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今年高校生になった姉その2
〜続・エリル孫女殿下の優雅な一日〜
- 6 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/13
07:38 ID:???
- スレ立て、有り難う御座いますです。今高姉もオチるとは・・・。
〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜 あらすじ
長引く不況、就職率の低下。その世知辛い浮き世をコンビニのアルバイトで
フリーター生活を続ける、香村之雄(19)。
母を早くに亡くし、世界を股に掛ける冒険家に父に5歳まで育てられ、その後
父方の親戚に預けられる事となった。
之雄の父は、彼を親戚に預けると再び冒険家として世界を飛び回る。親戚は子
宝に恵まれなかった為、之雄を我が子のように育てた。
親はなくとも子は育つ。高校に進学した之雄は、自らの意思で親戚の家を出て
アルバイトをしながらアパートで一人暮らしを始めた。
高校を卒業し、コンビニのアルバイトを続ける彼の元に、一人の少女が尋ね
てきた。金髪碧眼で肌は透けるように白く、色とりどりの宝石を散りばめた
豪奢な王冠を頂き、明らかに高級生地で出来たドレスを身にまとっていた。
その少女は『エリル』と名乗り、之雄の父と東欧の小国『アルテニア』の
国王の娘との間の子である『腹違いの妹』と言い、之雄を『将来の夫』と
すると宣言した。国王の孫に当たるエリルは一銭も持たずして、之雄の
アパートに転がり込んだ。かくして、二人の奇妙な同居生活が始まった。
- 22 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/13
21:20 ID:???
- 〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリル「金運の女神を祀っておるのか・・・。鎌倉とはそなたと妾の願いを
聞き届けてくれる女神達が祀られている町なのだな・・・」
之雄「千円札が2枚あるな。洗っておくか・・・」
財布から夏目漱石を2枚引っ張り出して、そのうちの1枚をエリルに手渡す。
エリル「ザルが必要になるとは思わなんだ・・・」
之雄「なに、要は『気持ち』だよ」
エリル「そうだな、願う『気持ち』が大切なのだな・・・」
一緒に『ぱしゃ、ぱしゃ』と霊水で千円札を洗う。唐突にエリルが声を上げる。
エリル「之雄っ、御利益があったぞっ!?。ほら、お金が倍にっ!!」
千円札をVの字に折り曲げ、折り目を手で隠し、あたかも2枚あるように
見せるエリル。その声に反応して、他の参拝客が一斉にこちらを見る。
・・・アルテニアン・ジョークってヤツか?。頼む、勘弁してくれよ、エリル・・・。
- 35 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/15
11:29 ID:???
- >>22 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
周囲から苦笑が漏れる中、逃げる様にして『銭洗弁財天』を去った俺とエリル。
・・・気を取り直して、本日ラストの鎌倉観光スポット『大仏』に向かう。
エリル「ほほぅ、これは大きいな・・・」
之雄「日本じゃ2番目だったかな?。1番が奈良の大仏、3番が東京の大仏」
エリル「・・・しかし、腑に落ちないな。大仏は日本の『偉人』ではあるまい?
それなのに、ここまで大きい像を造るとは・・・」
之雄「・・・だよな、俺もそう思う・・・」
エリル「悟りと得た者にしては寝ているんだか、何なんだか、微妙な表情
だな。母国では歴代の王の石像を造っておるが、皆、厳しい表情を
しておるぞ?」
之雄「・・・『穏やか』って言えよなぁ・・・。この表情こそ『無我の境地』って
ヤツだろ?」
エリル「・・・『我』を押してそなたの元に来た妾には到底及ばぬ世界だな・・・」
之雄「・・・。(・・・男冥利に尽きるってモンだな、コレは・・・)」
俺は無言でエリルの頭をガシガシと撫でてやった。
- 52 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/16
14:10 ID:???
- >>35 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
本日の鎌倉観光のラストである『大仏』を見終えた俺とエリル。これから
由比ヶ浜へ行って昼飯にしようか、いい加減腹が減ったしな。腕時計に目
をやると13時を指していた。
大仏のある高徳院の敷地から出た直ぐ近くのお土産屋さんを暫く眺めていた
エリルが俺の服の袖を引っ張って連れて行く。
エリル「之雄っ、面白そうな物が売ってそうだぞっ!?」
之雄「お土産屋さんなんてドコも一緒・・・。・・・っ!!??」
俺は我が目を疑った。店中が武器だらけ。木刀や模造刀、手裏剣なんかを
置いていても、歴史のある町のお土産屋さんならば大して珍しいモノでは
ない。しかし、置いてある武器が青龍刀、ハルバード、モーニングスター、
フレイル、・・・枚挙に暇が無い。・・・エクスカリバーやオーディン・ソード
なんてのも有る、・・・しかも伝説の剣にしては随分とリーズナブルなお値段だ。
果てはフリント・ロック・ピストル。明らかに歴史の町『鎌倉』に不相応な
店だ。しかも、大仏さんの隣りかよ、罰当たりだな・・・。
- 53 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/16
14:11 ID:???
- >>52 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
『山海堂』ってのがこのお土産屋さんの名前だ。・・・名前だけは至って普通
なのだが。『日本最強のお土産屋さん』というキャッチフレーズで、なにか
の雑誌の記事で見た事があったが、コレか・・・。
エリル「随分とファンタジックなお土産屋さんであるな・・・」
之雄「日本のお土産じゃないモノまで置いてあるよ・・・」
エリル「母国の城に飾られておる中世の武器に勝るとも劣らぬ数だな・・・」
之雄「・・・いくらなんでもニセモノだろ?」
エリル「そうであろうが、あの、トゲのついたハンマーなぞで頭を殴打
させようものなら、昇天召されるであろう・・・?」
之雄「・・・まぁ、な・・・」
エリル「日本は武器所持に厳しい国とは聞いていたが・・・」
之雄「勘違いするなよ?。このお土産屋さんが特殊なんだよっ」
エリル「うむ。しかし、どれか、護身用に1つ買って帰りたい気もするが・・・」
之雄「・・・やめときなさい」
呆気に取られる俺と、興味津々のエリルは暫く店内を見て回った。
- 78 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/18
10:29 ID:???
- ・・・思いっ切り風邪をひいて調子が出ませんでした・・・。
>>53 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
思わぬお土産屋さんの発見で、由比ヶ浜でお弁当を食べ始めたのが午後の
2時近くになっていた。人はまばらだ、海水浴シーズンでは無い平日はこんな
モンだろう。天気が良く、風の無い穏やかな陽の下での弁当なんて、十ン年
振りだな・・・。ごそごそとエリルがリュックサックから超特大のオニギリを
引っ張り出して俺に手渡してくれた。・・・このボリューム、コンビニのオニギリ
のゆうに3倍はあるな・・・。
エリル「之雄っ。さあ、遠慮無く、存分に喰うがよいぞっ」
之雄「・・・いただきます。しかし、デカいな・・・」
エリル「愛情を籠めて握ったからな、必然的にそのサイズとなったのだっ。
・・・食べづらいか?」
之雄「いや、そんな事は無い。俺的に空前絶後の大きさだったんでな・・・。
そいでさ、中身は何?」
エリル「それは食べてからのお楽しみと言うヤツだ」
大口を開けて超特大のオニギリにカブり付く俺。
- 79 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/18
10:30 ID:???
- >>78 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
口の中に広がるまったりとしたマヨネーズの味、ツナマヨっ!?、否っ!!、これ
はサケだっ、昨日の夕食の残りモノを用いるとは無駄が無いっ、良しっ!!。
・・・!?、この刺激はカラシっ!!。舌を飽きさせない一工夫、見事なりっ!!。
う〜っ、ま〜っ、い〜っ、ぞぉ〜っ!!!!。
あまりのオニギリの美味さにガっついたものの、なにせ超特大だ、直ぐに喉が
詰まった。慌てふためく俺の眼前にペット・ボトルが差し出される。おおっ、
サンクス、エリルっ。『ごきゅ、ごきゅ』と喉を鳴らしてペット・ボトルの
中の液体を飲み干す。・・・これは玄米茶っ、ナイス・チョイスっ!!。『パハァ』
と一息吐いて空になったペット・ボトルをエリルに手渡す。
エリル「・・・口に合ったか?」
之雄「・・・・・・・・・。全然・・・」
エリル「・・・そうか、妾は至らぬトコロが多過ぎ・・・」
之雄「全然だ、全然美味いっ。最高のオニギリですなっ」
エリル「・・・っ!?、びっ、びっくりさせるでないっ、ばかっ!!」
エリルに空になったペット・ボトルで『すこーん』と頭をカッ叩かれる俺。
- 102 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/20
01:16 ID:???
- >>79 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
リュック・サックから俺の3分の1程度の大きさのオニギリを引っ張り出して
食べ始めるエリル。
エリル「己の手で作ったオニギリを出掛け先に食べるのは美味さも一塩だな・・・」
之雄「おう、ホントに美味かった。1個で終了?」
エリル「小さいのが、あと3個ある。あのサイズは1個だけだ」
俺にオニギリを2個手渡すエリル。カブり付く直前に気付く。・・・おっ!?、
違うっ、・・・これは・・・。『もごもご』と味わって食べて納得、ピリリと辛い
高菜だっ。これも美味いっ・・・!!。ヘタな日本人よか渋いセンスしているな、
エリルは・・・。流石にオニギリ5個分の米は腹に貯まるなぁ。食欲を満たされ
食後のマッタリ感にどっぷりと浸る俺。
エリル「動くでないぞ」
之雄「・・・ほぇ?」
俺の頬に付いた御飯粒を摘んだエリルは、それを自分の口へ運んだ。
- 103 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/20
01:17 ID:???
- >>102 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリルは『クスリ』と微笑みながら、諭すような口調で言った。
エリル「・・・子供でもあるまい?。オニギリを喉に詰まらせたり、御飯粒を
頬に付けたり・・・」
之雄「・・・まぁ、な。美味くてガッついちまった帰結だ。・・・あれ?、エリル。
お前だってさ・・・」
そう言って、俺が『すっ』と手を伸ばすと、エリルが『妾の顔の何処に御飯粒
が付いておる?』という風に顔を寄せてくる。・・・フフフ、今だっ!!。俺は
エリルの鼻筋の通った、高く形の良い鼻柱を『きゅむ』っとつまむ。びっくり
したエリルは目を白黒、・・・否、白青させる以外の動きが止まる。暫く経って
ようやくエリルは自分がからかわれたと気付いた。
エリル「・・・にゃっ!?、にゃによしてにょるかっ!?。はにゃせっ!!」
之雄「・・・油断大敵だな」
俺は右手の親指と人差し指で拘束したエリルの鼻を解放した。
- 104 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/20
01:19 ID:???
- >>103 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリル「何をするかと思えばっ・・・!!」
少し赤くなった鼻をさすりながら非難の声を上げるエリル。
之雄「俺は『お前だってさ』って言っただけ。『御飯粒が付いている』なんて
一言も言ってないぜ?」
エリル「・・・か、会話の流れ的にはそう思うであろう・・・」
之雄「そういう『罠』、『作戦』だったンだ。そしてエリル、お前は頭から
ハマってくれた可愛いヤツだ」
エリル「・・・っ。×○□×△っ!!」
之雄「日本語に訳すと?」
エリル「・・・。『人の心理に付け込んだ卑劣漢めがっ』と言ったのだ・・・」
之雄「ハッハァ〜、最高の誉め言葉だぜぃっ!!」
エリル「・・・ばか・・・」
そういって俺の頬を『ぎゅう〜』っとツネるエリル。『それしきのツネりなぞ
痛くないわっ』という顔をしていると、爪を立ててきた。・・・いででででっ!!。
- 119 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/21
20:30 ID:???
- >>104 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
『ぱっぱっ』とズボンに付いた砂を払い落とす。
之雄「んじゃ、江ノ島に行こうか?」
エリル「うむっ」
再びバイクに跨り、左手に海を見ながら国道134号を藤沢方面に向かう。
鎌倉の由比ヶ浜から稲村ヶ崎の岩山の間の緩やかなカーブを抜けると、
江ノ島が正面に見え、個人的には最高のツーリング・ルートだと思う。
エリルがステップに立って歓声を上げた。・・・危ないって。
エリル「之雄っ!。江ノ島ぞっ!。写真で見た通りの形ぞっ!」
七里ヶ浜沿いにバイクを走らせた。右手を走る江ノ電を追い抜いて、小動の
右カーブを抜けて藤沢市江ノ島の眼前に飛び出る。適当な場所で歩道に乗り
上げバイクを停めた。
之雄「江ノ島に到着。・・・エリル、感想は?」
エリル「・・・最高だっ!!」
- 120 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/21
21:06 ID:???
