Do my best!!! vol.1 胸の中にあたたかいものがある。 瞳に映す度に溢れて止まらないもの。 この想いをなんと呼ぼう? 「だから、やだって。」 案の定きっぱりと言い切られた。 もうこんな言い合いを何度繰り返しただろうか。 いい加減自分も諦めが悪い。 でも、それを欠点だとは思わない。 長所だとも思えないが。 渋沢はお決まりの苦笑を返した。 それを見て三上は一瞬怯む。 ひどいことを言ってしまったかと、自分の言動を振り返る。 確かに、ひどい。 でもそれには理由があるのだ。 こうもしつこく繰り返されては酷いセリフを吐きたくもなるだろう。 というか、酷い言い方をするしかないではない。 何度尋ねられようと答えは変わらないというのに。 ひとつ、大きなため息を吐くと三上は「じゃ。」と短く声を出し、部屋から出て行った。 渋沢の目には見慣れたドアが映るだけだ。 二人の部屋の、ドアが。 耳には廊下に響く三上の足音がはっきりと聞こえている。 寮といえど、夜になればさすがに静かだ。 それでも響くその足音が、どんどん小さくなってゆく。 そして、やがて何も聞こえなくなった。 渋沢はいつものように立ち尽くしていた。 何度フラれようと諦めることの出来ない自分はみっともないかもしれない。 それでも、渋沢にとってはその気持ちが全てなのだ。 今、渋沢の世界は三上を中心に回っていた。 「なに?」 「あ?」 「なんか不満って顔してる。今日の亮。」 「は?」 わかったフリをする誰よりも嫌いな女は、今日も腕の中にいる。 耳障りな声が、誰よりも近くにある。 「…何がだよ…」 「あははっ!聞いてるのはこっちなのにぃ。」 ホント、うるさい女。 三上は心の中で呟いた。 相手は自分よりも年上、女子高生なのだが、会話はいつもガキ臭い。 友達伝いに三上のことを知り、気に入ったらしく話しかけてきた。 それはつい3日前。 顔はよかった。 まぁ綺麗な方だと思ったし、声が高いのはうるさかったが喘ぎ声は悪くない。 何より、女なのだ。 その日はもう成り行きで彼女の家へ行き、求められるままに応じた。 そしてお互いに気付いた。 カラダの相性はいいらしい、と。 それから二人はなんら躊躇うことなく毎日女のアパートへ行き、 告白も何もないまま、お互いのことをあまり知ることもないままだ。 俗に言うセフレのような関係になりつつある。 女はこの関係に不満はなく、見てくれのいいセフレという関係を望んでいるに違いない。 それが三上の考えだった。 愛とか恋とか、三上はそういう対象ではないのだろう。 勿論、三上にとっても全くそういう対象外だ。 「嘉奈。」 「何?」 「笑ってないで動けよ。オラ。」 三上は遠慮無くその女子高生、嘉奈の腰を持って動かす。 「やっ…あっあぁ…んっ」 嘉奈は急に与えられた刺激とその快感で、悲鳴にも似た喘ぎ声を出した。 それを見て三上はニヤリと笑う。 性欲処理の為だけの女。 三上にとって少々煩いことを除けば都合の良い存在。 そんなものを腕に抱いてキモチイイと感じる自分。 そんなものが必要になってしまった自分。 自らも快感に身を任せながら三上は考えた。 いつまで、続けようか。 こんな自分を。