翌朝、目覚めた私はいつものように、電気ポットで沸かした湯でコーヒーをドリップし、煙草をふかしながらコーヒーを頂きます。
今日は一日中、熱帯の動物を観察して過ごす予定です。
日本で旅行の計画を立てた際、朝食をシンガポール動物園で"オランウータンと一緒に食事"という催し物に参加しようと考えていましたが、せっかく提供された朝食のクーポンを生かすためホテル内のレストランで朝食を頂くことにしました。
午前8時頃に1階のチャターボックス・コーヒーハウス (Chatterbox coffeehouse) という名のレストランへ行きました。 それほど広くないこの24時間営業のレストランは、シンガポールの公式ガイドブックでグルメ (Gourmet) の欄に取り上げられるほど、チキンライスというメニューが有名です。
店内は色んな国の人たちでかなり混んでおりましたが、どうにか三人で座れる場所がありました。
私たちは部屋奥の壁際に並んだ、ビュッフェの朝食を頂きます。
ビンタン島で朝からごちそうを頂いておりましたので、どうしても比較になりますが、ビンタン島はリゾートホテルの豪華なメニュー、ここはビジネス客も宿泊するシンガポール風の洗練されて都会的なメニューです。
私たちにはお決まりの定食メニューよりは、ビュッフェの朝食の方が性に合います。
滞在中には結局チキンライスというメニューを頂く機会を逃し、妻は後から残念がっておりました。
午前9時過ぎシンガポール動物園 (Singapore zoological garden) に向かいます。 マンダリン・シンガポールの正面玄関には、タクシーが次々とやって来ては客を運んでいきます。 列に並んだ私たちが乗車する順番になり、派手な格好のドアマン (doorman) に行先を告げると、彼がドライバーに伝達してくれます。
私が前席でドライバーの横に、妻と子供は後部座席に乗り込んでタクシーは発車しました。
自動ドアでないため自分でドアを開閉し、前席に乗った私はシートベルトを着用します。
シンガポールのタクシーは右ハンドルで左側通行です。
今日からの移動は頻繁にタクシーを使うことにしています。
オーチャード通りのホテルから北の方向にある動物園までは、タクシーで約30分の距離があります。 ドライバーがどこから来たのかなどと話しかけてくれます。 車窓から見る風景にシンガポール独特の緑の景色が見られます。 動物園が近づいて更に熱帯雨林の緑が深まり、やがて動物園の入口に到着しました。 タクシーの料金は日本円で\1,000程度でした。
タクシーを降りると、昨日の市内観光でガイドをしてくれたおねえさんが、日本人のご夫婦を案内しているところです。
彼女が私たちを見付け、私たちが三人だけで行動していることが解ると 「英語が話せますね」 と言って、次の目的地へ去って行かれました。
入場券売場で、インターネットでダウンロードした割引入場券の説明を示し、動物園・バードパーク・ナイトサファリ共通のトリプル・アトラクション・チケット (Triple attraction ticket) を、大人一名S$28.7 (\2,050)、 12才以下の子供一名S$15.2 (\1,080) で購入しました。
共通入場券は三か所で個別に購入するより、約2割引となります。
シンガポール動物園 (Singapore zoological gardens) は28ヘクタールの広さがあり、216種で2,800頭の動物を飼育し、オープンな動物園がキャッチフレーズです。 毎朝9時から開始されるオランウータン (Orang Utan) との朝食や午後4時からのハイティー (high tea) など、動物との触れ合いやショーなどが見ものです。
入口でもらった園内の地図を頼りに歩き出しました。
地図に示されたコースでは、どうやら広い園内を左に歩きながら一周出来るようになっています。
熱帯の樹木に溢れる園内をバーバリーシープ (Barbary sheep) などを見ながら歩いていると、園内を巡るトラムカー (tram car) を見かけました。トラムカーは乗客が乗った複数の車が、電車やトロッコのように連なった乗物で、別料金ですが園内を素早く一回りするのに都合が良いようです。
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この動物園を訪れた楽しみは、日本ではめったに観察できないオランウータンとコモドドラゴンに合うことです。
まもなく広場に出て、人混みの中でオランウータンのショーに出会いました。 オランウータン (Orang Utan、orangoutan 他) は、マレー語で「森の人」の意味で、野生のものはインドネシアとマレーシア(ボルネオ島)だけに生息します。
ボルネオ (Borneo) 島のうちインドネシア領をカリマンタン (Kalimantan) と呼び、カリマンタンとスマトラ島 (Pulau Sumatra) の森林にすみ、体は人間の大人より小さく赤褐色の毛を有する貴重な哺乳類です。