- >>119 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
コンクリートの段差に並んで腰を掛けた。暫くの間、無言のまま湘南の海を
眺めるエリル。陽は西に傾き始め、徐々にだが潮風の強さが増す。不意に
エリルが俺の方に『ぽて』っと、もたれ掛かってきた。
エリル「・・・夢のようだ・・・」
之雄「・・・俺もだよ。頬をツネってみようかな・・・」
エリル「・・・よせ。夢だったら・・・困る・・・」
之雄「尋ねてきた異国の少女が妹で、同居して江ノ島にツーリングか・・・。
少し前までは全く想像してなかったな・・・」
エリル「・・・妾が望んだ全てのモノが東方の国にあった・・・」
『くすん』と微かに涙ぐむエリル。俺は無言でエリルの肩を抱き寄せた。
之雄「・・・・・・・・・」
エリル「・・・・・・・・・。・・・之雄。・・・そなたが好きだ。・・・いま一度言うぞ。
妾はそなたが好きだ・・・」
- 129 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/22
22:36 ID:???
- >>120 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
流石にこのシチュエーションで改めて『好きだ』と言われ、『ばくばく』と
俺の心臓が高鳴る。・・・な、何か答えてやらにゃ・・・。
之雄「エ、エリルっ。お、俺・・・っ!?」
開きかけた俺の口に、エリルは象牙の様な白い肌の人差し指を『しぃー』
という感じで押し当てる。
エリル「・・・言ったであろう?。『答えを急いてはおらぬ』と・・・」
之雄「・・・っ!!」
俺を見上げているエリルの海よりも青い紺碧の双眸で心を見透かされていた
のだろうか?。思わず言葉を飲んだ。
エリル「日本へ来て、様々な事をそなたから与えられてばかりいるな・・・」
之雄「・・・うん?、ああ、そうかな・・・?」
- 130 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/22
22:37 ID:???
- >>129 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
すっかり気が動転してしまい、生返事しか返せない俺。
エリル「これはな、妾がそなたに与えられるものの内の1つだ。受け取れ・・・」
そう言うと、エリルは己の唇を『ほぇ?』とバカ面提げている俺の唇に素早く
重ねた。あっという間の出来事。ブロンドの髪から漂う甘い香りと、柔らかく
熱を持ったエリルの唇。俺は軽い目眩を覚えた。
暫く唇同士を重ねた後、エリルが『ちぅぅ』と俺の下唇に吸い付いてきた。
堪らず俺は『・・・はぁ・・・』と吐息を漏らすと、エリルはそのタイミングを
待っていたかの様に俺の口腔を熱い粘膜質の軟体で蹂躙する。積極的過ぎる。
・・・やっとこさ朦朧状態から回復した俺は、反撃に転ずる。俺は自分の舌を
エリルの舌を絡めて、エリルの口腔へ押し戻す。その間、『ガチガチ』と
お互いの前歯がぶつかりあった。舌を己の口腔へ押し戻されたエリルは観念
して今度は俺の舌の蹂躙を受け入れる。そしてまた攻勢に転ずるエリル。
短い休憩を入れつつ、押しては引く波の様に、俺とエリルはそのキスの
遣り取りを陽が沈むまで続けた・・・。
- 166 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/23
20:46 ID:???
- >>130 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
陽は追いやられ、西の空を僅かに紅く染めている。夜の帳が降りる時間。
俺とエリルは重ねた唇を離した。名残惜しげに『つぅ』と透明な糸を引く。
エリル「・・・幸福の真っ直中にいる心地だ・・・」
之雄「・・・・・・・・・」
俺は口を開けなかった。いや、口を開く権利が無いと言った方が正しい。キス
をしても尚、未だに俺はエリルの要求に応えられる覚悟が無い。正直なところ、
俺は倫理的矛盾を克服出来ないでいる。『妹』にして『恋人』という存在に
対する答えを弾き出せていない。・・・そんな自分が酷く恨めしかった。
エリル「・・・帰ろうか、之雄」
そう言って、先に立ち上がったエリルは俺の手を引く。
之雄「・・・早いな、時間が過ぎるのが・・・」
エリル「・・・そなたも楽しめたのだな。・・・このツーリング、何物にも代え難い
妾の宝物ぞっ。有り難う、之雄・・・」
- 188 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/24
20:58 ID:???
- >>166 の続き。・・・ラストに向かいます・・・。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
江ノ島へのツーリングから5ヶ月、エリルが俺のアパートに転がり込んでから
半年が過ぎようとしていた。俺は未だにエリルへの返事を保留し続けている。
そんなある日、家の電話が鳴った。
之雄「はい、もしもし、香村ですが?」
???「もしもし、はじめまして、ゆきおさま。わたしはえりるでんかの
どらいばーをしております、すちゅあーとともうします」
やや棒読みの口調。イントネーションから外人さんが使う日本語だ。暫く考え
込み、ロールスロイスでアパートの前に乗り付け、エリルを降ろしていった人
だと思い当たった。エリルの『数少ない理解者』で日本に来る手筈を整えてくれ
たと聞かされている。・・・これまで、一度たりとも電話を掛けて来なかった人が
何故今頃に連絡を?。
之雄「あ、え、ええと、エリルに代わりますか?」
スチュアート(以下、スチュ)「いいえ、すぐそこまできておりますので、ちょく
せつでんかにおつたえしたいとおもいます」
- 189 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/24
20:59 ID:???
- >>188 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
電話を切ると、洗濯物を畳んでいたエリルが怪訝そうな表情を浮かべた。
エリル「誰からの電話だ?」
之雄「それがさ、ホラ、スチュアートって人からで、エリルに直接話をしたい
ってさ。直ぐ其処まで来ているってさ」
エリル「スチュアートが?。何故?」
之雄「さぁ?。なんか、切迫した感じはしたかな?。それよかさ、疑問なんだが
スチュアートさん、この半年間、日本に居たの?」
エリル「日本の知人の下でハイヤーをやると申しておったが・・・。しかし、解せ
んな、スチュアートから連絡を入れてくるなど・・・」
二人で考え込んでいると『コンコン』とドアをノックする音が聞こえた。返事を
してドアを開けると、・・・でかっ!?。身の丈が190cmはあろう、品の良い初老の
男性がタキシード姿で立っていた。年齢の所為だろう、元々欧米人種的に深い
彫りの顔立ちが余計強調されて見える。
スチュ「おはつにおめにかかります、ゆきおさま。すちょあーとです」
之雄「・・・ども、初めまして、ご丁寧に・・・。エリル、いらっしゃったぞ・・・」
- 190 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/24
21:00 ID:???
- >>189 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜 ※二カ国語・バイリンガル
『とてて』と奥から出てくるエリル。
エリル「どうしたのだ、スチュアート・・・」
スチュ「ご無礼を承知で突然尋ねた次第で御座います。殿下、王女殿下が日本へ
向けて一両日中に出国されるとの情報が、アルテニアの知人からもたら
されました。この情報は信用度が高いものです」
エリル「・・・っ!?。母上が来るのかっ!?」
スチュ「恐らくはエリル殿下をお連れ戻しになられるのが目的かと・・・。急いで
どこかへご旅行なされてはっ?」
なんか大変な事なっているな。親の反対を押し切って日本に来たのだ、連れ
戻されて当然だろう。王族ともなれば尚更だ。
????「・・・『恐らく』ではありませんよ、スチュアート・・・」
アパートの階段の方から、冬の日の朝のように澄んだ声が響いた。エリルと
スチュアートさんの表情が凍り付く。声の主は『コツリ、コツリ』と足音を
立てて階段を登ってくる・・・。
- 191 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/24
21:01 ID:???
- >>190 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
ドア付近に居たスチュアートさんは数歩後ろに後退る、その場所に一人の女性
が歩み立った。格好は落ち着いた色合いのタイトなファッションに身を包んで
いる。身長は俺より少し小さいくらい、彼女もまたエリルと同じ金髪碧眼で、
そう、エリルが6、7年経てばこんな感じになる。しかし、気になるのはその
容貌だった。いったい幾つだ?。余りにも若過ぎる。エリルの『姉』と言っても
十分に通用する外見だ。話ではエリルは一人っ子の筈だ。恐らく彼女がエリルの
『母』なのだろう。確か『マリエル』って言ったか?。俺にとっても義母、継母
という存在ではあるのだが・・・。
マリエル「・・・スチュアート、貴方に情報を流しマークをしていれば、エリルの
元に向かうと読んでいましたよ・・・」
レースの手袋をはめた手で『くすくす』と笑いの漏れる口元を覆うエリルの
かーちゃん。それとは対照的に『ぬかったァ!!』という表情を浮かべるスチュ
アートさん。暫く続いた沈黙をエリルが破る。しかし、その声には勢いが無い。
エリル「・・・は、母上。・・・わ、妾は帰らぬ・・・」
- 208 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/25
23:27 ID:???
- >>201 自分が何を書いたか思い出せないのでできれば全部欲しいなぁ・・・。
>>191 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
マリエル「・・・母子の関係であっても『王女殿下』と呼びなさい、エリル。
異国の地では尚のこと」
エリル「・・・・・・・・・」
スチュ「王女殿下っ、この度の事は全てこの私めの独断で・・・」
マリエル「お黙りなさい。如何なる理由があろうとも、『公』に尽くす事が
王族の義務。それを『私』に走るなど言語道断です。しかも、正当
な手続きを踏まずに外国で居住するなど・・・。スチュアート、貴方
のエリルを思う気持ちは嬉しい、出国から日本の入国管理局まで
方々手を尽くしたのでしょう?。ですが、国家の象徴がたる王族が
この体たらくでは国民に示しが付きません」
・・・うわぁ。非常にキビしいな。異論を突きつける暇が無いな、こりゃ・・・。
マリエル「それにエリル、今回の出国の騒動でアルテニアの国会に貴女の
王位継承権剥奪の議案が提出されているのですよ?」
エリル「・・・構わぬ。妾は之雄と共にここに居る・・・」
- 209 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/25
23:30 ID:???
- >>208 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
之雄「・・・エリル。お前・・・」
地位をかなぐり捨てる覚悟かよっ。嬉しくも複雑な心境の俺。
エリル「之雄に合うて、ここに来て、違う己を発見出来たのだ、母上っ。
今、母国に帰ったら、昔の己に戻ってしまう。そんなのは嫌だっ!!」
マリエル「写真に写っている人物に思いを馳せ、周囲の反対と障害が多ければ
より一層、燃え上がり意地となるのが盲目たる『恋』の姿」
エリル「何と言われようとも聞かぬっ」
両者一歩も引かぬ勢いだ。エリルが虎のオーラを纏い、マリエルさんが龍の
オーラを纏っているかの様に見える。俺もエリルに加勢せにゃ・・・。
ぱしーんっ
渇いた音が響いた。マリエルさんがエリルの頬を平手打ちした。目を丸くして
叩かれた頬に掌を当てるエリル。虎のオーラが子猫のオーラに萎んじゃった。
- 220 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/26
21:07 ID:???
- >>209 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
他人のビンタを目の当たりにして『うぁっ』と首を竦める俺。『アゥチっ』と
小さく呻き両手で顔を覆うスチュアートさん。エリルの打たれた頬が時間差で
赤みを帯びる。
マリエル「そこまで『母』と呼ぶのであれば、これは母親としての鞭です。
それに日本に来たのは、貴女の意向を聞くためではありません。
あくまで連れて帰ります、観念なさい」
エリル「・・・・・・・・・」
未だに頬を押さえて茫然自失のエリル。『親に初めて折檻されました』って
表情だよ、コレは・・・。いや、そんな事より、エリルを何が何でも連れて帰る
ってか・・・。俺の目の黒いウチはそうはさせんさっ。
之雄「オイ、ちょっと待て。黙って聞いてりゃ言いたい放題だな。これでも俺
とエリルは豊かとは言い難いが慎ましく、健全に生活してきた、苦楽と
寝食を共にした仲だ。『はいそうですか』って聞き入れられるかよっ」
- 231 :12ファンキーズin練馬 :04/03/28 00:44 ID:???
