0080上流部・龍神山

山王川の上流に相原池があり、さらにその上流部には龍神山があります。

 その山肌の中央部は大きくえぐられていますが、かつては緑あふれる変化に富んだ神秘の山でした。

 常陸国風土記に記された輔時臥之山(くれふしのやま)は、この龍神山のことといわれ、古くから龍神社が祀られ、多くの人々の信仰を集めました。

 明治の記録「石岡誌」 に、龍神山は次のように描かれています。「染谷・村上にまたがる龍神山は、全山に松、杉、クヌギ、ナラ、モミ、桜などの樹木がうっそうと繁茂し、所々に岩石が飛び出しているのを見る。四季の風光はすこぶる絶佳で、その山に登ると、東南の視界は広く、遥かに霞ケ浦を望み、西北には筑波山脈があり、そのふもとに村々が転々と見えている。

 そして、春は桜花に、秋は紅葉に遊賞するものが大変多い、これは明治43年、100年前の様子ですが、部分的にこの体験ができる場所が残っていました。

 それは、常陸風土記の丘と染谷野球場へ通じるふるさと農道をさらに上り、龍神山側に折れた道を上りきったところにある「龍神山山麓ふれあいの森」です。

 ここは、登り口に駐車場が整備され、頂上部の展望台に向かって遊歩道が回遊コースのように巡っています。

 山桜や雑木、常緑樹など様々なつづらおり樹々の間を抜け、九十九折を辿っていくと、大岩小岩に囲まれたあずまやと展望台がありました。

 その上に立つと、風土記の丘を眼下に見て、その先には石岡の街や霞ケ浦が広がります。まさに絶景で、100年前の光景が彷彿としてきます。「龍神山の山上に二大石があり、龍門、君門と名がついて、その下の洞穴は測ることができないほど深い」と、これも百年前の記録ですが、さすがに巨石と洞窟は見られませんでした。


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