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  スパイス・アイランズ(香料諸島)
 
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 インドネシアに、古くからスパイス・アイランズ香料諸島 Spice islands)と呼ばれてきたモルッカ諸島 (Molucca Islands) があります。 モルッカ諸島は下の地図で、赤道に沿ってスラウェシ (Sulawesi) 島と、イリアン・ジャヤ (Irian Jaya) との間の海域に位置します。

インドネシア全体図です
インドネシア全図

モルッカ諸島の詳細です
香料諸島 (モルッカ諸島) の詳細
 モルッカ諸島はインドネシアでは、マルク諸島 (Maluku Islands) と呼ばれます。 マルク諸島は全体で約1,000の島々で構成され、人口は約186万人 (1990年) です。
 左の地図で、北マルクの中心はテルナテ島 (Ternate Island) のテルナテです。 この地域は約350の島々から構成されています。 テルナテ島はクローブ (clove) の原産地です。
 クローブは、日本語で「丁子・丁字(ちょうじ)」といいます。 丁子はフトモモ(蒲桃)科の熱帯常緑の高い木で、高さ数メートルに成長します。 丁子の木に咲く花の蕾(つぼみ)を乾燥したものを丁香(ちょうこう)と呼びます。 丁香は古来より、香辛料や生薬に利用されてきました。

 中央マルクの中心は、バンダ諸島 (Banda Islands) を含むアンボン島 (Ambon Island) のアンボンです。 アンボンは、現在のマルク諸島の政治と経済及び観光の中心地です。 バンダ諸島は、ナツメッグ (Nutmeg) の原産地です。
 ナツメッグは日本語で「にくずく」といいます。 にくずくはニクズク科の常緑の高い木で、高さ10メートルに成長します。 にくずくの木に実る果実の種子の中身を、ナツメッグといいます。 ナツメッグは古来より、香味料や健胃薬それに矯臭薬に利用されてきました。
 その種子を覆う紅色の外皮(仮種皮)を乾燥したものがメース (Mace) です。 メースは香味料として、使用されてきました。

 南東マルクの中心は、カイ諸島 (Kei Islands) のツアル (Tual) です。 この地域は約290の大小の島々で構成されています。
 現在のマルク諸島は、マルク州と北マルク州とに区分されています。 マルク州の州都はアンボンで、北マルク州の州都はテルナテです。

 15世紀以前は、マルク諸島で産出した貴重な天然のスパイスは、陸路と海路を経由し、アラブ人、インド人、中国人によりアジアから西欧へ伝わっていました。 しかしながら、15世紀までは、マレー半島とジャワ島より東は、西欧人にとって直接に脚を踏み入れたことのない未知の土地でした。
 1440年頃には、マルク諸島は西欧に「スパイス・アイランズ (Spice islands)」として知られるようになりました。 15世紀初頭以降に大航海時代 (日本では室町時代) が到来しました。 当時、マルク諸島で産出されたクローブとナツメッグは、西欧で食品(肉他)の防腐剤等に高い評価を受けていました。

 1512年に、ポルトガル人が西欧人として始めて、バンダ島、アンボン島、テルナテ島、及びティドール島に足を踏み入れました。 マゼランの世界一周探検隊は、太平洋を渡って1521年11月にマルク諸島に到着しました。 彼の探検隊は、マルク諸島から約1トンのクローブを持ってスペインに帰ったとされます。 (マゼラン (Ferdinand Magellan)自身は、マルク諸島に到着する前の1521年4月にフィリピンで落命しました。)
 15世紀及び16世紀の西欧では、クローブとナツメッグ等のスパイスは、同じ重さの金 (Gold) に相当する価値がある産物でした。
 スペインのフランシスコ・ザビエル (St. Francis Xavier) は、日本を訪れる3年前の1546年に、モロタイ島 (Morotai Island)、アンボン島とテルナテ島を訪れています。
 1599年にオランダの遠征隊がマルク諸島に到着しました。 1604年にイギリスの東インド会社の遠征隊がマルク諸島を訪問しました。 1610年代以降、オランダの東インド会社はジャワ島を含め、徐々にマルク諸島での勢力を拡大していきました。
 1600年代を中心に、マルク諸島ではスパイスの権益をめぐり、マルク諸島の住民を巻き込んで、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスがこの地で抗争を繰り返しました。 それらの抗争は、スパイス戦争(Spice wars)と呼ばれます。 従って、マルク諸島でのスパイスの歴史は、多くの島民、西欧人、そして日本人の血が流れた歴史でもあります。
マルク諸島は、その後300年以上を経て、1945年8月にインドネシア共和国として独立しました。