- >>220 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
このままエリルのかーちゃんに会話の主導権を握られてはマズい。『ズィ』っと
エリルを庇う様してとエリルのかーちゃんとの間に割って入る俺。
・・・とはいえ、マリエルさんの紺碧の双眸に射抜かれて凄いプレッシャーがっ。
クソっ、ここで負けちゃハナシにならねぇ・・・っ。
之雄「『王女面』や『母親面』を振りかざして連れ帰ろうってか?、冗談じゃ
無ェ。エリルは俺の『大切な人』なンだよっ!!」
流石のマリエル王女殿下も他人に激昂された経験がないのか、一瞬ビックリした
表情を浮かべたものの、すぐさま気を取り直して『ふふふ』と笑みを漏らしな
がら、俺の鼻先に歩み寄る。
マリエル「初めましてマサルの息子、之雄。エリルの母のマリエルです。不躾は
重々承知しています・・・」
そう言いながら、いとおしげな面持ちで色白の細くしなやかな指先が俺の顔を
なぞるマリエルさん。
- 233 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/29
10:57 ID:???
- >>231 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
顔のラインをなぞった後、マリエルさんは親指の腹を俺の唇に指を這わす。
之雄「なっ・・・??。何をっ・・・!?」
思わぬ行動にバック・ステップでマリエルさんから距離を取る俺。・・・何を
考えているンだっ、この人はっ!?。
マリエル「親子ですね、彼の人に良く似ています・・・。顔の輪郭、そう、目元
なんか、特に。声に至っては聞き間違えそう・・・」
・・・親父にか?。そりゃ、そうだろう。エリルだってアンタにそっくりだよ・・・。
親父か。南米で行方不明になったって聞いたな。親父の顔って写真ぐらいでしか
知らないな。声に至っては想像もつかない・・・。
・・・って、危うくそっちのペースに引き込まれちまうトコだった。
之雄「は、話の腰を折るなっ。何と言われようともエリルは帰さん、戻さんっ。
帰るならアンタ一人で帰ってくれっ」
- 234 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/29
10:58 ID:???
- >>233 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
マリエルさんが『ふぅ』と溜息を吐いた。
マリエル「・・・エリルが現実を目の当たりにして半年もせずに帰国をしてくる
ものと思っていました・・・」
之雄「・・・・・・・・・(ふっ、残念だったな)」
マリエル「そして、今思えば、情がエリルに移ってしまう前に連れ戻すべき
でした・・・。その点を言えば、私しの見通しの甘さ、落ち度です、
謝罪します。・・・先程も申しましたが、これは相談ではありません。
エリルは連れ帰ります。二人の意思を尊重させる余地は全く以て
無いのです・・・」
之雄「だからァっ、『言う事は聞かん』って言ってるンだよっ!!。・・・うをっ!?」
マリエルさんが一歩後ろに退くと、アパートの狭い通路にサングラスを掛けた
黒服の外人が4人も殺到する。デカくて見るからに屈強そうだ、容貌は外人版
安岡力也って感じの強面。考えてもみれば、小国とはいえ王女殿下と王孫女殿下
が居るのだ、SPが居ても全然不思議じゃない。SPの内の二人が俺を、残りの
二人がエリルを取り押さえる。
- 240 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/30
10:46 ID:???
- >>234 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
訓練されたプロのタフガイだ。小馴れた動きで抵抗する俺の間接をガッチリと
キメる。一方、SPの小脇に抱え上げられ、必死にあがらうエリル。
之雄「エリルに触ンなよっ!!」
俺は後頭部で両脇にいるSPの片方に頭突きを喰らわす。サングラスのフレーム
が折れ、鼻血を滲ますSP。しかし、痛い筈なのに呻くどころか、顔色一つ変え
ない。・・・ターミネーターかよっ!?
エリル「之雄っ!、之雄っ!!」
あれよあれよ言う内にエリルの声が遠ざかる。糞っ、放せよっ!!。奥歯を噛み
砕かんばかりに食いしばり、全身に力を入れて抵抗したが、二人のSPは根っこ
が生えたみたいに微動だにしない。この程度なのかよっ、俺はっ!?。
マリエル「出来るだけ事を穏便に済ませたかったのですが・・・」
之雄「うるさいっ!!。放せよっ!!」
- 241 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/30
10:48 ID:???
- >>240 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
獣の様に吼える俺。そんな俺とは対照的に至って平静なマリエルさん。
マリエル「・・・機会があればまた会うこと出来るでしょう。・・・話は終わりです
では、ご機嫌よう、之雄殿」
そう言って踵を返すマリエルさん。オイっ、俺の話は終わっちゃいねェっ!!。
待てよゴルァっ!!。『ハタ』と足を止めて再び俺の前に戻ってくるや否や、
マリエルさんはハンドバッグから紙切れを出し、万年筆で何かを書き記して
俺の上着の胸ポケットに差し込み、俺の頬に軽くキスをして囁いた。
マリエル「・・・色々と迷惑を掛けたましたね。納得のいく額を記入して銀行へ
持ってお行きなさい」
之雄「何だとテメェっ!!!!」
俺の絶叫を聞き流したマリエルさんは、立ち竦んでいるスチュアートさんに
俺の部屋にあるエリルの私物を纏める指示を出して立ち去った。
- 246 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/31
10:33 ID:???
- >>241 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
エリルは最後まで俺の名前を呼んでいたが、車のドアが閉ざされる音と同時に
その声は途切れた。そして走り出す車の音。・・・畜生っ!!。
ご丁寧にも二人のSPは暫く俺を押さえつけていた。後追いをさせない為
だろう。・・・・・・・・・。20分程経過した後、俺を押さえつけていたSPの内の
一人・・・頭突きを喰らわせた方・・・が『お返し』とばかりに鳩尾に1発くれて
きた。息が詰まり、内蔵を突き上げられる様な痛みに吐き気を催す。立って
居られなくなり、膝を折る俺をSPは玄関先から部屋の奥へ放り込んだ。
もんどり打って床に倒れ込む。未だに呼吸が正常に出来ない。
SP「オジャマシマシタ〜」
SPはそう言い残して『パタム』とドアを閉めて引き上げていった。力で制圧
されちゃ、どうしようも無いってかっ!!。床に這い蹲りながら無力な自分を
呪った。だが、屈強なSPの集団を蹴散らせる程の力を持ち合わせる事など
不可能だという現実があった。徐々に全身へ焦燥感が染み渡る。
・・・ふと、目に入った畳み掛けの洗濯物。ほんの1時間前までは、エリルと冗談
混じりで生活していたのに・・・。
- 247 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/03/31
10:34 ID:???
- >>246 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
半身を起こして部屋を見渡す。チラシの裏の白紙に所狭しと書かれた平仮名、
片仮名、漢字・・・。ミミズが這った様な字だな・・・。殺伐した男の部屋だった
のが小物や装飾品が増えた。ここ半年間のエリルと共に生活した紛れもない
事実が部屋の各所に見て取れる。
・・・『コンコン』とドアがノックされ、返事をするとスチュアートさんだった。
エリルの私物の回収か・・・。とはいえ、エリルはこのアパートに、ドレスと王冠
と革製のカバンの3つだけ尋ねて来たのだ。ものの5分もすれば片付け終わる。
スチュ「・・・ゆきおさまがエリルでんかにかってあげらてたようふく、したぎ、
こものるいはどうなさいますか?」
之雄「・・・どうって・・・」
返答に困った。・・・戻っては来まい、しかし、捨てるには忍びない。持って
行って貰ってどうする・・・。ふと、玄関先に置いてあるフルフェイスのヘル
メットが目に入った。エリルに買って上げたヤツだ。初めてのツーリングで
江ノ島に行ったっけな・・・。・・・そういや、エリルに告白されて、その時、
決心しきれてない俺の返事を待ったままなんだよな、あいつ・・・。
- 255 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/01
10:47 ID:???
- >>247 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
・・・このまま、行かせてしまうのか?。・・・『機会があればまた会える』って
マリエルさんは言ってはいたが・・・。ハタから見れば健全とは言えない俺と
エリルの関係だが、こんな不条理な別れは絶対に納得いかない。
留保し続けていた答えをエリルに聞かせてやらねばっ!!。そう思い立った俺
は自分のヘルメットをひっ掴んだ。・・・しかし、どこの空港だ?。国際線なら
成田空港。・・・専用機ならば羽田か?。ダメ元でスチュアートさんに聞いてみる。
之雄「彼女に、エリルに、どうしても伝えたい事があるんですっ。どこの空港に
向かったか解りますかっ?」
俺の必死な面持ちにスチュアートさんは片付けをしている手を止めた。
スチュ「わたくしめにもわかりかねますが・・・、アルテニアのたいしかんに
ちじんがいます、きいてみましょう」
あれ?。すんなり協力してくれたよ・・・。内ポケットから携帯電話を取り出し、
ダイヤルをプッシュするスチュアートさん。
- 256 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/01
10:48 ID:???
- >>255 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
之雄「・・・協力を頼んでおいて何なんだけど、・・・大丈夫なんですか?。王女殿下
に逆らう事になっちゃいますよ?」
流石に他人を巻き込むのは心苦しい。だが、スチュアートさんは『大丈夫だ』と
云わんばかりに片目を『パチ』とウィンクした。電話が繋がり、通話先の相手と
アルテニア語で色々と遣り取りと始めた。流石に王女側から箝口令をしいている
のだろう。数分の後、結局は向こうが折れて、エリル達が向かっているのが羽田
空港だと解った。・・・バイクなら十分間に合うっ。
之雄「そいじゃ、行ってきます。有り難う御座います、スチュアートさんっ」
スチュ「いえいえ。エリルでんかのすこやかなるせいちょうをおたすけするのが
わたくしめのしめいにございます。では、おきおつけて・・・」
勢いつけてアパートを飛び出し、駐輪場に向かう俺。
しかし、初っ端から障害が立ちふさがる。さっきのSPがアパートの階段下で
待機していた。後追いを想定していたってワケね、随分と念入りだなっ・・・。
俺の姿を見るなり二人のSP『ヤレヤレ』と肩を竦めた後、躙り寄って来る。
- 257 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/01
10:49 ID:???
- >>256 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
・・・さっきの彼我戦力の差を嫌でも思い出すなぁ・・・。手摺りから飛び降りても
バイクのエンジンを掛けている間に捕まるよな、倒すなんてまずムリだし・・・。
さて、困った。そう考えている間にもSPが距離を詰めてくる。ピンチっ!!。
スチュ「ゆきおさま、これをもっていかれては?」
スチュアートさんがエリルのヘルメットを持って出てきた。・・・あ、うん。でも
それどころじゃないかも・・・。そんな俺の心情を酌み取ってか、スチュアートさん
が俺とSPの間に入る。・・・ほぇ?。
SP「○×□○△っ!!(邪魔をするか。反逆だぞ、これはっ!!)」
スチュ「・・・□△○○×□・・・(・・・俺がお前達に叩き込んでやったSPの技術を
実践出来ているか、ここで試してやる・・・)」
SP「△□っ!!(糞っ!!)」
スチュ「かれらはわたくしめがひきうけます。いってください」
之雄「え?、へ?、あ。はい、お願いします・・・」
- 262 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
09:57 ID:???
- >>257 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
スチュ「エリルでんかをのせたくるまはトヨタのセンチュリーでカラーはくろ。
ナンバーが「しながわ○ ○○−○○」。そのせんどうとしてベンツ
がはしっているはずです」
背後の俺そう言って、SP二人と対峙するスチュアートさん。・・・何から何
まで申し訳御座いません・・・。その隙に手摺りを跨いで3m強の高さから飛び
降りる。地面はコンクリート製、流石に足の裏が痺れる。俺を追おうと頭突き
を喰らわした方のSPがスチュアートさんから離れた瞬間、残された方のSP
がアパート2階の通路で膝をついて崩れ落ちた。・・・今、何かしたか?、全然、
見えなかったぞっ!?。
スチュ「・・・□△△○×?。○△□×□!。××△○□。○□△×△○?(俺から
何を学んだ?。訓練所で1から鍛え直せっ!。それから、お前。同僚を
放っぽいといて何処に行くんだ?)」
SP「・・・□△○!!(ロートルがっ!!)」
- 263 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
09:58 ID:???
