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010101 読み研通信原稿(第54号 1999.1.15) TOPへ戻る
この原稿は、読み研通信にはじめて掲載していただいたものです。当時、説明文の構造読みは、前文の役割、本文の役割、後文の役割を指標に行っていました。ですので、なぜその部分を前文としたのかは、これこれの部分が例えば問題提示の役割をしているからという理由を挙げられるようにすることに授業の重点を置いていました。そんなことを若干コメントしておきます。ぜひ、ご意見をお寄せいただければと思います。教材文を最初に掲載しておきますので、みなさんも構造よみをした上で、私の原稿を読んでいただければ幸いです。 (2004.9.17
記)
江戸の人々と浮世絵 光村図書 中学2年教材文
江戸の人々と浮世絵 高橋克彦
[1] 浮世絵とは何かという問いから始めよう。「浮世」の語源は「憂き世」であって、苦しみや悩みの多い現実を意味するものだった。それをあえてはね返そうという人々のエネルギーが、「憂き」を陽気な意味合いをもつ「浮き」に変えたのである。この発想には、苦悩や貧しさがなんだ、もっと積極的に現実を楽しもうじゃないかという、江戸の人々の意気込みが感じられる。これでわかるように、浮世絵とは、その当時の江戸の人々にとって、ありのままの暮らしを積極的に描いている作品を意味していたのである。
[2] 今だってそうだと思う人は大勢いよう。絵は写生が基本である。想像で描く作品のほうが少ない。しかし、それは、浮世絵が普及してからあたりまえとなったことで、三百年も昔の日本ではむしろ逆だった。絵師のほとんどは中国の山水画を中心にすえ、仏画や肖像画を描いていた。そして、そのような絵は、寺社や大名家、あるいは大金持ちにしか所有できないものだった。
[3] ところが、そこに版画という技術が開発された。版画のいちばん大きな特徴は、大量生産ができるところにある。つまり、絵を制作する費用が大はばに下がるということだ。絵に対して羨望を抱いていた人々の夢が、版画の出現によって果たされることとなった。といっても、庶民の関心は中国の風景画や仏画に向かっていない。もっと華やかで、しかも、自分たちの生活に密着した作品が欲しい。その欲求が浮世絵を誕生させたのだ。
[4] 以来、浮世絵は飛躍的な発展を遂げた。才能のある絵師が輩出し、画題も歌舞伎役者や店の看板娘などのブロマイドから、武者絵やおばけ絵、風刺画、すもう絵、風景画と、どんどん拡大していった。技術も向上し、初めは墨一色に手で彩色していたのに、たちまちカラー印刷まで可能となった。三百年近くも前に、大量印刷のカラー版を庶民が手軽に手に入れられたのは、日本だけである。その驚異は、長崎の出島を経由して外国にまで伝わった。だいぶ後のことになるのだが、
歌麿や北斎、 広重、 写楽の名は、日本を代表する画家として世界に知られるまでに至った。ゴッホやマネ、モネなど印象派とよばれる画家たちが浮世絵に影響を受けたという事実も、浮世絵の芸術としての価値を高めることとなった。
[5] 今や浮世絵は、日本を代表する芸術として揺るぎない評価を与えられている。確かに歌麿や北斎の作品を前にすると、芸術的感動に襲われることが多い。その感動が、わたしを浮世絵の研究に進ませる原動力となった。けれど、さらに多くの浮世絵を眺めているうちに、芸術という観点からは、どうしても外れる作品があまりにも多くあることが気になり始めた。多いどころではない。大半がとても芸術とはよべないものなのだ。これらは駄作なのだろうか。それともほかに理由のあることなのだろうか。
