0101010 読み研方式による教材研究 TOPへ戻る
010101002 ビーバーの大工事[思考ユニット・読み研方式などによる複合教材研究]
はじめに
東京書籍小学校二年教材に「ビーバーの大工事」という記録文がある。たまたま、教材研究をする必要に迫られ、取り組んでみた結果を、このページに公開することとした。読み研方式以外の教材分析方法も取り入れているので、そのことについても補足説明を加えていきたい。
ビーバーの大工事の教材研究
ホームページで見やすいように、ビーバーの大工事の分析図を書き直すのは難しいので、下のところから、PDFファイルをダウンロードできるようにしてあるので、そちらをまずは、見ていただきたい。読み研方式の柱の文にしぼっていく論理よみについては、表の右端の部分に書き込んである。柱の文は、二重○囲みで図示するのが普通だが、はっきりと分かりにくいので、ひし形で囲んであるのが、柱の文である。
ビーバーの大工事 分析図(その1) …[1]段落から[8]段落@文まで
ビーバーの大工事 分析図(その2) …[8]段落A文から[16]段落まで
ビーバーの大工事 分析図(その3) …[17]段落から[20]段落まで + 読み研の構造よみ + 教材文
東京書籍にお送りした「教材分析図」は、ここ。←pdfファイルとしてダウンロードできます
分析図の補足説明 その1
モダリティ‖テンポラリティ‖パーソナリティ について
文というのは、モダリティ‖テンポラリティ‖パーソナリティという陳述性をもっているということで、そのあたりの一文ごとの分析もしてあります。
[モダリティとは]
モダリティには、まず、〈文のうけ手へ(あい手)への関係づけ〉の観点から、〈のべたて〉(相手に伝える)と〈たずね〉(相手に尋ねる)との対立がみられる。
さらに、〈現実の断片(対象的な内容)への関係づけ〉の観点からは、〈うつし〉〈つくり〉〈ひきうつし〉の対立がある。
〈うつし〉のモダリティは〈対象的な内容とした現実が、文のつくり手の意識の外に客観的に実現している〉として、
〈つくり〉のモダリティは〈対象的な内容とした現実が、文のつくり手の意識のなかでつくりだされた〉として、
〈ひきうつし〉のモダリティは〈対象的な内容とした現実が、他からの情報源から得た〉として、
文のうけ手に手わたすカテゴリーである。
妹が帰った…のべたて うつし
妹は 帰るだろう。妹が 帰ってほしい。妹よ、帰れ(帰ってくれ)。…のべたて つくり
妹が 帰ったそうだ。…のべたて ひきうつし
妹は 帰ったか? …たずね
[テンポラリティ]
「文のつくり手」が、文をつくる時点を基準として、それより前にあったできごと(過去)なのか、これからおこるできごと(未来)なのか、ちょうどその時に実現しているできごと(現在)なのかなど、時間をあらわしわける〈テンポラリティ〉。
「根は かたい。」のように、〈対象的な内容〉が〈性質〉の文は、〈過去〉〈現在〉〈未来〉といった特定の時間にはしばられない。このような文のテンポラリティを〈超時〉という。
[パーソナリティ]
「文のつくり手」からみて、〈対象的な内容〉の話題が「だれ(なに)」についてのことなのかを〈1人称〉〈2人称〉〈3人称〉…としてあらわしわける〈パーソナリティ〉
主語が、私 なら〈1人称〉、あなた なら〈2人称〉、彼・彼女ら なら〈3人称〉で、人間が主語なら、これらを大きく〈ひと称〉。
それに対して、〈対象的な内容〉の話題が「人」ではなく、「物」や「事」であるばあいは、それぞれ〈物称〉〈事称〉として区別する。
川の両岸には、草木がびっしり茂っていた。(あすは91) …〈物称〉
結局盛大な国葬が営まれた。(あすは92) …〈事称〉
また、だれにもみとめられることがらを〈対象的な内容〉とする文の人称は〈一般人称〉といい、〈対象的な内容〉のなかに、人称をみとめることができないものを〈無人称〉とよぶ。
この国の太平洋沿いの地域では、魚をよく食べる。(天声人語91)…〈一般人称〉
いい天気だねえ。(オツベルと象) …〈
無人称 〉
ビーバーなどの動物などが主語の場合は、物称 とするそうです。
東京書籍の回答にあるように、次の文が 未来 のトキを表わすとすると
木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。
モダリティは、 のべたて つくり ←つくりなので、実際には起きていない。
テンポラリティは 未来
パーソナリティは 物称
となります。
私は、この文は、現在 のトキ を表わすとみていますので
モダリティは、 のべたて うつし ←うつしなので、現実に起きている。
テンポラリティは 現在
パーソナリティは 物称
と、陳述性を分析します。ですが、この記録文を、一文ずつ陳述性を検討していくとよくわからない文がいくつもでてきてしまいます。
このあたりは、この説明文の書かれ方に、問題があるように、個人的には考えています。
分析図の補足説明 その2
湯澤正範氏の思考ユニットについて
読み研の説明的文章の論理関係の整理の仕方として、柱と柱の関係、柱とそれを支える文(段落)の関係が、大西忠治氏によって提起されたものがある。大西氏は、特に説明的文章に限って論理関係をとらえることを行ってきた。
その大西氏の論理関係の整理とは、別に、林四郎氏の文法理論をもとに、湯澤正範氏も文の論理関係を独自に追及してきた。湯澤氏は、説明的文章でけでなく、小説や詩においても理解や表現に役立つであろう論理関係の整理に取り組んできた。くわしくは、『日本語のかたち考え方のしくみ 日本語における思考ユニットの国語の授業』(文芸社)[以下『日本語のかたち考え方のしくみ』と略す]という本を参照。
この記録文における主な思考ユニットの説明
[その1]継起展開
分析図 の中に […→]という記号がついている文と文との関係は、思考ユニットの中の「継起展開」として整理されているものである。
「継起展開」とは、同一主体の時間的経過に従って展開する行動や動きを思考ユニットである。行動や動きの経過からその主体の本質をとらえようとする思考ユニットであるともいえる。[『日本語のかたち考え方のしくみ』P144]
例えば、小学校3年下「虫のゆりかご」の次の3文は、継起展開。
|
|
この記録文においては、ビーバーの動きが、継起展開で記録されている。
|
ちなみに、読み研の論理関係の整理においては、継起展開は記録文の範疇に入り、すべて柱と柱の関係。
[その2]スルト型展開 の 中の 刺激→反応
分析図の中に [刺激→反応] (順接) という記号がついている文と文との関係は、思考ユニットの中の「スルト型展開 の [刺激→反応] (順接)」として整理されているものである。
「スルト型展開」とは、「条件―帰結」の関係にあって展開する思考ユニットである。「こうスルとこうナル。」と、関連して起こる二つの事実関係から、その奥にある法則性を追究する、いわゆる帰納的思考をうながす思考ユニットである。ちなみに、読み研の論理関係の整理においては、スルト型展開は記録文の範疇に入り、柱と柱の関係になるとみてよいだろう。
スルト型展開を次の二つに大別する。
(1)行為→展開
主体の行動と、それによって展開する客体の事態との関係のとらえ。(次の例1)
(2)刺激→反応
(A)客体の状況認知と、それによって主体側に起こる反射反応の関係的とらえ。これを特に「認知→反射」という。(次の例2)
(B)客体間の一方の動きと、それを刺激として起こる他方の反応の関係的とらえ。(次の例3)[『日本語のかたち考え方のしくみ』P160