- >>262 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
俺を追い掛けたSPが懐から特殊警棒を引っ張り出しながら、スチュアートさん
の方に踵を返す。今がチャンスっ!!。駐輪場までダッシュ、シート下のメット・
・インにエリルのヘルメットを収納し、バイクに跨りスマート・キーのスイッチ
を押す。ヘルメットを被り直した俺はバイザーを上げて、スチュアートさんに
一礼した。軽いステップでSPの警棒を避けるスチュアートさんは『早く行け』
と顎を振る。ホントに有り難う御座います、スチュアートさんっ!!。
・・・幾らSPとは云え、他国の裏道までは知るまい。国道246号から環状八号線
を通って羽田に向かう筈だ。一般道なら渋滞を擦り抜けられるバイクの方が
有利だ。あとはどれだけ信号に引っ掛からないかだが、コレばっかりは運任せ
になるな・・・。深呼吸をして、気分を落ち着かせてからスロットルを絞る。勢い
良く走り出すフォルツァ。頼むぜ、相棒。
・・・国道246号を東京方面に走る。こんな時に限って道が空いている。勘弁しろ
よな・・・。それに環状八号線が混雑するといっても、大渋滞するのは『関越道
練馬入り口〜東名高速道入り口』の間だ、その他は渋滞といっても、それほど
でもない。落ち着けと心では思っていても、焦りがスピードとなって出てくる。
・・・環状八号線に入った、あとは一直線に東京湾方面に向かえば羽田空港に
ぶつかる。ここも大して混んではいない。だが、幸運だった。信号で5回も
停まっていない、これなら間に合うか?。
- 270 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
23:00 ID:???
- >>264 首都高か。住所が神奈川って設定で瀬田で右折、多摩川沿いに羽田へ。
>>265 絶望の世界ってどんなん?。興味はあるなぁ・・・。
>>263 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
環八通りを羽田方面へ向かって爆走、メーターは平均100km/hオーバー。交機
に見つかったらヤバいな・・・。そう思った瞬間、白バイが視線の端に入った。
・・・あっちゃ〜。サイレンを鳴らして俺のバイクのナンバーを連呼し、停車を
呼び掛ける。無論、停車する気はさらさら無い。後で罰金でもなんでも来や
がれってんだ。その覚悟の上での違反だ。でも今だけは絶対に停まれない。
バック・ミラーで白バイの動きを見る。流石に追跡中の事故を恐れてか。無理
に前に出ようとはしない、他の車両も走行しているのが幸い(?)した。だが、
ピッタリと後ろに付いてくる。
交機に追い掛けられて、エリルの乗ったセンチュリーを見落としたなんて事は
ないよな・・・。公用車ってのは大抵カラーリングが『黒』だ。ベンツの色まで
聞かなかったが、黒いボディの大排気量普通車が2台連なって走っていれば
そうそう見逃す筈は・・・。そろそろ羽田だ。道路も二車線で空いてきている。
ここぞとばかりに白バイが前に躍り出る。・・・邪魔だってのっ。ここって時の
加速はギア・バイクに勝てないなぁ・・・。
- 271 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
23:01 ID:???
- >>270 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
・・・っ!!。遙か先にだが、ベンツに先導される黒いセンチュリーが見えた。
スチュアートにさんに教えて貰ったナンバーだ。しかし、先にある信号が
無情にも赤になる。赤信号の交差点に突っ込む根性は流石に無いので、
徐々に減速、だが、信号前の停止線で完全に停車したら、前に躍り出た
白バイのお巡りに取っ捕まってしまう。スピードを40km/h前後に押さえ、
白バイを寄せ付けない為に蛇行運転する。歩行者用の青信号が点滅し始めた、
良しっ、この調子ならイケるっ!!。早く変われよ¥っ!!。ようやく信号が
青に変わり、再びスロットルを絞る。今度は白バイが俺を前に行かせまい
と進路を塞ぐ。やっぱり、交機はそれで商売をやっているだけあって運転
が巧みだ。とはいえ、『覚悟』が俺ほど無いだけあって詰めが甘い、隙を
付いて白バイを追い抜く。再びセンチュリーのケツが見えた。ロビーに
向かうならば、余裕で間に合ったな。俺の中で安堵感が広がる。
・・・ところがどっこい、ベンツとセンチュリーはロビーには向かわず、守衛の
居るゲートからそのまま空港の敷地に乗り入れる。手続きパスかよっ!!。
ベンツとセンチュリーが通った後、ゲートが閉じられようとする。突っ込ん
でくる俺と白バイを制止する警備員。追跡を諦めた白バイは減速したが、俺は
更にアクセルを絞った。1mも無い隙間の閉まり掛けのゲートを通過した。
- 272 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
23:06 ID:???
- >>271 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
さて、空港の敷地内に入ってしまえば、エリルまで目と鼻の先なのだが、空港
は広い。エリルを乗せたセンチュリーを見失ってしまった。適当に探し回って
いる余裕は無い、すぐさま、空港の警察なり、警備員が飛んでくるだろう・・・。
取り敢えず、人目の付かない建物の陰に移動し、すがる思いで携帯電話を取り
出てアパートに電話をした。
スチュ「もしもし?、ゆきおさまですか?」
出てくれたっ!!。
之雄「スチュアートさん?。今、羽田です。エリルに追いつけそうなんですが、
飛行場が広くてどのターミナルにある、どの飛行機だか全然見当が・・・」
スチュ「そうおもいまして、しらべておきました・・・」
なんとっ、準備の良い限りでっ!!。・・・この人にはとても返しきれない借りが
出来てしまった・・・。スチュアートさんから教わった場所へバイクを走らせる。
・・・あったっ。ジャンボ機のタラップにベンツとセンチュリーが横付けされて
いる。その横にバイクを停め、タラップを一気に駆け上がって機内に飛び込む。
- 273 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/02
23:10 ID:???
- >>272 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
俺に気付いたSPが慌ててベンツから飛び出してくる。
エリルは機内のどこだ?。ファースト・クラスか?。大声でエリルの名前を
叫ぶ。頼むっ、返事をしてくれっ!!。
之雄「エリルっ!!。どこだっ!!。エリルっ!!」
エリル「・・・っ!!。之雄っ!!。之雄っ!!」
やはりかっ。客室乗務員を押しのけて、広いとは言い難い機内を駆け、ファー
スト・クラスに雪崩れ込む。と、同時に見慣れた人影が俺の胸に思いっ切り
飛び込んできた。3時間と離れていないのに、随分と懐かしく感じられる
甘い香り。エリルの、その華奢な身体を力一杯抱き締めた。エリルもまた
負けじと強く俺を抱き締めてきた。
エリル「・・・やはり、来てくれたな、之雄。信じておったぞっ!!」
真っ赤に泣き腫らした瞼を擦るエリル。・・・あの後、ずっと泣いていたのか・・・。
そして、先程とは全く違う感情で溢れ出したエリルの涙を俺は拭ってあげた。
- 280 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/04
11:08 ID:???
- >>273 の続き。〜エリル孫女殿下の憂鬱な一日〜
シートから立ち上がったマリエルさんは、刺すような眼差しを俺に向けて話し
掛けてきた。
マリエル「・・・よくここまで追って来られましたね。とはいえ、貴方との話は
終わっているのですけれども・・・」
之雄「俺もアンタにゃ用はない。エリルに話があるんだ、黙っていてくれ」
『・・・おやおや・・・』という戯けた表情を浮かべるマリエルさんは、押っ取り刀
で飛び込んで来たSP達が俺とエリルを引き離そうとするのを制止した。
マリエル「・・・ふむ。有無も云わさず連れ戻しに掛かったのは事実ですからね、
いいでしょう・・・」
そう言ってマリエルさんはシートに深く身体を預けて瞼を閉じた。SP達も
ファースト・クラスから出ていく。
・・・よしっ。緊張でバクバクと高鳴る鼓動。大きく深呼吸した後、エリルの
両肩に手を置き、一言一言句切るように、自分の決心を伝えた。
- 281 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/04
11:10 ID:???
- >>280 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・返事、遅くなって済まなかった。・・・エリル、ずっと、一生、俺と
一緒に居てくれ・・・。愛している・・・」
エリル「うむっ。妾はそなたから絶対に離れぬぞっ、之雄っ!!」
静かに瞼を閉じるエリル。そのキスの求めに俺は応じた。
マリエル「・・・本気なのですか?」
之雄「嘘偽りの無い本心だっ」
エリル「くどい、母上っ」
手を組み、深い溜息を吐くマリエルさん。
マリエル「では、ここであなた方を無理に引き離そうものなら、私しは未来
永劫、怨嗟を受けるのでしょうね・・・」
制服を着込んだ機長らしき人物がマリエルさんの横に来て報告する。
機長「マリエル王女殿下、定刻です・・・」
- 282 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/04
11:11 ID:???
- >>281 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
マリエル「・・・二人に24時間の猶予を与えます、存分に名残を惜しんできな
さい。そして、之雄、貴方の責任で明日のこの時間迄にエリルを
連れて戻ってきなさい。これが今の私しに出来る最大の譲歩です。
ほら、もうスタートしていますよ?・・・」
之雄・エリル「・・・っ!!!!」
俺とエリルは顔を見合わせた。『譲歩』と言ったっ。先程までは聞く耳持た
なかったマリエルさんがっ。マリエルさんの立場を考え、俺とエリルが周囲を
納得させた上で一緒になる為には、一時の別れは我慢しなければなるまい。
考えが至った俺とエリルは大きく頷いた。
マリエル「・・・機長。出発を24時間遅らせます、いいですね?」
機長「はい。了解致しました」
之雄「・・・マリエル王女殿下、感謝しますっ!!」
エリル「母上、有り難うっ!!」
マリエル「・・・早くお行きなさい・・・」
- 290 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/05
10:16 ID:???
- >>282 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリルを手を取り、ファースト・クラスから出ようとした俺は踵を返して
マリエルさんの前まで行き、上着の胸のポケットから小切手を引っ張り出す。
之雄「これはお返しします。俺には必要のないものです・・・」
マリエル「・・・『今は』必要ないでしょうが、近い将来の『餞別』として
取っておきなさい・・・」
しかし、無言で小切手を差し出し続ける俺に根負けしたマリエルさんは小さく
溜息を吐いた後、渋々受け取った小切手を細かく千切り、座席備え付けのダスト
・ボックスに入れた。
マリエル「強情で生真面目で欲がないとは。・・・いい殿方だ・・・」
エリル「そしてなにより『優しい』ぞっ」
そう言って俺の腕に組み付いてくるエリル。なんか、無茶苦茶恥ずかしいな・・・。
之雄「・・・っ。ゴホンっ、で、ではっ、名残を惜しんできますっ。失礼しますっ」
- 291 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/05
10:17 ID:???
- >>290 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
タイムリミットは24時間。時間が惜しい俺はエリルの手を引いて、ファースト・
クラスから出ようと、マリエルさんに背を向けた瞬間、交機の制服が目に
入った。俺を追っかけてきた白バイの警官だっ。その後ろには空港の警備
関係者も居る。・・・マジでヤバっ・・・。
交機「さて、交通違反だが何q/hオーバーだったか覚えているか?。それ
だけじゃない。危険運転に再三の制止を振り切っている・・・」
之雄「・・・うっ、あっ、ええと、その・・・」
空港の警備関係者「ゲートで警備員の制止を振り切り、空港敷地内へ許可無く
立ち入りましたね?」
之雄「・・・そ、そ、それはっ、そのっ・・・」
交機・警備関係者「御同行願えますか?」
之雄「・・・・・・えへ、えへへへへっ・・・」
どうすりゃイイんだっ!?。このまま拘束されちまったら、折角の24時間が
ブっ飛んじまうっ!!。
- 298 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/07
11:26 ID:???
- >>291 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
マリエル「その者は義理とはいえ親子の関係にあります。空港への立ち入りを
申請しなかったのはこちらに落ち度です・・・」
空港の警備関係者に深々と頭を下げるマリエルさん。アヒャアっ!?。済まねェ
です、本当に・・・。流石に一国の王女に頭を下げられた空港の警備関係者は
引っ込まざるを得なかった、が、交機はお巡りさんはそうは問屋が卸さんと
ばかりに俺に詰め寄る。
交機「交通違反は落ち度にならないな」
う〜ん、罰金刑で済ませてくれるかなぁ。確実に免停、いや、免取りか?。
ここまで派手に交通違反した事無いしなぁ・・・。硬直して思案に耽る俺を
余所に、鈴の音のような声で続けるマリエルさん。
マリエル「公務、御苦労様です。提案があります、取り引きを致しませんか?」
マリエルさんの提案に交機のお巡りさんは怒り心頭で顔を紅潮させる。
- 299 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/07
11:27 ID:???
- >>298 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
ええ〜っ!?。買収?。賄賂?。いや、そこまでしなくても・・・。
交機「何を言い出すんですかっ!?。自分は警官ですっ、そんなものには
応じませんっ!!」
・・・言葉は選んでいるがマジで怒っているよ、お巡りさん・・・。
そんなお巡りさんの反応を見たマリエルさんは、手を口に当てて失笑を漏らす。
マリエル「あらあら、勘違いされては困りますわ。ここを何処とお思いなの
ですか?。アルテニアという独立国の政府専用機なのですよ?。
即ちここは法的にアルテニアの領土、大使館の敷地内と同等の
扱いです。喩えパスポートを所持していようとも、許可無しに
立ち入れば不法入国者なのですが・・・」
それを聞いて、紅潮していた顔色が瞬く間に蒼白になるお巡りさん。空港の
警備関係者もお巡りさんから一歩距離を置く。面倒事には『我関せず』ってか、
一緒に乗り込んで来たのに、結構、薄情だなぁ。
- 300 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/07
11:29 ID:???
