介護に関する変遷
(1) 生活保護法にもとづく施設
(2) 老人福祉法にもとづく施設
1963年に老人福祉法ができて養老院という名前が消えた。名前が、養護老人ホームにかわった。生活保護の養老施設は、養護老人ホームになり、500箇所くらいあった。法律も生活保護法から老人福祉法に変わった。養護老人ホームだけでは無理なので、特別養護老人ホームが制度として作った。養護老人ホームが基本。その後養護老人ホームは950箇所になった。うち盲養護が50、特別養護老人ホームは当時ゼロ(制度ができたばっかりで)だったのが、5000施設あります。すっかり社会的認知度とニーズが変わった。
(3) 在宅サービスの登場
1985年に在宅サービスが日本に登場した。
(4) 高齢者本人への支援
2000年に介護保険が登場した(家族支援→本人支援)
2. 介護保険法の施行と社会福祉基礎構造改革
(1) 基礎構造とは :基礎構造は4つ変わった。1理念、2サービス提供の仕組み、3行政システム、
4財政システム
(2) 理念の転換 :3つある。1自立支援、2本人の尊厳、3本人の選択
U.高齢者介護のこれまで
1.施設の役割と時代背景 高齢感が介護保険を境に劇的に変わってきた。尊厳のある高齢期を過ごしたい。厄介者で終わるのは嫌だ。高齢者が増えますし、自己主張する時代。自分の問題として高齢者を見る。ただ、厄介なのは、元気な高齢者は、自分を高齢者と見ていない。高齢者は年とともに変化していく。仕事につけない高齢者や世話にならないと暮らしていけない高齢者は、元気な人から見ると、ああなりたくないと他人事と思っている。
社会・家族・高齢者の意識や規範の変化
↓
制度の変遷その背景にある高齢者観
↓
1985年からの動き(生活モデルの曙、グループホーム等と特養での新たな実践)
↓在宅サービスが登場するのと重なっている。スウェーデン情報が流れ込んだ。学生教育も変わった
施設を見てスェーデンと比べ、ひどいじゃないかといわれるが、現場はすぐに変われない
施設の新たな課題(ユニット化・重度化・地域展開)
2、 QOLの考え方の変遷 :Lifeが、命から生活に変わっている。個人浴槽の時代、リラクゼーションの時代である。大分県でオムツを随時交換しようといったら袋叩きされたが、今では当たり前。あらゆる場面で生活の質が変わってきた。また、ライフは人生に変わってきている。最後を大事に。乙武君が変えてきた。彼のインパクトが強かった。人生に着目するようになった。
3. 「住居」と「ケア」の分離、そして小規模化の動き :板とかまぼこがくっついている。ケアと住居がくっついている。新しい居住型のサービス底にケアがあった。個室化となっている。2000年以降住居とケアは分離する。個室化、ホテルコスト、家賃となる。負担
(1)自宅と施設、2つのカテゴリー:厚生労働省が第3類型ということを言っている。国が介護施設を何ベッド作るかというときに、高齢者人口の3,2パーセントに介護施設を作ると言っている。グループホームとか特定施設を0,3パーセント作る。あわせて3,5パーセント。滋賀県もその基準で算出している。地域によって差はあるが。 介護施設だけで70万人住んでいる。自宅でもない施設でもないという居住型サービスは5パーセントある
(2)第3類型とは:介護の一部(ユニットケア)から有料老人ホーム・グループホーム・シルバーハウジング・ケア付住宅4.1985年からの経過:暮らし方に大きな変化、税金を使って居住サービスが出てきたこの年がターニングポイント
1985 わが国で在宅サービスの必要性が宣言され、デイサービス、ショートステイなどが、本格的に始まる
1990 「クリッパンの老人達−スウエーデンの高齢者ケア」外山義著 出版
〜94 全国9箇所ほどで、グループホームが立ち上げられる:4箇所見て歩いた。秋田県の稲村病院がやっている『もみの木』で衝撃を受けた。精神病院が同じ敷地の中に家を建ててグループホームにしている。たしか8人くらいでした。精神病院から移している。精神病院にいた頃と比べている。不潔行為、不穏、俳諧とかひどい状態が映っているが目の前にいる人が買い物に行ったりしている。特養はダメと思った。