クローブです
クローブ
 それでは、私がジャカルタの友人から、土産物として頂いた3種類のスパイスを写真で紹介します。 使用法の例は、その友人から教えて頂いた内容です。

 最初の写真は、クローブ (インドネシア語:Cengkeh) です。 丁子の木に咲く花の蕾を乾燥させたものです。 写真のクローブの大きさは、長さで10mm前後です。 釘の頭に似た形が特徴です。
 スープを煮る際に、鍋の中に3個から5個のクローブを入れます。 特に肉のスープに合います。 その際、写真のクローブの全ての部分を使用します。

ナツメッグです
ナツメッグ
 二番目の写真は、ナツメッグ (インドネシア語:Biji Pala) です。 にくずくの木に実る果実の種です。
 写真の中で一番大きいナツメッグは、長辺が30mm程度です。 写真は殻が付いて、乾燥した状態です。 種子の殻(種皮)を取り除いた中身を、「仁(じん・にん)」といいます。 写真の殻を破り、中の仁を砕いて粉末にして使用します。 ナツメッグの粉末は、香辛料としていろんな料理に入れることができます。
 ナツメッグは、スープ類全般に使用できます。 例えば、豆のスープ、マカロニスープ等です。 小さじ半分程度のナツメッグの粉末が目安です。
 友人は、ナツメッグを使った代表的な料理として、オランダ風マカロニ料理 (インドネシア語:macaroni schootel)をあげてくれました。 オランダ語の綴りは "macaroni schotel" です。 オランダ風の料理は、インドネシアが長い間オランダの植民地であった時代の名残りです。

シナモンです
シナモン
 三番目の写真は、シナモン (Kayu Manis:インドネシア語) です。 シナモン(Cinnamon) は、日本語で「桂皮・肉桂(けいひ・にっけい、にっき)」といいます。 シナモンは、クスノキ科の常緑樹で高さ10メートルに成長します。
 シナモンはインドシナ(ベトナム)原産とされています。 しかし、インドネシアでも、古くから広く栽培されており、インドネシアを代表する香料の一つです。 私は遠目ではありましたが、ジャワ島のバンドゥン近郊の茶畑の中でシナモンの木を目にしたことがあります。
 写真は、シナモンの木の樹皮(桂皮)を乾燥したもので円筒状態です。 写真のシナモンは、長さが16cm程度で、直径が5mm程度です。 シナモンは、香辛料や生薬等に使用されてきました。
 シナモンは、甘い飲物等を作る際に使用します。 例えば、アイスクリームや、小豆を使った小倉アイスを作る際に使用できます。 小さじ一杯程度のシナモンの粉末を加えることで、良いアロマ(aroma:香り)が得られます。
 シナモンはジャカルタ国際空港の免税店などで、土産品として販売されています。

 有名な辞書である広辞苑 (第五版、岩波書店) は、スパイスを「香味料、香辛料、薬味」と記述しています。 そして、ハーブ (herb) は、「薬草、香味料とする草の総称」と記述しています。
 欧米の有名な複数の辞書でスパイスを調べると、広い意味では広辞苑と同じです。 狭い意味では、スパイスとは、「クローブ、ナツメッグ、メース、シナモン、ペッパー(胡椒)、オ−ルスパイス(Allspice(百味胡椒))、しょうが (ginger)、等」という、具体的な名称が記述されています。 それらの7種類のスパイスは、オ−ルスパイスを除いて、南及び東南アジアの熱帯が原産地です。
 オ−ルスパイスは、西インド諸島(the West Indies)が原産地ですので、それら7種類のスパイスは、全て熱帯が原産地です。

2003年9月

 
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