子犬の頃のごんさん

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ごんさんは1996年(平成8年)推定9月生まれの犬です。
ごんさんは生後約二ヶ月で飼い主に捨てられたらしいのですが、
子どもながら野良犬として必死で生きようとがんばりました。


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平成8年11月頃、京都市在住の呉服商のMさんは、いつものように毎月恒例の四国地方のお得意様まわりに出かけました。
香川県高松市の西方、うたづ臨海公園ゴールドタワーの近くで休憩していたところ、Mさんは生後二ヶ月前後位の3匹の野良犬に出会いました。Mさんは無類の犬好きで、親犬もいない小さな子犬が3匹で身を寄せ合っているのが不憫でたまらず、ついついエサを与えてしまいました。連れて行くにもMさんは仕事で出張中の身、心配しながらもしかたなく、その場を離れました。


その翌月の12月も、年が明けて平成9年の1月も、Mさんは四国への出張のたびに必ず3匹の様子を確かめにゴールドタワーへ立ち寄りました。

ところが、平成9年2月、Mさんがいつもの場所を訪ねたとき、近いうちに保健所がこの3匹を捕まえに来るという話を聞き、Mさんは3匹を保健所で死なせてしまうわけにはいかない!と、ついに3匹を保護する決心をしました。なんとか2匹は捕まえたのですが、残る1匹、3匹の中ではお兄さん格でいつもあとの2匹を守っていた黒犬がどうしても見つかりません。必死で探し回って、その翌日保健所員が捕獲してオリの中にいるのをついに見つけたのでした。

Mさんは保健所の人たちと(大人げもなく)さんざん言い合って、その黒犬の子犬を引き取ることができました。野犬狩りの人間に子犬ながらも必死で抵抗したのでしょうか、その黒犬は左前脚を骨折していました。

なんとか3匹の子犬を保護したMさんですが、Mさんの京都の家にはすでに2匹の犬がおり、これ以上犬を飼うことは難しいのでした。
Mさんは子犬を抱えて、四国のお得意様の家をめぐり、なんとか大事に飼ってもらえないかと頼み込んでまわりました。


メスの子犬2匹は可愛らしく、無事飼い主が決まったのですが、脚の折れたオスの黒犬だけなかなか引き取り手がみつかりません。黒犬は明らかに人間不信の表情で目つきも悪く、新しい飼い主にすぐになつくようには見えません。それでもMさんはあきらめず根気よく黒犬を大事に育ててくれる人を探しました。そして・・・

愛媛県川之江市のT家に、その黒い子犬は引き取られることになったのでした。
さっそく名前をつけてもらいました。
「ごん」 です。


以来、ごんさんはT家でそれはそれは大事に可愛がられ、ごんさんもその恩を忘れることなく賢い成犬に成長しました。





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