1997 ○グループホーム制度化 :ゴールドプランが始まっているが、寝たきりモデル、痴呆のことを国が意識始めた。
○ユニットケア試行。いくつかの試行錯誤始まる
○健光園でもグループケア、詰所の解放等始まる
1998 (ももやま設計)
2000 完全個室ユニット型施設「風の村」(外山義設計)オープン。
(ももやまオープン)
2001 厚生労働省 小規模生活単位型(個室ユニット型)特養制度化の方針
2002 この年に着工する特養から小規模生活単位型が主流
2003 わが国に初めて、小規模生活単位型特養がオープン(既に数箇所、旧基準の下で、完全個室ユニット型特養存在。風の村など。ももやまは4人部屋中心の準新型)
稲村病院が参考になった。このときグループホームが衝撃を与えた。ユニットケアは寝たきりモデル。要介護認定は身体障害モデル。詰め所をなくしグループに開放。2000年までは量を増やす質ではない。ユニットケアは、ももやまはあやめの里のようなことはない。
ソフトのことは私、ハードは外山、制度は山崎氏が講義した。
V.ユニットケアとは何か
―――【現状、これからの見通し、そして「なぜユニットケアなのか」】(3/29シンポより)
1. 特養は5000施設、35万人、最大の介護施設。
2. 80年代から宅老所・グループホームにおけるケアが、自らの生活様式・生活習慣・社会関係などが可能な限り継続できる可能性を示す
3. 特養現場から、その方法を施設に取り入れる動き、90年代半ばからユニットケアの試行福島県の武田さん。90年代末に個室ユニット型が登場
4. 個室の是非、ホテルコストの是非、などを巡って検討2002年度から新たに整備する施設はユニットケアが基本(2002:84箇所、2003:225箇所)、2003年に関係省令など完全な制度化
○「ユニットケアのあり方と職員研修カリキュラムに関する研究」
5. 平成15年度と同数の整備であれば、2015年に全体の3割(従来35万、ユニット17万)がユニット。既存施設のユニット化が重要な課題。7割にしたがっている既存施設をユニット型に
○「既存特養でのユニットケア導入のための改修モデルに関する調査研究」中間報告
→平成16年度、「個室的多床室」「サテライト」
6. 改めて、なぜ、ユニットケアなのか?
提供側中心−→利用者中心 介護中心―→生活中心 与える介護―→支える介護
―――【ユニット管理者、リーダー研修から】(3/29シンポより)実際に最初から始めることでどうしているかを話していただいた以下が結果
1. 管理者:車椅子、施設体験
2. リーダー;食事つくり?・・・職員が少なく・・・、外出支援どこまで、どうしていいか分らない、など孤立感が強い場合が多い
→ 言葉だけの先行が目立つ。「〜ねばならない」にこだわり、その内容の理解に課題のあるケースなど。
→ ケアの組み立て方が分らないケース、組織の組み立てがうまく行っていないケース、以上の報告であった
3. リーダーになるのがいやだったが、研修を受けてやってみたいと思うようになったという声。目標を職員で共有して、前へ進むことが楽しみになった。
4. モチベーションをどのようにして高めるか。知識、考える、個別の工夫が生きるシステムつくりを。
5. 言葉で伝え合うこと、技術をぶつけ合うこと、それらを通してチームケアの仲間つくりを。内外で仲間に出会うことの大切さ
―――【新型の実践施設から】(3/29シンポより)仙台で、街からやってくれといわれ・・・
1. 町からやってほしいと話あり、県行政も積極的で担当職員の理念がしっかりしていた。
2. 職員からは、「おむつ交換はどのユニットから始まりどこで終わるの?」の声。
3. ホテルコストの徴収。人件費率高くすれすれの運営
4. 理事会が、7〜6時までどのユニットにも2人置くことなど、職員配置をサービスの側から考えて決意。それが施設長の仕事ではないか。