[6] 浮世絵はすべて芸術品だという見方に根本的な間違いがあったのではないかと、わたしは考え始めた。浮世絵の中心をなしているのは、評判の美人や歌舞伎役者たちのブロマイドであるのだが、それにとって、最も大事なことはなんだろう。似ているという一点に絞られる。どんなに構図や色使いが優れていても、当人に似ていなければファンは買ってくれない。ここで思い出してほしいのは、映画の看板絵や漫画の似顔絵だ。あれは芸術だろうか。なかには芸術に迫る作品もあろうが、多くの人は芸術とはみなしていない。まさに浮世絵はそれだったのである。歌麿や北斎の一部の作品は、それから生まれて芸術の領域にまで達した稀有な存在なのだ。浮世絵の評価基準から芸術性という観点を取り払う必要がある。そう考えて、わたしは浮世絵を一から見直すことにした。すると、浮世絵は芸術以上におもしろい面を見せ始めたのである。
[7] 例えば、ここに羽子板絵を示そう。江戸時代の押し絵羽子板はとても高価で、正月にそれを使って遊べるのは金持ちの子供に限られていた。そこに浮世絵師たちが着目して、こういう作品を描いて売り出した。親はこれを買い求めて板にはり付け、羽子板の形に切り取るのだ。そうすれば、本物の押し絵羽子板にそっくりなものができあがる。たとえ紙に印刷されたものであっても、カラフルな羽子板は子供たちに大きな喜びを与えたにちがいない。こういう作品を眺めていると、江戸時代の庶民における温かな親子関係が伝わってくる。江戸の人々がいかに浮世絵を日常の娯楽、あるいは日用品として取り扱っていたかが如実にわかるであろう。彼らにとって浮世絵は、壁を飾る芸術品ではなかったのである。
[8] 上に掲げるのは引き札というものだ。引き札とは、今でいう宣伝ちらしである。版画は大量生産が可能なために、大きな商店は早くから宣伝媒体として浮世絵を利用していた。この図は、大坂の薬種問屋が江戸に支店を設けたことを知らせる引き札である。いったい何枚印刷されたか不明であるが、相当に大きな店であったにちがいない。別の例を引き合いに出せば、ある呉服問屋が大蔵ざらえという名目で、江戸市中に五万枚もの引き札をばらまいたという記録がある。当時江戸の人口はおよそ百万人。そのうち町民は五十万人。
その町民の住まいは六畳一間に親子五、六人が暮らしていたという過密ぶりだったので、民家の数は多くて七万軒前後。そこに五万枚である。町民のほとんどがこの引き札を見た計算になろう。宣伝効果はきわめて大きい。浮世絵産業が飛躍的な発展を遂げたのは、実をいうと広告媒体としての役割が高く評価されたからなのである。
[9] 明らかにポスターと思われる作品も数多く見られる。「はつ雪」と題された作品は、構図も優れていて芸術的にも評価されるものであるが、美人の周辺に記されている文字を読めば、化粧品のイメージポスターであることが歴然となる。坂本屋というメーカーが美艶仙女香という白粉のイメージを高めるために、当時人気絶頂の美人画絵師に依頼して描かせたものだ。当然、制作費用の大半は坂本屋が負担したと思われる。人々はこの美人にうっとりとなり、争って白粉を買い求めたのだろう。現代の我々には、記されている文字が簡単に読めないが、江戸の人々は絵と同時に文字も見つめていた。情報伝達の手段として浮世絵が用いられていた好例である。
[10] このように、浮世絵は情報性が高く、また庶民の日常生活に密着していたので、幕府は浮世絵の存在を非常に危惧していた。万が一、浮世絵が幕府の政策批判などに用いられれば、あっという間に世間に浸透する。そこで幕府は、浮世絵が誕生して間もないときから検閲制度を施行して、発売前のチェックを怠らなかった。その制度にはばまれて、浮世絵のエネルギーは確かにそがれた部分もあるが、残ったものも皆無ではない。幾つかは法の網をくぐる作品が登場している。
[11] 「諸色戯場春昇初」という作品もその一つだ。見た目には、正月に有名な役者たちが打ちそろってたこ揚げをしているほのぼのとした図柄である。が、よく眺めると、彼らが揚げているたこには「材木」「酒」「白米」「ろうそく」などといった文字や絵が描かれている。何を意味するかといえば、これは物価の値上げに対する公然たる批判なのだ。華やかな役者たちの姿でごまかしながら、痛烈な抗議を行っている。江戸は遠い時代と思われているだろうが、こういう作品に接すると、江戸の人々も我々と同じような苦しみや怒りを抱えていたのだとよくわかる。と同時に、発覚すれば罪に問われるのを承知で、それでも笑いやしゃれっ気の覆いを掛けて、このような絵を描き続けた絵師たちの勇気と心意気に敬意と誇りを覚えずにはいられない。
