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裏サンデー トーナメント 感想

 一番下のほうに、裏サンデートーナメント最終選考(投稿トーナメント決勝戦)について追記。

裏サンデーのトーナメントで、「いいなあ」と思ったのに、評価が不当に低いんじゃないか? と思ったものがあったので、ちょっと取り上げたい。

ひとつは、「電池切れの世界で」、成田屋さんの作品。
絵は、好みが分かれるかもしれない。(まあ、大体の絵はそうですが)
でも、まるで一筆書きのように、余計な線を排除して、しっかり一本で描く絵は、個人的には、「いいな」と思える絵だった。
絵柄としては、わりと「ポップでキュート」という感じだと思う。
さらに、このマンガの内容は、最後まで読んでも理解していない人がいるようなので、ネタバレして書きますが、自分以外のまわりの人が全員とまっている世界です。
そこがよく理解されていないようで、あまり票が伸びていない感じ。
でも、このかわいらしい絵と、内容の狂気っぷりの対比がいい味を出している。
近いところでは、星新一のショートショートの挿絵の人みたいな。あれも、ほんわかした感じの絵だけど、星さんの狂気じみたショートショートとあわさって、なんともいえない味を出してますよね。あんな感じ。
絵については、人によって意見がばらばらだけど、もしかしたら、人によっては、「画力をあげたほうがいい」とかいうかもしれない。
ぼくは、「画力」なんてものはないと思っているので、「もっと画力をあげたほうが」という意見がもしあるとしたら、意味がよくわからないのだけど、もしそれが、「写実的な絵にしたほうがいい」ということだったら、やめたほうがいいと思います。
「絵が下手」なんじゃなくて、独自性のある「いい絵」だろう。
もう、今の時点で、十分、「あ、この人の絵だ」とわかるオリジナリティを持っているし、人が何をしているかもわかるし、背景も書いているし、絵と内容もあっていると思います。このポップなのにクレイジーというのは、いい。
実は、ぼくは狂気系の話は、個人的にいえば、あまり好きではないんだけど、それでも、これはレベルの高い作品だと思ったし、どこかの雑誌に載っていても、全然不自然ではない。
のわりに、どうも投票数とかが振るわないのは、やっぱり設定がいまいち理解されていないんだろうなー、と思う。
タイトルと、よく見ると人がコマを通しても全然動いていないこと(拍手のシーンで手が動いているのは主人公だけ)、最初のページの主人公の台詞、「おじいさんは今まで生きてきて明日が恋しくなったことってあった?」、「私は恋しくて仕方ないんだよ。変な言い方だけど何十年待ったって明日にはたどり着けないような、そんな感じ。織姫と彦星だって年に一回会ってるってのに。」や、最後のページの主人公の台詞、「でもこの状況は依然変わらず。」「私、思うんだ。」「これは神様がくれたチャンスなんかじゃなくて、罰なんじゃないかって。」、などの台詞から、類推することが(個人的には十分)できるだろうと思うのだけど、やっぱりたくさんエントリされたマンガを読んでいるとわからない場合も多いのかなあ。
最後のページあたりで、「みーんな、動かないんだもんなー」ぐらいのダイレクトな一撃で、状況説明すれば、絶対二十位以内には入っていた作品だと思う。
個人的には、そこまではっきり説明せずに、あの程度でぼかしておく匙加減がいいなあと思ったので、つまり、よく読めばわかるようになっているはずだと思うので、今のままが好きだけど、インパクト的には、そしてみんなから支持してもらうためには、最後に説明のための台詞を、ダイレクトな一撃をいれたほうがよかったのかもしれない。
個人的に、「過小評価も度がすぎるだろ」部門、ぶっちぎりの一位。水のあう雑誌に投稿すれば、読みきりで載るポテンシャルがあるレベルの作品だと思う。作者はオムニバス形式を考えていたみたいだけど(2ちゃんに降臨した本人の弁だが、この作者のサイトがあるわけじゃないので偽者の可能性はある、念のため)、こういうのをある程度の数、書けるんだったら、連載もできると思う。