5. 職員から、こういうケアをしたい、自分が入りたい施設とは、選ばれる施設とは、などの声が出始めた。それを実現していくこと。
―――【既存施設で、小グループケアを実践している施設から】(3/29シンポより)
1. 平成12年に関心を持ち、日曜日をユニットケアの日に設定するなどの試行をするが失敗。何のためにユニットケアかが、共有されていなかった。楽しくない。それで自然消滅。その経験から、職員の中に呑み込まれてしまっている気持を吐き出すことが必要と感じた。
2. ユニットケア、サテライトケア研究会を作り、地域ぐるみで取り組んだ。1施設だけでは乗り越えられない。
3.ユニットの4大条件は
@居住環境 ――3つの生活単位へ、空間を小規模に仕切る、ユニットごとに共同リビング・食堂を、家庭的な雰囲気と居場所作り(行列、長い廊下)、環境がケアを変える、
Aスーパーバイズ ――必要性、人数=2人、方法
B暮しと心に寄り添うケア ――職員主体の日課廃止、記録方法(記録の看護介護統合)・場所の変更、ゆとりの時間の重視、
Cスタッフシフトの整備 ――ユニットに専属配置、2.9→2.6(導入時)
→2.3、完全3交代、看護と介護の業務統合
―――【建築家の見たユニットケア】(3/29シンポより)井上由紀子さん、特養の広さは・・・
1. 設計者と施設の共同作業が重要だが、制度化されてからそれが失われていった。 設計者もチームに加えてほしい。設計士が知っていると思ってないか。一緒に考えてほしい
2. リビング独立性6パターン
3. ユニットの独立性と職員配置。
4. 建築作品としてよいものと、生活空間が快適なことは一致しない
5. あの入居者のために → 個別からユニバーサルへ。
6. ADL重度化とその人らしさ。広い施設が気になる広すぎる職員も大変。今後ますます重度化する
―――【ももやまのユニットケア】京都市伏見区は19万人で、大きな町です。住宅地にあり地域とのかかわりが盛ん
1. 導入までの経過
(1) 養護老人ホーム('49〜)
(2) ケア付き住宅('83〜)
(3) グループホームの影響('94)
(4) 24時間ホームヘルプサービス('96〜)体位変換のためにとか大変、ケアワーカーの違い 先輩に見て成長するなぁと思った。ヘルパーさんはできない。施設から異動したりしたひとはむつかしい。問題を共有できる場所がない。ストレスマネージメントが必要。
→ それらからの既存特養での改革('90〜)
2. ももやまのユニットケアの実際
(1) コンセプト
(2) 事業概要:特養80、ショート20、通所介護40、訪問介護、居宅介護支援、在宅介護支援センター、配食サービス、児童館がある。京都には、たくさん医療施設があり、福祉もやっている。また京都福祉サービスがあり(京都市が全額出資している)ももやまの近くに南部事務所が有り、280名のホームヘルパーがいる。顧客数は800名といった巨大な事務所がある。最初から辞めようと思ったが、質で勝負しようと思った。児童館が特徴的
(3) 入居者の住まい方:各ユニットにお風呂がある。玄関入った所に喫茶コーナー、ここに総合相談センター
レストランでは、近隣の一人暮らしの人が、食べに来てくれている。児童館の親子連れも食べに来てくれる。
ボランティアさんによる喫茶は、11時開店、3時閉店、ご近所の関係も持ちたい。横町一丁目、二丁目、中町一丁目二丁目・・・・となっている。街単位で夜勤する。夜勤は2ユニットで1人、84名中80名が個人浴4人だけが座位を取れない。特定の1ユニットに重い痴呆、前頭葉症候群等の人が入っていて、他は混合である。
4. ユニットケアの実践成果 :家族のかかわりが増えた。家族がこられても同じ職員がいて、相談しやすい
最後は家族の下で過ごしたい。介護は我々が担当する。住環境がケアをする。三好氏は個室を嫌っている、お年寄りがさびしい放置、虐待につながるのではないか。お年寄りが事故を発見してくれた