- >>299 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
交機「・・・あっ、いやっ、それはっ・・・」
マリエル「彼の者が亡命を希望している訳ではないので・・・『治外法権』とまで
は申しませんが・・・、『警官』がねぇ・・・」
交機「・・・・・・・・・」
『マズい』と思って機内から立ち去ろうとしたのか、後退るお巡りさんの退路を
SPが塞いだ。
マリエル「犯罪というのは『行為』それ自体が罪。未遂であろうとも、謝罪
しようとも、免れるものでは無い事は良く御存知の筈・・・」
交機「・・・っ!!」
マリエル「こちらとしても、貴官の職務を全うせんが為の心意気からの出た過ち
とあらば、外交問題にはしたくありません・・・」
交機「・・・っ!!!!」
・・・言葉に凄味が出てきたなぁ・・・。お巡りさん、完全に呑まれている・・・。
- 301 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/07
11:30 ID:???
- >>300 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
マリエル「・・・取り引きに応じて下さらないのならば、この場で貴官を拘束し、
アルテニア本国へ連行、アルテニアの法の裁きにかけます。日本国
政府から貴官の身柄の引き渡し要求があった場合、両政府外務省が
国際法及び政府間で締結された犯罪者引き渡し条項に基づいた決定
を下すでしょう。気が遠くなる程の人手と、時間と、労力と、お金
が費やされますわね・・・」
交機「・・・・・・・・・」
マリエル「どうなさいますか?」
お巡りさんはポソっと『・・・はい、応じます・・・』と小さな声で言った。
マリエルさんは少女のような屈託のない笑みを浮かべながら周囲を見渡し、
『ぱん」と柏手を打った。
マリエル「交渉成立。一件落着です。問題は解決しました、他に何かあります?」
俺、エリルを含めたファースト・クラスに居る全員が全員『ぶんぶん』と全力
で首を横に振った。
- 340 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/08
21:41 ID:???
- >>301 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「24時間後に、必ず・・・」
マリエルさんにそう告げ、エリルと共にタラップを降りた。バイクのシート
下メットインからエリルのフルフェイスヘルメットを取り出し、手渡す。
お互いヘルメットを被り、俺がバイクに跨って車体を安定させた後、エリル
は後ろのシートに座って、胴に手を回し身体を背中に密着させる。
バイサーを上げたエリルは俺のヘルメットに自分のヘルメットを押し当てて
『準備OK』と伝えてきた。
之雄「お巡りさんにお世話にならないに程度に急いでアパートに向かうからな、
振り落とさせるなよ?」
エリル「うむっ。出すがよいぞっ」
つい1時間程前にとんでもないスピードで走っていた道。・・・よくもまぁ、事故
らなかったモンだと我ながら感心する・・・。あんなに必死になったのは、生ま
れて初めてだな。・・・そう。エリルが俺を突き動かせたんだ・・・。
信号が青から赤に変わり、停止線でバイクを停める。
- 341 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/08
21:42 ID:???
- >>340 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
先程とは打って変わったモンだ。行きは信号待ちが苦痛でしかなかったが、
帰りの今は不思議と気にならない。24時間しかないというのに、実に穏やか
な気分だ。焦っても、急いでも俺とエリルに与えられたのは24時間。ヘタに
慌てて、再び交機の餌食されてもバカを見るだけだ。危険な運転などは全く
の問題外。只、平穏にエリルとの1分、1秒を大事にしたい。それが今の
俺の率直な気持ちだった。
信号待ちの最中、不意に俺の胴に回されていたエリルの腕に『ギュウ』と
力が入った。振り返った俺にエリルは言った。
エリル「・・・正直言ってな、アパートから空港に向かう車の中で、あのまま、
引き裂かれてしまうかと思った・・・。己の力ではどうしようもなくて、
哀しくて、・・・妾には泣く事しか出来なかった・・・」
之雄「・・・・・・・・・。俺もさ、『無力』って言葉を思い知ったよ。SPの力の
前に屈さざるを得なかった・・・。けどさ、スチュアートさんが助けて
くれた。最後には、マリエルさんも理解を示してくれた・・・」
エリル「・・・うむ。周囲の人の思いの上に、今のそなたと妾があるのだな・・・」
之雄「・・・ああ。二人だけ幸せになるだけじゃ駄目なんだ。周りの人を説得、
出来る事なら納得して貰わないとな・・・」
- 342 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/08
21:43 ID:???
- >>341 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリル「・・・そうであろうな。そなたと妾の関係は特に複雑だからな・・・」
俺は無言で頷いた。信号が青になりスロットルを静かに絞り、バイクを走り
出させる。・・・明日のこの道をどのような気持ちで往復するのだろうか・・・。
アパートの駐輪場にバイクを停める。アパートの表の通りにはロールスロイス
が停車していた、スチュアートさんに留守番をして貰いっ放しだったな・・・。
そういや、SPの姿もベンツも見当たらない。撤収したのかな?。アパートを
出た後の二人のSPの末路は余り想像したくないな・・・。
アパートのドアを開けるとエプロン姿に三角巾のスチュアートさんが出迎えて
くれた。一瞬『びくん』と仰け反る俺。・・・なんか、妙に違和感が無いなぁ・・・。
スチュ「・・・ゆきおさまがエリルでんかをおつれになってかええられると
しんじておりました。さしでがましいこととはおもいましたが、
ごゆうしょくのじゅんびをさせていただきました。わたくしめは
これにてしつれいいたします。では・・・」
- 375 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/10
21:15 ID:???
- >>342 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
スチュアートさんは恭しく俺とエリルに一礼して立ち去った。
エリル「・・・5時間も経っておらぬのに、酷く久し振りに戻った気がするな・・・」
懐かしげに柱を『すりすり』と掌で撫でるエリル。
之雄「なんか、中身の濃過ぎた5時間だったよ・・・」
エリル「・・・ここにそなたと居ると、心が安らぐ・・・」
そう言ってエリルは俺の腕に抱き付いて身体を預けてきた。ふと、目が合った。
エリルは艶っぽい眼差しで俺を見上げている。
之雄「・・・・・・・・・」
エリル「・・・・・・・・・」
そ、そ、その視線って、や、や、やっぱりアレですかねっ!?。ま、まぁ、名残
を惜しんで来いってのはそういう意味も絶対に含まれているだろうけどさっ。
け、け、けど、や、や、やっぱり緊張するわなっ。
- 376 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/10
21:16 ID:???
- >>375 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
お互いに見つめ合ったまま暫く沈黙が続いた後、俺の頬に手を添えたエリル
はキスをしようと爪先で立って背伸びをする。俺もそれに応えようと身を
屈めた。エリルの熱い吐息が俺の唇に当たる。
・・・ググゥ〜、キュルキュルキュル〜・・・
なんとも間の抜けた音がエリルのお腹から響いた。甘いムードから一転して
なんともいえない雰囲気に。『こんなタイミングでっ!!』と死にそうな程、
赤面しているエリル。・・・そういや、まだ昼飯喰ってないもんなぁ。不可抗力、
不可抗力。気にするな。
之雄「ホラ、まぁ、なんだ、折角スチュアートさんが御飯仕度してくれたんだ、
冷めないウチに食べちゃおうよ、まずは、さ・・・」
エリル「・・・う、うむ。そうだな、頂くとするか・・・」
居間の卓袱台には所狭しと洋食が並んでいた。料理のその全てが、買い置き
してあった食材を用いたものばかりだ。二人で『いただきます』を言って
料理を口に運ぶ。美味いっ!!。・・・凄いな、何者だよ、スチュアートさんて・・・。
- 385 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/11
20:25 ID:???
- >>379 >>380
実はスチュアートさんは英国出身のバリバリのバトラーで、愛娘はローラと
いう名前でメイドをやっていたりする俺的裏設定が有ったり無かったり・・・。
>>376 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
時計の針が3時半を指す。俺とエリルは妙な沈黙の中での昼(夕?)食をとった。
之雄「・・・・・・。美味しかったな、御馳走様でした・・・」
エリル「・・・うむ、御馳走様・・・」
之雄「・・・・・・・・・」
エリル「・・・・・・・・・」
耐え難いな、この『間』は・・・。ううっ、やはりアレかっ!?、やっぱり、誘わ
れるのを待っているのかっ?。いや、俺の勘違いだったら、『肉欲人間』の
レッテル貼られるちまうンだろうかっ?。だが、玄関先でキスを強請って来た
のはOKサインだろ?。ここは軽めに『しようか?』ってのは・・・、ダメだっ、
露骨過ぎるっ!!。はてさて、困ったモンだ・・・。悶々と思案を巡らせたお陰で
お脳がオーバー・ヒートしそうになる。と、取り敢えず、な、なにか話題でも
振ろうか、そ、そう、的外れで女の子をガッカリさせないようなネタをさっ。
- 386 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/11
20:25 ID:???
- >>385 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄・エリル「・・・あのっ!!・・・」
うわちゃっ。
之雄「・・・ン、何?、先に言ってみ?・・・」
エリル「・・・そなたが先に・・・」
之雄「・・・(思わずネタを忘れちまったっ。ええいっ、ままよっ!!。当たって
砕けろだっ!!)・・・エリルっ!!」
エリル「あ。はいっ!!」
之雄「エリル、お前が大好きだ。俺はこれからシャワーを浴びる。そして
自分の布団に入って先に待っている。・・・が、布団はいつも通り並べて
敷いておく。その、無理にとは言わないから・・・」
敢えてここで返答は聞かない。立ち上がった俺はそのまま風呂場に直行する。
賽は投げられた。どう転んでも後悔すまい。俺の真意を伝えた上でエリルに
選択権を与えたのだ、これ以上の事は今の俺にゃ思い付かない。熱くなった
全身を俺は水のシャワーで冷却した。
- 398 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/12
20:31 ID:???
- >>386 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
全身を隈無く洗い(云うまでもなく股間は重点的に)、トイレOK、歯磨きOK。
之雄「・・・風呂、空いたよ。洗い物の残りは俺がやっとく・・・」
台所で食器を洗っているエリルに声を掛けた。手を止めたエリルは俯き加減で
無言のまま俺の脇を通り風呂場に向かう。
・・・う〜ん、一方的な発言でプレッシャーを与えてしまったか?。エリルが
何を言おうとしていたのか、聞かなかったしな・・・。
外は陽が傾き始めている、4時を過ぎている。約束の24時間、残りがあと
21時間を切った・・・。・・・長いようで短いな・・・。洗い物を済ませ、雨戸を
閉め、先程の宣言通りエリルの布団と自分の布団を並べて敷き、自分の布団
に潜り込んだ。やるべき事はすべてやったな、俺。
・・・あ、ゴムが無ェや・・・。さて、どうしたモンかな・・・。近所のコンビニまで
ダッシュすりゃ間に合うか。うん、そうしようっ。
ジャージ上下を着てサイフをポケットに突っ込み、猛ダッシュでアパートと
近所のコンビニ間を往復。コンドームだけでは気恥ずかしいのでペットボトル
1.5Lのジュースなんかも購入。これで準備万端だっ。
- 399 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/12
20:32 ID:???
- >>398 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
アパートに戻ると、部屋の明かりが全て消されて真っ暗だった。おや?。明かり
を消して出たっけか・・・?、・・・なんてワケがあるかよっ。居間に敷いた布団を
見てみると、俺の布団が盛り上がっている。
・・・いやぁっ!!、俺って帰ってくるの遅過ぎっ!?。エリル、風呂から上がるの
早過ぎっ!?。香村之雄、19歳。ここにきて、宣言の重大な不履行。
・・・あいやや、なんと言えばいいモンか。つくづく俺って詰めの甘いヤツだな。
エリル「・・・緊張で鼓動が高鳴って、・・・心臓が爆発しそうだ、之雄・・・」
布団の中からか細い声が聞こえた。その言葉を聞いた俺も、先程の猛ダッシュ
とは別の激しい動悸に見舞われる。ジャージを脱ぎ、トランクス一丁になった
俺はそっと布団の横に寝そべり、布団に手を入れエリルの右腕を探し出すと、
俺の左胸に当てたさせた。
之雄「・・・俺も、だよ。ホラ、こんなにバクバクいってる・・・」
エリル「・・・ホントだ。・・・妾にも、妾の左胸にも手を当ててみよ・・・」
エリルの右手に導かれて俺の右手が左胸に触れる。力強い鼓動が伝わってきた。
- 406 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/13
20:03 ID:???