161]
|
この記録文においては、ビーバーの動き(かじる)によって木が倒れるという関係の部分に、スルト型展開 [刺激→反応](順接) が見られる。
|
|
AとBの文関係が、スルト型展開 [刺激→反応](順接)である。この二つの文の関係においては、Aという刺激によって、Bという反応が起きたととらえてよい。
ところが、この記録文には、次のような スルト型展開 [刺激→反応](順接) と一見見える文関係が出てくる。
|
|
実は、CはAのビーバーに近づいての描写であり、Cの動きによって、実はBの「ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。」という反応を引き起こすように文関係は読み取れます。Dの「こちらでも木がつぎつぎにたおされていきます」という反応にCの文はつながるという見方もできますが、「あちらでも木がつぎつぎにたおされていきます」という反応にはCの文はつなげることはできません。
私は、Dの文は、[2]段落から「ビーバーが、木のみきをかじっています」と観察し続けてきたビーバーではなく、[11]段落に初めて出てくる「家族のビーバーたちも、はこんできた木をつぎつぎにならべ、石とどろでしっかりとかためていきます。」と書かれている家族のビーバーたちが実は「あちらでもこちらでも、ポプラややなぎの木をかじっている」という書かれていない動きによって引き起こされたことであるととらえます。
そう考えると、Dの文は、Cの文とは無関係に起きた周りの出来事ととらえられます。それで、私は、Dの文頭に「その後」というような言葉が省略されているとみて[その後 省略 くりこみ]展開であると、とらえました。
そのあたりの文関係については、東京書籍にお送りした「教材分析図」(下のところからダウンロードできます)を、ご参照ください。
東京書籍にお送りした「教材分析図」は、ここ。←pdfファイルとしてダウンロードできます
[その3]構文要素の独立
一つの文を構成するある部分が独立したと考えられる文(構文素文)とその構文素文を意味的に統括できる述語を持つ本体の文との関係を、一つの思考ユニットとする。[『日本語のかたち考え方のしくみ』P67]
構文素文とは、文として独立した形を取っているが、実質はその前後の(文の)構文要素と考えられるもの。[『日本語のかたち考え方のしくみ』P47]
次のように、構文素文と統括文とで一つの文の塊をなす。パターンとしては、構文素文が、統括文の前か後にくる2パターンがある。
|
|
あるいは
|
|
イツ構文要素の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P67]
|
|
読み研の論理関係の整理においては、上の二つの文関係は、柱と柱の関係としかとらえることはできない。しかし、思考ユニットによる文と文とのつながり方の整理では、この二つの文は、一つのまとまりととらえることができる。簡単にいうと、「四じかんめのこと、一ねん二くみの子どもたちがたいそうをしていると、空に、大きなくじらがあらわれました。 」という一文として、この二文はとらえることができる。
(※)湯澤氏は、構文要素の独立で示した多様な構文要素文に、(構文素文)とだけ表記している。井上が、どのような要素の独立なのか分かりやすいように、(イツ構文素文・ドコ構文素文・主語構文素文・ナニト構文素文・ドノヨウニ構文素文…)などと付け加えている。
ドコ構文要素の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P68]
|
|
読み研の論理関係の整理においては、上の二つの文関係は、柱と柱の関係。
ダレは・ダレが構文要素の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P69]
|
|
読み研の論理関係の整理においては、上の二つの文関係は、柱と柱の関係。
ドノヨウニ構文要素(会話・内話)の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P70]
|
|
/スイミーは「出てこいよ。みんなであそぼう。おもしろいものがいっぱいだよ。」 と言った。 /という一文として、この二文の論理関係はとらえることができる。セリフが独立した文が、(ナニト構文素文)である。
※(ナニト構文素文)と表現したのは、井上である。(ドノヨウニ構文素文)という表現だと、セリフなのかしゃべり方なのかはっきりしないからである。
|
|
内話(心の中のセリフ)が独立した文が、(ナニト構文素文)である。
ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P75]
|
|
糸をつむいでいるときの音が「キーカラカラ キーカラカラ キークルクル キークルクル」。
おかみさんが、ドノヨウニ糸をつむいでいたのか。それは、キーカラカラ キーカラカラ キークルクル キークルクル。という文関係。
読み研の論理展開の整理では、前文が柱で、後文がくわしく説明という関係になるのか、それとも柱と柱の関係なのかは、よくわからない。
ナニを構文要素(目的語)の独立[『日本語のかたち考え方のしくみ』P78]
|
|
2・3文のかたまりが、1文のナニを要素となって、述語「教えた」に統括されている。
読み研の論理展開の整理では、前文が柱で、後文がくわしく説明という関係になるのか、それとも柱と柱の関係なのかは、よくわからない。
2文と3文の文関係に「+」(プラス)記号がついているが、湯澤先生の思考ユニットにおいては、並び という文関係の時、「+」(プラス)記号を使うので、注意してほしい。
ナゼ構文要素(理由などの補足説明)の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P79]
|
|
読み研では、柱と理由という関係。この場合は、前文が柱で、後文が柱の理由を述べるという関係である。
読み研では、/柱←理由 理由→柱/と、柱が前でも後ろでも関係なく、柱と理由という文関係で論理関係を把握する。
思考ユニットにおいては、理由が後にくる場合は、理由の補足説明としてとらえる。一方、理由を述べてから結論を述べる論理関係を ソコデ型展開 として区別している。ソコデ型展開については、 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P181〜194]参照。
そそぎ(連体修飾部)の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P81]
|
|
「荷物の下にまるい木をならべて転がすもの」についての説明が、後文である。
読み研では、柱←説明という文関係である。
陳述部、先走りの独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P84 85]
|
|
「ところがたいへんなことに、あんなに気をつけて歩いていたのに、おじいさんは、石につまずいて転んでしまいました。」という第2文の陳述部表出段階の先走り部分が独立して、第1文となったと見られる。
|
|
「そう広い空は、楽しい所ではなく、とてもこわい所にかわりました。 」という第2文の陳述部判断段階の先走り部分が独立して第1文になったと見られる。
|
|
「すると、どうでしょう、くらいジャングルの中から、空き地を目がけて、十四の緑の目が、近づいてくるではありませんか。 」という第2文の陳述部表出段階の先走り部分が独立して、第1文になったと見られる。
