topへ戻る 全部表示 ネタだけ表示

 

今年で17歳になったお兄ちゃん

鬼畜お姉さん

735 名前:1/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:54 ID:???
06:00 いつもどおり起床する。弟は起きてこない。…もう冬休みらしい。
      パンパンに膨れ上がった下半身を見るのが朝の楽しみだったのに…。
      キッチンで朝食をとる。いつもは無口な父が、口を開く。
      「今日は遅いのか?」…実際今日は何もない。それを知ってて
      言っているなら相当嫌味だし、わからずに言っているとしても、
      そんなのはわたしの勝手だ。腹が立つ。とどめに母親が言う言葉に
      息が止まりそうになる。「そういえば、憲二は今日遅いみたいよ」
      …あいつ…姉のわたしをさしおいて聖夜のデート…!
      …はあ…泣きたくなる…なんでわたしを向いてくれないの…。
      非常に悲しいが、もっと辛くなるのが目に見えているので無理して
      朝食はいつもどおり摂る。
07:15 いつもの電車に揺られるが、気分は重い。今日の予定がないことよりも、
      弟が誰かと出かけてしまうことの方がショックだ。電車は混んでいるが、
      学生がいない分だけいつもよりはマシだ。二本目の電車は、オフィス街を
      通る電車のせいか、いつもと余り変わらなかった。
      この圧迫感が非常に不快で気持ち悪い。


736 名前:2/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:54 ID:???
08:30 いつもどおり電話がじゃんじゃん鳴り出す。ウチの会社は、生産ラインも
      物流センターも今週一杯で止まる。そのせいもあって年末年始の分を
      ストックしようといつもより代理店の注文が多い。…で、あの無神経な
      バカが注文を兼ねてかけてくる…。
      「もしもし、○○商事の鈴木ですが…あ、菊恵ちゃん?おはよう」
      「おはようございます」
      「あのさあ、いつもの品番…を…だけ年内に入れてくれるかな?
       いつもより多いでしょ。菊恵ちゃんのためのクリスマスプレゼントだよ!
       そんなことよりさあ、今日よかったらどう?すっごくいい店押さえてるんだ!」
      わたしは、コイツは正真正銘のバカだと思った。確かにいつもより注文量は多い。
      ○○商事だったら半月分にはなるだろう。でもね、それ、大手だったら一日、
      最大手だったら半日分だよ。そんなチンケな注文で大きい顔すんじゃねーよ!
      と思ったが、そんなことはおくびにも出さず、
      「あ、鈴木さんごめんなさい…。今日はどうしてもちょっと…」と
      やんわりと断った。
      「あ、そう…。折角予約したのにな…。まあでもそっか。菊恵ちゃんなら
       イブの予定はとうに埋まってるよね…ごめんごめん」
      全く気にさわるやつだ。なんでまたわたしはこんな男につきまとわれるのだろう…。
      ためいきが出る。

737 名前:3/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:54 ID:???
10:45 受注量が多く、事務処理・納期折衝に手間取る。ちょっと前までは10時過ぎには
      飲めたコーヒーが今日は大分遅れた。…もっとも、他事業部の元彼が、10時過ぎを
      狙って現れることがわかってきたので、最近は極力遅らせるようにしている。
      誰もいない休憩ルームの自販機でホットコーヒーを買うと、手近な席で腰掛けて
      ゆっくりと飲む。…朝の母の言葉がリフレインする。あーあ、何でだろう。
      ま、別に弟と約束していた訳じゃないけど、ウチの弟に限って、と思い込んでた
      自分がすごく悲しい。…どんな子と付き合ってるんだろ…。わたしなんかとは
      ちがって、もっと純粋で愛くるしい子なんだろうか…。聡明でおしとやかな
      子なんだろうか…。空想の中で色々なタイプの女の子が浮かんできては、嫉妬の牙が
      心を噛む。…ぼうっとしていたせいか、わたしは近づいてきた人影に気がつかなかった。