―――【ユニットケアのこれから】
1.小規模生活単位型(個室・ユニットケア)が法制化したことと、外山理論
(1) 寂しい⇒データで多床室の幻想を論証
(2) 放置、虐待⇒ユニットで解消
(3) 事故の発見⇒職員が発見の事実:事故の発見はほとんどが職員
2.小規模生活単位型(個室・ユニットケア)のキーワード
(1) 居住空間(個室、住居のしつらえ)
(2) 小規模グループ
(3) 介護単位、管理単位から生活単位へ
(4) 生活の継続性
(5) 専属スタッフ
(6) 専門作業から万能作業(ユニバーサルスタッフ)
3.ケア概念の3段階の拡大
(1) 医療モデルから生活モデル:急性期の医療モデル、特徴は、完治を目指す、短期間で治す、その間は管理する、人より疾病を見る。今までは施設も医療モデルだったのか。生活モデルは、治らない、死ぬまで続く、管理しない、疾病障害を見るのではなく、人を診る
(2) 時間を共にする(受け手と提供者の関係性)
(3) コミュニティに拓かれていく
4.それでも施設には入りたくない
@ 「入り口はその人らしさ出口は地域」お年より一人一人に出会える
A 地域の中にその人らしさがある――お味噌汁を一緒に作る、ご飯を作る・・・しかし・・・。逆デイサービスの試み滋賀県でも多い民家を借りて地域の環境にもどると変わる
B 「息子は入りたくないと言うでしょう。私も入りたくない」(23歳の知的障害の息子さんをもつ山田晴子さん)私は知的障害しか知らない。地域で暮らす、どうゆうところで生活したいのかこれがユニットケアの特徴。どこで暮らしても快適に過ごし続けたい。ユニットケアが目的ではない。求めらているのはユニットケアではない
5.一方で施設待機者が増え続ける現実
6.求められているのは住まいと介護
痴呆専門のデイサービス(いいかもん町) デイと宿泊は府が認めない地域の中にユニットケア施設も選択肢の一つでよいと思う施設を求めているのではなく、さー
W.制度の方向 介護保険制度が変わりそうである。平成16年度の予算時に谷垣財務大臣が出している
日本の国は破綻しかけている減免制度については、所得だけではなく資産まで評価しようとしている。国が言ったとおりというのは変わってきている
1.財政制度審議会「平成16年度予算の編成等に関する建議」
・ 一般歳出の4割を占める社会保障関係費の増大に対して、この給付の伸びを抑制することを「最重要課題」としている
・ 「現行の制度、給付水準、単価などを前提とした社会保障関係の自然増を放置することは許されず、年金をはじめ医療・介護・その他の分野の制度改革や給付・コストの引き下げを行い、削減を図ることが必要」とした
・ 介護保険制度については、2002年度時点で5兆円、2025年には20兆円(国民所得に占める負担割合は3.5倍に増加)となり、「利用者の自己負担を2〜3割に引き上げ、コスト意識を喚起することが必要」と明記
・ さらに、施設のホテルコスト・食費を給付対象からはずす、負担軽減を行う対象者を資産も含めた低所得で低資産の者に限定する、保険者機能の強化とセットで給付と負担の保険者責任を徹底するよう求める(総額管理あるいは伸び率管理方式、介護保険事業計画値の超過分の供給調整など)。
* 厚生労働省による国庫補助負担金見直し案:介護保険事務費、生活保護費などの一般財源化と、大幅な補助金の廃止・縮減
* 国の動向に大きく影響されながらも、それぞれの地域モデルが重要になる
@ 例えば京都市が16年度から在宅介護支援センターへの補助金をカットする意味、小規模多機能研究費を300万円つける意味など。
A 軽費・ケアハウスが16年度から一般財源化され、養護老人ホームも見通しが不明確。自治体の決定で、事業内容や財源の配分が変わっていく時代になる
2.介護を取り巻く状況
(1)昨年、将来ビジョン「2015年の高齢者介護」が出たことの意味:これを知っているのが当然
(2)介護保険制度の見直し作業が進んでいる
(3)介護の考え方が大転換し始めている
・新たな介護の専門性を具体的に確立する必要性
