0073お酒の泉「子は清水」 |
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名にし負う 鄙(ひな)の都の 子は清水 汲みてや人の 夏や忘らん 柿岡街道を北西へ進み龍神山のふもとに近い左側に、関東養老の泉といわれる「子は清水」があります。 入り口に人の背丈ほどの石碑があり、その奥は竹の林が続いています。 小道を進んで行くと、突きあたりに泉の跡を示す背丈ほど石碑が立つていました。 泉はすでに水源が枯れて、跡形もありません。 「親諸白子清水古蹟」と石の表面には漢文調の文字が刻まれていました。 「諸白」 とはお酒のこと。昔この泉の近くに住んでいた親子の物語が、この地に伝わっています。 親孝行の一人息子が、酒好きの父親のために瓢箪(ひょうたん)を下げてお酒を買いにいく途中、この泉のそばを通りかかると、どこからかプゥンと酒の香が漂ってきました。香りを追って木立の中へ入っていくと、そこには澄んだ水が酒の匂いを漂わせて湧き出ていました。 息子はその水を汲み家で父親に飲ませると、「これはうまい酒だ!」 と大喜び。しかし、不思議なことに息子が泉の水を飲んでも、ただの清水です。 それ以来、息子はこの清水を親に勧め、孝行の限りを尽くし幸せに暮らしたということです。親には諸白、子には清水。この泉は、養老孝子伝説を伝える不思議な泉なのです。
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