0233「映研です!〜8ミリ映画作ってます〜」、刃田部醒児さんの作品。
本人のブログがあって、一度連載を持っていたことがある、と書いてあったように思う。(ツイッターだったかな)
個人的には、トーナメントの全作品を読んで、一番好きだな、続きが読みたいなと思った作品。
もちろん、一話だけしか見ていないので、読んでいくと失速していくタイプの作品なのかもしれない。
でも、もしちゃんと結末まである程度練っていて、この話を書いているなら、連載してほしいなあと思う。
ちょっと対比させてほしいんだけど、ストーリーとして、一番うまいな、と思ったのは、「風紀的恋愛の終焉」なんだけれど、そのうまさは、ある限られたページの中で、ドラマを展開するうまさ。その技術は、トーナメント1じゃないか、と思う。つかみはばっちり。話を読んで、すごく引き込まれた。
対して、この話、「映研〜」は、「なんかうまくいえないんだけど好きだ」感がある。
この言葉にならないけど、なんか直感的に、「いいぞ」と感じるのは、すごく大事な感覚だと思うし、それは技術とはまた違った領域のものだと思うので、注目している。技術は、学べば、コツをつかめば、それなりにいけるんだけど、なんか、この作品の持っているものは、技術と違って、教えにくいもののように思うし、もしかしたら、オリジナリティのように、教えることがそもそもできないようなものなのかもしれない。なにが「ある」のかは、よくわからないんだけど、なにか「ある」な、と思う。
「風紀〜」は、Bブロック最初の数日間、ずっと一位の作品で、やっぱりそれは、みんな「うまいな」って思ったんだと思う。たぶん二回戦にいくでしょう。ストーリーが完成している。引きもばっちり。連載していてもおかしくないし、おもしろい、と思う。「風紀、超おもしろいよな!」みたいに言われるんじゃないか。これはすごい才能だと思うし、しかもみんなの評価もついてきてる。
「映研〜」は、絵は昔の絵柄といえなくもないし(ぼくはこの絵柄好きですが)、話もちょっと暗いか?明るくなって欲しいな…と思うけれど、「いいな」とか「好きだな」って思う。なんか愛着がわく。「この話があまり好きじゃない人もいるかもしれないが、俺は好きなんだよ、内容のわりに評価低すぎだろ、頼むよ、続きを読ませてくれよ、そんで完結させてハッピーエンドを見せてくれよ!」みたいな気持ちになる。
もしかしたら、こういう「信者」的なふるまいを起こすようなのは、作者の身としては、迷惑千万なのかもしれないけれど・・・。
なんかね、この人たちのストーリーの先を見たいなあと思うし、できればこの登場人物たちがみんな幸せになってほしい。
どことなく、このマンガが持つ、なんともいえない雰囲気みたいなものに惹かれたのかなあ。
悲しいんだけど、優しい、みたいな…。
いや、もちろん単に一話読んだだけだし、この先どうなるのかわからないし、壮絶なバッドエンドを迎えるのかもしれない。ぼくが、今イメージしているようなマンガとは、全然違うのかもしれない。
ただ、なんかここで出てくるみんなが、みんなで映画作って、最後、笑えるエンディングを見たいなー、と思った。
そこにたどりつくまでに、めちゃくちゃな欝展開とか、そういうのが、なければいいなー、と思った。
いやなことが途中あっても、まわりの人がフォローしてくれて、そんでまたちゃんと笑えて、優しい感じのマンガになればな、と思った。
これは、このマンガに流れる空気感と、それから、登場人物たちに、「惚れた」、ということなのかなあ。
うまくいえない魅力があって、でもそういう魅力を感じさせてくれるものって、やっぱり好きだなー。

「電池切れの世界で」は、二十位以内に入っていないのはおかしい、正しい評価がなされていない、ちゃんと意味がわかって読んだら絶対二十位以内にいく作品だ!という「納得できない」だとしたら、「映研です!」は、個人的には一位なんだけど、まわりの人が票をいれないのもその人の自由だし好みとかもあるだろうからわからなくはないが、でもぼくが十位以内で続きが読めないのは「納得できない」。
あえて乱暴な言い方をするなら、「電池〜」は客観的に見て納得できない順位で、「映研です!」は主観的に見て納得できない順位、かなあ。
もちろん、「電池〜」も、主観的に見て、「こりゃあとんでもない才能だな、異彩を放ってる異才だ」と思って票をいれたし、「映研です!」も、客観的に見て、「絵や背景のレベルやストーリー展開、題材や連載可能性から見て、もっと上位にあるべきだろう、エントリ順位が下だからか、読まない人が出ているか? だれが読んでも、この位置はおかしいと思うんじゃないか? 得票率はともかく、投票数が少なすぎるのでは・・・」と思った。


