0085十三壕の赤滝

国分寺の境内にある赤い薬師堂は。明治41年の国分寺焼失の後に、八郷地区の十三塚から廃寺となっていた小幡山寺の薬師堂を移してきたそうです。

 十三塚の薬師は、旧新治村東城寺の薬師、首相浦沢の薬師、真壁・椎尾の薬師と共に 「筑波四面の薬師」 の一つでした。

 小幡の県道をまっすぐに登っていくと十三塚の宿通りがあり、両側に観光果樹の売店が立ち並び、秋のこの時期十三塚はひときわ賑わっています。

 薬師の跡地は、その宿通りの中ほどの右奥にあり、現在では霊園墓地になっています。眺めの良い通りをさらに登っていくと、道は次第に細く急傾斜になっていきます。民家がとぎれ、両側を木立が覆うようになってくると、道は左右に蛇行し始まります。

 「筑波山名水 紫宝水」 の碑があるところをさらに進み、ガードレールの切れた場所に、左へ入る林道があります。看板もなく見落としそうな場所です。

 そこを入ると、すぐに大きな桜の木があり、根本に地蔵尊が立っていました。桜元地蔵尊です。そこから道は二手に分かれていますが、車を降りて右の道を進むとすぐにY字路があり、そこを左に折れて十数メートル進むと、右手下から水の音が聞こえてきます。これが赤滝の水音です。なだらかになった道の右に林の中へはいる踏み分け道があり、それを下り道なりに右に折れ、さらに下って30mほど歩くと、真っ正面に岩肌が見えます。

 赤滝。雨の後など、土砂が混じって赤っぽい滝になるところから、そう名付けられたといいます。水量はさほどではありませんが、岩を流れ落ちる水音が山中に響き、神秘的な光景です。その昔、薬師を訪れた僧たちが、ここに来て修行をしたのではないか、とそんな想像をさせる清らかな滝でした。


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