0083真家の馬滝

 羽鳥駅から園部中学校へ向かう県道をさらに農協の直売所に突き当たった辺りが真家で、そこから北の山までの一帯が同地区です。園部保育所に通じる道をさらに進んでいくと。馬滝の標識が現れます。

 この地区は、かつての園部村で、明治期の「茨城県町村沿革誌」には、こう記されています。「本村は、西北一帯を難台山脈が連なり、東は原野に接す。園部川の川名を取りて以て園部村と名ずく」その園部川の源流が真家であり、流れをたどっていくと最上流に馬滝があります。

 園部川は、ここから石岡市と小美玉市の境を南へ流れ、さらに石岡市の大谷橋、行里川橋、大手橋などを経て、小井戸から小川町へと流れ霞ケ浦に注ぎます。「新編常陸国誌」 には、滑川(なめりかわ)とも記され、別名として老田川や大枝川の名もありました。

 園部川の源流部は、どんなところなのでしょう。秋の空気をいっぱいに感じる真家の山並みに目をこらせば、なだらかな傾斜地の一面に、鮮やかな柿が色づいていました。そう、ここは柿の一大産地なのです。

 標識に沿って進んでいくと、明円寺というお寺がありました。このお寺は、浄土宗本願寺に属し、阿弥陀如来がご本尊だそうです。

 ここから道は砂利道となり、勾配も次第に急になっていきます。両側はうっそうとした木立で、くねった道が続きます。500mほど進むと、道は平坦になりその先にガードレールが見えてきます。近づくと水の音が聞こえてきます。

 流れの見える道端には、滝が描かれた木札が立っていました。

「園部川の源流 幻の滝 神秘なる名港 八郷の真家山に湧き出づる」と書かれています。

 滝は何段にも落ち込み、ずっと上まで白糸が続いています。特に3段目の滝は、長い馬の尻尾を想像させるような流れで、そこからこの名が付いたともいわれています。

 静かな山中には、鳥の鳴き声と滝の音が心地よく響き、柔らかな木もれ日には秋の気配が漂っていました。


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