医学的モデル → 生活モデル
共依存型社会 → 協働型社会
与える福祉 → エンパワメント指向の福祉
課題解決アプローチ → ストレングスモデル
(4)介護を魅力のある職種に ――特に介護職
・介護職がキャリアアップしていく仕組みの必要性
3.高齢者介護研究会報告「2015年の高齢者介護」パワー2015年団塊の世代が65歳になる年であるゴールドプラン21 次にポスト21 6月に結果を出した。ここにほとんどが入っている
(1)はじめに
○ わが国高齢者介護と'63老人福祉法。時代の要請。
○ '00介護保険制度で、高齢者介護のあり方が大きく変容
○ 2015年までに実現すべきことを念頭に求められる高齢者介護の姿を
○ 「高齢者の尊厳を支えるケア」の実現を基本に
○ 介護保険制度を持続可能なものに
○ 自助・共助・公助の適切な組み合わせが国民的課題
(2)高齢者介護の課題
@ 介護保険施行後の高齢者介護の課題;要介護の改善例はない。在宅サービスが伸びない、人材育成
○ 要介護認定者の増加、軽度の者の増加――地域格差、予防給付の有効性等
○ 在宅サービスの脆弱性――特養希望急増、重度者の半数が施設入所
○ 居住型サービスの伸び――特定施設利用増加
○ 施設サービスの個別ケアへの取り組み――ユニットケアの拡大
○ ケアマネジメントの現状――アセスメントなどの実施に課題
○ 求められている痴呆高齢者ケア――ケアの標準化、方法論の確立に時間が
○ 介護サービスの現状――選択情報、従事者の質向上、人材育成、劣悪業者
Aあるべき姿の実現
B実現に向けての実施期間
(3)尊厳を支えるケアの確立への方策:リハ研究会では、廃用性についてもリハビリを 介護までに食い止める
@介護予防・リハビリテーションの充実
○ 介護予防を進める視点――参加、助け合いの仕組み、広い概念で
○ リハビリテーションの意義――名誉の回復、潜在・活動能力を引き出す
○ 介護予防・リハの現状――正しい理解、サービスメニュ、医療と介護のリハの一体的提供
○ 具体的方法――要支援、軽度要介護者への給付にリハの視点など
○ 介護サービスの提供――リハビリ前置
A生活の継続性を維持するための新しい介護サービス体系生活圏域で自己完結型
ア. 在宅で365日・24時間の安心を提供――小規模多機能サービス拠点自宅の近くに多機能居住型施設自宅を支える
イ. 「新しい住まい」――第三類型、住み替え
ウ. 在宅を支える施設の新たな役割――サテライト、ユニット、3施設、負担
エ. 地域包括システムの確立――ケアマネジメントの適切な実施と質の向上:入り口から
B新しいケアモデルの確立:痴呆性高齢者ケア今からは面を作っていく今までは、点を作ってきた
○ 痴呆性高齢者ケアの確立――ケアモデル全体を新たな次元へ進展、要介護高齢者の半数が痴呆
○ 痴呆性高齢者を取りまく状況――GHという形で漸く始まったばかり、家族の混乱、本人の尊厳が損なわれている
○ 痴呆性高齢者の特性とケアの基本――本人の尊厳、日常の生活圏域を基本としたサービス体系整備、個別状況に応じたサービスのあり方から不安解消、負担軽減
○ 痴呆性高齢者ケアの普遍化――環境重視と本人主体のアプローチ、小規模な居住空間・なじみの関係・家庭的雰囲気・住み慣れた地域などはGH以外でも展開必要
○ 地域での早期発見、支援の仕組み――医療、介護、住民全体そしてネットワーク
Cサービスの質の確保と向上:痴呆モデルに変えていく
○ 高齢者による選択――多様な事業者、十分な情報、
○ サービスに関する情報と評価――介護サービスの「自立支援の効果」評価尺度は研究段階で情報が存在しない=その確立が求められる、GHへの外部評価を一般化
○ サービスの選択等の支援――成年後見、介護相談員等の支援の充実
○ ケアの標準化――サービス水準の確保向上、科学的アプローチに耐えられる水準
○ 介護サービス事業者の守るべき行動規範――公益性を担保する経営モデル行動規範