|
|
「そうしたら子どもたちよ、もう一度ゆずり葉の木の下に立ってゆずり葉を見る時が来るでしょう。」という第2文陳述部伝達段階の先走り部分が独立して第1文になったと見られる。
条件句の独立 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P86]
|
|
第2文の条件句の一つが独立して第1文となっている。
|
|
独立して構文素文となっている第2文は、第1文の条件句「でこぼこのせまい小道や、青草の中の細道ならば」をいいかえたものである。
ビーバーの大工事に見られる 構文要素の独立
その1 ドコ構文要素の独立 ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立
|
|
補足 /[4]@すごいはやさです。 /を /[2]ビーバーが、木のみきをかじっています。/ の(ドノヨウニ 構文素文)とみたが、もしかすると、次のような論理関係かもしれない。
別の見方の可能性 ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立
|
|
Aの「木のかわや木くずがとびちる」様子を、@「すごいはやさです」が説明しているという見方も可能。段落分けを重視すると、この見方が妥当かもしれません。
その2 そそぎ(連体修飾部)の独立
|
|
前文の「したあごのするどいは」のくわしい説明が、後文になっている。
その3 ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立
|
|
前文が、後文の「たおされていきます」の様子を説明している。
その4 そそぎ(連体修飾部)の独立
|
|
[その4] いいかえ [『日本語のかたち考え方のしくみ』P116
〜135]
|
いいかえの例文
(1)一般的いいかえ
例文1
|
|
前文のテーマが後文に残存(後文のテーマは、白馬は。)。「弱りはてる」→「いきは細くなり、目の光もきえていく」は、「いいかえ語句(抽→具)」。
一般的いいかえ の 例文2
|
|
「わたしたちの周囲をよく観察してみると」→「ちょっと辺りを見回してみても」が「いいかえ語句(いいなおし)。「まるい形をしたものが」→「ガラスのコップ、かんづめのかん、十円玉などのこう貨、車輪など、実に多くのまるい形をしたものが」も「いいかえ語句(抽→具)」。
この例文では、読み研では、柱←例。前文が柱で、後文が例。
一般的いいかえ の 例文3
|
|
第2文と第3文が「いいかえ」。「ほかのえものには目もくれず、まっしぐらに追いかける」→「たとい、そのとちゅうで、ほかのかもしかが、とび出して来ても、見向きもしない。」が「いいかえ語句」(抽→具)
(2) 裏がえし的いいかえ
例文1
|
|
裏がえし的いいかえ 例文2
|
|
(3) 予告的いいかえ
例文1
|
ドウ判断文U スル描叙文(伝) スル描叙文 スル描叙文 スル描叙文 |
予告的いいかえ 例文2
|
|
予告的いいかえ 例文3
|
アル判断文U スル判断文T スル判断文T 構文素文 スル判断文T |
(4) まとめ的いいかえ 例文1
|
構文素文 構文素文を統括する本体の文 スル描叙文 構文素文 スル描叙文 スル描叙文 スル描叙文 スル描叙文 ナル判断文T |
第1〜6文塊(描叙文)と第7文(判断文T)が、「まとめ的いいかえ(具体→抽象)」となっている。
(※ [5文 認知→6文 反射](順接) )について
湯澤氏は、 [『日本語のかたち考え方のしくみ』P133
〜134]で、上のように、4・5文塊と6・7文塊を[…→]継起展開ととらえている。
ただし、5文のアナトールの反応をデュバルさんが「認知」し、6文のデュバルさんの行動が起きたととらえると、5文と6文は、スルト型展開の「認知→反射」のつながりがある。そこで、そのことを補足するために、(※ [5文 認知→6文 反射](順接) )と井上が、書き加えた。
まとめ的いいかえ 例文2
|
スル判断文T スル描叙文 スル描叙文 ドウ判断文U スル描叙文 ドウ判断文U スル描叙文 スル描叙文 スル描叙文 スル判断文U |
(※)湯澤氏は、/ 第1文と第2〜9文塊の「いいかえ」は、「予告的いいかえ(抽→具)」である。/ととらえている。しかし、私は、第1文の/わたしの行動(一ぴきのヤドカリをかんさつした)/ことによって、 第1文と第2〜9文塊の事態が展開したとみる。従って、 [行為→展開](順接)とみる。
この「ビーバーの大工事」にみられる「いいかえ」について
まとめ的いいかえ …この記録文の大枠は、次のように尾括型の文章構成になっている。
|
一般的いいかえ
|
[8]A文の/上手におよいでい(く)/具体的な様子を、[9]@とA文で「いいかえ」ている。「いいかえ」(抽象→具体)。
東京書籍に問い合わせた内容と回答について
私は、この「ビーバーの大工事」を教材研究していく中で、疑問に感じたことを東京書籍に質問をお送りし、東京書籍から丁寧な回答をいただくことができました。東京書籍からの回答は、そのまま公開することには問題があると思われますので、ポイントのみ紹介します。
この教材の論理展開に対する疑問[東京書籍への1回目の質問]
|
東京書籍からの回答 ポイントのみ引用
|
東京書籍への二回目の質問
|
東京書籍からの回答 ポイントのみ引用
|
東京書籍への三回目の質問
|
東京書籍にお送りした「教材分析図」は、ここ。←pdfファイルとしてダウンロードできます
[この記事 2010.09.25記 2010.09.29一部改訂]
東京書籍からの三回目の回答 ポイントのみ引用
|
この三回目の回答に対して、再質問をしてみました。その質問をポイントのみ紹介。
|
[この記事 2010.10.12追記]
上の質問の中核は、この「ビーバーの大工事」という説明文は「ビーバー」という言葉で表している内容を厳密に使用していないという問題点があるということなのである。ある特定の一匹のビーバーも「ビーバー」、複数のビーバーも「ビーバー」、別の一匹のビーバーも「ビーバー」という言葉で表しているのである。
さて、この「ビーバーの大工事」のビーバーの動きを実況中継風に表現していることと関わって、『国語科教育学への道』(大内善一 渓水社)の中の「説明的文章教材指導の問題点と授業構想論―「ビーバーの大工事」を事例として―」に「現在形止め=文末表現の意味と役割」について述べている資料を発見したので、紹介する。この資料によると、ある特定のビーバーを描写した部分〈次の「現在形止め…B「歴史的現在」の用法〉と、ビーバーを一般化したビーバーとして記述している部分〈次の「現在形止め…A時間にかかわりなく、一般的、習慣的、普遍的な事物・事象を叙述する用法〉とがあることになる。
|
大内善一氏によると、現在形止め文末のうち、初めのほうに出てくるものがB「歴史的現在」(=過去の出来事などを、現にいま体験しているかのような気持ちで表現する)で、それ以外のほとんどの部分はA時間にかかわりなく、一般的、習慣的、普遍的な事物・事象を叙述する場合とのことである。一応大内氏が例文としてあげてある文末に〈大A〉〈大B〉、私が判断できた文末には〈A〉〈B〉をつけて、教材文を以下提示してみる。私は、この教材文の一文ごとのテンポラリティの判断をするときに、現在なのか超時なのかかなり迷ってしまった経緯があり、もし大内氏のいうBとAの区別が正しいとすると、Bはテンポラリティの現在にあたり、Aはテンポラリティの超時にあたることとなる。
