ハイチュゥ。







常勝無敗の武蔵森ではよほどのことがない限り、スナック菓子を食べてはいけないことになっている。
天真爛漫なエースでさえそれに不満を抱きつつも、愛するキャプテンの言いつけとあれば守るしかない。(それでも一週間にひとつだけであればと許可をもらっているのだが…)







そんな武蔵森での日常の一コマ。



「か〜さい。ハイチュウいる?」
我らが麗しの司令塔様がベットで本を読んでいた笠井を振り返り尋ねる。
今までインターネットに夢中だったくせに何をいっているのだか。
「何いってるんですか三上センパイ。俺がキャプテンに誠二のお目付け役任されているのしっているでしょう?なのに俺がハイチュウなんて食べてたら殺されますよ。」
恋人の全く可愛くない返答は予想していたのか、三上に落ち込んだ様子はない。
それどころか、お得意のデビスマを浮かべている。
「気持ち悪いですよ、その顔…。」
「お前仮にもセンパイに対して大した口調だな。」
「仮にもって自分でちゃんと認めてたんですね。」
関心関心と笠井は一人頷く。
これには流石の三上氏もショックをうけたようだ。
口元がひくひく震えるのを必死でおさえて再度問う。
「だからっ!俺がハイチュウやるっていってんだから欲しいってこたえりゃあいいんだよ!!!」!」
急にキレるのと俺様的発言は三上の十八番である。
しかしそう簡単に屈しているようじゃあ武蔵森一軍レギュラー兼三上の恋人なんてやってられない。寧ろ今の笠井には断らなければならない事情がある。
「だからっ!俺は武蔵森内でも一番スナック菓子を食べちゃいけない位置にいるんです!誠二の嗅覚は犬並ですよ!絶対「あ〜タクお菓子食べてる〜!俺にもちょうだい〜!」ってそれはもう寮中に響き渡るような大声で叫ぶんですよ!そしたらそれを聞きつけたあの御方が「ほぉ笠井。スナック菓子を食べたのか。」ってそらぁすこぶる笑顔で近づいてくるんです!!!あんた、その時の恐怖がわかってるんですか!!!?」
可哀想に、愛しい恋人は目に涙まで浮かべている。
余程怖い目にあっているらしい。
これには三上も同情せざるを得ない。
しかしあきらめるわけにはいかない。
ようは食べさせなければいいのだ。
「わかったよ。じゃあ欲しいっていうだけでいいからさ。言ってくれよ。」
「はぁ?」
何を言ってるんだこの人は?という視線を無視して三上は話を進める。
「ハイチュウ欲しい?」
欲しいと言え!という眼力をうけ、まぁいうだけならいいかと笠井は三上に付き合ってやる。
「欲しいです。」

ちゅ。

「っ!!!」
目を見開くと眼前にはしてやったりの三上の顔。
そういうことかと納得はしたが…
「くだらない…。」
そういわざるを得ない。
今度は一体何処で影響を受けてきたんだろうかこのへタレは・・・

「やるならちゃんとしてください。」
くだらないと思いつつ、久し振りに触れた体温に笠井の体は熱くなる。
三上も同じだったようで再び熱い唇が触れる。


「ではご希望にお答えして…」



二人の夜はこれからである。








翌朝、松葉寮食堂にて。


「キャプテン。食後にハイチュウいりますか!?」
「菓子は一週間にひとつだぞ。」
「俺じゃなくてキャプテンですよ!欲しいって言ってください!!!」
「…(まぁたまにはいいか)じゃあ一つもらおうかな。」
ちゅ。
「へっへ!やったぁ!!!キャプテンとキスしちゃった〜!!!」

「……藤代。それはかなり寒いぞ。」
「え!だって三上センパイもやってましたよ。」

ガタガタっ(三上が椅子から転げ落ちる音)




その日から一ヶ月近く、三上のあだ名はロマンスさんとなったとか。





追記。
「誠二、何処でみてたの?」
「え?夢で?」


流石天才藤代誠二。









すみません。
こういうネタ好きなんです。
というか初三笠小説がこれ・・・?