 トーナメント全体を見て、思ったこと。
 エントリが早いほうが有利なのは、確かにそうかも。
 得票率や投票率が高いものだけを読んで、投票する人もいるかも、と考えると、結果は途中経過を出さないほうがいいんじゃないか、と思った。
 とはいえ、「これがなんでこんな高い位置に?」というものは、上位を見るとあまりないんじゃないかな、という気がする。なんでこれが低いの?はあるけど。
 もちろん、個人的な好みをいえば、これよりもこれのほうが面白い、というのはある。でも、それをわきにおくと、絵がうまいとか、ストーリーがちゃんとしているとか、それなりに、上位でもおかしくはないな、という理由を、上位作品はそれぞれ持っている・・・と思う。

 2ちゃんに作者が降臨してきたのは、見た限り、個人攻撃になっていないみたいで、よかった。
 あそこでは、否定的な書き込みもあるが、あまり気にしなくていいと思う。
 最終的には、作り手に決定権があるので(それが作り手ってことだよね)、他人の意見にふりまわされず、自分なりのものを作っていってもらえたらな、と思う。

 それから、順番をつければ、一位がでるのも当たり前だし、ドベだって出るのも当たり前だ。
 あんなにたくさんあれば、話題になる作品もあれば、話題にならない(要するに見えるところで感想が聞かれない)作品もある。
 でも、それは、ドベだった作品が、一番面白くなかったというわけじゃ「ない」。
 下位の作品が、クソマンガだったというわけでも、ない。
 話題にならなかったら、それが駄目なマンガというわけでも、ない。
 順位が低ければ、話題にならなかったら、まわりとくらべてレベルが低いって意味じゃないかって?
 そうは思わない。見る人が少なければ、それだけ順位も下がるし、話題にもならない。それに、時代がまだ作者に追いついていないだけかもしれない。
 仮にそうだとしても、どうでもいいことだ。順位やレベルや話題の大きさなんて、相対的なものにすぎない。自分よりうまいやつやへたなやつがいれば、順位やレベルや話題の中心なんていくらでも変動するし、そんな風に変わるものなんて、本質的なものじゃないだろう。
 もう、トーナメントに参加しただけで、「到達」しているのだし、参加しなかった人間が「あのマンガはおもしろくなかった」といっても、それでそのマンガの本質的な価値がさがるわけでもない。(ゴッホは生前絵がほとんどうれなかったが、本質的価値が変わっているわけじゃない)
 自分が想いをこめて描いたなら、それで作り手としては、完璧だと思う。(ビジネスとしては別だろうけど、それはまた別の話だ)
 みんなに見てもらおうと、みんなに公開した時点で、何か作っている人間としては、勇気ある行動だ。
 尊敬できるし、そういう人間がいないと、創作シーンは、おもしろくならない。
 いろんな人間がいろんなものを出して、玉石混交で、だれもがはいりやすいフィールド、「あ、俺もできるかも?」と思える場所ができているから、いいものも生まれてくるんだ。
(どっかで読んだけど、大友克彦が、どっちかの藤子先生に、「つまらない作品が多すぎる」みたいなことをいったら、「つまらない作品があるから、面白いものもうまれてくるのであって、つまらない作品を排除したら、面白いマンガも読めなくなる」みたいなことを言ったらしい。ごめん、ソース紛失。でも、仮にデマであっても、ぼくはこの意見は支持している)
 いわゆる客観的に見て、「レベルの高い作品」、「いい作品」だけが出てくるんだったら、つまらないトーナメントになったと思う。
 いろんな人がめちゃくちゃに入り乱れるから、楽しいのだ。
 全部の作品を読んだ(つもりだが、もしかしたら抜けているかも)けれども、どれもよかった。
 きっとみんな、自分なりに考えて描いたんだろうなあと思ったし、自分なりの色が出ていた。
 自分が表現されているものに、失敗作なんてあるわけない。
 その人の作ったものは、もうそれだけで価値がある。
 トーナメントに参加した、全ての作家のみなさんに尊敬と感謝を。