|
[この記事 2010.10.16追記]
大内善一氏によると、実況中継的な書き方をしているのが[7]段落までであり、[8]段落以降は「A時間にかかわりなく、一般的、習慣的、普遍的な事物・事象を叙述」しているととらえていることになる。[8]段落以降の「ビーバー」は、ある日ある時見たビーバー(特定のビーバー)ではなく、ビーバー一般を指しているということのようです。簡単にいうと、[8]段落以降の「ビーバー」は、「ビーバという動物は」と置き換え可能ということになると思われます。
[この補足記事 2011.01.27 追記]
メーリングリストにての情報交換による教材研究
この記録文の時間の順序のおかしいと感じる部分について、自力よみメーリングリストで発言したところ、メンバーの岩田さんから教材研究に役立つコメントをいただきましたので、掲載させていただきます。この記録文の書かれた本当の状況を推測なさった部分もあり、参考になると思います。
岩田さんからのコメント
|
[この記事 2010.09.30記]
この記事を読んでくださった方からのメッセージ
福島の藤原さんから次のようなメールをいただきました。私の疑問点とは、また違った観点からのご指摘ですので、「ビーバーの大工事」の教材研究に生かしていただけると思い、藤原さんに転載のお願いをしたところ、ご快諾をいたただくことができました。藤原さん、ありがとうございます。
|
[この記事 2010.10.12記]
福島の藤原さんの指摘「 それに、「50cm以上もある木」、「高さ2m、長さ450mもある大きなもの」など説明文でよく使われる具体的な数値が出てくるものの、肝心なビーバーの大きさが書かれていません。そのため、多くの子どもが、自分たちに身近なハムスターくらいだと思っているようです。本当はネズミ類の中ではカピバラについでの大きさらしく、2年生児童の身長ほどもあります。ビーバーの歯や水かきや尾よりも、体の大きさと思うのですが…。 おまけに、「高さ2m、長さ450mもある大きなもの」という書き方も違和感があります。大きなものを挙げる前に、普通はどのくらいの規模のものを作るのかが先だと思います。児童に驚きを与えたいというのは分かりますが、一般的な規模を挙げないといかにも片手落ちです。体の大きさもそうですが、「特殊」な例よりも「一般的」な例のほうが、説明文にとって説得力を与えられると思うのですが、この教材文はそうはなっていないようです。」に関わって
藤原さんは「ビーバーの大工事」の数値が出てくる記述に対して、ビーバーの大きさの数値の不足 と ビーバーの作るダムの規模の最大値例ではなく標準値例が不足 という指摘をされています。このことに関わって、『国語科教育学への道』(大内善一 渓水社)の中の「説明的文章教材指導の問題点と授業構想論―「ビーバーの大工事」を事例として―」に、肯定的評価の教材研究の内容が掲載されていました。その部分を以下引用します。
|
大内善一氏は、記述してある数値のみの評価をしている。それに対して、藤原さんは、記述していない数値に着目してこの説明文を評価している。私は、藤原さんの指摘を支持する。大内善一氏の「説明的文章教材指導の問題点と授業構想論―「ビーバーの大工事」を事例として―」の中には、ビーバーの大工事の教材の分析が掲載されているが、教材としての問題点の指摘はほとんどない。私や藤原さんの考える「ビーバーの大工事」という説明文の問題点に気づいて、この説明文を読んでいる方はどのくらいいるのであろうか。
[この記事 2010.10.16追記]
ビーバーの大工事 の 参考図書
| 小学校説明的文章の学習指導課程をつくる―楽しく、力のつく学習活動の開発
[単行本] 吉川 芳則 (著) 単行本: 183ページ 出版社: 明治図書出版 (2002/02) ISBN-10: 4186273030 ISBN-13: 978-4186273038 発売日: 2002/02 目次 1 論理的に考え、表現する力を育てる―形式的、画一的な説明的文章の学習指導過程からの脱却 2 楽しく、力のつく学習活動を見出す―「教材の特性に応じた多様な学習活動を設定するための要素構造図」をもとに 3 楽しく、力のつく学習活動を取り入れた授業の実際(一年「じどう車くらべ」(光村)―文章との距離を縮める活動を位置づけた授業 二年「ビーバーの大工事」(東書)―表現のイメージ性に着目しながら題名の意味を具体的に追求していく授業 三年「くらしと絵文字」(教出)―抽象と具象を結ぶ読みを促す授業 四年「体を守る仕組み」(光村)―述べ方の順序性に着目し、段落相互の関係を読む授業 五年「大陸は動く」(光村)―筆者・読者・文中人物に着目した授業 六年「二十一世紀に生きる君たちへ」(大書)―総合的なものの見方や考え方を育てる授業) 4 説明的文章の学習指導過程の実態はどうなっているか 5 学習指導過程の改善に向けて |
|
| 国語科教育学への道 [単行本] 大内 善一
(著) 単行本: 608ページ 出版社: 溪水社 (2004/03) ISBN-10: 4874408109 ISBN-13: 978-4874408100 発売日: 2004/03 目次 第1部 表現教育史論・表現教育論(昭和戦前期綴り方教育の到達点と課題 田中豊太郎の綴り方教育論における「表現」概念に関する考察 綴り方教育史における文章表現指導論の系譜―菊池知勇の初期綴り方教育論を中心に ほか) 第2部 理解教育論―教材論・教材化論・教材分析論(国語科教育への文体論の受容―国語科教材分析の理論的基礎の構築 山本周五郎「鼓くらべ」教材化研究―文体論的考察を中心に 宮沢賢治童話における「わらい」の意味―クラムボンはなぜ「わらった」のか ほか) 第3部 国語科授業研究論―授業構想論・授業展開論・授業記録論(読みの指導目標設定の手順・方法に関する一考察―「教材の核」の抽出から指導目標へ 説明的文章教材指導の問題点と授業構想論―「ビーバーの大工事」を事例として 文学的文章教材の教材分析から授業の構想へ―「白いぼうし」(あまんきみこ作)を事例として ほか) |
|
| 小学校国語科 若い先生のための「いい授業」づくり―説明文を楽しく読む
[単行本] よこはま国語の会「若僧の会」 (著), 入内嶋 周一 (監修) # 単行本: 152ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2009/04) # ISBN-10: 4491024472 # ISBN-13: 978-4491024479 # 発売日: 2009/04 目次 1年(読む力と書く力を身に付ける、「じどう車ずかん」作り―じどう車くらべ 「どうぶつの赤ちゃんパネル」作りで、比べて読む力を付けよう―どうぶつの赤ちゃん) 2年(「たんぽぽのちえさがし」をしながら楽しく読もう―たんぽぽのちえ すみれとありの関係は?~問いかけに答える文章を作っちゃおう―すみれとあり 「大工事紙しばい」作りで、文章のまとまりをとらえる力を育てる―ビーバーの大工事) 3年(「脚本作り」で、中心となる語や文をとらえ、文章を正しく読む―ありの行列 情報をキャッチ&リリース―めだか 「イメージマップ」を使った「食べ物百科作り」で取材・構成もばっちり―すがたをかえる大豆) 4年(自分の伝えたいことを相手に分かりやすく発信する―アップとルーズで伝える 視点をもって比べて読み、自分の考えをもつ―くらしの中の和と洋) 5年(カラー・ラベリングを行いながら、筆者の考えに迫る―サクラソウとトラマルハナバチ プロジェクト「千年の釘にいどむ」―千年の釘にいどむ おくりものは何?付箋を使った分類・整理ですっきり!―森林のおくりもの) 6年(筆者の主張を確認して、自分の考えを広げよう―ぼくの世界、きみの世界 「紙芝居風ポスターセッション」で、要旨をとらえ考えを明確にする―イースター島にはなぜ森林がないのか 原爆ドーム年表作りで、平和への願いをもって読む―平和のとりでを築く) |