最近では森林の伐採により生息地が減少し、野生動物としては絶滅の危機にあるといえます。
一頭の賢いオランウータンが赤いボールを口の中に隠したりして愛嬌をふりまきます。
オランウータンは一般に動作が緩慢といわれますが、演技した一頭のマジックでの動作は機敏でした。
この広場のすぐ横の道路をまたいだ領域でオランウータンが飼育されており、小さな子供のオランウータンを抱いた母親の姿が何頭も見られます。
ここで繁殖させているものと考えられます。
地上に降りているオランウータンは見かけず、全てが木の上や地上高く作られた台の上にいました。
その後、引き続き蛇のショーも行われていました。
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更に先へ進むと、白さい (犀)、チーター、エランド (eland:ウシ科の哺乳類) などがいます。
写真は歩道からライオンを撮影していますが、動物と人間との間にものものしい柵が無く自然な感じです。
手前の低い木の茂みの先に深い溝があって、動物たちはこちら側に渡れないようになっています。
ごく一部の動物だけが、金属製の檻 (おり) の中で飼育されていましたが、ほとんどはこのライオンのようなオープンな見せ方です。
それから何と言っても園内には、自然を感じさせる大木や茂みが多くあり、人工物 (コンクリートの建造物など) をほとんど目立たせずに、動物たちを自然に近い環境で飼育しているという印象を受けます。
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次に私が好きでぜひ家族に見せたいと思っていた | コモドドラゴン | (Komodo dragon) に再会しました。
英語名ではコモドドラゴンですが、日本名はコモド大トガゲです。
つまり、インドネシアの「コモド島の竜 (ドラゴン)」という名の貴重な動物です。
コモドドラゴンはインドネシアのフローレス島 (Pulau Flores) の東に位置するコモド島などに生息し、現生する世界最大のトカゲです。
自然の生態では鹿・猪・猿などを餌にする肉食の大トカゲで、大きいものは体長3mで体重160Kgぐらいになるといわれます。
うす茶色でざらついてはいますが綺麗な肌で、余り動かず岩のようにじっとしています。
写真には左右と奥に、三体のコモドドラゴンが写っています。
首を上げた姿に威厳があり、見ていて怖くない稀少な生き物です。
全体の姿は日本で見るとかげ (蜥蜴) を、そのまま太らせて大きくした感じです。
写真右下のはめ込みはドラゴンの看板で、「は虫類園、コモドドラゴン、コモドの餌やり日曜日午後2時」 と表示されています。
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園内には孔雀が放し飼いになっており、私たちが歩く通路にも首のところが青く、長い尾羽根が緑色の一羽がゆうゆうと歩いています。
動物たちを見ながら歩いて行くと、今度は象のショーに出会いました。
このショーの終りはなかなかおもしろい演出でした。
私は人混みの後ろの方で見ていましたが、妻と子供は前の方にいました。
写真の象がバケツの水を鼻で吸い込み、大きな体を一回転させ正面を向いた瞬間に、ブワーと水を噴き上げ、観客にシャワーを降らせました。
三度回って三回シャワーを吹き上げ、そのたびに観客は大騒ぎです。
巨体の象が一回りするのは、次はどの方向にシャワーを降らせるかを楽しませているのです。
前の方で見ていた妻の話では、ずぶ濡れになりながら喜んでいる白人のご婦人がいるかと思えば、大きな声で喋りながらその場で濡れた子供のTシャツを交換するアジア系のお母さんもおられたそうです。
妻はいろんな国の観光客がそれぞれ違った反応を見せていたと話しておりました。
園内を一回りして入口に戻ってきた私たちは、ギフトショップ (gift shop) に寄り、子供は | ホワイト・タイガー | (White Tiger) の縫いぐるみが気に入りS$18 (約\1,300) で購入しました。
ホワイト・タイガーそのものは、この動物園で見ることはできませんでした。
この縫いぐるみは中国で生産されシンガポールへ輸出されて、子供のペットとして日本へ運ばれることになりました。
ギフトショップの近くにオープンな様式のレストランがあり、妻はお昼を食べようかと提案しましたが、先を急いだ私は次のバードパークでも食べられると思い動物園を後にすることにしました。
当初の計画では今日の昼食を、オーチャード通りの西端にあるオーチャードホテル (Orchard hotel) 一階のオーチャーズ・サイド・ウオーク・カフェ (Orchard's sidewalk cafe) で食べる予定にしていました。
オーチャード通りを経由してバードパークへ行くには遠回りであること、そのレストランは宿泊するホテルから近い所にあるので、この日はやめることにしました。