      かっての不倫相手だった経理部長だ。
      「き、菊ちゃん…」
      「部長、おはようございます」
      今日初めて顔をあわせたので一応挨拶をする。
      「あ、ああ。」
      このオヤジにも前に復縁を迫られたことがある。だが、急いでいるのか、今はもう
      その気がないのか、コーヒーを買うと経理部長はそそくさと部屋を出て行った。
      「わたし、アイツにも相手にされなくなったんだね…」
      今日はどうもそんな星回りの日みたいだ。

738 名前:4/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:55 ID:???
12:00 同期入社の女の子達と昼食を摂る。二人とも彼氏とお出かけが決定しているので、
      もう完全にウキウキしているのが見てわかる。…それもわたしに対する
      優越感タップリに…。
      「あたし今日さあ、あのお店いくんだよね」
      「ふーん」
      「でさあ、その後車でベイエリアまでドライブするんだ」
      「へえ、それいいじゃん。」
      もう一人の同期も負けじと今日の予定を語る。
      あーあ。わたしに彼氏がいないのは知ってはいるものの、今日はさすがに
      それを気遣うほど落ち着いてはいないみたいだ。
15:30 15日締めで請求書を送っている得意先から、指摘された請求符合を訂正
      する作業に追われ続ける。純然たる事務作業だけにめんどくさい。
      会計上、電算資料ではなく手書きの資料で残せ、と指示を受けているだけに
      一枚一枚伝票を手書きする。まあ、作業中は弟のことをすっぱり忘れていたので、
      まあ今日はこれでよかったのかも、と思い直す。

739 名前:5/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:55 ID:???
17:15 クモの子を散らすようにほとんどの女子社員は姿を消す。わたしは既に帰りが
      遅いほうの部類になってしまっている。変に同情されたりするのもしゃくなので、
      仕事をきりあげる。
18:00 乗換駅で改札を出て、周囲の繁華街をちらっとのぞいてみる…カップルだらけだ…。
      あたかも、待ち合わせの相手がまだ来てないんですよ、という風情で、ゆっくり、
      ホントに待ってて手持ち無沙汰なんですよ、という歩き方をしてみるが、
      「あーあ、あの女の人、なんか相手が来なくてかわいそうだね」という
      陰口が聞こえて、あっさり努力が水泡に帰す。
      家に早く着きたくない、と思ってここに来たのが帰って裏目に出る…。
19:00 帰宅する。母親は何も言わずに夕食をよそいはじめる。弟の憲二はいない。
      父もまだ帰ってきていない。あまり会話のない夕食を摂る。
21:00 父は帰宅するも弟は帰ってこない。いたたまれなくなり、弟の部屋で
      ベッドに腰掛け、ぼうっとする。…あいつ、今どこで誰といるんだろ。
      イルミネーションに彩られた一角で、女の子の手を引いているんだろうか…。
      夜景の見える観覧車で、唇を重ねているのだろうか…。
      泣くつもりは全然ないのに、うっすらと涙がにじんでくる。

740 名前:6/6鬼畜姉さん ◆yNNZPlYSK2 :03/12/24 22:56 ID:???
22:30 気がついたら弟の部屋で寝ていることに気付く。枕元に弟が立ってる。
      「姉ちゃん、こんなとこで何やってんだよ!」
      「憲二…ごめん。憲二こそどこ行ってたの…?」
      弟は屈託のない笑みを浮かべて言った。
      「先輩がさあ、クリスマス撲滅委員会と称して男連中集めて闇鍋やったんだよね!
       …俺、何の予定もないからとりあえず行って来た。みんなノリノリですっげー
       面白かった!」
      何かがぱちんとはじけた。
      「…ばか。憲二のばか…」
      泣きながら弟の胸に飛び込んだ。
      「姉ちゃん…どうしたんだよ…」

      まだ弟は誰のものにもなってない…。絶対他の誰にも渡さないから…。

 
 
topへ戻る 全部表示 ネタだけ表示