|
| クラスすべての子どもたちに「話す・聞く力と読む力」をともに育む国語授業
(夢の国語教室シリーズ) [単行本] 二瓶 弘行 (著), 佐賀県「夢」の国語教室研究会 (著) # 単行本: 134ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2009/09) # ISBN-10: 4491024901 # ISBN-13: 978-4491024905 # 発売日: 2009/09 第1章 理論編―「話す・聞く力と読む力」とのかかわり(すべての子どもたちが、自分の読みを話し聞き合う「対話」の実現を 「話す・聞く力と読む力」をともに育む指導) 第2章 実践編―物語・説明文の授業(1年生物語「はるのゆきだるま」 1年生説明文「いろいろなふね」 2年生物語「名前を見てちょうだい」「すてきなぼうし」 2年生説明文「ビーバーの大工事」 3年生物語「サーカスのライオン」 3年生説明文「つな引きのお祭り」 4年生物語「ごんぎつね」 4年生説明文「ヤドカリとイソギンチャク」 5年生物語「注文の多い料理店」 5年生説明文「動物の体」 6年生物語「海のいのち」 6年生説明文「百年前の未来予測」) |
|
| クラスすべての子どもに「論理的思考力」を育む説明文の授業
(夢の国語教室シリーズ) [単行本] 二瓶 弘行 (著), 福岡県「夢」の国語教室研究会 (著) # 単行本: 134ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2008/10) # ISBN-10: 4491023549 # ISBN-13: 978-4491023540 # 発売日: 2008/10 理論編 「論理的思考力」を育む(なぜ、説明文の授業で「論理的思考力」を育むのか すべての子どもたちに「論理的思考力」を育む国語授業) 実践編 「論理的思考力」を育む説明文の授業(説明文1年生「とりとなかよし」 説明文1年生「いろいろなふね」 説明文2年生「たんぽぽ」 説明文2年生「ビーバーの大工事」 説明文3年生「つな引きのお祭り」 説明文3年生「もうどう犬の訓練」 ほか) |
|
| 広島発 読解力を高める学習指導の工夫 (読解力シリーズ)
[単行本] 大澤 八千枝 (著), 寺田 知巳 (著), 重谷 美保 (著), 桂 聖 (監修), 白石 範孝 # 単行本: 185ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2008/01) # ISBN-10: 4491023026 # ISBN-13: 978-4491023021 # 発売日: 2008/01 第1章 理論編 「読解力」のとらえ(「読解力」とそれを支える基礎基本の力 国語の学力を向上させる授業とは―他へ転移できる力としての学力) 第2章 物語教材編(「10の観点読み」で基礎基本の力を 基礎基本の力を表現活動へ発展させた単元学習) 第3章 説明文教材編(手立てを明確にし、基礎基本の力を 01 クイズ作りから読みを深める「ビーバーの大工事」―2年生― 文章を評価しながら読み、自分の考えを書く活動へ発展させた単元学習) 第4章 言語活動アイディア編―だれにでもすぐできて力がつく!(話す・聞く活動 書く活動) |
|
| 読解力を高める説明的文章の指導 低学年 (国語科授業力向上シリーズ)
[単行本] 岸本 修二 (著) # 単行本: 125ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2006/06) # ISBN-10: 4491021767 # ISBN-13: 978-4491021768 # 発売日: 2006/06 くらべてよもう―じどう車くらべ(光村・1年上) ことばのおもしろさをかんがえてよもう―ものの名まえ(光村・1年下) ちがいをかんがえてよもう―どうぶつの赤ちゃん(光村・1年下) のりもののことをしらべよう―いろいろなふね(東書・1年下) みぶりってなんだろう?どんなはたらきをするのだろう?―みぶりでつたえる(教出・1年下) じゅんじょに気をつけてよもう―たんぽぽのちえ(光村・2年上) だいじなところに気をつけて読み、海の生きものひみつブックを作ろう―サンゴの海の生きものたち(光村・2年上) じゅんじょに気をつけて読もう―すみれとあり(教出・2年上) たしかめながら読もう―一本の木(光村・2年下) どうぶつのひみつをみんなでさぐろう―ビーバーの大工事(東書・2年下) |
|
| すべての子どもたちと「読解力と表現力」をともに育む国語授業
(夢の国語教室シリーズ) [単行本] 高知県「夢」の国語教室研究会 (著), 二瓶 弘行 (編集) # 単行本: 134ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2008/08) # ISBN-10: 4491023530 # ISBN-13: 978-4491023533 # 発売日: 2008/08 目次 理論編 「読解力と表現力」とのかかわり(子どもたちの「読解力」向上のために、3つのこと 「読解力を高める表現活動が必要だ!」) 実践編 物語・説明文の授業(1年生物語「サラダでげんき」 1年生説明文「いろいろなふね」 2年生物語「かさこじぞう」 2年生説明文「ビーバーの大工事」 3年生物語「サーカスのライオン」 3年生説明文「自然のかくし絵」 4年生物語「ごんぎつね」 4年生説明文「ヤドカリとイソギンチャク」 5年生物語「注文の多い料理店」 5年生説明文「動物の体」 6年生物語「海のいのち」 6年生説明文「イースター島にははぜ森林がないのか」) |
|
| 絵図で読み解き、思考力・表現力をつける国語科授業
低学年編 [単行本] 植松 雅美 (著) # 単行本: 147ページ # 出版社: 東洋館出版社 (2009/07) # ISBN-10: 4491024928 # ISBN-13: 978-4491024929 # 発売日: 2009/07 目次 第1章 基本的な考え方(今求められる学力を鍛える 言語活動を通してつける学力) 第2章 授業の実際(1年・文学的文章 1年・説明的文章 2年・文学的文章 2年・説明的文章) ビーバーの大工事計画書をつくる活動を通して、時間的な順序や内容の大体を読む力をつける |
[この記事 2010.10.18追記]
この記録文を書き直すとしたら、どのような書き直しが必要か。書き換え案[その1]
| 教材文 | 書き直した教材文 |
