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明治初期、 伊藤彌助によって、 黒焼専門店・総元祖 「伊藤黒焼店」として創業。
当時は、まだ医療も薬品も充分に体系づけられておらず、人々の健康は、医療機関ばかりではなく、漢方をはじめ様々な民間療法までもが担っている時代でした。
文明開化の幕開けとはいえ、その頃の人々の体力も食事内容も、現代から見ればまことに乏しいものがあり、ことに病中・病後などは、医療の未発達なことと共に国民の経済的事情などとも相まって、病気の治療もさることながら、体力の低下を補うことも難しかったようです。
健康保険や医療制度も確立されていない時代では、病院もあちらこちらにあるわけではなく、今のように気軽に医者にもかかることもできませんでした。そこで、とりあえずは体力をつけて様子を見ることが一般的でありました。
そのような中で、民間伝承によって受け継がれてきた、おもに滋養・強壮を目的とした漢方薬や健康食品が人々の間に浸透していったのも至極当然の成り行きでした。
「黒焼」は価値ある漢方薬および健康食品としての評価を得て、病中・病後の滋養・強壮や体質改善などを求める人々に受け入れられ、飛躍的に普及いたしました。
神田から上野(かつての黒門町)にかけて、そののち数多くの黒焼き店が増え繁盛いたしましたが、保険制度の整備や医療機関の拡充という時代の流れの中で、近年そのほとんどが消え去ってしまいました。
今では「伊藤黒焼店」が、東京で唯一の"黒焼き専門店"として、約130年の伝統を守って今日に至っております。
店主敬白
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