0079山王川ものがたり

龍神山から相原池を源とする山王川は、石岡駅の裏を流れ霞ケ浦に注ぐ全長8Kmの小さな川です。

 昭和50年代は、霞ケ浦56河川の中で「最も汚れた川」でしたが、その後水質は少しずつ改善し、魚も戻りつつあります。

 その名前は、石岡一高の入口左手の土手下にある山王神社に由来していて、その周囲は山王台という地域です。山王川もまた、明治以前は流域ごとにいくつもの名前で呼ばれていました。

 中谷津川、木間塚川、白久川、塩橋川などの名前が、古絵図や古文書に残っています。江戸時代の初め、その沿岸に谷向、兵崎、大谷津などの新田が開発されて、「府中千石」と呼ばれる穀倉地帯となりました。

 当時の農業土木技術では、恋瀬川流域は広大すぎて手に余り、その点山王川は手頃な開発しやすい身近な川だったようです。

 明治期に振られた山王川の写真には、川に入って魚捕りをする少年たちの姿が写されています。フナ、コイ、ウナギ、モクズガ二などがたくさんいて、石岡の子どもたちの楽しい遊び場でした。また、夏になるとホタルが乱舞して、身近な夕涼みの場所でもありました。

 東田中から高浜にかけての下流域は、かつて塩橋川と呼ばれていました。一説には、霞ケ浦が海の入り江だったころに、塩水がそこまで流れ込んでいた名残だろうともいわれています。

 山王川は小さな川ですが、上流から下流までをたどってみると、様々な興味深い事柄が発見できます。


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