| [1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] ビーバーが、木のみきをかじっています。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。 [5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、ポプラややなぎの木がつぎつぎにたおされていきます。 [8] ビーバーは、切りたおした木を、さらにみじかくかみ切り、ずるずると川の方に引きずっていきます。そして、木をしっかりとくわえたまま、上手におよいでいきます。 [9] ビーバーは、ゆびとゆびの間にじょうぶな水かきがある後ろ足で、ぐいぐいと体をおしすすめます。おは、オールのような形をしていて、上手にかじをとります。 [10] ビーバーは、木をくわえたまま、水の中へもぐっていきます。そうして、木のとがった方を川のそこにさしこんで、ながれないようにします。その上に小えだをつみ上げていき、上から石でおもしをして、どろでしっかりかためていきます。 [11] 家族のビーバーたちも、はこんできた木をつぎつぎにならべ、石とどろでしっかりとかためていきます。 [12] 一どもぐったビーバーは、ふつうで五分間、長いときには十五分間も水の中にいます。 [13] ビーバーは、夕方から夜中まで、家族そう出でしごとをつづけます。 [14] こうして、つみ上げられた木と石とどろは、一方の川ぎしからはんたいがわの川ぎしまで、少しずつのびていき、やがて川の水をせき止めるりっぱなダムができあがります。 [15] 今までに見つかったビーバーのダムの中には、高さ二メートル、長さ四百五十メートルもある大きなものもあったということです。 [16] ダムができあがって、水がせき止められると、その内がわにみずうみができます。 [17] ビーバーは、そのみずうみのまん中に、すを作ります。 [18] すは、ダムとおなじように、木と石とどろをつみ上げて作ります。それは、まるで、水の上にうかんだしまのようです。 [19] すの入り口は、水の中にあり、ビーバーのように、およぎの上手などうぶつでないと、けっしてすの中に入ることはできません。 [20] ビーバーがダムを作るのは、それで川の水をせき止めてずうみを作り、そのみずうみの中に、てきにおそわれないあんぜんなすを作るためなのです。 |
[1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] ビーバーたちが、あちらでもこちらでも一匹ずつ別々の木のみきをかじっています。 ☆近くの一匹のビーバーのようすをのぞいてみましょう。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさでかじっています。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれました。 [5] ☆まだ木をかじっている別のビーバーに近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっています。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、ビーバーたちがポプラややなぎの木をつぎつぎにたおしていきます。 [8] ビーバーたちは、切りたおした木を、さらにみじかくかみ切り、ずるずると川の方に引きずっていきます。そして、木をしっかりとくわえたまま、上手におよいでいきます。 [9] ビーバーたちは、ゆびとゆびの間にじょうぶな水かきがある後ろ足で、ぐいぐいと体をおしすすめます。おは、オールのような形をしていて、上手にかじをとります。 [10] ビーバーたちは、木をくわえたまま、水の中へもぐっていきます。そうして、木のとがった方を川のそこにさしこんで、ながれないようにします。その上に小えだをつみ上げていき、上から石でおもしをして、どろでしっかりかためていきます。 [11] 家族のビーバーたちも、はこんできた木をつぎつぎにならべ、石とどろでしっかりとかためていきます。 [12] 一どもぐったビーバーは、ふつうで五分間、長いときには十五分間も水の中にいます。 [13] ビーバーは、夕方から夜中まで、家族そう出でしごとをつづけます。 [14] こうして、つみ上げられた木と石とどろは、一方の川ぎしからはんたいがわの川ぎしまで、少しずつのびていき、やがて川の水をせき止めるりっぱなダムができあがります。☆川のはば十メートルぐらいのダムを五人家族のビーバーが作るとしたら二ヶ月くらいかかるでしょう。 [15] 今までに見つかったビーバーのダムの中には、高さ二メートル、長さ四百五十メートルもある大きなものもあったということです。 [16] ダムができあがって、水がせき止められると、その内がわにみずうみができます。 [17] ビーバーは、そのみずうみのまん中に、すを作ります。 [18] すは、ダムとおなじように、木と石とどろをつみ上げて作ります。それは、まるで、水の上にうかんだしまのようです。☆五人家族のビーバーのすを作るには、○ヶ月もかかるそうです。 [19] すの入り口は、水の中にあり、ビーバーのように、およぎの上手などうぶつでないと、けっしてすの中に入ることはできません。 [20] ビーバーがダムを作るのは、それで川の水をせき止めてずうみを作り、そのみずうみの中に、てきにおそわれないあんぜんなすを作るためなのです。 |
書き直しのポイント[理由]
[2] ビーバーたちが、あちらでもこちらでも一匹ずつ別々の木のみきをかじっています。
※複数のビーバーが、複数の場所で、一匹ずつで別々の木のみきをかじっているという設定を明確にしてみました。「[2] ビーバーが、木のみきをかじっています。」という一文で表現している事実は、いくつかの可能性をもつことになってしまっています。例えば、「一匹のビーバーが一本の木のみきをかじっている」という事実の可能性もあれば、「複数のビーバーが、一本の木のみきをいっしょにかじっている」という事実の可能性もあれば、「複数のビーバーがもそれぞれ一本の木のみきをかじっている」という事実の可能性もあるわけです。その選択肢の中の一つに絞って書き直しました。
☆近くの一匹のビーバーのようすをのぞいてみましょう。
※この文は、教材文にはありません。ですが、「複数のビーバー」の中から、「一匹の特定のビーバー」へと視点が絞られないと、[3][4]段落の記述へと移行できないため、挿入しました。
[3] ガリガリ、ガリガリ。
[4] すごいはやさでかじっています。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれました。
※[3][4]は、「一匹の特定のビーバー」に関わる事実ということが、☆の挿入した文で明確になっていますので、主語は省略されていても大丈夫と判断しました。
※教材文では、/[2] ビーバーが、木のみきをかじっています。[3] ガリガリ、ガリガリ。[4] すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。/とつながっていますので、[2]段落の「ビーバー」が、[3][4]の記述と関連する書き方になっています。そのままだと、[3][4]の事実が、複数のビーバーそれぞれで起こっているという書きぶりになってしまいます。そうすると、「みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木」をすべてのビーバーが選択してかじっているということになります。そうではなくて、注目した特定の一匹のビーバーのかじっている木が、「みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木」であるという形にしてあるのが、書き直しの文です。