○ 劣悪なサービスを排除する仕組みの必要性――指定取り消し、返還命令のみが現状
○ 介護サービスを支える人材――ユニットケアの普及など求められる質は高度化の傾向で介護サービスを支える資源の確保・向上は重要課題、そのために介護現場に高い魅力・研修の体系化・スキル向上の仕組み・従業者の要件化を図るべき
○ 保険の機能と多様なサービスの提供――保険給付対象は専門評価に基づいた「自立支援に必要なもの」でなければならない、一方贅沢や個人の嗜好にあわせたサービス需要も増加し対象外サービスや、助け合いの場の形成も求められる
(4)おわりに
○ 持続可能な制度の確立――費用の増大、保険料負担、財政事情、給付と負担のバランス、サービスメニューの見直し・保険給付の重点化、保険者が独自性発揮できる柔軟な仕組みの検討、制度改正の機会に具体化が望ましい
○ あるべき高齢者介護の実現のために――2015年までに残されたじかんは少なく早く着手すべき、ゴールドプラン21のあとは本報告者のビジョンの趣旨を体して取り組みを進めるべき
補論――1.わが国の高齢者介護における2015年の位置づけ
○ 2002〜2015年の65歳以上の人口、高齢化率の伸びは、2015年以降の伸びと比較して際立って高い
○ 2015年の高齢者像
・ 引退した雇用者の増加
・ 高齢単独世帯の増加
・ 在宅での高齢者(意識の変化の可能性)
・ 消費と流行を牽引してきた世代が高齢者に
補論――2.ユニットケアについて
○ ユニットケアに必要なソフト
○ ユニットケアに必要なハード
○ ユニットケアを行う施設の留意点――施設長、リーダー、研修の機会
補論――3.痴呆性高齢者ケアについて
○ 痴呆性高齢者の現状と今後(2002年9月末推計:単位万人)
・ 要介護支援認定者総数314(在宅210特養32老健25療養12他34)
・ 痴呆性高齢者自立度U〜149( 73 27 20 10 19)
・ 〃自立度V〜79・25( 28・15 20・4 13・4 8・1 11・2)
○ 要介護支援者数推計 2002年U〜149(6.3) V〜79(3.4)
2015年V〜250(7.6) V〜135(4.1)
・ 介護予防から終末期にいたる全ステージで、痴呆性高齢者を標準とした仕様に転換
・ 「〜作成指針」の検証と普及も、介護サービス現場でエビデンス集積を図るための第一歩
・ 行政、第一線関係者、研究者が一体となった取り組みが送球に必要
・ 他方、痴呆性高齢者の個別性は多様で、画一的なサービスになじまない。標準化されたサービスを柔軟に使いこなす専門的人材を合わせて育成する必要
<参考=山田>生活の継続性を維持するための新しい介護サービス体系とは
@ 在宅で365日・24時間の安心を提供――小規模多機能サービス拠点
A 「新しい住まい」――住み替えという選択肢:新しい住まいの要件(バリアフリー・緊通・安否確認や相談・ケアマネジメント体制・介護サービス付帯) / 早めの住み替え / 要介護になってからの住み替え / 社会資本としての住まい(最低居住水準:第8期住宅建設5ヵ年計画で25平米)
B 在宅を支える施設の新たな役割――サテライト、ユニット、3施設体系、負担公平
地域包括システムの確立――ケアマネジメントの適切な実施と質の向上:建て直しが必要(資質向上、必要なプロセスの標準化介護以外の問題などに対する環境整備、中立公正の確保 / 様々なサービスのコーディネート(地域包括ケア:介護保険のサービスを中核としつつ、保健・福祉・医療の専門職相互の連携、住民活動を含めた連携によって地域の様々な資源を包括したケア、在宅支援センターの役割の再検討と機能強化の必要性(わが国におけるケアマネジメントの先駆的役割を果たしてきた) / 医療、看護、口腔ケア高齢者介護のこれまでと理念の転換
X.介護保険制度の見直し
1.はじめに
・介護予防の推進 ・痴呆ケアの推進 ・地域ケアへの展開
2. 制度見直しの基本的考え方
(1)見直しの基本的な視点
■ 制度の持続可能性
■ 思い切った見直し ―― 効率化、重点化