 追記
 いちおう、上で話は完結しているのだけど、いろいろ、まだ書きたいことがあるよなあと思うので、残りは下にいろいろと書いていきたいなあと思います。

 刃田部醒児さんのブログ
 http://ameblo.jp/sei9ya9an/
 刃田部先生、かなり忙しそうです…生活もけっこうぎりぎりみたいだし…。
 ここで、原案?が読めるんだけど、全然憂鬱な展開にならないみたいで、本当によかった。というか、まさに読みたいと思っていたような展開で、よかったなあ…なんて思ってしまった。
 ぼくは、刃田部さんは、才能というか、「味」があると思う。
 なーんか、上の記事では、変に対比をしてしまったせいで、うまく魅力を書けなかったように思う。
 正直にいうけど、絵は好きだよ。
 古いとかいう人、いるかもしれないけど、ぼくは好き。
 絵が今風じゃないといけないのか? そんなわけないと、ぼくは思う。
 古い絵柄だとだめなのか? まさか、そんなの関係ないだろうと、ぼくは思う。
「マンガは絵よりも話」派だからかもしれないけど…ころころ変わる流行を追ってどうするの?と思うし、古くても伝わればいいじゃないかと思う。
「自分の絵」が描けていればそれでいいし、その「自分の絵」だって、だんだん変わってくるでしょ。
 あと、女の子、うまいよね。
 妙な色気があるというか、えもいわれぬかわいさがある。
 それから、実は背景がうまいと思うの。
 上でも書いたけど、言葉にうまくできない魅力がある。
 これは、ぼくだけが感じているのかなあ。
 なにか、「優しさ」みたいなものを、感じるんだけど…。
 ちょっと、できるだけ言葉にしてみる。
 刃田部さんは、「幸せ」を描くことが、できる人じゃないのか、という気がする。
 他の作品は、デスゲーム(ゲームクリアを目標にするが、できなければ死が待っている式のゲーム)を題材にしたものや、わりとシビアでハードな展開を予想させるものが多かった。
 それが悪いといってるんじゃなくて、そういう展開だと、どうしても斬新な設定とか、「あげて落とす」や「落としてあげる」式のもりあげ方をする場合が多い。
 でも、それは「幸せ」を描いていることにはならなくて、ドキドキする話を面白く見せるということになるんだと思う。
 くりかえすけど、それが悪いといっているわけじゃあなく、そういうやり方は、「幸せ」や、独特のただよう空気を表現することにはならなくて、息をもつかせぬスペクタクルをかくやり方なのではないか、と思うのです。
 そして、そういうスペクタクルをうまくかける人は、それなりの数いるのだけれど、「幸せ」や「空気」、「雰囲気」を表現できる人はあまりいないんじゃないかと思うんです。そこが貴重な才能で、しかも、ぼくが惹かれたところなのかな、たぶん。
 
 これは、ぼくのわがままだけど、たとえ職業漫画家の道をあきらめたとしても、できればどこかでなにかを作っていてほしいと思う。
 マンガでも、イラストでも、小説でも、それこそ映画でもいいから。
 本当にいいものを持っているから、それがいつかどこかでなんらかの形で芽吹いてほしいなと思う。もう極端な話、それが創作の形をとらなくてもいいから。
 もちろん、商業マンガの世界でお会いできるのが、一番ですね。


 トーナメントAで、ぼくがナンバーワンだな、と思ったのは、「俺は殺し屋」。
 このタイトルで、まさかのハートウォーミングコメディー。
 http://ka1chan.web.fc2.com/
 ここで続きが読めます。おすすめ。