- >>399 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
暗い部屋で殆どが手探り状態、お互いの浅く、早い息遣いがやけに大きく
聞こえる。明かりを点けようと蛍光灯の紐を手で手繰ろうとすると、エリル
が小さく拒絶の声を上げる。
エリル「・・・ぃや、ダメ・・・」
之雄「・・・どうして?」
エリル「・・・恥ずかしい、から・・・」
・・・さて、困ったナ。これから暗くなる一方で、闇の中でアレコレ出来る程
技術が卓越しているワケじゃない。それにもう1つ理由がある。それを正直
にエリルにぶつけてみる事にした。
之雄「・・・エリル、お前をさ、成る可く長く、その全てを見ておきたいんだ、
残された時間の許す限り・・・」
暫しの沈黙の後。
エリル「・・・オレンジの小玉の明かりで・・・、それ以上は無理ぞ・・・」
- 407 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/13
20:29 ID:???
- >>406 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・解ったよ・・・」
そう言って、手繰り寄せた蛍光灯の紐を3回引っ張る。オレンジの小玉の明かり
になってモジモジと俺の布団から出てくるエリル。一糸纏わぬ姿がオレンジ色の
明かりに照らされて浮かび上がる。恥ずかし気に胸元と股間を手で隠している。
思わず『ごくり』と生唾を飲み込む俺。エリルの裸を見るのは、これで2度目
だが、官能的に感じたのは初めてだった。時間を忘れて俺は見入った。
エリル「・・・そ、そんなに見るでない。恥ずかしいではないか・・・」
身を捩って背を見せるエリルだが、その背中からお尻にかけてのラインも
また綺麗だった。瑞々しく、シミはおろか黒子1つない白磁の様な肌。
半分とは云え、血を分けた妹とは思えない色素の違い。張り裂けそうな
程に高鳴り、全身に血液を送る俺の心臓。
之雄「・・・・・・・・・」
エリル「・・・・・・・・・。・・・わ、妾は裸で、そ、そなたは下着を履いておる・・・。
・・・そ、それは不公平ではないか、之雄・・・」
- 415 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/14
21:17 ID:???
- >>407 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・お、おう・・・」
トランクスを下げようと立ち上がった瞬間、エリルが俺のトランクスに手を
掛けて脱がしに掛かる。・・・いや、ちょっとっ、・・・しかし、結果は一緒か!?。
結局、為されるがままの俺。反り返った息子がトランクスのゴムに引っ掛かり、
ゴムから外れた拍子に『ぺちん』と下腹部に当たって音を立てる。
エリル「・・・っ!?」
コッチはもう、元気が良過ぎてな。・・・アハハハハ・・・。
エリル「・・・ぅぁ、は、張り裂けそうだな・・・、ヒクヒクと脈も打っておる・・・」
興味津々で俺の股間を見入るエリル。羞恥心ってのは俺にもあるンだからさ、
そんなに凝視すんなよな〜。その場に正座をして両手で股間を隠した。
・・・・・・・・・ええっと、この後、何から始めりゃイイんだ?。いきなりセックス
ってのはなんだかな〜。ここはやはりお互いのを触り合うトコからかっ!?。
- 420 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/15
20:36 ID:???
- >>415 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
触り合うって云っても向き合ったままじゃ恥ずかし事この上無いので、エリル
の背中に回った。脇の下から両手を差し込み、エリルの胸に触れる。
慎ましげなサイズの胸がスッポリと俺の掌に収まる。両掌の中心に硬いモノ
に触れた感触がした。・・・乳首だ。乳房が柔らかいだけに余計に硬く感じる。
・・・成熟しきれていないピンク色の蕾、形容するのならばそんな感じだな・・・。
円を描くように胸を撫でた後、人差し指と親指でゆっくり優しく乳首を摘む。
『ひゃうっ!?』と息を呑んで身を強張らせるエリル。可愛い反応するなぁ。
首筋にキスをすると更に身を強張らせた。
之雄「・・・エリルが触ってみてよ、な?」
エリル「・・・う、うむ・・・」
今度は俺がエリルに背中を向ける。エリルも俺の脇の下から両手を差し込む。
・・・てっきり、息子の方に手が行くモンだと思っていたのだが、エリルも俺
がさっきした様に胸をまさぐってきた。胸なんて触られたコトなんざ無いが、
なんか、妙に感じる、っつーかコレは結構気持ちイイかも・・・。エリルは
人差し指で『カリカリ』と俺のちっこい乳首を優しく引っ掻く。快感に身を
強張らせる俺の首筋に、エリルもまた舌を這わせ、キスを見舞ってきた。
- 424 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/16
10:45 ID:???
- >>420 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
既に息子は暴発寸前、触れられようものなら即昇天って状態だ。う〜ん、1発
ヌいておくのが正解かな・・・?。さてはて、どうしたらいい・・・。
・・・っ!?。暫く俺の胸をまさぐっていたエリルの手が下腹部に移動を始める。
これはマズいっ。息子に到達する寸前でエリルの手を掴んだ。
エリル「・・・?。い、嫌だったのか・・・?」
気まずそうな声で聞いてくるエリル。
之雄「・・・いや、そんなんじゃない。その、も、もう、イきそうでさ・・・」
エリル「・・・『イきそう』・・・?。・・・っ!?、あ、そ、そうなのかっ!?。それは、
す、す、す、済まぬっ、その、どうすればよいっ?」
俺の言葉の意味を飲み込めた瞬間、動揺しまくるエリル。・・・『どうすれば』か。
・・・少し、積極的かつ大胆な要求をしてみるかな?。
背中を向けていた俺は『くるり』とエリルに向き直った。そして、手をエリルの
股間に伸ばす。
- 425 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/16
10:46 ID:???
- >>424 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・今度はここを、さ。まずは俺から・・・。・・・いいかな?・・・」
エリル「・・・うむ」
『こくん』と小さく頷くエリル。僅かだが問題を先送りに出来た。エリルの
性感がどんな感じか解らないが、俺の方が先に触れられて、しかも、速攻で
イってしまうのは、なんか情けない話だからなぁ。取り敢えず、先手は打って
おこうか。エリルのブロンドの薄い陰毛では隠し切れていない肉の割れ目に
ゆっくりと優しく、慎重に触れる。割れ物を扱うように?。な〜んちゃって。
・・・俺はバカか?。と心の中で一人ボケツッコミをしながら、心なしか震える
手がエリルのアソコに到達した。
細身のエリルは脚を閉じても内股と股間に三角形の隙間が出来て向こう側が
覗けた。総じてぽっちゃりが多い日本人女性には見られない。決して居ない
ワケじゃないが、そういう体型の日本人女性は大抵上半身にもボリュームが
無い。その点、エリルは(胸は発展途上だが・・・)身体の凹凸にメリハリが
あった。その股間の三角形の隙間に、中指を頂点にして右手の揃えた指を
添えた。エリルの股間は熱く、そして、汗ばんでいるのか、それとも・・・、
・・・取り敢えず、潤んでいた・・・。中指の先っちょで肉の割れ目を丹念になぞる。
『・・・ニチっ、・・・グチっ』と指が割れ目をなぞる度に音の湿り気が増す。
- 443 :12ファンキーズin練馬 :04/04/18 05:27 ID:???
- 怒涛のようにネタが出た古き良き時代。・・・ションボリ・・・
>>425 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
『・・・ぃやぁ・・・』と小さく喘いで内股に力を入れるエリル。どっこい俺は
少々強引にだが、お構いナシに愛撫を続ける。
・・・いい加減、割れ目をなぞるだけじゃ芸がないのかな・・・?。俺は中指を
鉤状に折り曲げ、クリトリスのみを刺激する。
エリル「・・・あっ!?。・・・うっ・・・、・・・んっ・・・」
艶やかに表情を歪めて身をのたうたせるエリル。その痴態に俺は喉を鳴らして
生唾を飲み込んだ。余った方の手をお尻側から回し、割れ目を先程より深く、
強くなぞる。
エリル「・・・っ!!。・・・っ!!。・・・っ!!」
『イヤイヤ』と首を左右に振って俺の手を掴み、声にならない声で喘ぐエリル。
そんなエリルを横目に俺は更に愛撫を続けた。
- 461 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/18
23:39 ID:???
- >>443 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
粘膜質の音は大きくなり、エリルの内腿により力が籠もる。
エリル「・・・もっ、もうっ、ダメっ。之雄っ!!。イくっ、イっちゃうよぉっ!!」
口をぱくぱくさせて喘ぎ、俺の両肩を掴むエリル。押し寄せる快感の波を
堪えようとエリルの手が力み、『ぎりぎり』と爪が肩の肉に食い込む。
流石に痛いが、構わず更に愛撫を続行すると、エリルは声にならない声を
上げて身体を『びくん』と仰け反らせた。肉の割れ目からは、男のアレに
比べて粘度の低い液体が溢れ出る。汗ばんだ上にアクメでエリルの股間は
トロトロな状態、先程まで漂っていた石鹸の香りも今はもう、女の香りに
取って代わられ、俺の鼻腔を擽った。
半ば放心状態で『・・・はぁ、はぁ・・・』肩で深呼吸して息を整えるエリル。
之雄「・・・凄いな、コレ。気持ち良かったんだ、エリル・・・」
エリル「・・・うむ。・・・己でするよりも、ずっと・・・」
之雄「・・・そっか。・・・って、え!?」
エリル「・・・。・・・あっ!?」
- 462 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/18
23:39 ID:???
- >>461 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
そう小さく叫んでエリルは自分の口元を手で覆った。覆水盆に返らず。後悔
先立たず。うっかり口を滑らせたな、エリル。アハハハハ。
之雄「・・・それって、やっぱり、オナニーとかしてたってコトだよな・・・」
エリル「・・・ち、違っ!?、そ、その、ええと・・・」
エリルの顔は紅潮し、語尾はどんどん小さくなっていく。『やぁ、もぅ』
と言ってエリルは自ら布団にくるまり、簀巻きになって『コロコロ』と
部屋の隅へ転がりながら逃げる。
俺も『コロコロ』とエリルの方へ転がっていく。で、質問。
之雄「・・・エリルさん、質問があります。ネタは誰ですか?」
エリル「バカっ。・・・知らぬっ・・・。・・・教えぬっ・・・」
『じぃ〜』とエリルを見つめる俺。睨めっこをしていたものの、エリルは
『ぷぃ』と180度反転してそっぽを向いた。そして暫しの沈黙の後。
エリル「・・・そ、そなた以外に居らぬわっ。コレで満足かっ!?。もぅっ!!」
- 468 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/20
00:15 ID:???
- >>462 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
突っ立った俺の前に『ちょこん』と正座したエリルは、恐る恐るガチガチに
なった息子に手を添えた。『手を添えられた』たったコレだけで射精感が
込み上げて来る。情けない声が出そうになるのを奥歯を噛み締めて我慢した。
・・・只でさえ禁欲生活を半年ほど続けたお陰で爆発寸前なのだ、限界に達する
のは早いだろうな。しかし、自分で擦り切れるほどシゴきまくった息子の
お陰で、不慣れなエリルの手コキで直ぐに『昇天』とはいかなかった。
まぁ、セックスを商売にでも無い限りは無理らしからぬハナシ。エリルに
それを求めようとは思っちゃいない(・・・今は、な・・・)。
だが、だが、どうして、イキそうでイカない、まどろっこしいエリルの
手コキがイイ塩梅になってきた・・・。そう、利き手では無い方のオナニー
に感じが似ているな・・・。
初めて目にしたという男性器を前に、恥ずかしさに顔を赤らめながら
一生懸命に息子をシゴくエリル。
エリル「・・・そ、その。・・・ぐ、具合は、どうか?」
之雄「・・・ああ。いい、気持ちいいよ・・・」
そう答えると、エリルは嬉しそうな表情を浮かべた後、俺の股間に顔を埋めた。
- 477 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/21
00:17 ID:???
