0069村上佐志能神社

龍神山は石岡市の中央部にある山で、砕石する前は210mの高さがありました。正徳3年(一七二二) に書かれた古文書によると、当時も龍神山という名前があり、その山麓は、染谷村、村上村、平村の入会地として林やまぐさ場に利用されていました。そして、地図には、龍神山の山頂に向かって右側の谷に男龍、左側の谷には女龍と記されています。現在、男龍には村上佐志能神社があり、女龍には染谷佐志能神社があります。

 村上佐志龍神社の近くに御手洗という池があり、この水は、最近までは飲用水として大切にされていました。そして、どんな日照りの時でも、涸れたことがなかつたそうです。昔、村上には井戸がないといわれていましたが、それは地下が堅い岩盤で覆われているためでした。ですから、この池は村上の人ばかりでなく、他の村の人たちからも「雨乞いの水」として尊ばれていました。そして、日照りの時に、この水を竹筒の中へ入れて村に帰れば、すぐに雨が降り、もし途中で休めば、その場所へ雨が降るという伝説も生まれました。これは、人々によって、龍神として祭られ、日照りの時の雨乞いの神として厚く信仰されていたことがよくわかる話です。

 村上の登山口を登り、尾根から右へ行くと、見晴らしのよい岩の頂上になります。そこに、水を湛えた硯の形をした石がありました。この水を飲むと中風にならないという伝説の「硯石」です。酉の日に、高い場所で酒を飲むと中風にかからないというのも石岡地方の言い伝えですが、この硯石の水は、四季を通じて有効なのです。

 山頂からの眺めは、素晴らしく感動的です。冬の空気が澄み切った晴間には、遠く甲府盆地まで見渡せます。ただしも急斜面が多く、一歩足を踏み外すとたいへんな危険がありますので、ご注意!


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