 あと、まとめWikiもできているようで、びっくり。
 http://www50.atwiki.jp/urasun_tournament/

追記。アナザーカタログも、けっこうおもしろかった。


裏サンデー最終選考(投稿トーナメント決勝戦)について
ブログ(../../../geocities.yahoo.co.jp/gl/ishizakinemuru)でも、ちょっとふれましたが、ここでは、もっとじっくりと書きたいと思います。
うーん、やっぱり最後まで残っただけあって、どれもレベルが高い。
少なくともぼくは、なんでこの作品がここにいるんだ?という作品は、ひとつもありませんでした。
個人的には、異能力バトルロイヤルも残っていてくれるとうれしかったなあというか、ちょっとあれは続きが本気で読みたかったぞ。
異能力バトルロイヤルの作者さんはブログがあるようなので、気になる人は、チェックどうぞ。http://kondatatukazu.blog.fc2.com/

さて。いよいよ最終戦なわけですが、どれも面白かったけど、個人的に一番気に入ったのは、「マビロリウム」。
ちょっとこれは意外でした。一話目からも、レベルが高いとは思っていたけど、ここまで面白くなるとは思わなかった。
二話で化けて、三話でさらにアクセルを踏み込んだ、という感じ。
謎解き要素があるのは、けっこう好きなので、脱出ゲームも楽しめた。この後がどう転がっていくかによって、面白さに変動は出てくるかも。
人死にがあまりでなさそうなのもいいなって思った。裏サンデーのラインナップからして、ちょっと人死ぬ系は食傷気味…。
これからどう動くかを、ちゃんと考えてこれを描いているなら、そう変な作品にはならない、と思う。
記憶喪失からはじまって、ヴァーチャルリアリティに飛んで謎解き、謎解きが終わるとさらに…!?と言葉で書いていても急展開の連続。
これからどう進むのかわからないのだけど、それが嫌な感じではなくて、プラスに働いている。
キャラが魅力的なのもいいよね。特にジャージニートお兄さんかっこいいです。あと、主人公が熱いっていうのも、個人的にはプラス。
これからどう展開するかわからないので、下手すると「あれれ?」になるかも、という不安はある。
ただ、逆にいえば、そこ以外には特に欠点がないし、うまく展開させればとても面白い作品になると思う。
あと、一応、第三話の謎解きは、自力である程度がんばってみたんだけど、全然できなかった。作者さん自分で考えているんだったらすごいな。

「無言∞回路」。
ここできっちり終わらせに来たのがすごいよな、と思います。
話自体の面白さは、一番かもしれない。ちゃんと面白い話を書けるんだっていう証明にもなるし。
途中まで面白くても、失速する話というのがある。ちゃんと完結させることができて、それが面白いというのが見れてよかった。
個人的には、絵が独特なのがいい。誰かのマネじゃなくて、よくある絵柄じゃなくて、この人の絵なんだな、というのが見れるのがいいな〜と思った。
だれかが、某巨大掲示板で、けっこう早い段階に、この展開を予想していたように思うが、すごいなあ。どんぴしゃりだったじゃないか。
きちんとハッピーエンドなのもいい。問題は、一位を取ったら、これからどういう話を連載するかだと思う。
でも、twitterを見ると、「読んでもらえて嬉しい!どんでん返しを描きたくてできた作品なのでそう言ってもらえると報われます。点堂くんたちの話はあれ以上は蛇足なので、万が一連載になったとしても間の省略した話(誰花さんとのデートとか)で数話やって連載終了ですね。また投稿から頑張ろうと思います」とあるので、新規のネタはないのかな?
でも、新規連載してもいける実力はあると思うんだが…禁欲ボレロの商業リメイクいっちゃう?