■ 介護予防の重要性 ―― 平成27年に3300万人の高齢者 ――予防重視型システムへの切り換え
■ 社会保障改革のフロントランナー
■ 生活の場である「地域」において提供されるようにする必要
(2)基本理念の徹底
■ サービス改革 ―― 量から質へ
■ 人材の資質向上
■ 施設志向 ―― 在宅サービスの課題(24時間対応、医療と介護の連携):医療保険を見直す
■ 在宅と施設の費用負担の不均衡 ―― 年金との重複:厚生年金で、21万円くらい
■ 多様な住まい方の選択肢の確保:いろんな選択肢を
■ 施設入所の対象者の重度者への重点化
■ 市町村保険者機能の強化、サービスへの関与 ―― 量や質への関与を強める、地域の独自性や創意工夫が生かせるように見直し ―― 地方分権の徹底
(3)新たな課題への対応
■ 10〜20年かけて「地域サービス体制」を作る
■ 独居世帯が570万に。7割が女性どんどん増える
■ 都市の高齢化が急ピッチで進む:これから年が増える
■ 痴呆高齢者は250万人に
■ 介護モデル<+予防>、身体モデル<+痴呆ケア>、家族同居モデル<+独居>
■ 予防 ―― 現行制度、ケアマネジメント、サービス内容を見直し、総合的な介護予防システムの確立へ
■ 痴呆ケアの推進 ―― 早期、本人家族支援、継続的総合的支援体制確立、虐待防止、権利擁護、地域住民の理解、生活圏域に小規模多機能サービスを、重点的な資源投入(軽度者については「介護予防」の観点から給付を効率化)
■ 地域ケアへの展開 ―― 家族同居モデルから+独居モデルへ
■ 「二元論」を超えてたてと横 ―― 統合した地域ケア=⇒包括的ケア(相談、介護、医療、インフォーマル)を横軸に継続的なケア(要介護になる前から健康管理、介護予防、必要になれば介護サービス、そしてターミナルへと一貫した体制の下で)を縦軸に=⇒総合的なケアマネジメント体制
■ 地域を支える基盤 ―― 点の整備から面の整備(コミュニティ=福祉、医療、施設、住まい、多様な公共施設、交通網、人的ネットワーク=有機的連携)へ=住民参加
■ 普遍的なシステムの確立=障害や年齢等の区別により分断されていたサービスを利用者視点に立って組み立てなおすこと:
2.制度見直しの具体的内容
(1)給付の効率化・重点化
■ 制度全体を「予防重視型システム」に転換
○ ケアマネジメントの体系的見直しが伴わないと実現できない
○ 対象となる状態像3つのモデル(脳卒中、廃用性、痴呆)。要介護1、要支援の軽度者が全体の5割を占め、その多くが廃用性症候群モデルに該当。
○ それに対するサービス内容への指摘(過度の安静、不適切な用具、家事能力支援)
○ 総合的な介護予防システムの確立(現在、市町村による老人保健事業、介護予防地域支えあい事業、介護保険による介護給付、予防給付、医療保険によるリハ、がばらばらに実施)
○ そのためには@統一的な介護予防マネジメントA市町村事業見直しB新・予防給付の創設
○ 介護予防給付マネジメントの責任主体は市町村(原則的にケアマネから分離?=山田)
○ 「新・予防給付」の創設@対象者決定の仕組み(認定手続きと一体的など)A予防給付プラン作成(評価ができるよう、目標と期間を明確に)B給付内容(筋力向上トレーニング、転倒骨折予防、低栄養予防、口腔ケア、痴呆悪化や閉じこもり予防、フットケアなど)Cサービス提供主体(公共的、民間、ボランティア――介護保険制度では包括的など)
■ 施設給付見直し
○ 居住費用や食費2.3万が個人負担4万が介護保険負担、これを自己負担にする
○ 1割負担については、高額介護サービス費との関係
○ 施設利用の見直し ―― 計画的な定期利用の導入。長期継続は重度者への重点化
○ 地域展開 ―― 特養のサテライト展開、老健の総合在宅拠点として地域展開
○ 施設機能@日常生活を支える=個別ケアA在宅生活復帰支援=在宅との連携強化B長期療養支援=重度化への対応。個室ユニットの推進、療養型の経過措置の見直し