[12] 江戸の人たちにとって、浮世絵は日用品であり、娯楽品であり、情報伝達の手段だった。芸術という観点からみれば、ここに挙げたものに代表される多くの浮世絵は、決して感動を与えてくれるものではない。けれど、わたしには、それらの作品がいわゆる芸術作品とほめられている風景画や美人画と同等に、あるいはそれら以上に大切なものに思える。浮世絵には江戸に暮らした人々の喜びや苦しみがそのまま描かれている。浮世絵は、生活をより明るく豊かにしていこうとする江戸の人々のエネルギーが生み、育てたものなのである。
「江戸の人々と浮世絵」(説明文)の構造読み入門の授業計画
井上秀喜(山梨・中富中学校)
はじめに
説明的文章の授業化についての原稿を頼まれてからすぐに教材分析を急ピッチでやって、二学期末テスト後の少ない時数で授業をしてみての報告で、恥ずかしいのですが、ご意見をいただければ幸いです。
一 教材について
光村の中二教材。原典は『江戸のニューメディア』(角川書店・高橋克彦著)(教科書で取り上げなかった浮世絵についても詳しく書かれているので、参考になる)
内容は、浮世絵というと日本の代表的芸術であると一般的には受け止められているが、筆者がそれに疑問を感じ、実は「浮世絵は日用品であり、娯楽品であり、実は情報伝達の手段だった。」という考えを、四つの浮世絵を例に挙げ、説明している。
典型構造をもった説明文として扱えば、構造読みや段落相互、文相互の関係を学び始めたばかりの生徒にとっても分かりやすい教材である。また、構造読みの経験を積んだ生徒にとっては、前文の確定をめぐって初心者とは違う構造読みができるおもしろい教材である。
構造読みにかかわっては、『指導書』では、序論(浮世絵とは何か[1])本論T(浮世絵の発展と芸術性[2]〜[6])本論U(江戸の人々と浮世絵とのかかわり[7]〜[11])結論(浮世絵が大切な理由[12])、『理解教材の分析と解釈』では、序論(浮世絵とは何か[1]〜[4])本論(浮世絵の位置づけ[5]〜[11])結論(江戸の人々と浮世絵[12])とあり、前文の確定に難しさがあるが、前文の三つの役割@導入(浮世絵とは何かの一般的説明)Aまとめ(浮世絵は今でいう映画の看板絵や漫画の似顔絵と同じで、芸術ではない)B問題提示(浮世絵は芸術以上におもしろい面を見せ始めた)を指標に[1]〜[6]を前文として扱うとすっきりする。
前文の段落相互の関係は、[1]@「浮世絵とは何かという問いから始めよう。」が柱の文Tで、次のように大きく四つの角度から[1]@「浮世絵」の導入的説明が[1]A〜[6]Iまで続く。
[1]A〜D(語源からとらえた浮世絵の意味について)←[2]([1]Dの「ありのままの暮らしを積極的に描いている作品」の江戸時代における意味の説明)、[3](浮世絵誕生の要因・歴史について)、[4](浮世絵の発展の経過について)、[5][6]@〜S(浮世絵は芸術だという現在の評価に対する疑問と筆者の考えについて)。
[6]J(つなぎの文。[5][6]@〜Iを受けて、[6]K文を引き出す役割の文。)
[6]K(「浮世絵は芸術以上におもしろい面を見せ始めた」問題提示の柱の文U)
本文([7]+[8]+[9]+[10][11])は、四つの浮世絵を例に、「芸術以上におもしろい面」の詳しい説明をし、浮世絵の役割について述べている。
日常の娯楽、日用品([7]例「羽子板絵」)
宣伝広告、宣伝媒体([8]例「引き札」)
情報伝達の手段([9]例「はつ雪」ポスター)
江戸庶民の怒りの代弁者([10][11]例「諸色戯場春昇初」)
後文([12])まとめ・感想
スペースの関係で、教材文と構造読みにかかわる詳しい教材分析は載せられないが、パソコン通信のニフティサーブの教育専門館の和室という会議室に私の分析を書き込んであるので読んでいただきたい。
三 授業化にあたって(構造読み入門)