「勝込学園」は、絵が受け付けないという人がいるかもしれないが、ぼくは、あまり気にならない。絵は何が描いてあればわかればいいと思う。
この作品は、もうどうしようもなく安心感がある。
いい意味で、アンパンマンや暴れん坊将軍を見ている感じというか、べたなんだけど、それがいいというか。
連載中の他の作品は、意外性やどんでん返し、伏線で魅せる作品がほとんどだと思うが、あえて「お約束」に忠実なことで面白いままでいるというのは、この作品の魅力だと思う。
ドキドキせずに見ていられて、読んだあとすっきりできる話。こういう路線の話はもっと増えてもいいんじゃないかなあ。

「風紀的恋愛の終焉」、これは一話がすごく面白かった。でも、二話・三話で爆発しなかったって感じ。
ただ、これが失速なのかというと、そんなことはないのでは?と思う。いわゆる「溜め」なんじゃないか、と。
しかし、もっと速い展開や、三話までは怒涛の展開を見せたほうが、トーナメントでは有利だったんじゃないかな。
ストーリーは読みやすいし、恋愛ものもほしいなと思うので、応援している。

まとめ。
このトーナメントで、個人的クリティカルヒットは、「映研です!〜8ミリ映画作ってます〜」、刃田部醒児さん。
まさか、お金を出してもいいやと思える作品に出会えるとは思っていなかったので、びびった。
本は、いろいろ読んできたけれど、お金を出して買ってもいいやと思える物語は片手で数えられる。だいたい、図書館で借りて一回読めばいいやっていう感じ。
実は、漫画はゼロだった。これがはじめての一。
この作品に会えただけでもトーナメントの作品を全部読んだかいがあった。
絵の下手さ、ストーリーの下手さとかは、わりとどうでもよくて、みんながんばってるなあと思って、それがよかった。
手作り感があったのがたまらなくよかったので、実は第一回戦が一番楽しかった。
二回戦以降は、良くも悪くも、一定レベル以上というか、とんがった作品は残らないというか、まあみんなで投票したらだいたい平均値に落ち着くよねみたいな結果だったので、確かにみなさんレベルは高し、「すごい!」と思ったのだけど、「楽しい!」という点では第一回戦が一番だったかな。
でも、二回戦以降の作品が悪いというわけじゃ全然なくって、「いや、世の中にはすごい人たちがいるもんだなあ」と思うことしきり。
あまりとんがっていない分、ぼくももちろん楽しめる。安定感あるし、絵もみやすい。
というか、そもそもとんがったものは、ゴッホやセザンヌもそうだけど、なかなか世に出ないし、出たあとも理解されるのに時間がかかるよね。現代人で、モネはきれいだと思うけど、ゴッホやセザンヌのよさがわからないという人はけっこう多いと思う。
(現代美術のよさを知りたい人は、http://supergaigaigigi.blog22.fc2.com/へ。セザンヌのよさを知りたい人は、http://araiken1964.blog124.fc2.com/へ。)
閑話休題。
二回戦以降に残った人たちは、やっぱりレベルが高くて、というか落ちた人の中にもレベルの高い人はいて(なんでこの人落ちてんだ?二回戦枠狭すぎと思うほど)、なんかもう、すっごく贅沢なお祭りだったなあと思う。
もう一回開催されたとして、そこに食いついていけるエネルギーが残っているかはわからないけど、勝ち残れなかったけど「これいいよ!」って人を宣伝したいね。
だって、今回ので思ったけれど、やっぱり「万人受け」するものが勝ち残るもの。これはこれで全然悪くないと思うけれど、ウェブ漫画の良さは、「これはふつうにやっていたら絶対世に出ないだろうな」が見れるところだと思うので、ちょっと残念…ってそもそも裏サンデーは利益ださなきゃならないんだから、それだと困るか。
よかったなって思うのは、来た原稿をほとんど出したこと。あれはよかった。いろんなものが見れた。一生懸命作ったんだなあと思って、見ていていい気持ちになれたし、下手だなとか面白くないなと思っても、それがマイナス評価にならないというか、「でもこの人、これを描きたかったんだよなあ」と思うと、「熱」を感じて、いいなあ!と思ってしまった。
上手・下手・面白い・面白くないは、結局ぼくの審美眼であって、それとは独立に、この作品を描いた人の意志、みたいなものがあって、それはぼくの審美眼とはまったく関係なしに、「いいなあ!」と思うのだ。ぼくがフリーゲームを好きなのも、そういう理由もあるかもしれない。
自分の中にあるものを、創って外に出している人を見るのは幸せだ。それは「美しい」と思う。
みんなお疲れ様、みんなよかったよ!ということを言いたい。本当に、みんなのウェブ漫画が見れてよかった。