○ 施設ケアマネジメントのあり方検討(在宅との連携強化、個別ケア)
○ ターミナルケアや重度化の観点から医療保険との給付調整など
■ 訪問介護 ―― 行為別・機能別に再編。利用者が自ら実施できる掃除、調理を代行する場合
■ 通所系サービス ―― 一元化をはかる。リハ、痴呆、日常生活活動等機能別に類型化。食費見直し。
■ 短期入所 ―― 緊急利用ができにくいことの見直し。食費見直し。
■ 福祉用具 ―― 支給対象の適正化、事業者指定制度等。
■ 住宅改修 ―― 事前申請制度(改修前に市町村の申請)
(2)新たなサービス体系の確立
■ 地域密着型サービスの創設:新たなサービス体系:基準、報酬、サービス内容を地域特性に応じて多様で柔軟に
■ 市町村が事業者指定、指導監督できると共に、指定拒否できる権限。報酬設定も市町村の裁量を拡大。大規模広域型施設、大規模通所介護施設40人のデイサービスはメスを入れるでしょう等は、その適正化をはかる新しいカテゴリーを作る
■ グループホームも地域密着型サービスとして位置づける個とも考えられる。また、住所地特例は慎重に。
■ 居住系サービスの体系的整理を行う(有料ホーム、ケアハウス以外にも特定を拡大、グループホームの制度的位置づけや住所地特例のあり方等
■ 居住系サービスに、包括型だけでなく早めの住み替えにも対応できるよう外部サービス利用型も認める方向アパートにヘルパー。養護老人ホームも早急に結論を。
■ 適切な規制のあり方を検討(老人下宿、無届有料ホーム等)
■ 在宅、医療機関、施設と場所が変化しても包括的継続的にマネジメントできる体制を確立
■ グループホームへの訪問看護など、医療保険との関連も含めた基準報酬のあり方を検討
■ 「小規模・多機能型」のサービス ―― グループホームが通い機能を持つなど
■ 夜間対応型や見守型サービス導入もありうる
(3)サービスの質の確保・向上、
■ ケアマネジメントの体系的見直し
・ 介護給付マネジメントは「包括性」「継続性」強化。ケアマネ一人当たり件数の見直し、独立性を高める、在宅と施設・医療と介護の連携を評価する報酬の見直しが求められる
・ 市町村を主体とした「介護予防マネジメント」の確立(新・予防給付のマネジメントもこの一環)
・ 地域包括支援センターの創設(介護・新予防給付・介護以外の生活支援サービス・情報提供・地域マネジメント機関の支援)
・ 資格要件の更新性、事業所の指定とケアマネージャーの指定を独立して行う「2重指定制度」、罰則強化、公正中立の観点から事業所指定規準見直し
■地域包括支援センター(仮称)の創設
・ 3つの基本機能(@実態把握・権利擁護等A介護予防マネジメントB介護以外の生活支援を含む包括的継続的マネジメント)
・ 市町村が基本。対象とする圏域、機能、配置は検討対象。
・ 在宅介護支援センターは、再編、統廃合し、居宅介護支援事業所との役割分担の明確化を図る。
■ 情報開示の徹底と事後規制ルールの確立
・ 全ての介護サービス事業所について第三者が確認した事実を定期的に開示する仕組みを標準化する
・ 公的財源で支えられる他の分野と比較して、大幅な規制緩和を行っている。指定更新制の導入などの事後規制を強化する必要あり
■専門性を重視した人材育成と資質の確保
・ 介護職員は将来的に任用資格は介護福祉士(最低の資格とする・中味を替えるすぐに使えるものを要請介護職の7割はキャリアアップを望むー施設の管理者ライセンスが必要)を基本とすべき。さらに向上が図れるように体系を見直したり、ヘルパー2級についても検討。管理者のあり方も検討。
・ ヘルパー等、雇用管理のあり方も検討
■ 公正・効率的な要介護認定
・ 新規申請は市町村が行う、委託先を制限するなどの検討
・ 審査会によるサービスへの意見機能強化、一部事例については2次判定の簡略化など検討
■ 制度運営の見直し
・ 保険者機能の強化
・ 事業計画の見直し
・ 基盤整備のあり方
■見直しの進め方
3.「被保険者・受給者の範囲」について(省略)
Y.おわりに