- >>468 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
・・・あ、ヤベっ・・・。と思った時にはもう遅い、関を切ったが如くの夥しい
ザーメンがエリルの口腔に放たれる。こうなってしまっては止める術が無い、
暫くの間、『びくん、びくん』と脈打つ息子を放任するしかあるまい・・・。
『・・・んぐっ!?』と唸ったエリルは、口に放たれた粘液に驚き、銜えていた
射精中の息子を口から離した。未だ終わらぬ射精、精液の飛沫がエリル
の顔を汚す。・・・自分でも呆れる程の量だった、しかも黄色みを帯びて濃厚、
酷い生臭さ、禁欲の影響がココまでとはなぁ・・・。
顔に掛かったのと、口の中にある精液をどう処理すればいいのか解らず
フリーズしているエリル。・・・これに『ベェーしなさい』と俺はゴミ箱
をエリルの口元に差し出した。
『こほん、こほん』とゴミ箱に咳き込むエリル。濡れタオルで顔に付着
した精液を拭ってやり、うがいをしてくるよう促した。『こくこく』と
頷いて台所に向かうエリル。
エリル「・・・がらがらがら、ぺっ・・・。・・・がらがらがら、ぺっ・・・」
・・・まぁ、しょうがないわな。申し訳なさそうな顔をしてエリルが戻ってきた。
- 498 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/22
18:31 ID:???
- >>477 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・平気、か?」
エリル「・・・う、うむ。・・・そ、その、色々とビックリしただけだ・・・。教育
されたモノと実際とでは大分違っていてな・・・」
布団で寝そべっている俺の横に膝を崩して座るエリル。
之雄「・・・どんな風なモンだと思ってた?」
エリル「・・・ええ、と・・・、タマゴの白身・・・」
之雄「・・・これまた、微妙だな・・・」
エリル「之雄の・・・熱くて、トロトロしてた・・・」
之雄「生臭いっつーか、青臭いっつーか。ヒドいニオイだろ?、男のって・・・」
エリル「・・・妾にしてみれば、体臭と変わらぬと思うな。それにそなたの身
から出たものだ、気にならぬ」
嬉しいコトを言ってくれるな。エリルを布団に優しく引き倒し、覆い被さる俺。
驚いて身を固くしたエリルの耳元で俺は囁いた。
之雄「・・・続き、するから」
- 514 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/23
14:39 ID:???
- >>498 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
『こくん』と頷いたエリルが、視線を僅かに俺の下腹部に移した。
エリル「・・・雄々しいな。また元気を取り戻したみたいだ・・・」
之雄「え?、ああ、まぁな・・・、お前が好きだからこんなになるだよ」
そう言いながら俺は買ってきたコンドームを『いそいそ』と装着した。
コンドームを付け終わった頃合いを見計らい、エリルが俺に抱き付いて
きて、小鳥が果物を啄むようなキスを見舞ってきた。俺もお返しとばかり
にエリルのおでこ、頬、唇、顎、首筋と下へ向かってキスを始める。
・・・吸血鬼の様にエリルの白磁の陶器のような肌の首筋に吸い付くと、
赤々と俺のキスマークが残った。変な嗜虐心を掻き立てられた俺は、
その後のキスをワザと強めた。両手の甲、胸、脇、鳩尾、おへそ、
下腹部・・・、吸い付く度に切なげな嬌声を上げて身を捩るエリル。
今度は目標を下方に移し、右足の甲、左足の甲、右膝、左膝と昇る。
・・・ここまで来て、エリルの内腿に力が入っている・・・。
エリル「・・・こ、ここは、ダメだ。見られるのが、は、恥ずかしい・・・」
- 535 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/24
10:23 ID:???
- >>514 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「・・・さっきの、フェラしてくれたお返し・・・」
力を入れて閉じている脚を掻き分ける様に強引に開くと、エリルは観念
したのか、力を抜いた。
・・・ごくりっ・・・。うわぁ、生唾モノだな、コレは。先程、指でいじった
所為か、割れ目が綻んでビンク色の肉が覗けて見えた。
ゆっくり優しく、両親指で肉の割れ目を広げてみると、そこには内蔵っぽい
粘膜質の穴があった。余りの生々しさに興奮した俺はエリルのアソコに
むしゃぶり付く。『ちぅちぅ』とクリトリスを吸い、割れ目に舌をねじ
込んで舐め回した。
エリル「・・・あぅううっ!?」
クンニにビックリしたのか、力を抜いていた脚を再び閉じるエリル。
内腿に思いっ切り頭が挟まれた俺は軽い目眩を起こした。
エリル「・・・す、済まぬっ、そ、その・・・」
之雄「・・・お、おおぅ、大丈夫、大丈夫。へ、平気、平気・・・」
- 561 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/25
09:59 ID:???
- >>535 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
・・・ぶんぶんと首を振って朦朧した意識を払拭する。気を取り直して続きを。
舌と指を駆使した愛撫で次第にエリルの割れ目が潤み、綻び始める。愛撫を
続けている間、エリルは鼻に掛かった甘い声で喘いでいた。・・・そろそろ頃
合いかな?。無言でエリルに覆い被さり、俺は目で了解を求めた。エリルは
静かに瞼を閉じて、俺のを受け入れやすいように脚をM字に開く。
之雄「・・・我慢出来そうになかったら・・・」
言いかけた俺の唇をエリルがキスで塞いだ。・・・気遣い無用、ってか・・・。
息子をエリルの秘所に宛い、ゆっくりと腰を突き出す。『ぎちぎち』と膣内
を押し広げて息子を埋没させた。月並みの表現だが、エリルの純潔の証が
秘所から伝い、シーツに染み込む。破瓜の痛みに身を弓形に仰け反らせ、
噛み殺されて僅かにしか聞き取ることが出来ない、祈りにも似た異国の言葉。
・・・エリルの最深部に到達した、そこは未だ硬くて窮屈だったが、なにより
熱くて溶けてしまいそうだった・・・。エリルの目尻に涙が溢れ、零れそうに
なる。・・・色々な感情が綯い交ぜになった、そんな涙だ。俺はエリルの頬に
手を添え、その涙を親指の腹で拭い、キスをした。その瞬間『きゅうっ』と
エリルの秘所が締まり、敢え無く俺は絶頂を迎えた。
- 591 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/26
09:46 ID:???
- >>561 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
その後も俺とエリルは身体を重ね合った。後始末で拭き拭きしたのと、使用
済みコンドームを包んだティッシュがゴミ箱から溢れんばかりに捨てられて
いる。最後の方はイった感じしかせず、コンドームの精液溜まりには雀の涙
程の精子も入ってはいなかった・・・。
・・・一方、エリルは必死に痛みに耐えて、幾度と無く俺を受け入れてくれた。
行為を重ねた結果、痛々しい程にアソコは擦れて赤く腫れ上がっている・・・。
騎乗位で繋がったまま、エリルは『くたり』と俺の胸に身体を預けてきた。
最早、体力の限界なのだろう。時計に目を移すと、既に日付が変わっていた。
・・・うひゃあ、6時間はブっ続けかよ、そりゃ、疲労困憊だわな。そういう
俺も辛うじて勃つ程度の有様だったが。
そのまま、俺の胸ですぅすぅを寝息を立てるエリル。息子をアソコから引き
抜き、起こさないようにゆっくりとエリルの身体を布団に横たえさせた。
まだ、あどけなさを残すエリルの顔立ち。俺はその横で頬杖を付いて添い
寝しながら、汗で額に貼り付いたブロンドの髪を払った。
・・・腹違いの妹か・・・。改めて自分に問う。同じ髪の色、同じ瞳の色、同じ
肌の色の少女、日本人であったならば、また違った関係だったのだろうか?。
彼女の生まれた境遇が王族でなければ、この出会いも無かったのだろうか?。
- 600 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/27
09:47 ID:???
- >>591 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
倦怠感が眠気を誘う。寝て、起きればエリルを送らなければならない
時間になるだろう。・・・口惜しいな・・・。そんな思いとは裏腹に、俺の
意識は暗闇に沈みゆく。『ならば、せめて』とエリルを包み込むように
抱いて俺は眠りに付いた。
・・・温いなぁ。眠りから覚め、五感が徐々に周りの状況を把握し始める。
俺はエリルの胸に顔を埋めるようにして抱かれていた。・・・何時の
間に体勢が入れ替わったのだろうか・・・。
寝惚けたフリをして温かく、柔らかい感触を頬摺りして暫く堪能する。
・・・いいなぁ、コレ。どれ、もう少し。更に行為をエスカレートさせて
『はむはむ、ちゅうちゅう』とおっぱいに吸い付く。
エリル「子供の様な寝顔をしていると思えばコレか・・・。おはよう、之雄っ」
そういって俺のコメカミに『ギリギリ』と拳骨を押し当ててくるエリル。
ぁいででででっ!!。・・・おはよう御座います・・・。のっそりと俺は身を
起こして時計を見ると、9時を回ったところだ。あと4時間もないのか・・・。
- 626 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/28
21:28 ID:???
- >>600 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
行為の後、気怠くてそのまま寝入った所為か、身体中が『がびがび』だった。
当然、エリルもだろう。サッパリしたいな・・・、シャワー、いや、風呂だな。
俺は風呂場に行き、風呂を沸かす。準備が整い、エリルに風呂へ行くよう
促した。それまで布団に突っ伏していたエリル。億劫そうに半身を起こし、
『ぐりぐり』と身体を捻って柔軟体操をする。
エリル「・・・昨晩は無理が過ぎた。身体のあちこちが悲鳴を上げておるな・・・」
そんなエリルを俺は『ひょい』と抱え上げて風呂場へ向かう。
エリル「・・・あ。な、なに?」
之雄「ん?。『何』って、一緒に入ろうと思ってさ。嫌かい?」
首を横に振り、俺の首に手を回して抱き付くエリル。
・・・シャワーで下洗いを済ませ、狭い湯船にエリルを背中から抱くような体勢
で浸かった。エリルは小さな背中を俺の胸に預けてくる。
エリル「・・・あの窓であったな、蜘蛛を追い出したのは・・・」
- 627 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/28
21:30 ID:???
- >>626 の続き。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「昨日の事みたいだな」
無言で頷き『ぱちゃ、ぱちゃ』と湯船の水を手で掬っては零して遊ぶエリル。
之雄「・・・・・・・・・」
エリル「・・・この半年、今までで生きてきた中で最も有意義だったぞ・・・」
之雄「・・・そして更に有意義な人生を送れるように、俺はエリル、お前を
待っているからな・・・」
エリル「・・・そなたと離れたくない、之雄っ・・・」
之雄「・・・俺もだよっ。・・・・・・・・・ならさ、逃げるか、バイクで。ガソリンと
お金が尽きるまでさ・・・」
『ぱたぱた』と音を立ててエリルの涙が湯船に落ちて波紋を作る。・・・エリルは
必死に嗚咽を堪えていた。
エリル「・・・そなたは優しい、な・・・」
無言で俺はエリルを背中から抱き締めた。
- 628 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/28
21:31 ID:???
- ちょっと外伝 〜マリエル王女殿下の悩めるひととき〜
・・・はぁ・・・
アルテニア政府専用機内のファースト・クラスの座席の背もたれを目一杯
倒し、左手の親指と人差し指で目頭を揉み込みながら、私しは深く溜息を
吐いた。私しの他、このクラスには人影は無い。腕時計に視線を移すと針が
丁度20時を刺す。夫と前妻との間の子の青年がエリルを連れて行ってから
6時間が経過していた・・・。・・・似ていたな、あの人に・・・。誰ともなく
ポッツリ呟いてしまった。南米の奥地に消えた夫。生死が分からず数年が
経過し、もう涙は枯れ果てた。正直、之雄の声を聞いた時は心臓が高鳴った。
彼ではないか、と。しかし彼は最愛の人の生き写しなだけであって、娘の
エリルしか見ていなかった。それは分かっていた事だ、しかし、彼が夫に
似ている、似過ぎているだけに辛かった。・・・娘の思い人に、横恋慕?。
・・・そんな浅ましい考えが脳裏を過ぎり、首を横に振って否定する。
・・・コツリ、コツリ・・・。整った歩調の足音が聞こえてくる。スチュアートか。
マリエル「・・・親子二代で迷惑を掛けますね、スチュアート・・・」
スチュ「いいえ、殿下。王家の方々の健やかなる成長こそが、私しめの喜びに
御座います」
- 659 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/29
20:06 ID:???