授業としては、分かりやすい後文の確定を先にする。
後文は、
@結論(まとめ)
A新たな問題
B付け加え感想などを述べる部分である。
ということを押さえておけば、生徒にとって[12]が、後文であることは比較的簡単に分かるであろう。また、役割としては@とBであることも押さえたい。
前文は、
@問題提示
Aなぜその問題をとりあげたかという動機
B読者を文章に引き込むための導入
C結論(まとめ)
などの役割があり、
本文は、
例や事実を挙げながら詳しく説明していく部分であることを押さえておく。
しかし、教材についての項で分析したように、この教材を典型的構造をもった説明文と扱うためには前文を生徒に検討させるときにこの四つの前文の役割と本文の説明だけでは生徒は混乱する。それは、前文も浮世絵についてかなり詳しく例や事実を挙げて説明しているからである。(実際自分が前文を生徒に今述べた説明だけで検討させたところ、[1]が前文で、[2]からが本文であるという反応がほとんどであった。その理由は、例や事実を挙げての説明が[2]から始まり、[1]は浮世絵とは何かのまとめにあたるからというのである。)そこで、かなり誘導的な展開なのだか、次のように進めたらいいと思う。
まず、後文が既に確定しているので、[12]の@文「江戸の人たちにとって、浮世絵は日用品であり、娯楽品であり、情報伝達の手段だった。」というまとめは、何段落からの説明を受けているのか、探させる。
すると、[7]から羽子板絵の例を挙げて説明を始めていることがわかるであろう。その時点で、本文は[7]からとあっさりと確定してしまうとよい。
次に、前文の役割について考えさせる。生徒に考えやすいように次の項目をもとに書き込めるプリントを作っておくとよい。
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このプリントで、[1]〜[6]までをまとめさせたうえで、前文の四つの役割を考えさせるとよい。その時、何段落の記述と対応しているかも押さえつつ、一が浮世絵についての導入としての説明、二は動機、三はまとめ、四は問題提示で、四つの役割をもった前文であることも確認する。
本文は、四つの浮世絵を例に挙げ、それぞれどんな浮世絵なのであるかという説明と、江戸の人々にとって浮世絵は何だったのかという筆者の考えを述べるパターンがくりかえされる。
ただ、本文中の段落相互の関係を確定しようとすると難しい。それは、[7]・[8]・[9]は、それぞれ一つの浮世絵を例に出して、筆者の仮説を柱の文として述べており、それぞれ一つの段落が、例の段落でありかつ柱の段落でもあるためと、[10]@文「このように、浮世絵は情報性が高く、また庶民の日常生活に密着していたので、幕府は浮世絵の存在を非常に危惧していた。」が、[7]・[8]・[9]を包括する性格をもっていて、[7]・[8]・[9]の柱の段落として扱いたくなるためである。(しかし、明らかに[7]・[8]・[9]は、前文の問題提示「浮世絵の芸術以上におもしろい面」の詳しい説明であり、[10]・[11]も、[7]・[8]・[9]を受けつつも、もう一つの浮世絵を挙げながら前文の問題提示の詳しい説明である。)
また、[10]・[11]の段落相互の関係も難しい。それは、[10]CD文「その制度にはばまれて、浮世絵のエネルギーは確かにそがれた部分もあるが、残ったものも皆無ではない。いくつかは法の綱をくぐる作品が登場している。」を小さい柱の文として、その例が[11]@〜D文に述べられているが、[11]EF文「江戸は遠い時代と思われているだろうが、こういう作品に接すると、江戸の人々も我々と同じような苦しみや怒りを抱えていたのだとよくわかる。と同時に、発覚すれば罪に問われるのを承知で、それでも笑いやしゃれっ気の覆いをかけて、このような絵を描き続けた絵師たちの勇気と心意気に敬意と誇りを覚えずにはいられない。」に、浮世絵には江戸の人々の苦しみや怒りが表現されており、また、法律に触れないような工夫をした絵師たちの勇気と心意気も感じられるという筆者の考えが述べられ、最終的に[10]@文〜[11]D文までの柱の文となるからである。