※「たおれました」と過去形をあえて選んだのは、ここで一度ビーバーがかじって木を倒したという事実でしめくくっておきたいためです。「たおれます」と非過去形にして未来のこととして表現すると、[5]の/[5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。/という部分とはうまくつながるのですが、このビーバーが木をたおしたという記述がそのあと出てこないので、しめくくりがなく説明が流れてしまいます。
[5] ☆まだ木をかじっている別のビーバーに近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっています。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。
※教材文のままだと、木をたおしたビーバーと[5]段落のビーバーとが同一のビーバーとなってしまうので、/☆まだ木をかじっている別のビーバーに/と書き加えて、別のビーバーであることを明確にしました。
[6] ドシーン、ドシーン。
[7] あちらでもこちらでも、ビーバーたちがポプラややなぎの木をつぎつぎにたおしていきます。
※教材文ですと、自然現象として木がたおれるという感じになってしまいますし、ビーバーたちの存在が不透明になってしまいますので、ビーバーたちの行為として「木をたおしていく」と書き直しました。
[8] ビーバーたちは、切りたおした木を、さらにみじかくかみ切り、ずるずると川の方に引きずっていきます。そして、木をしっかりとくわえたまま、上手におよいでいきます。
[9] ビーバーたちは、ゆびとゆびの間にじょうぶな水かきがある後ろ足で、ぐいぐいと体をおしすすめます。おは、オールのような形をしていて、上手にかじをとります。
[10] ビーバーたちは、木をくわえたまま、水の中へもぐっていきます。そうして、木のとがった方を川のそこにさしこんで、ながれないようにします。その上に小えだをつみ上げていき、上から石でおもしをして、どろでしっかりかためていきます。
※[8][9][10]の「ビーバーたち」としたのは、ここからビーバーという動物の性質としての記述にあえて移行する書き方にしてみました。つまり、ここからビーバーを観察したことを記述しているという書き方から、「ビーバーたち」としてビーバーの習性としての書き方にしてみました。教材文の場合、ここあたりから特定のビーバーの観察記録として記述するのはむずかしいと判断しました。
[11] 家族のビーバーたちも、はこんできた木をつぎつぎにならべ、石とどろでしっかりとかためていきます。
[12] 一どもぐったビーバーは、ふつうで五分間、長いときには十五分間も水の中にいます。
[13] ビーバーは、夕方から夜中まで、家族そう出でしごとをつづけます。
[14] こうして、つみ上げられた木と石とどろは、一方の川ぎしからはんたいがわの川ぎしまで、少しずつのびていき、やがて川の水をせき止めるりっぱなダムができあがります。☆川のはば十メートルぐらいのダムを五人家族のビーバーが作るとしたら○ヶ月くらいかかるそうです。
※/☆川のはば十メートルぐらいのダムを五人家族のビーバーが作るとしたら○ヶ月くらいかかるそうです。/と加えたのは、一つのダムを作り終えるにはどれくらいかかるのか具体的な日数がないと、その大変さが実感できないからです。
[15] 今までに見つかったビーバーのダムの中には、高さ二メートル、長さ四百五十メートルもある大きなものもあったということです。
[16] ダムができあがって、水がせき止められると、その内がわにみずうみができます。
[17] ビーバーは、そのみずうみのまん中に、すを作ります。
[18] すは、ダムとおなじように、木と石とどろをつみ上げて作ります。それは、まるで、水の上にうかんだしまのようです。☆五人家族のビーバーのすを作るには、○ヶ月もかかるそうです。
※/☆五人家族のビーバーのすを作るには、○ヶ月もかかるそうです。/と書き加えたのも、具体的な日数を示して、その大変さを実感できるようにしたかったからです。
[19] すの入り口は、水の中にあり、ビーバーのように、およぎの上手などうぶつでないと、けっしてすの中に入ることはできません。
[20] ビーバーがダムを作るのは、それで川の水をせき止めてずうみを作り、そのみずうみの中に、てきにおそわれないあんぜんなすを作るためなのです。
[この記事 2011.07.26作成]
この記録文を書き直すとしたら、どのような書き直しが必要か。書き換え案[その2]
| 教材文 | 書き直した教材文 |
| [1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] ビーバーが、木のみきをかじっています。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。 [5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、ポプラややなぎの木がつぎつぎにたおされていきます。 |
[1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] ビーバーたちが、あちらでもこちらでも一匹ずつ別々の木のみきをかじっています。 ☆近くの一匹のビーバーのようすをのぞいてみましょう。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさでかじっています。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、もう少しでたおれそうです。 [5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 ☆ドシーン。 ☆ついに、かじっていた木が地ひびきを立ててたおれます。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、ビーバーたちによってポプラややなぎの木がつぎつぎにたおされていきます。 |
書き直しのポイント[理由]
[3][4]段落のビーバーと[5]段落のビーバーが同一のビーバーであるように書きかえてみました。
そうするために、[4]段落の「みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。」という部分を「たおれそうです」と今にもたおれそうであると書き直し、まだたおれていない状態に設定しています。そして、[5]段落で、そのビーバーに近づき、かじっている様子を説明し、☆印の部分を書き加えて「ついにその木が地ひびきを立ててたおれた」と結末をはっきりさせました。[4]段落に、/ドシーンと地ひびきを立てて/とたおれるときの様子を説明している記述がありますが、書き直しの部分ではその部分を削除し、☆印の部分に取り入れてみました。
[7]段落は、「ビーバーたちによって」と行為者を明確に位置づけました。そうすることによって、複数いるビーバーたちがそれぞれ木を倒しているという設定がより明確になると考えました。
教科書会社の方々や先生方へのお願い
教材文を書き直す・書き加えるというような試みをしてみましたが、この「ビーバーの大工事」という記録文で表現しようとしている事実は、私のとらえた書き直し案でよいのでしょうか。それとも、もう少し違う事実をこの「ビーバーの大工事」という記録文で表現しようとしているのでしょうか。