- >>628 の続き。ちょっと外伝 〜マリエル王女殿下の悩めるひととき〜
マリエル「・・・血は争えませんね。あの子の連れ帰る権利など、15年前の
あの日に無くなっていたのに・・・」
私は自嘲の笑みを浮かべた。屹立しているスチュアートは無言のまま微動だに
しなかったが、遠くを見るような、そんな懐かしげな表情を浮かべる。目尻に
は深々とシワが刻まれた。
マリエル「18の時にエリルを身籠もりました。王家の恥曝しだの、堕胎しろ
だのと口に出して言わない迄も、周囲の刺すような視線の中で
スチュアート、貴方だけが励ましてくれましたね・・・」
スチュ「・・・・・・・・・」
マリエル「・・・その後ろめたさもあったかもしれない。王女という公の立場
を押し退けて、連れ帰ろうとしたエリルと之雄に時間を与えた。
国民は笑い、後ろ指を指すでしょうね、『親馬鹿』と・・・」
スチュ「いいえ、殿下。子が幸せであって欲しいと願わぬ親は居りますまい。
お腹を痛めて産んだのであれば尚更です」
その言葉、救われます、スチュアート。では待ちましょう、あの二人を。 〜おわり〜
- 677 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/30
20:10 ID:???
- >>627 の続き。ラスト間近。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
『ぱたぱた』と零れた涙が湯船に落ちて波紋を作る。俺には、只、エリルを
抱き締めてやる事しか出来なかった。一頻り泣いた後、湯船のお湯を手で掬って
『ぱしゃ、ぱしゃ』と顔を洗い、俺の左肩を枕代わりにして、もたれ掛かって
きたエリルは吹っ切れた様に微笑んで言った。
エリル「・・・済まぬな、之雄。妾は帰る、そして、そなたの元に戻ってくるっ、
必ず、な・・・」
之雄「待っているよ、何時までも・・・」
約束のキスを長く、長く続けた。
・・・半年前、アパートに来た時と同じく、王冠を頂きドレスに身を包む。だが、
頻りに着心地を気にしている。どうした?。
エリル「・・・ン?、なんか、その、胸の辺りがキツいような・・・」
之雄「オイ、もしかして『太った』とか?」
『女らしい部分が発育しておるのだっ』と言わんばかりに、エリルの肘鉄が
俺の鳩尾にメリ込んだ。・・・し、失言、でした・・・。
- 678 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/30
20:16 ID:???
- >>677 の続き。ラスト3本前。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
バイクで空港に向かう。エリルを追い掛けた道をもう一度進む。交機のお世話
にならない様に法定速度を守って走った。空港に着き、守衛の居るゲートを
進んでアルテニア政府専用機のタラップに横付けした。
バイクから降りたエリルはヘルメットを俺に手渡して言った。
エリル「・・・暫しの別れだ、『さよなら』は言わぬ。では、行ってくる・・・」
之雄「・・・ああ、行ってこい・・・」
上手く言葉が出ない自分が情けなくなった。そんな、俺の心情を察してか、
『気持ちは痛いほど伝わっておる』と囁いて俺の唇に軽くキスをするエリル。
踵を返してタラップを途中まで昇ったところで俺はエリルに声を掛けた。
之雄「コイツはお前のだ、持っとけっ!!!!」
そう言ってエリルへヘルメットを投げ渡す。ヘリメットをキャッチしたエリル
は手の甲で溢れ出た涙を拭いながら大きな声で応えてくれた。
エリル「うむっ!!!!」
- 679 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/30
20:17 ID:???
- >>678 の続き。ラスト2本前。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
飛行機の扉が閉じられ、タラップが片付けられる。空港の関係者に促され、
飛行機から離れる俺。飛行機は離陸しようと滑走路に向かう。
それでも、空港関係者の計らいでかなり間近で飛行機の離陸を見届けさせて
貰った。飛行機のファースト・クラスの小さな窓からエリルが手を振っている。
俺も両手を大きく振って応えた。
飛行機はその巨体を驚くほど加速させ、空に舞い上がる。ある程度の高度に
達すると旋回を始め、みるみるうちに小さくなって、やがて見えなくなった。
・・・『会える』・・・か。それでも寂しさは拭い切れるものではなかった。
アパートに帰っても誰も居ない、その現実が辛かった・・・。バイクを駐輪場に
止め、アパートの自分の部屋に向かう。・・・もしかしたら、お帰りといって
エリルが出てきたりしてな・・・。有る筈の無い期待を抱いてドアを開ける。
・・・当然、部屋に人気は無い。エリルと生活していたそのままの状態だった。
二人分の食器、女モノの洗濯物、セックスで乱れたままの布団。無気力感が
全身を襲う。そのまま玄関先でヘタリ込み、エリルとの思い出に浸って数時間
が過ぎた。既に陽は落ち、明かりを点けていない部屋は闇に包まれていた。
・・・・・・・・・。・・・こんなんじゃ、ダメだっ。エリルは前向きに母国に帰ったん
じゃないかっ!!。それなのに俺の方が腐ってどうするよっ!?。そう自分に
言い聞かせて、俺は乱れたままの布団に潜り込み、瞼を閉じた。
- 680 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/30
20:18 ID:???
- >>679 の続き。ラスト1本前。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
眠れない夜が続いた。エリルとの行為を思い出して、オナニーもした。寝ても
エリルが夢に出てきて夢精もした。バイト仲間にも『大丈夫かよ?』とか『魂
抜けてない?』と心配もされた。眠れないのは・・・まぁ、しょうがない。何も
していない時間はエリルの事がグルグルと頭の中を巡っているからだ。それでも
時間は過ぎるので、少しでも前向きに、何かの役に立てばとバイトがてらに
アルテニア語の勉強を独学で始めた。
エリルからは毎週の様に、ミミズの這ったような平仮名が駆使された手紙が
届く。俺も一生懸命、アルテニア語で返事を書いた。インターネットでメール
の遣り取りをすればもっと意思疎通が出来るのだが、コレはコレでとても新鮮
だった。・・・そして、1通のとある手紙が来た。勿論、差出人はエリル。それは
エリルがアルテニアに帰って半年後、つまり去年エリルがウチに来た頃だ。
その内容は要約するとこんな感じだった、『今度こそ、長く、公的にそなたと
共に居られる。3月末日を目途に日本へ向かうので宜しく』と。これを読んで
俺は小躍りして喜んだ。僅か半年の別れが10年にも20年にも感じられる・・・。
3月末日、今度は羽田ではなく成田空港だそうだ。バイクで向かいに行く。
今度は他の乗客同様の通路から出てくるそうだ。待ち遠しくてそわそわと
ロビーを行ったり来たりする挙動不審者と化す俺。
- 681 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/04/30
20:20 ID:???
- >>627 の続き。ラスト。〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
到着してそろそろ出てきてもいい頃じゃないのか?。忙しなく、腕時計と
ロビーにある時計を見比べる。
???「之雄っ!!」
遠くから声を掛けられた。聞き間違える筈もない。エリルだっ。『ガラガラ』
とキャスター付きのトランクを引いて、ドレスはおろか王冠もしていない、
年相応の格好をしたエリルがこちらに向かって来る。
俺も走って駆け寄り、人目も憚らず抱き合う。お互い、ここはキスをしたく
なる衝動を『グッ』と堪えた。
エリル「之雄っ。逢いたかったっ。・・・今度はな、長く居られるぞっ。日本の
学校へ留学許可が下りたのだ。だから、だから、そなたと居られるっ」
之雄「そうか、公的にOKが出たワケかっ。・・・でも、同棲して平気なのか?」
エリル「・・・しぃ〜。・・・野暮な事を申すな、ほれ『通い妻』と云うであろう?」
周囲に目配せをし、自分の唇に人差し指を当てて、悪戯っぽい笑みを浮かべる
エリル。やれやれ、困ったモンだな、俺的には死ぬほど嬉しい限りだが・・・。 〜おしまい〜
- 706 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/05/01
20:33 ID:???
- 長文ネタ後のネタ 〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
之雄「ただいま〜、おぅ〜、お土産買ってきたぞ〜」
エリル「お土産っ!?」
之雄「・・・っても、『銀だこ』の『たこ焼き』なんだが。初めてだよな、喰うの」
エリル「うむっ!!」
之雄「・・・少々値が張るのがキツイが。そらっ、熱いうちに喰え。火傷するなよ?」
エリル「いただきま〜すっ!!。・・・、・・・・・・・・・あヅっ!?」
テイクアウトしたとは云え、たこ焼きの中は結構な高温だ。注意した傍から
エリルは熱さの余り、半ば口に入れたたこ焼きをポトリと落としてしまう。
たこ焼きは卓袱台の上で1回弾み、そして、畳みの上に転がった。
畳みに落ちたたこ焼きを見て固まるエリル。どうしていいのか分からない
って表情だ。見かねて、俺は自分のたこ焼きを1個エリルの舟に移し、
落っこちたたこ焼きを自分の口に運んで『モグモグ、ゴックン』した。
エリル「・・・あ。」
喰った後で後悔した。はしたなかったな。つい、一人暮らしの癖で部屋で
落としたモノを拾って喰っちまった・・・。
- 707 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/05/01
20:34 ID:???
- 長文ネタ後のネタの続き 〜エリル孫女殿下の優雅な一日〜
エリルは洗練されたテーブル・マナーを体得した王族だ、『拾って喰う』
なんて想像もしないんだろうなぁ・・・。クソっ、行動が浅はか過ぎた・・・。
之雄「・・・い、いや、これはだな、『落ちたモノは3秒以内ならば拾って喰っても
いい』という俺の家のルールがあってだな・・・、べつに外でやっているワケ
じゃない・・・。・・・ええと、・・・済まない。行儀が悪過ぎた・・・、ゴメン・・・」
エリル「謝るのは妾の方だ。そなたの忠告を聞かずに口にしたのだからな・・・」
之雄「そ、そう!?。ま、まぁ、気にするな。アハハハハ・・・」
ふぅ〜、なんとか事なきを得たか・・・。以後、自重せねば、な。しかし、その後
のエリルは何やら嬉しそうに、たこ焼きを口に運ぶ。・・・何なんだ?。
之雄「やけに嬉しそうだが、そんなに美味しいか?」
エリル「うむっ。(それだけでは無い、口から落としたモノを食べてくれる程、
親しい『存在』と認めてくれておるのであろう?)。あ、口元に・・・」
そう言って俺の口元に付いたマヨネーズを、人差し指で掬って口に運び『ちゅぴ』
と音と立てるエリル。・・・なんだよっ。拭うくらい自分で出来るっつ〜の。
- 878 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/05/11
00:50 ID:???
- 〜エリル孫女殿下の難儀なひととき〜
之雄「おぅしっ、本日はカレーの作り方を伝授する。カレー。それは年がら年中
海の上に居て、曜日感覚に乏しい海軍人が『おっ!?、この献立からすると
今日は金曜日だな!?』と思い起こさせる大事な料理である。ウチも単調な
生活サイクルの真っ只中、毎週金曜は『カレーの日』である、OKっ!?」
エリル「Yes、sirっ!!」
之雄「うむ、良い返事だっ。(・・・最近、随分と俺に感化されてきたなぁ・・・)
では、まず最初に具であるタマネギを切る、やってみろっ、エリルっ」
エリル「Yes、sirっ!!」
エリルは生まれて初めてタマネギを切るらしい。よもや、タマネギを切ると目に
染みるとは知るまい。フハハ、市井の洗礼を受けるがいいっ。
エリル「・・・何をニヤニヤしておるのだ?。包丁1本満足に使えぬと思って
馬鹿にしておるのではあるまいな?」
之雄「・・・い〜や、別にぃ・・・。ホレ、切ってみ?、明日になっちまうぞ?」
タマネギを軽く洗い、茶色い皮を剥いてまな板の上に乗せるエリル。
- 879 :12ファンキーズ ◆f5mROIKMUU :04/05/11
00:53 ID:???
- >>878 の続き。〜エリル孫女殿下の難儀なひととき〜
包丁の持ち方が相変わらず危なっかしい。タマネギに『これでもかっ』と
云わんばかりに顔を近付けて包丁を突き立てるエリル。『ざこん』と音を
立ててタマネギ1玉を半分に切った。
エリル「上手いモノであろうっ。どんどん刻むぞっ」
調子に乗って『ザクザク』とタマネギを刻むエリル。そろそろ頃合いだな・・・。
エリル「それそれっ!!。・・・っ!?、!!??、あれっ!?、あ、あぐぅっ!?。目が、
目がっ!!、痛いっ、しみるっ、之雄っ!?、催涙ガスっ!?、・・・ああっ、
ぐっ、○、○△×○っ!!、○×△〜〜□○っ!!」
包丁をまな板の上に置きたエリルはその場でのた打ち回り始める。しかも、
タマネギを押さえていた手で目を擦った所為で、事態は更に悪化した。
エリル「ひぎゃあぁぁぁっ!?」
エリルを胸に抱いた俺は優しく優しく頭を撫でてやる。おう、よしよし、
泣くな、泣くな。お兄ちゃんが慰めてやるからな?。ウヒャヒャヒャヒャっ
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