翡翠を拾う為の前知識

親不知海岸 (写真 2016/07/22 5:44)

海岸
 翡翠は、「小滝川ヒスイ峡」、「青海川ヒスイ峡」より川を下り海に流れ出ます。
 「小滝川ヒスイ峡」は昭和31年に国の天然記念物に指定され、「青海川ヒスイ峡」は昭和32年に国の天然記念物に指定され、各々の年より発掘が禁止されました。
 また、小滝川(途中で姫川につながる)、姫川、青海川でもヒスイを採取することは禁止されております。
 これにより、翡翠の原石は天然記念物に指定される前に採掘された物が加工できる翡翠として流通しているのが実態です。つまり、有限というところになります。
 最近では、日本国内のジオパークに、2009年8月(洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島の3地域)に認定されました。これにより、今まで盗掘等により川の大切な石を破壊する行為が見過ごされがちでしたが、これを抑止するために市役所の方が巡回するようになりました。
 ヒスイは川から海に流れ出たものだけを拾うことが許されます。つまり、海に潜って拾うか、海岸に打ち上がったものを拾う事が合法ということになります。
 残念なことに、違法に川で採取する人が多いため、川の翡翠が少なくなり海に流れでなくなった事や、親不知に港が作られたり、海にテトラポットが沈められたり...近年では海岸で翡翠を拾うことが非常に難しくなってきました。
 こんな中、最近では翡翠を拾う楽しさを知っていただく為に活動をされているボランティアの方もいらっしゃいます。その方々の気持ちに応えるためにも、ルールを守って糸魚川の魅力を知り、末永く翡翠を拾える環境を維持出来るようにご協力を頂けると幸いです。

翡翠の拾えるエリア

親不知海岸 (写真 2016/07/22 5:44)

海岸
 俗に「ひすい海岸」と言われる海岸で翡翠を拾うことができます。
 場所は富山県の境・宮崎海岸から新潟県の糸魚川海岸までの範囲となります。これは海に流れ出た翡翠が海流に乗って漂着するエリアを表しております。
 夏場には海水浴場として使用されている海岸なので、車を駐車して拾いに行きやすい場所が多いですが、他にも釣り人等も使用しますので、場所によっては駐車スペースが厳しいところもあります。
 また、ラベンダー海岸の駐車スペースで、一見病院のような駐車スペースに見える場所があります(ちょうど、川を挟んでおっちゃんラーメンのある場所)。そこは市営寺地住宅であり、居住者用の駐車スペースとなります。よく間違って停めてしまい、トラブルになる事がありますので、駐車枠には絶対に停めないようにしてください。

どの様な場所で探すのか

宮崎海岸 (写真 2016/07/23 4:52)

海岸
 翡翠と言えば緑色を連想される方が多いと思います。しかし、翡翠は白色(厳密には白色に限りなく近い灰色)となります。
 ヒスイ輝石とは、ナトリウム+アルミニウム+2個のケイ酸分子で構成され、白色以外の色味部分は、オンファンス輝石としてナトリウムがカルシウムに、アルミニウムがマグネシウムや鉄に置き換わることで光の吸収反射が変わり美しい色が見えるのです。
 つまり、基本的には白い石をベースに探すと言っても良いでしょう。
 また、翡翠は割れにくくモース硬度では6.5〜7となります。川を経て海に流れてきた石は角ばった感じの石で、角だけは少し削れた様な形となります。全体的に丸い石は柔らかい石の特徴となり、主に石英となります。
 翡翠は比重(物質の密度を言い、単位体積あたりの質量)が3.2〜3.5と言われております。例えば1辺が10Cmのルービックキューブぐらいの立方体の石があると仮定し、純粋な翡翠輝石の場合は、重さが3200g〜3500gとなります。
 また、翡翠は硬い石であることから海に流れ出るまでに表面が磨かれることで手触りがツルツルとした感じの石が多いです。
 探す翡翠の色味や模様として、宝飾の翡翠をイメージされることと思います。宝飾品は鏡面研磨されているため大変美しく色味や模様がハッキリと見えます。しかし、海岸の石は原石であり、宝飾のように美しく研磨されているわけではありません。しかし、石が濡れると微妙に凸凹した部分に水が入り研磨した様な光沢が現れ、模様や色味が浮き出たように見えます。これによって、研磨された翡翠のように色味や模様を見て探すことが容易になります。
 海岸での探す場所ですが、玉砂利(親指の爪ぐらい)ぐらいの石か、それ以上の大きさの石が打ち上がっている場所で探します。あまり小さな翡翠を見つけても加工もできませんし、翡翠の特徴を見つけるのも困難であるため、鑑定することができない場合が多いです。できるだけ大きな石を見つけられる事が鑑定するのに適した良い石となります。
 これらの特徴を意識し、丁寧に海岸を探索できればきっと拾うことが出来ると思います。
 