したがって、構造読み段階で本文の段落相互の関係に踏み込んで混乱させるより、どんな浮世絵が例として取り上げられているかを目安に、浮世絵の芸術以上におもしろい面を四つの角度から紹介していることを押さえる程度でいいと考えた。
四 指導計画 全4時間
1 漢字の読みの確認と通読と三部構造の説明
2 全文通読と構造読み@(三部構造の検討)
3 全文速読と構造読みA(前文の役割と本文の四つのまとまり分け)
4 柱の文と柱以外の文の関係の説明と、文関係の分かりやすい段落[4]、[7]、[9]の柱の文の検討
五 授業の流れ(主な発問と生徒の反応)
@後文と前文の検討にかかわって
| 発問指示「後文の三つの役割を参考に、後文の始まりがどこからか考え、理由も合わせてノートに書きなさい。」 |
生徒の反応@「[10]〜[12]理由[10]がまとめ、[11]が新たな問題、[12]が付加え後文の三つの役割を三つの段落で受け持っている」
生徒の反応A「[12] 理由まとめ」
(話し合いの中で、[10][11]はまだ浮世絵の例を挙げて説明している続きで本文であるとの意見が出、[12]が後文であることに落ち着いた。[10]の冒頭「このように」はまとめを述べるときの書き出しであるという意見が出たとき、これは[7]〜[9]までのまとめであることを生徒にさらにつかませれば、よかった。また、後文の役割よりも、例や事実を挙げて詳しく説明している部分が本文であるということで、後文が決めやすかった。)
| 発問指示「[12]@文は、どの段落を受けてのまとめか、教科書のその部分を囲みなさい。」 |
(全体で確認し、日用品・娯楽品としての浮世絵について[7]、情報伝達の手段としての浮世絵について[8]〜[11]で述べていることをさらに生徒に気づかせる。ここで、[7]〜[11]は本文であると確認する。また、[12]は筆者の感想も含まれていることを押さえる。)
A前文の役割を考える部分について
| 発問指示「前文は、後文と本文の検討をする中で、[1]〜[6]あたりだとわかってきたが、本当に前文の役割をしているのか、プリントを使って考えていこう。[1]〜[6]をもう一度読んで、プリントにまとめてみよう」 |
(答えを黒板に書かせ、確認する)
| 発問指示「前文は、四つの役割をしている場合があるということだったが、どの項目がどの役割をしているか、プリントに書け。」 |
(一の浮世絵については、浮世絵に親しみのない人にもわかるようにかなりくわしく説明してあり、読者を浮世絵の世界に引き込む導入の役割、二は研究の動機、三の筆者独自の考えがまとめ、四は問題提示であることを押さえる。とくに四は、題名「江戸の人々と浮世絵」と直接閑係のある本文の予告であり、三の筆者独自の考えを支える本文の問題提示である。)
B本文の四つのまとまり分けについて
| 発問指示「浮世絵は芸術ではなく、今の映画の看板絵や漫画の似顔絵と同じものであるという筆者の考えを支える、浮世絵以上におもしろい面の説明が、本文[7]〜[11]で述べられている。では、どんな浮世絵を取り上げ、江戸の人々にとってどんな役割を浮世絵はしていたか考えていこう。まず、例としてどんな浮世絵が挙げられているか。」 |
(四つの浮世絵の名前などを生徒から問答で確認し、段落番号も確認して、四つのまとまりに整理する。)
| 発問指示「では、それぞれの浮世絵の役割をノートにまとめてみよう。」 |
(黒板にまとめやすいように、枠を書くとまとめやすい。時間的に余裕があれば、羽子板絵の役者の名前を解読し江戸時代の人気スターの似顔絵が描かれているうえに、一枚で六人分の羽子板に貼ることができるという工夫に気づかせたり、「はつ雪」「江戸出店の図」「諸色戯場春昇初」の文字の部分も変体仮名の説明をしながら解読させたりすると生徒の興味も増す。)
おわりに
構造読み入門用の授業計画をたてましたが、前文が本文T、本文が本文Uという読みもあることを付け加えて結びとします。