0076小野小町と北向観音 |
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八郷地区の辻から不動峠?つくば市北条へ向かう道の途中に、小野越という集落があります。その一角には、小野小町が訪れたと伝えられる北向観音堂があり、いくつもの伝説が残されていました。 むかしむかし、山の向こうから一人の女性が峠を越えて北向観音堂へやって来ました。その女性は、山の荘村の小野(土浦市新治地区)に住む小野小町で、難病に悩み、はるばる山を越えてここ北向観音堂に祈願しにきたのでした。 女性は境内近くの大きな石に腰をかけて一休みし、観音堂に続く石段に目をやりました。何十段と続く階段を上った女性は、本堂の前で観音様に手を合わせ、病気が治るよう一心にお参りをしました。するとどうでしょう、あんなに衰えていた身体に力がみなぎってきて、足の痛みもお腹のしびれも消え去っていました。 長年苦しんできた病がうそのように治って、おまけに元気と若さが戻ってきたようです。 石段を下りて、湧き水のある池に自分の姿を写すと、若々しく美しい姿がそこにありました。女性は喜んで、かんざしをそばの枝にさして観音様にお礼を述べ、そのときの気持ちを和歌にして短冊にしたためました。 後に村人たちは、小野小町が休んだ石を 「小町の腰掛け石」 と呼び、池を「小町姿見の池」、かんざしをさした木を「簪(かんざし)の木」、和歌を詠んだときに墨をすった石を「小町の硯石」と名付けました。 そして、北向観音堂のある集落は、いつしか小野越と呼ばれるようになったのです。 こんな伝説の残る北向観音さまですが、近年地元のボランティア活動によって、境内の清掃やお堂の修復、案内看板の設置など訪れやすい環境になっています。 途中の道路には「小町花街道」の看板が立ち、花や新緑で飾られた街道の奥に、観音堂のある北向山が見えています。
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