【特徴のまとめ】
・翡翠は白い色が基本で、緑(スタンダード)や青、藤、黄、赤、黒、薄灰色が見えることがあります。
・割れにくく硬い石なので、角ばった石を探す(クラックとなるヒビは存在する)。
・比較的重い石である。
・手触りがツルツルとした石が比較的に多い。
・波打ち際の濡れた石で美しい模様や色味のついた石を探す。
・玉砂利または、それ以上の大きさの石が打ち上がる場所で探す。


上達してきたら

糸魚川海岸 (写真 2016/07/24 4:46)

海岸
 翡翠の基本色は白色ですが、色が全体的に溶けたものもあるので、結晶を見て判断します。
 結晶を見るためにはルーペを使用します。倍率は10倍〜20倍で十分なので、ホームセンター等で売っている1000円ぐらいのルーペで十分と思います。
 (ルーペの使い方は虫眼鏡と異なり、目の定位置に固定し、石を前後に動かすことでピントを合わせます。)
 翡翠の結晶は大きく分けて2種類見ることができ、1つは結晶の細かい部分となり粉っぽく見えます。もう1つは線として現れた粗い結晶になります。
 粗い結晶が複数に編み込まれている部分では、結晶が93度で交差して見える場合があります。これが翡翠の結晶の特徴となり、発見できれば翡翠に間違いはないでしょう。
 では、翡翠の色で考えてみると、翡翠の色味は光の吸収反射の違いで発色します。つまり、着色した色味とは異なるため、色の見え方を覚えると間違うことは減りますが、石の結晶が粗い場合は透過度がなくなる傾向にあるので、この場合については、色だけの鑑定では翡翠と特定することはできません。
 上達してきた時の注意点としては、翡翠には100%純粋なヒスイ輝石の塊を拾うことは限りなく困難であり、必ずと言っていい程、他の石が混ざった状態となります。例えば、曹長石や角閃石、蛇紋岩などの石が翡翠に混ざると言うことです。この様な石から翡翠を見極めるためには結晶を見るしかありません。
 翡翠の比重に関しても、他の石が混在することで的確な比重を計測することはできません。
 
【特徴のまとめ】
・翡翠は結晶の特徴で鑑定する。
・純粋な翡翠原石は採れないと考え、比重や色は参考として見る。


透過度について

糸魚川海岸 (写真 2016/07/24 4:44)

海岸
 よく翡翠店やヒスイハンター、ネットオークションの写真掲載など、原石にペンライトを当てて石の透過度を見ることがあります。
 翡翠で言えば透過度が高いと「ロウカン質」と言われることがあり、高価な石に聞こえたりします。
 そもそも「ロウカン」とは、ロウソクの弱い光源でも石が透けて見える事を言います。翡翠を取り扱っているプロの方から「ロウカン」と言われたり、なにやら難しい説明を受けると、その”翡翠=高価”と言う先入観によって全ての翡翠に価値があるように思えることもあります。
 見た目で誰もが実感することから最近ではペンライトで透かすことがよく行われておりますが、ペンライトは光の強さによって石の見え方が異なることに注意をしてください。個人的に透過度を知りたい場合は、普段使用している自分のペンライトで見ることをお勧めします。つまり、光源の強さで見え方が変わるため透過度の判断基準が曖昧になるからです。また、クラックや不純物を見るためには光源の強いペンライトが有効となります。
 光源の強いペンライトでは石がより多く透けて見えるため、クラックが線として見えたり、不純物等の混入が見えたりします。これによって、石の価値が変わることもありますので、見えることで石の価値を知ることも大切だと思います。

【特徴のまとめ】
・ペンライトによって石の透過度を確認する。
・ペンライトによって石のクラックを知る。
・ペンライトによって石の不純物を知る。
・透過度を知るためには、普段使用している自分の見慣れたペンライトで確認する。


最良の石とは

姫川河口近辺 (写真 2016/07/24 5:23)

海岸
 自分の目で見て、手に取り、一番フィーリングの合う石が一番良い石となります。
 ロウカン質でもなく、結晶が細かく比重が高いものでもなく、色味や模様でもありません。
 つまり、高価な石だけが判断基準ではないと言うことです。
 石との出逢いとは、人が石を選ぶのではなく、石が人を選ぶのでもなく、お互いが引き合う関係でなくてはいけません。
 石を”石”として見ている人は最大限のパワーを受け入れていない事になります。石を自分の一部と考える事で限りなくパワーを受けることとなります。
 また、物理的には、翡翠には遠赤外線効果があるので肌に密着するようなブレスレットやチョーカー等で使用すると良いと聞きます。
 貴方にとって最良の石を見つけてみてください。そうすれば貴方だけのベストパワーストーンとなるでしょう。