私が、この「ビーバーの大工事」という記録文を書き直したいと考えたのは、子供たちがこの教材を読んで、いくつかの読みの可能性が出てきてしまうのではないか、よくわからない部分が出てきてしまうのではないか、という恐れです。説明文を読んで、こうかもしれない、そうかもしれないなどと、書かれている文からいくつかの事実の可能性が出できてしまうことは、説明文としては問題があるのではないかという問題意識から、つたない書き直し案を提示しています。私の書き直し案は、少なくとも、表現しようとしている事実が明確にはなっているとは思うのですが、不自然な部分も含まれていると思っています。よりよい書き直し案にしていければよいと考えています。
ぜひ、書き直し案の検討をしていただき、ご意見をお寄せください。そして、ご意見をこのページに掲載させていただければ、大変ありがたく存じます。ご意見をお願いします。
[この記事追加 2011.07.27]
この記録文を書き直すとしたら、どのような書き直しが必要か。書き換え案[その3]
| 教材文 | 書き直した教材文 |
| [1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] ビーバーが、木のみきをかじっています。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。 [5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、ポプラややなぎの木がつぎつぎにたおされていきます。 |
[1] ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 [2] 一匹のビーバーが、木のみきをかじっています。 [3] ガリガリ、ガリガリ。 [4] すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。 ☆ 木が倒れると、ビーバーはまた倒れた木をかじり始めました。 [5] 近よってみますと、上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。するどくておおきいはは、まるで、大工さんのつかうのみのようです。 [6] ドシーン、ドシーン。 [7] あちらでもこちらでも、他にもいるビーバーたちによってポプラややなぎの木がつぎつぎにたおされていきます。 |
書き直しのポイント[理由]
一匹のビーバーが、木のみきをかじっているという設定をはっきりさせるために、[2]段落の「ビーバー」を「一匹のビーバー」としました。
[4]段落の/みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立ててたおれます。/という文を、現在のテンポラリティとみなして、木がたおれたという意味合いで読み取らせます。その後の[5]段落の/上あごのはを木のみきに当てて、ささえにし、下あごのするどいはで、ぐいぐいとかじっているのです。/という部分は、木がたおれた後、ビーバーが木を運ぶためにまた木をかじっているという設定ということを明確にするために、☆ 木が倒れると、ビーバーはまた倒れた木をかじり始めました。という文を書き加えました。
書き直し案がいくつも考えられるのは
そもそもこの教材の[2]段落の/[2] ビーバーが、木のみきをかじっています。/の「ビーバー」が、単数なのか複数なのかはっきりしていない点が、問題なのではないでしょうか。なぜ、一匹のビーバーなら「一匹のビーバー」と表現しないのでしょうか。なぜ、複数のビーバーなら「ビーバーたち」と表現しないのでしょうか。
後を読んでいくと、複数のビーバーであることがはっきりするということで、教科書会社の方は、「複数のビーバーである」と説明なさっているのですが、私の感覚では、[2]段落の/[2] ビーバーが、木のみきをかじっています。/の「ビーバー」で表現されているのは、一匹のビーバーとしか読みようがないのです。たぶん、この教材を読んでいる小学二年生に尋ねれば、一匹のビーバーとして読み取ったままなのではないでしょうか。
[この記事追加 2011.07.29]
ビーバーの大工事の私の書き換え案に対するご意見の紹介
ビーバーの大工事の書き換え案1・2・3に対して、渡辺知明氏にご意見をリクエストしたところ、次のような添削案を独自にお寄せくださいました。私の書き換え案は、ビーバーが単数か複数かを明確にするための書き換え案でしたが、渡辺さんの添削案は原文をできるだけいかしたものでした。とても参考になりますので、みなさんにご紹介させていただきます。
ビーバーの大工事という教材についての渡辺さんのご意見の紹介
井上さんのこだわりは、ほとんどビーバーが単数か複数かという点に集中しているようですね。しかし、そもそもこの原文は悪すぎます。文章として全体がよくない。
記録文というものではありません。エッセイに近いものでしょう。全体として正確さに欠けます。視点の問題と説明の順序とが混乱しています。文の順序を入れ替える必要があります。それでも大した文章にはなりません。
わたしが最もやりやすい批評は添削です。試しに手を入れたものを、添付ファイルでお送りいたします。細かいところご覧になると、どこに問題があるかわかるかと思います。いちいち説明するよりもよいでしょう。
渡辺知明さんの添削について
![]() |
渡辺さんの添削の理由と渡辺さんへの質問について
渡辺さんは一つ一つの添削の理由については、コメントなさっていないのですが、私がたぶん渡辺さんは次のような理由で添削なさったのだろうとまとめてみたものが、以下の通りです。
また、添削について渡辺さんに質問をしてみました。
[4]段落の2文目を[5]段落の後に移動した理由
・[2]段落に登場したビーバーについて、[5]段落でも引き続いて観察しているというつながりが明確になる。
・[4]段落の2文目の時間的なつながりが自然になる。
☆「水にとびこんで」挿入の理由
・川に入る動きを挿入することで、ビーバーの場所の移動を明確にできる。
[11]段落の移動の理由
・家族のビーバーの唐突な登場を回避する。
・[12]段落のつながりの悪さを回避する。
・[11]段落と[13]段落のつながりがよくなる。
質問
[20]段落は、[17]段落の後に移動するのですか。
[19]段落末の手書きの「だから……なのです。」は、[20]段落が入るのですか。
渡辺さんからの回答
[20]は、「目的」を述べる段落で、[17]の説明をするものとしました。すると、[19]のあとに結論が必要になります。それで「だから、……なのです」という結論文を書き手に求めたのです。それがないと、いったいこの文章は何のために書いたのかという、テーマが不明確になります。
「水に飛び込んで」と入れたのは、「引きずっていきます」とあって、「上手に泳いで行きます」とつながるのですが、間の行動が飛んでいるからです。
渡辺知明さんの紹介
渡辺知明=日本コトバの会講師・事務局長、コトバ表現研究所所長、日本朗読検定協会理事。
HP:http://www.ne.jp/asahi/kotoba/tomo/
みなさんからの書き換え案に対するご意見や別の書き換え案をお待ちしています。
渡辺さんから添削案をお寄せいただき、この教材の問題点を別の新しい視点で考えることができました。
ホームページへの転載のご承諾をいただけた渡辺さんに感謝いたします。
ぜひ、みなさんからもご意見などをお寄せください。
[この記事追加 2011.08.18]